2017年の旅 アイルランド 北アイルランド コッツウォルズ

花花

第11日 7月2日(日)水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程       Belfast B&B --- Ardgillan Castle Victorian Gardens ---
             Dublin Port 〜Ferry〜 Holyhead --- Meadow Rise
今日の走行距離     550 km
今日の万歩計      9,000 歩
今日の出発時気温    15.0 ℃

ベルファスト B&B   Belfast B&B

Belfast B&B Belfast B&B

アイルランド島最後の朝を迎えた。曇り空だが、雨にはならないだろう。悪天候によるフェリーの欠航という事態はなさそうだ。 早々に荷造りを完了し、車に積み込み、出発準備万端整える。
ベルファストの宿選びは正解だった。今朝もモーナの暖かいホスピタリティーを受けた。残念なのはアンドリューが昨日からゴルフに出掛けており、さよならが言えないことだ。 今日もストロベリーとヨーグルト、フルアイリッシュをたっぷりいただく。
請求書を見ると、洗濯代が入っていない。感謝の言葉と共に心ばかりのチップを渡す。再訪を約しておいとまする。

アードギラン城 ビクトリアン・ガーデン   Ardgillan Castle Victorian Gardens

ベルファストからダブリンへのM1沿いのガーデンと言えばアードギラン城より他にない。 M1のイギリスからアイルランドへの国境にはそれを示すものは何も無い。速度制限の交通標識が“km/h”に 変わったことと案内標識がゲール語と英語の二通りになったことも直ぐには気がつかない。イギリスのユーロ離脱後はどうなるのだろう。気になるところだ。
アードギラン城はテイラー 家の住居として1738年に建てられたものだ。1982年にはダブリン州の所有となり、1992年から公園として一般公開されている。 公園は200エーカー(25万坪)という広大なものだからパーキングからガーデンまでが遠い。左足に堪える。公園の広い芝生では若者が短距離走の練習をしている。 フォームがなかなか様になっていて速い。家族連れも大勢見られる。その芝生の向こうに城が見えてきた(写真下左)。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

城の並びに厩舎らしき建物がある。その壁際をボーダーが走る(写真上中・右、下左・中)。厚く高い植栽に圧倒される。 何と伸び伸びと生育したことか。唸るばかりだ。前回より素晴らしい印象を受ける。
上左の写真のイチイに並木に沿って西に進むと城の前に出る。城とはいってもカントリー・ハウスの趣だ(写真下右)。午前の静かな空気に包まれている。 ここのティールームやテラスではアフターヌーン・ティーを楽しむことができるが、今はその時間ではない。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

更に西に進むとローズ・ガーデンがある(写真上、下)。(ガーデンの配置はグーグルの航空写真を参照) 70m四方のほぼ正方形のフォーマルガーデンだ。1865年の地図(Ordnance Survey Map)には既に載っているという。
ロープ&ポスト・フェンス(Rope and Post Fence)で東西2つに仕切ってある。 東側は芝の中にフォーマルなデザインで花床を切り、様々な種類、様々なカラーのバラが植えられている(写真上左)。満開の少し前、一番見頃のところだ。
西側部分には噴水のある大きな円形プールを囲んで、同様な花床が切られバラが咲き誇る(写真上中)。色合いは全体にホットで華やかな植え込みだ。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

ロープ&ポスト・フェンスはポールの間のロープの曲線が優雅に見えて好きだ。陽だまりにも採用したいと思っているが、 このロープにたわわにつるバラを伝わせるのは難しいと思う。ここでもロープを伝うバラはごく一部だけだ(写真上3枚)。 つるバラの性質を良く研究する必要がありそうだ。
ところで2006年の旅の時に見たビクトリアン・コンサバトリー(Victorian Conservatory)が無くなっている。 このコンサバトリーはアイリッシュ・ウイスキーのジェムソン家(Jameson Family)のシーマウント(Seamount)のガーデンに1880年に建設されたもので、 スコットランドにある英国王室のバルモラル城(Balmoral Castle)のコンサバトリーのレプリカと評されている。 それが1990年代にこのローズ・ガーデンに移築されたのだが、老朽化のため2014年に解体され、近い将来に修復、復旧される予定だという。
ここのティールーム(写真下左の煙突の見える建物)は犬の同伴OKなのだ。日本でも流行りのドッグカフェという訳で犬好きのイギリス人で大賑わいしている。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

その北側にビクトリアン・ウォールド・ガーデン(The Victorian Walled Garden)が広がる。東西60m、南北100mという広大なガーデンだ。 それが大きく4つに区分されている。
一番南の部分に石とレンガ造りの平屋の納屋があり、その向かい側にレイズドベッドがある(写真上3枚)。なかなかにビビッドな植栽だ。 その向こう側がトレリス・ガーデン(The Trellis Garden)と名付けられている(写真下左)。中央にサンダイアルを配置して4つに仕切り、 各コーナーに写真上左に見えるよなトレリスを設けて、高さを演出している。
また、この部分の東側半分はフルーツ・ガーデン(The Fruit Garden)だ。ラズベリー、ホワイト&ブラック・カレント、グースベリーなどの果実が整然と並んでいる様は見事だ。 石の壁には扇型に整枝された果樹(Fan-trained Stone Fruit)がお行儀良く伝っている。果樹の根元にフェアリー・ハウスがある(写真下右)。 これはフェアリー・ツリー・トレイル(Fairy Tree Trail)といって珍しい木を探して歩き、木の名前を答えたり、 クイズに答えるツリー・トレイルとフェアリー・ハウスを組み合わせたもので、家族連れなどにより楽しんでもらう企画のようだ。 ウォールド・ガーデンの周囲の森の中に点在しているらしいが、今の私の足では歩き回るのは辛い。泣く泣くパスする。
その北側の部分がアイリッシュ・ガーデンだ(Irish Garden)。アイルランドの固有種やアイルランドで品種改良された植物を植栽している。 例えばヒイラギナンテンの仲間のマホニア・メディア“ウィンターサン”(Mahonia x media "Winter Sun")や チリギンバイカのルマ・アピクラタ“グランリウム・ゴールド”(Luma apiculata "Glanleam Gold")などがそれだ。
このガーデンの北側の壁は20個のアルコーブ(壁の窪み)がある(写真下中)。アルコーブ・ウォール(Alcove Wall)と呼び、窪みに日光の熱を蓄え植物の生育を助けるものだ。 ここではキッチン・ガーデンの本来の目的である梨や桃、ネクタリンなどの果物を育てるために造られたものだ。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

