2016年の旅 ウェールズ

花花

第2日 6月18日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程        Holiday Inn Express Bristol North --- Tintern Abbey --- Dewstow Gardens and Grottoes ---
                 Mountain View Ranch --- The Pant --- Ty Boda --- Dexby Townhouse
今日の走行距離     240 km
今日の万歩計       24,300 歩
今日の出発時気温    15.0 ℃

ホリデー・イン・エクスプレス・ブリストル・ノース  Holiday Inn Express Bristol North

Holiday Inn Holiday Inn

7時、ぐっすり快眠して快い目覚めだ。天気は快晴だが、爽やかというより冷涼といった感じの朝だ。 長旅の疲れも考慮し、今日のスタートは遅めに設定していたが時間が余りそうだ。7時30分、パッキングをしてスーツケースを車に積み込みに1階へ降りる。
1階のビュッフェでは既に朝食がスタートしている。荷物を積み込んだその足でビュッフェに立ち寄る。 今回のホリデー・インの宿泊プランはキャンセル不可の超リーズナブルな£61.2のセットだが、 "Breakfast included"だ。この値段でこのブレックファストなら文句なしだ。味も文句なし。特にグレープフルーツとヨーグルトは最高だ。
部屋に戻り一休み。最初に訪問予定のガーデンのオープンは10時だ。1時間以上の余裕がある。予定していなかったティンターン修道院(Tintern Abbey)を 経由するよう予定変更する。

ティンターン修道院  Tintern Abbey

Tintern Abbey Tintern Abbey Tintern Abbey

Tintern Abbey

ティンターン修道院は1131年に チェプストウ城の領主だったウォルター・ド・クレアによって設立されたウェールズで最初のシトー派の修道院だ。 1538年にヘンリー8世の命令で解散させられるまで400年にわたって増改築されてきたが、現在残っている廃墟は13世紀末の大掛かりな改修された時のものだという。
全盛期には修道士の他に農作業や建物の修復作業等に従事するレイ・ブラザーズ(Llay brothers)と呼ばれた労働者を含め総勢500人が厳格な戒律を守りながら365日、 祈りと労働の日々を送っており、その資産は莫大なものであったという。しかし、1349年のペストの流行で衰退してしまったようだ。
イギリスでは修道院解散令以降、荒廃してしまった修道院が18世紀になって見直され、観光のブームとなったようだ。 そんな中、1793年と98年にティンターン修道院を訪れた詩人ワーズワースは 「ティンターン修道院上流数マイルの地で」という詩を残している。
同時期には画家ジョセフ・ターナーも訪れ幾つかの水彩画を残している。
9時に到着した。まだオープン前の修道院は朝の湿った空気と静けさに包まれていた。ゴシック建築独特のアーチ型の窓が優美な曲線を描いている。 翻訳家・長井那智子さんはこの廃墟を「美しきものの亡骸(なきがら)は命ある時よりも更に美しい」と表現している。美しい表現だ。
幾つかの方角から美しい廃墟を撮影し、脇を流れるワイ川(River Wye 写真下)の河畔を上流に歩くとティンターン村に入る。 レストランとクラフト・ショップのアベー・ミル(Abbey Mill)は良い雰囲気の店だが、まだ開店前だ(写真下中)。 その向かいはロイヤル・ジョージ・ホテル(Royal George Hotel)だ(写真下右)。こちらもいい感じだ。村を一巡りし次に向かう。

