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”Topic” 乾燥と湿度 Dry & Humidity

イギリスは乾燥している。が、湿度は高い。矛盾しているようであるが、驚いたことに事実なのだ。
(あくまでも5〜7月のイギリスしか知らない私の感じるところだが…。)

humid

JAL天気情報の「気象の特性」で ロンドンと日本の各地との比較をしていただくと納得いただけるだろう(右上図はロンドンと東京の湿度の比較)。 6〜8月の夏期で同程度の湿度で、その他の季節は日本の方が低い湿度なのだ。
では何故乾燥しているのだろう。難しいことは言えないが、通常いわれる湿度は相対湿度といって気温と関連しているのだ。 空気中の水蒸気(絶対湿度)が同じでも気温により(相対)湿度は異なるのだ。気温が高ければ(相対)湿度は低く、 気温が低ければ(相対)湿度は高く示されるのだ。すなわち、湿度は同じでも乾燥しているということだ。
右下図はロンドンと東京の気温の比較だが、夏期はおよそ10度の差がある。そして、(相対)湿度が同じなのだから湿気 (絶対湿度)は半分くらいになるようだ。(反対に冬はかなり湿気を感じることだろう。)
最近不快指数という言葉を聞かなくなったが、気温と湿度により不快度を表したこの指数と同じような感覚かもしれない。

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理屈は抜きにして、イギリスを知る大半の方が湿度が低くて過ごし易いという。乾燥していて肌や喉が痛められるという。 乾燥しているから洗濯物が乾くという。「湿気を感じない空気」と言う人もいる。私もその通りと体感している。
今年の旅も好天に恵まれ炎天下では汗ばむほどに暑い日が多い。しかし、一歩木陰に入ればひんやりと涼しさを感じる。 汗も直ぐに乾き爽やかである。
洗濯物も乾きが早い。下着類などシャワーを浴びたついでに洗ってバスルームに吊るしておけば、朝にはほぼ乾いている。 渇きが足りなければ、昼間はクロゼットに吊るしておけばOKだ。イギリス人が少々の雨では傘を差さない理由の一つは、 濡れてもすぐ乾くことだろう。イギリスではバスルームが全面絨毯敷きというのも珍しくない。 01年に泊まったShortgate Manor Farmでは、ふかふかの絨毯の上に帆立貝の形をしたゆったりとしたバスタブが置いてあった。 少々水がこぼれても直ぐに乾くし、気温が低いのでカビの心配はないのだろう。
乾燥を一番感じるのは肌や喉だろう。ガーデニングも料理もしないから水を使わないのに手は荒れる。ハンドクリームは 必需品だ。硬水であることも肌を痛める一因らしい。化粧水の前に軟水のエビアンのひと吹きが効果的とどこかの スチュワーデスさんのエッセーにあった。睡眠中も喉の渇きが激しいように感じる。枕元にミネラルウォーターを欠かせない。
そしてもう一つ、唇の渇きだ。リップクリームも必携品なのだが、今年の場合長期なのでとうとう割れてきた。
乾燥した気候も功罪相半ばだ。


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