更にその北側の部分がベジタブル・ポタジェ(The Vegetable Potager)だ(写真上左・中)。 フォーマルにデザインされた柘植のヘッジで囲われた花床が整然と並ぶ様は壮観だ。 各花床には様々な野菜が植えられている。イギリスではポタジェとはいえ、さほど装飾的にしないでしっかり収穫も狙っている。
そして一番北側の部分がハーブ・ガーデン(The Herb Garden)だ(写真上右、下3枚)。ベジタブル・ポタジェと同様にデザインされた柘植のヘッジで囲われた 花床に多種類のハーブが植栽されている。ハーブガーデンというと平面的になりがちだが、 ここでは所々に背の高いハーブも植えられていて高さのある香木も配置され、さすがの植栽プランだ。壁際も厚くハーブで覆われている。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

美しい花の写真も載せておこう。

Ardgillan Castle Ardgillan Castle Ardgillan Castle

アイリッシュ・フェリェリー  Irish Ferries

Irish Ferries

さて、ブリテン島に戻る時が来た。アイルランド島は何度来ても好印象だ。また訪れたいものだ。 アイリッシュ・フェリーのラスト・チェックインは14時30分だ。余裕を持って13時にダブリン港のターミナル1に到着。 2階のカフェでサンドウィッチとコーヒーで軽くお腹を満たす(写真右)。
良いお天気でタイムテーブル通り出航できそうだし、今日は揺れないだろう。2015年の旅でスカイ島へのフェリーが荒天のため欠航になった経験を踏まえ ブリテン島で2泊する旅程にしたが、杞憂に終わって何よりだ。
13時40分乗り場に向かうと既に長蛇の列だ。こちらの人は列を作って待つのが好きだ。お陰でフェリーに乗り込んで(写真下左)客室に行ったときには空き席が見当たらない。 大きなテレビの前に席を見つける。ディズニー映画が流れているが、字幕は当然出ない。イヤホーンで音楽を聴きながら見ていたが、いつの間にか眠ってしまった。 フェリー乗船の証拠写真を撮り(写真下中)、往きに求めた缶ケース入りミントを求め、洗面所で顔を洗い、この後のロングドライブに備える。

Irish Ferries Irish Ferries Irish Ferries

ホーリーヘッドには予定通り16時30分に着いたが、下船に20分掛かる。ホーリーヘッドから今宵のB&Bまでは、 AAのロードプランナー によれば370km、4時間と出ている。ノンストップで駆け抜ける予定だ。B&Bには20時45分到着予定と連絡する。
A55は“ノース・ウェールズ・エクスプレスウェイ”と名付けられている通り快適な高速ドライブが始まる。青空に白い雲が美しい。前方に昨年訪れたウェールズの山々も見える(写真上右)。 ホーリー島からアングルシー島までは順調だったが、ブリテン島に渡った辺りから渋滞が始まった。これが延々と続く渋滞だ。イギリスのカントリーサイドで滅多に渋滞はない。 17年の経験で最も激しい渋滞だ。よりによって左膝と足首を傷めたばかりのこの時に当たってしまったのだ。マニュアル車だからのろのろ運転でのクラッチ操作は堪える。 緊急車両がサイレンを鳴らして追い越していく。
2時間はのろのろ運転が続いただろうか、ようやく渋滞が解消しM6に入ったところで20時を回った。さすがにノンストップは無理だ。 サービスエリアでトイレ休憩を取る。B&Bに到着が1時間遅れる旨連絡すると、「その時間では夕食ができる場所はないから済ませてくるように」とのことだ。 サービスエリアにはスターバックス、バーガーキング、ケンタッキーフライドチキン程度しかない。もちろんアルコールは置いていない。 ケンタッキーに入る。何十年ぶりだろうか記憶に薄い。サービス・ボックスの“ダディー・セット”なるもの1つで十分足りそうだ。コーヒーと共にいただく。
遅れを取り戻すべくすっ飛ばしたが、B&B着は21時50分になっていた。ホステスが盛んに労をねぎらってくれる。 一通りの説明を受け、明日の朝食を8時と決め、荷物を運び込んだら、ベッドに倒れ込んでブッシュミルズを楽しむ。 550km、7時間余りのドライブに耐えた膝と足首に湿布を貼りいたわる。

写真満載の旅行記をご覧ください

行 程 表
に 戻 る
6月22日
旅 行 記
6月23日
旅 行 記
6月24日
旅 行 記
6月25日
旅 行 記
6月26日
旅 行 記
6月27日
旅 行 記

6月28日
旅 行 記
6月29日
旅 行 記
6月30日
旅 行 記
7月1日
旅 行 記
7月3日
旅 行 記
7月4日
旅 行 記

ご意見・ご感想・ご質問などご遠慮なくお寄せください。

book

home

花花