Tintern Abbey Tintern Abbey Tintern Abbey

デューズタウ・ガーデンズと洞窟  Dewstow Gardens and Grottoes

デューズタウ・ガーデンズと洞窟の情報を見つけた時には少々興奮した。 “地下ガーデン(Underground Gardens)”というから興味津々、好奇心をくすぐられることこの上ない。今年の第1号の訪問地とした所以だ。
ヘンリー・オークレー(Henry Oakley)はグレート・ウェスタン鉄道(Great Western Railway)の重役で財をなした人物で変わり者であったようだ。 1893年にデューズタウ・エステートを手に入れ移り住んできた彼はシダ(Ferns)とトロピカル植物(Rropicai Plants)に興味があり、 "Magical and Wondrous Place"を造って人を驚かせたいと思ったのだ。
そして、代々の風景庭園造園家(Landscape Gardeners)であったジェームス・パラム親子(James Pulham & Sons)に造園を依頼したのだ。 パラム親子は"Rock Gardens"、"Ponds"、"Water features"、"Ornamental areas"、"Tropical Glass Houses"などを含むランドスケープ・ガーデンを造成したが、 ヘンリー・オークレーは「これではユニークでない」として地下洞窟のガーデンを造らせたのだ。
しかし、ヘンリーは1940年に亡くなり、子供がいなかったことから、ガーデンは荒廃し、牧草地として第二次世界大戦後に地下に埋まってしまったのだ。 2000年にこの土地を手に入れたハリス家(Harris Family)が地下洞窟を発見し、大規模な回復工事をしたのだ。地下からは 数千トンの土が掘り出されたという。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

エントランスから洞窟への入口までの径路がメルフェンチックな雰囲気だ。大きなカタツムリのトピアリー(写真上左)がボーダーの中に現れたり、 大きな色鮮やかなハンギング・バスケット(写真上中)が掛かっていたり、木の幹には蝶々やてんとう虫のオーナメントが飾られている(写真上右)。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

生垣の向こうにはお洒落な装飾がなされた石の壁をバラがクライミングする姿が見える(写真上左)。期待でワクワクしてくる。
崩れかけた石のアーチ門(写真上中)を潜るとゴツゴツとした岩に切り株などが混ざった"Stumpery"と呼ぶエリアになる(写真下左)。 シダなどが生えやすいように工夫されているのだ。ここでも切り株に蝶々や様々な昆虫のオーナメントが見られる(写真上右)。 クリスマスローズもまだ色目を失っていないのにも驚く。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

いよいよ洞窟に入る。本当に地下に潜るのだ。通路は照明もなくかなり暗い。先の光を頼りにそろそろと進むと開けた区域に出る。 天井に明かり採りがあるので明るい。"Fern and Tufa Grottoes"と名付けられた洞窟ガーデンだ。名前の通りシダがたくさん植栽されている(写真上中・右)。 石灰華(Tufa)と呼ばれる石が多孔質で凸凹しているので人の顔(Faced Stone)に見えたりして不気味でもある。
暗い通路を奥に進むと"Old Tropical House"という屋根のある地上のガーデンに出る(写真下左)。トロピカルな植物とシダの植栽だ、 石灰華にシダが生え、つる性植物が絡んでいる。ハウスの南側にロック・ガーデン(Rock Garden)が見える(写真下中)。
暗い通路を少し戻って、南に分岐する通路を行く。所々に明り採りがあり、その光が足元の岩に溜まった地下水に反射して幻想的だ。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

Tintern Abbey

次の洞窟は"Lion Grotto"と名付けられている。両サイドが欄干のついたテラスになっていて、その1段下に池があり、周りを石灰華の岩で囲った洞窟だ。
どうやらここがハイライトのようだ。テラスのコンテナには艶やかな球根ベゴニアとフクシアが溢れている(写真上右・下右)。トロピカル植物も沢山植えられている。 テラスの壁の上部にライオンの像が鎮座していた。この洞窟の名前の所以だろうが、なぜライオンなんだ?  これが金持ちのお遊び心のフォリー(Folly)というものなのだろう。
池には小さいが噴水があり、緋鯉が泳いでいる。周りの岩は鍾乳洞をもしているようだ。天井から吊り下がる鍾乳石や、石柱がある。 岩はつる性植物で覆われ、フクシアや蘭などの花が煌びやかな彩りを添えている(写真右、下3枚)。
ヘンリー・オークレーの目指した"Magical and Wondrous Place"がここにある。まさにパラダイスと言っていいだろう。この発想には心底感動させられた。
また、これを成し遂げたガーデナーのパラム親子にも敬意を表そう。想像を超えたガーデンだ。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

暗がりのトンネルを南に進むとデューズタウ・ハウスの脇に出た。白亜のハウスはコラムに支えられたバルコニーがとても瀟洒だ(写真下中)。 バルコニーから下がったハンギング・バスケットとテラスに置かれたコンテナの植栽が統一されていて、白いバックに映える。
ハウスの東の一角にアイランド・ガーデンがあり小さな噴水だが、湧き出る水が豊かだ(写真下右)。 ハウスの西面はボーダーになっている。壁にはアイビーが伝い、背丈が良くコントロールされたバラが咲き誇っている(写真下左)。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

