Greenway 2009年5月29日 訪問
グリーンウェイはミステリーの女王と謳われるアガサ・クリスティーが
"the loveliest place in the world"と称したといわれる別荘だ。
2004年に当地を訪れた時はダート川のクルージングの際に木々の合い間からその白亜の館を垣間見、
ガーデンが開放されていると聞き、次の機会にはと念願していたガーデンだ。
今春からその館も一般公開され人気再沸騰とのことだ。
地域の村々への車の影響を配慮し、車での訪問は規制されている。パーキングのスペースも少なく、そのため完全予約制だ。
この日のために3月の初めにネットで予約を入れたのだが、既に幾つかの予約が入っていたのには驚いた。
ナショナル・トラストのホームページでも"All unbooked cars are turned away at Greenway"と明記されており、
Dartmouth、 Brixham、Torquay、Totnesからのフェリーやウォーキング、サイクリングを勧めている。
"by green ways to Greenway"と洒落ている。座布団1枚。
ナショナル・トラストのプロパティーへの道路標識は整備されていて、大変助かるのだが、ここでは予約なしの車を
排除するためなのだろう、A379にグリーンウェイの標識は見当たらない。お蔭で通り過ぎてしまい時間をロスする。
ようやく入り口を見つけローカル・ロードを進むと、なるほどウォーキングやサイクリングの方が大勢いる。
かなりの坂道だ。よくもまあ歩くことが好きな国民だと、改めて感心する。
パーキングの入り口でホームページからコピーした予約票(写真右)を提示すると"Excellent !"と言って通してくれる。
イギリスではどこへいってもそうだが、パーキングにラインなど引いてない。Disableの指定場所以外なら、
どこでも自由に置ける。ラインを引いたらもう少し置けるのにと思うのは日本人的か?
ここからは歩きだ。ナショナル・トラストは自然やプロパティーを守るためにパーキングが離れた場所にあることが多い。
車で来ておいて、文句を言える筋合いではないが・・・。通路の脇には石楠花やジギタリスが咲き乱れ、
木の間からダート川の水面が光る。
レセプションでメンバースカードを示すと「次のハウス入場は1時からです」とTimed ticketsを差し出す。
「No, thank you. Garden only.」と断ると「そうなの?」と怪訝な顔だ。ほとんどの訪問者はハウスが目的なのだろうが、
私達はガーデンオンリーなのだ。
それでも、大きなガーデンマップをくれて、丁寧に説明してくれた。案内に従い"South Walled Garden"(写真上2枚目)に
入ってみたが、花はない。壁に囲まれた一角にガラス張りの温室があり、後は芝の広場だ。広場では彫刻の展示即売が開かれている。
次は"Fernery" シダのガーデンだ。樹木の木漏れ日の中で様々なシダが風に揺れている。こういう外来種のガーデンが
一つのステータスなのだろう。
テニスコートに沢山の白いハンカチが落ちている。上空に大きなハンカチの木があった。学名の"Davidia involucrata"は
中国でこの木を発見した神父ダビットに因むという。ダビット神父はパンダを発見したことでも知られているらしい。
白亜のGreenway Houseが今春一般公開された建物だ。真新しく見えるのはナショナル・トラストが膨大な費用を掛けて
修復したばかりだからだ。アガサ・クリスティーの寝室、書斎、応接間などが見られるほか、
2階と3階はホリデー・コテッジ(貸し別荘)になっているらしい。
館の前からダート川に平行に3本のパスが通っている。ダート川に下りるパスを下る。雲一つない晴天だから汗ばむが、
木陰のヴューポイントではその絶景と相俟って涼しさが増す。対岸の館の石楠花が美しい。
"The Battery(砲台)"からの眺めも最高だ。(写真下右)
砲台から少し下れば"Boathouse"だ。アガサクリスティーがグリーンウェイを手に入れる前からあったようだが、
アガサもここからボートの旅に出たのだろうか?
ガーデンマップでは"Boathouse - Bath house, Saloon"となっている。写真は桟橋から撮っている。
2階の建物がバスハウス、サルーンで奥の平屋ががボートハウスではないか勝手に想像する。
ボート遊びの後、シャワーを使い、2階のサルーンからダート川を眺め寛いだのかもしれない。
ミステリー作家の豊かな生活を思い描く。
建物のドアーはしっかり閉ざされ中を見ることは出来ない。フェリーの着く"Quay"はここより少し上流にあるようだ。
ハウスへの帰り道は別ルートで登る。マップに"Kwan Yin"と記された場所に観音像が立っていた。
誰がどんな思いで立てたのだろう?
木々の間を登っていく。ここでも石楠花が美しい。所々にベンチが置いてあり、そこからは美しいダート川の流れが見られる。
登りつめた所が"Top Garden"だ。珍しいトロピカルプランツが見られる。名前が・・・?
Address | Greenway Road, Galmpton, nr Brixham Devon TQ5 0ES |
Telephone | 01803 842 382 |
greenway@nationaltrust.org.uk | |
Web Site | National Trust |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。