スコットニー城 Scotney Castle
スコットニー城は”世界で最もロマンティックな城”と謳われ、ナショナル・トラストでも常に入場者ランク上位を占めるプロパティーだ。
ここにはオールドとニューの2つの城がある。オールドは14世紀の城で濠に囲まれた長方形の4隅に円形塔(Circular Towers)を持つ城だったが、
16世紀には南の塔のみを残すだけになっていた。幾多の手を経て1778年にエドワード・ハッシー(Edward Hussey)が所有者となる。
エドワードは1835年から新しいハウスをオールドキャッスルを見下ろす高台に建築する。これがニューキャッスルだ(写真下左2枚)。
1970年に末裔のクリストファー ・ハッシー(Christopher Hussey)が亡くなり、エステートとガーデンがナショナル・トラストに寄贈され、
その後もハウスには夫人のベティ(Mrs Betty)が住まわれていたが、2006年に亡くなられハウスも寄贈され、2007年より一般公開されている。
ハウスの片隅に三日月形の見晴台があり、そこからのオールドカッスルの眺めが素晴らしい。シャクナゲやツツジ、カルミアなどが咲き乱れ
うねるように重なり合う斜面の遥か下に円形のタワーがロマンチックだ(写真下右2枚)。
見晴台の脇に小さなガーデンがありバラやハーブ、石楠花などが見事に咲いている(写真下左)。ベンチで芳香を楽しむ。
緩やかなスロープをゆっくり下っていく。子供連れファミリーや犬を連れたカップルなどが和やかにエバーグリーンの芝の上でピクニックをしている。
歩く毎に景色が変わっていく。3度の訪問がいずれも6月なのだが、今回が最高の美しさだ。石楠花の大きさには驚かされる(写真下中2枚)。
下り切って濠に突き当たる。橋の手前の濠の水に映る円形塔の姿がまたロマンチックだ(写真下右)。
橋を渡ると城の前庭で円形のハーブ・ガーデンになっている。様々なハーブがこれまた満開で芳香が漂う(写真下左)。心弾む光景だ。
廃墟の壁を覆う白藤が風に揺られ手招く。招かれるままに白藤のアーチを潜って裏に回る。藤がクライミングする廃墟の壁は元は
"Gatehouse"だったもので、新しいハウスが出来る1836年までは使われていたのだ(写真下右3枚)。しかし、エドワードはランドスケープ・ガーデンの
フォーカルポイントとすべくGatehouseを半分崩壊してしまったのだ。そして、この廃墟の城と濠の水、丘の木々が織り成す文字通り絵のような
ピクチャレスク・ガーデンをデザインしたのだ。なんとも剛毅なエピソードが好きだ。
前庭に戻り白藤をバックに写真を撮っていると「お撮りしましょう」と声が掛かる。ありがたくお願いしたが、例によりほめられた構図ではない。
素晴らしい藤をバックに入れて欲しかったのだが・・・。
ハーブ・ガーデンの脇のベンチで陽光を浴びながら一休みする。藤の香りも混ざって何とも至極なひと時だ。
西の円塔の廃墟が素晴らしいフレームとなり良い写真が撮れたと自画自賛(写真下右から2枚目)。
帰りは花木の間に見えかくれするハウスを見上げながらの散策となる。
カフェテリアでアイスクリームを楽しみながら後の予定を考える。2つのナショナル・トラストでのんびりしたので時間が押している。
リストアップしたガーデンを1つスキップすることにする。
Address | Lamberhurst, Tunbridge Wells TN3 8JN |
Telephone | 01892 893820 |
Web Site | Scotney Castle |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。