ハウスの西側(洞窟ガーデンの南側)にクロケー・ローン(Croquet Kawn イギリス発祥のスポーツでゲートボールの原型)が広がる(写真上左・中、下左・中)。 その周囲が1段高いテラス状になっていて壁際にボーダーが走る。この壁が外から見えたもので何とも洒落たデザインだ(写真下左)。イタリアンな雰囲気がする。 2つの角にはニッチが切られ、素敵なコンテナの寄せ植えが置かれている(写真上中)。テラスへの小さな階段もメルヘンチックな装飾だ(写真下中)。 門柱の上にユーモラスなとぼけた顔の像(写真上右)が置かれている門を潜ると、先ほどオールド・トロピカル・ハウスから見たロック・ガーデンに入る(写真下右)。 植栽の生育が良く、岩を隠してロック・ガーデンの雰囲気はしない。中央に大きな池があり、ウォーター・ガーデンの趣がする。 中央上の建物がオールド・トロピカル・ハウスだ。この下をトンネルが通っているのだ。水と岩が豊富なガーデンだ。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

ハウスの南面にランドスケープ・ガーデンが展開する。ランドスケープ・ガーデンとしては小振りだが、ユニークな試みもある。 芝生の中を行く経路もあるのだが、ここでも"Park Tunnel"と名付けたトンネルを行くことができるのだ(写真下左)。 長さは50mもないのだろうが、暗がりの中を歩くと長く感じる。
地上に出たところに"Square Garden"がある。その名の通り方形のフォーマル・ガーデンだ(写真下中・右)。 真ん中に小さなスイレンの池があり、それを菱形に囲み、更にその外を方形に囲うデザインだ。 石の囲いあり、生垣の囲いあり、芝生敷きあり、スレート敷きあり、大理石のコンテナあり、木製のベンチ有りと多彩な顔ぶれだ。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

経路に従って散策を続ける。スクエアー・ガーデンの池以外にも5つの池がある。最初は"Duck Pond"だ(写真上中)。 中央に噴水がある。今はDuckは不在のようだ。 2つ目は"Old Swimming Pool"となってい(写真上右)。昔はここで泳いだのだろうか? もう一つは"Lily Pond"だ(写真下左)。 睡蓮が所々に浮かんでいる。全体に藻が異常に繁殖しているようだ。やはりガーデンには水のある風景が似合う。
池の畔の樹木の多彩さも見るべきものがある。樹高、樹形、葉色、葉形などの組み合わせの妙が感じられる。
"Lily Pond"に架かる木製の太鼓橋は藤蔓が絡んでその美しい姿が見えなくなっている(写真下中)。もったいない気がする。
アイランド・ガーデンのフクシアは木になって咲き誇っている(写真下右)。日本の気候ではここまでにはなかなか育たない。垂涎。
帰りは洞窟を逆さに進んでもう一度ライオン洞窟を満喫する。期待以上のガーデンだった。幸先良しだ。

Dewstow Gardens Dewstow Gardens Dewstow Gardens

マウンテン・ヴュー・ランチ(セグウェイ)  Mountain View Ranch(Segway)

昨年の旅でセグウェイを経験してから、すっかりセグウェイファンになってしまった。日本ではまだ普及していない。 今年の旅が待ち通しかった。ということで、カーディフ近郊のアクティビティー・センターをリサーチし、 マウンテン・ヴュー・ランチにやってきた。
チケットはネットで予約してある。"50 Minute Segway Trek"というツアーだ。エントランスでネットの写しを見せ入場する。 パンフレットの地図を頼りにセグウェイの受付に到着したが、留守だ。 隣の"High Ropes"というアトラクションの係員に訊ねると 「今ツアーに出ているから戻るまで待て」とのことだ。ハイ・ロープに歓声をあげる子供達を見ながら待つこと暫し、 若い女性3人組のツアーが戻ってきた。インストラクターも若い女の子だった。

