なぜイギリス ?

花花

菊

なぜイギリスにはまってしまったのか?「花」が私とイギリスのキューピッドなのだ。 話せば長い話になるが聞いていただこう。

元来、園芸好きではあった。若い頃には時間もないくせに菊作りなどに手を染めた。 駐車場は50鉢もの3本仕立ての大菊で埋まり、愛車は有料駐車場へ、 平日の水遣りは妻任せで文句はしっかり言わせてもらう。1週間の出張(これが毎週毎週9年間) から夜中に帰宅し、家にも入らず車のヘッドライトを照明に手入れを始める始末。
「子供の顔より菊の顔?」と妻は言う。子供たちは「お父さんの大切なお菊ちゃん」と言う。 消毒を吸い込み中毒で一晩中七転八倒、救急車のお世話になる寸前なんてこともあった。
苦節7年、なんとか、お得意様に配れる程度の作品を作れるようにはなった。

ところが、東京に転勤となり、50鉢を引越し荷物に加え会社から苦情を頂戴した。 東京の猫の額ほどの庭は、日当たり・風通しとも最悪で全滅の憂き目に遭った。 その後、仕事はますます忙しくなり、休日は子供のサッカーチームのコーチなどでつぶれた。 花とは縁遠くなった。

ボタン

津市に転勤になった。単身赴任である。仕事は忙しいものの休日が全部潰れるわけでもない。 炊事・洗濯・掃除は平日からマメにやった。休日が暇になる。
そんな折、本屋で「奈良 花の寺」という本を見つけた。 寺院の建物と四季の花々が良くマッチした美しい写真に魅了される。 やっぱり花は良い。幸い津市から奈良は近い。近鉄に乗れば90分後には奈良公園の真只中だ。 そして、2週間ごとに訪れる妻とともに寺院詣でが始まった。
訪ね歩くうち、花の魅力に加え各地の美味い店・美味いものにつられて三重県の花の名所も含め歩き回った。 ゴールデン・ウィークに発売される近鉄電車の「3日間乗り放題切符」で連日奈良往復もした。 4年間で掲載されたお寺は全て網羅した。

名古屋市に転勤になった。愛知県・岐阜県・滋賀県更には、「京都 花の寺」なる本も入手、範囲は広がった。 ハウステンボスと富山砺波のチューリップを含め、津・名古屋通算7年で訪ねた花名所は150箇所に達した。 同じ寺を年に何度も訪ねたり、毎年訪れた名所も多いから延べにしたらどれほどだろうか。


ハウステンボス

東京に戻っても狂気はまだまだ続く。関東甲信越・東北・北海道と攻めた。
とうとう海外へとエスカレート。ロマンティック街道・スイス・パリ、イタリア縦断10都市などという 殺人的スケジュールのツアーに参加した。
そして見つけたのが、コッツウォルズ・ホームステイ&ヴィレッジホッピングなるツアーである。
ここで目からうろこが落ちた。ガーデンも街並みも美しいが、民家のプライベート・ガーデンの美しさに打たれた。 「花は育てるものだ」・・・と原点に戻った。

東京の我が家の猫の額は、日当たり・風通しともに最悪は分かっていること、 ここで諸々試行錯誤しつつ花作り・ガーデン作り。 思うように行かないストレス発散にもう一度イギリスへ行こう。 目の保養をしよう。センスを研こう。なんか盗んでこよう。
そこで調べた。ガーデンはたくさんあるがそこを訪ねるツアーはない。じゃあ個人旅行だ。 足は?なんだ、日本と同じ左側通行だよ。レンタカーでいけるよ。
宿は? B&B (ベッド&ブレックファスト)・カントリーハウス・マナーハウス?面白そうじゃん。 ということで、カントリーサイド・ガーデン巡り・ドライブ旅行を企画した。
そして、はまった。諸々の形態のガーデンに。花々と自然の美しさに。ナショナルトラストの精神に。 イギリス人の人情に。ドライブの快適さに。パブの楽しさに。ショッピングに。エトセトラ etc.・・・。 肌に合っているようだ・・・。
長い話だった フー。    【T】

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