Tintern Abbey

インストラクターにネットの写しを見せると「このチケットは一人分だから、エントランスでもう一人分払ってきてください」と言う。 29ポンドで二人分のツアーは安いと思っていたが、まさか一人分のチケットとは思わなかった。 エントランスに戻って一人分のチケットを買う。25ポンドだ。ネットでは29ポンドで当日券は25ポンドでは割が合わない。 (帰国後調べると4ポンドは入場料なのだ。ということは一人分の入場料は払っていないことになる)
セグウェイに乗るには制限がある。年齢8歳以上、身長120cm以上、体重7ストーン(44kg)などだ。 実は妻は体重が大分足りないのだが、お咎めはなかった
操縦の基本動作を教えられる。この指導でレベルを試しているのだろう。短時間で終了しツアーに出発だ。 このアクティビティー・センター内の様々なアトラクションを回って歩く。写真下左の行く先に見えるのは"Indian Village"(上述地図の2)だ。 "3 Bears Pods"(上述地図の3)で一休み。インストラクターと記念写真(写真下中)。後ろのオーナメントは生きた柳の木を篭状に編んだものだ。 先を行く二人を片手運転しながら撮影しているのをインストラクターに見つかってしまう。 "View Point"(上述地図の4)に着いたところで「写真は止まった時に撮りましょう」とチクリ釘を刺された。
園路を進んでいくと沢山の子供たちが手を振ってくれる。陽は射していないが、暑くもなく寒くもなく絶好のセグウェイ日和だ。

Mountain View Ranch Mountain View Ranch Mountain View Ranch

ザ・パント  The Pant

今年の旅もオープン・ガーデンを幾つか訪ねたいと、ナショナル・ガーデン・スキム(National Garden Scheme NGS)のホームページの "Find a garden"を利用して、17日から29日にウェールズでオープンしているガーデンをリサーチすると75軒がヒットした。 この内66軒は18、19、25、26の土・日の1日か2日のオープンだから訪問できる日は限られてしまう。 更に日程と所在地を兼ね合わせると12軒が残っただけだ。予め予約すれば見せてくれるガーデンもあるが、今回は時間がない。
個人のガーデンの情報は少ない。NGSの情報は良いことしか書いていないのでその行間を独断と偏見で読み取ったり、 数少ない写真から想像を膨らませたり、グーグルの航空写真でその大きさやデザインを感じ取って、勝手に優先順位を付ける。 優先順位“◎”が4軒、その内の1軒がザ・パントだ。何としても訪ねねばならぬ。

The Pant The Pant The Pant

大きなお屋敷だ。25エーカー(約3万坪、東京ドーム2個分)の広さだという。広い駐車場には車が一杯で人気のほどが分かる。
大きな納屋の前でボランティアが受付をしている。イギリスのオープン・ガーデンでは多くのボランティアが活躍している。 友人やガーデナー仲間がボランティアをすることでチャリティーに貢献しようというわけだ。入場料は二人で12ポンド、安くはない。
ブレコン・ビーコンズ国立公園(Brecon Beacons National Park)の東側、イングランドとの境界に近いブラック・マウンテンズ(Black Mountains)の 一角に位置するだけにかなりの傾斜の斜面に造られたガーデンだ。
ハウス周りの石垣が重厚感を漂わせる中、そこここに置かれたオーナメントやアイテムが微笑ましく和みをくれる。
写真上 ; 石垣の上の牛の像  ブリキの如雨露と陶器のコンテナ  池の周りには詩のプレートや様々なアイテム
写真下 ; コンテナとファーニチャー(石板の隙間のエリゲロンが可愛い)  ベンチ(右上にはアイアン製アイテム)  石垣に女神像

The Pant The Pant The Pant

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ハウスを別角度から(写真上左)、裏口から生活が垣間見えそうだが、覗きは厳禁。裏庭の芝のテラスにブランコベンチがある(写真上中)。 テラスから見下ろすウォールド・ガーデンはフォーマルなデザインだ(写真上右)。全てが見事にコントロールされている。
黄色いバラと紫のクレマチスが見事にコラボした石のアーチ門(写真下左)を潜ると白いつるバラに覆われたハウスが現れる(写真下中)。 この辺りでは興奮状態を超えて狂乱状態に陥ってしまう。 このガーデンはジェレミー・スイフト(Jeremy Swift)氏と奥さんのカミラ(Camilla)が管理されている。ガーデナーのポリシーがしっかり見える。
このハウスの裏は更に一段高いテラスがあり、キャットミントの植え込みでボーダーされている(写真下右)。 ハウスの周囲には潅木のコンテナが無数に置かれている。

The Pant The Pant The Pant

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白いつるバラの覆われたハウスの東側に芝の敷かれたテラスがある(写真上左)。ティータイムを楽しんだり、 クロッケーに興じたりするのだろう。北側上の段のテラスの生垣も気持ちよくカットされている。
上のテラスには3段になっていて、その中央を水路が走るウォーター・ガーデンだ。イスラミック・ガーデン(Islamic garden)と名付けられている。 どこがイスラミックなのかは分からないが、ジェレミー氏は民俗学者で各民族の文化を象徴するガーデンをデザインしているらしい。
イスラミック・ガーデンの上を通る経路を通ってウッドランド・ガーデンに入る。斜面の樹木にツリー・ハウスが建てられている(写真上右)。 テラスからの見晴らしが素晴らしい(写真下左)。テラスから吊り橋を渡り樹上の見晴らし台に渡れる(写真下中)。
さらに森の小道を東に進む。森の斜面に立派な壺が置かれている(写真下右)。こういったフォーカルポイントがあるとガーデンの品格が増す。

The Pant The Pant The Pant

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経路の斜面下方の木に大きな木製フレームがある(写真上左)。フレームを額に見立てて景色を楽しんでもらう工夫だ。 下の池に睡蓮でも咲いていればより美しい眺望になっただろう。
入口の両側に男性の胸像が置かれたガーデンが現れた(写真上中)。門衛の役割かも知れない。その奥は3段の円形テラスがあり、 女性の胸像が幾つも並んでいる(写真上右)。少々不気味な雰囲気を感じる。 NGSの案内にグリーン・シアター(Green Theatre)があると出ているから、それかも知れない。
奥行きの深いガーデンだ。次に現れたのは大きな石の亀(Large Dry Stone Turtle)だ(写真下左)。 苔むしていて最初はなにか分からなかった。頭を見つけて亀とわかった。これもフォリー(Folly)の一つだろう。

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"Cwm Dych"の看板が立っていた(写真上中)。"Cwm"はウェールズ後で“谷”の意味だという。 その先には石垣の中に奇妙に像を組み込んだエリアがあった(写真上右・下左)。ここも解釈不能だが楽しいガーデンだ。
今度は経路の山側に高い木の柱の上に大理石(?)製の壺が乗ったモニュメントだ(写真下中)。 地震のない国だからいいようなものの日本ではとても真似できない代物だ。次は森の木々の間を鳥が飛んでいるモニュメントだ(写真下右)。 1本の木から切り出した鳥のアイテムを横に張ったワイヤーに留めてあるのだ。ここだけ風が吹いているように感じられる。 ジェレミー氏の豊かな発想に敬意。

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ハウスの下のテラスの東端にコテージがある(写真下左)。家の周りを草花が囲み、壁はつる性植物が伝い、屋根もセダムで覆われている。良い感じだ。 コテージの南側に小さなノットガーデンがある(写真下中)。小ぢんまりしているがなかなかの風格をたたえている。
上のテラスの土手の石垣には棚が切られている(写真下左)。ナイスアイディアだ。手前のプリムラも旺盛な生育を見せる。

The Pant The Pant The Pant

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コテージの西側が先ほどハウスから見下ろしたウォールド・ガーデンだ(写真上下6枚)。壁は低く開放感がある。 中央に池を配し、周りに4つの柘植でヘッジされたボックスが囲む。そのヘッジの形が複雑で素晴らしいデザインだ。 ボックスの中にそれぞれデザインの異なる少年像が立っている。
植栽もボックスごとに異なり華やかで多彩だ。ここが本日のハイライトだ。ビジターも大勢集まり渋滞をきたす。

The Pant The Pant The Pant

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ウォールド・ガーデンから見上げるハウスも厚い緑に包まれ素敵な雰囲気だ(写真上左)。一番下の緑地にテントを張りティー・サービスをしている。 イギリスのオープン・ガーデンはどんなに小さなところでもお茶の準備がある。イギリス人の生活にとってお茶は切り離せないものだし、 ましてやガーデンとあれば尚更のことなのだ。ケーキなどはボランティアが手作りし、サービスもボランティアがしている。 もちろんティーもケーキも有料で、その収益はチャリティーされる。
隣のテントではプランツ・セールが行われている(写真上右)。自前の苗を格安で販売してくれるのだ。1株2ポンド、許されるなら持ち帰りたい(写真下左)。
片隅に薪が積み上げてある。積み方がお洒落で美しい(写真下中)。もちろん機能性も高いのだろう。イギリスのカントリーサイドでは暖炉は今でも普通に使われているのだ。  写真下右はウッドランド・ガーデンのハニサックル。

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タイ・ボダ  Ty Boda

ザ・パントから南に下ること15km余り、ブレコン・ビーコンズ国立公園の南端辺りの山中に今日オープンのもう一つのガーデンがある。 それがタイ・ボダだ。ここの情報はNGS以外には皆無だ。所在地さえポスドコードで示された場所は木製品のクラフト工場だ。 そんな時には頼りのグーグル地図の航空写真で辺り一帯をリサーチしてガーデンのある家を探すのだ。 ポスドコードで示された場所の北方500m辺りにそれらしき家を見つけ、ナビ子ちゃんにインプットした。 お陰で迷わず到着。パーキングからだと裏木戸からの入場だ。日本人の闖入に受付の人も好奇の目だが、大歓迎をしてくれた。入場料は二人で10ポンドだ。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

入って直ぐの一番低い場所に池がある(写真上左)。大自然の中、野生の生物や鳥や昆虫が集まる場所なのだろう。魚の姿も見える。 イギリスのガーデンでは必ず水のある風景が取り入れられている。写真下中の噴水(水くみ場)もその一つだ。
NGSの案内では“4エーカーのヒルサイド・ガーデン”とある通り、山懐のなだらかな丘の北向きの斜面を利用したガーデンだ。
斜面の一番下にハウスがある。ハウス周りの植栽は厚く濃い。ガーデン・ファーニチャーやオーナメントにも心配りしている(写真上下)。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

ハウスの南面は日当たりが良いからだろう、バラや藤が旺盛にクライミングしている(写真下左・中)。 リビングとテラスでお茶のサービスが行われている(写真下右)。テラスは藤棚で覆われ涼しげだ。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

その上の段に一味違った大きなポタジェが展開する(写真上下)。全体をフェンスで囲い、フェンスにはバラやクレマチスを絡めている。
中は木材で仕切った床がデザインされて配置してある。ハーブや野菜も植えられているが、多くは観賞用の草花やバラだ。 パーゴラやアーチも素朴なデザインでいかにもポタジェという雰囲気だ。 一隅には鶏小屋も建てられている。ニワトリもバラに囲まれ、さぞかし美味しい卵を産むことだろう。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

ポタジェの上の段の芝生の広場にストーンサークルがある(写真下左・中)。歴史あるものではなく、これもフォリーなのだろう。遊び心が感じられる。
ポタジェから北東斜面を見下ろす(写真下右)。手入れの良さが伺える。気持ちの良い光景だ。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

写真上中の中央に見える白い手摺りの見晴らし台に上がる。このガーデンで一番高い場所だ。ここからの眺望が下の3枚の写真だ。 アスク川(River Usk)が流れる豊かなアスク谷(Vale of Usk)が広がる。見飽きない光景だ。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

池の畔にウイロー・ハウス(Willow House)がある(写真下中・右)。入場時は先客があったが、帰り際は空いていた。 聞いたところによると柳の枝は挿し木すると簡単に根付くのだという。それを組み編んでハウスにしたものだ。 ざっと数えると100本以上の柳を編んであるのだ。セグウェイのマウンテン・ヴュー・ランチで見た "3 Bears Pods"も同じ手法だ。 陽だまりでもいつか挑戦してみたいものだ。テーブルもスツールも切り株で出来ている。全てが天然だ。
クローズの17時が近づいた。お暇をしよう。ボランティアたちはこれから慰労会でもするのだろう、車からビールやワインを運び出している。

Ty Boda Ty Boda Ty Boda

デクスビー・タウンハウス  Dexby Townhouse

今宵から3泊はカーディフ(Cardiff)の街中のデクスビー・タウンハウスだ。 カーディフ城からはタフ川(River Taff)を挟んで北西に1km足らずのセミ・デタッチド・ハウス(Semi-Detached House)がずらりと並んだ住宅街にある(写真下左)。 その内の1軒が今宵の宿だ(写真下中)。専用パーキングはなく、路上に止め荷物を運び込む。部屋が1階なのは助かる。 メイドに近くのクリーニング屋(Laundry)の位置を確認する。
昨日の旅行記で述べたように“徒歩でパブまたはレストランに行ける宿”だ。街中の宿は片田舎の宿に比べると一般的にアットホーム度は落ちるだろう。 ということで周辺のパブ・レストラン情報は沢山仕入れ、地図も用意してきた。教えてもらったクリーニング屋の先にその内の1軒がある。 宿から僅か500mだ。今日はそこでディナーとしよう。
セミ・デタッチド・ハウスのフロントガーデンに"VOTE REMAIN 23 JUNE"を掲げた家がある(写真下右)。23日の国民投票で“EU残留”を訴える看板だ。 この旅ではこの看板を沢山見ることになる。もちろん“EU離脱”を訴える"VOTE REAVE"の看板も沢山見た。 看板の下部の"Pleidleisiwch Aros 23 Mehefin"はウェールズ語のようだ。
宿の前のカセドラル・ロードを北へ300mのポントカンナ・ストリートのポスト・オフィスの隣にクリーニング屋を発見。 営業時間と仕上がり時間を確認する。もう一つ北のモーティマー・ロードを西に200mでパブに着いた。

Dexby Townhouse Dexby Townhouse Dexby Townhouse

ザ・コンウェイ  The Conway

ザ・コンウェイの外は客でごった返している。 ほとんどの客が立ち飲みだ。席があるか危惧しながら中に入ると奥のテーブル席は空いていた。

New Conway

メニューを求めると「黒板を見ろ」とのことだ。その黒板の字が読みにくい(写真右)。
悪戦苦闘しつつ、幾つかの判読可能の単語を頼りにチョイスする。 スターターは
・ Prawn & spinach fritters with lemon aioli を1つ。 メインは
・ Vegetarian Lasange with an olive & locket salad と
・ Butterd Cod or halloumi, chips, pea puree, tartar sauce とした。 飲み物は先ずはハーフ・パイントのビール、そして、白ワインをボトルでオーダーする。車の運転がないとなればお酒もより一層美味しい。
エビとほうれん草のフリーターは香ばしく揚がっている。ベジタリアン・ラザニアはクリーミーでチーズの風味も付け合わせのオリーブもワインにぴったりだ。 "Butterd Cod"はいわゆる“フィッシュ・アンド・チップス”だ。昨夜食べ損ねたのでお約束通り、イギリスの国民食に敬意を表し食する。 無論1年ぶりの懐かしの味に満足だ。

Conway Conway Conway

F.U写真集  F.U Photo Album

今年も妻が撮影した写真を掲載させていただく。異なった視点からの写真も面白いかも知れない。

写真は左から順に
ティンターン修道院            12世紀の初めシトー派の修道士達は修行のため人里離れたこの谷間に修道院を建てたのだ
デューズタウ・ガーデンズと洞窟    "Lion Grotto" 地下の楽園 いつまでも動きたくない
デューズタウ・ガーデンズと洞窟    洞窟出入り口 地上に出てもこの美しさ 地上の楽園だ ビーナスもいる   

F.U Photo Album F.U Photo Album F.U Photo Album

写真は左から順に
デューズタウ・ガーデンズと洞窟    フクシアもヒューケラものびのび育っている 垂涎
デューズタウ・ガーデンズと洞窟    草木の生育でロック・ガーデンの雰囲気は消え穏やかなウォーター・ガーデンの趣だ
デューズタウ・ガーデンズと洞窟    スクエアー・ガーデンのフォーマルな植え込み シルバーやブルーのリーフが眩しい

F.U Photo Album F.U Photo Album F.U Photo Album

写真は左から順に
ザ・パント    ウォールド・ガーデン 壁が低く開放感溢れる 豊富な草本に色彩も溢れる
タイ・ボダ    ポタジェ 収穫は二の次 観賞用キッチン・ガーデン 草一つないメンテナンス
タイ・ボダ    ウイロー・ハウス ロマンチックで夢のあるナチュラル・ハウス

F.U Photo Album F.U Photo Album F.U Photo Album

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