St Michael's Mount 2009年6月3 日 訪問
コーンウォールの海岸線の絶景ポイントを3つ挙げるなら、"Minack Theatre"、"St Michael's Mount"、"Kynance Cove"だ。
今回はKynance Coveには回れないがあのコバルトブルーの海は鮮明に思い浮かべることが出来る。
先ずはSt Michael's Mountにやってきた。あのフランスの世界遺産モン・サン・ミシェル(Mont Saint-Michel)のイギリス版といわれる。
”聖ミカエルの山”という意味で、共に先住民ケルト人の信仰する大天使・聖ミカエル降臨の伝説がある。
5世紀に大天使・聖ミカエルの姿が漁師によって目撃され聖地となったのだが、11世紀初頭にエドワード懺悔王が
ここに教会を建て、面白いことにそれをモン・サン・ミシェルのベネディク派の修道士に譲渡されてしまったのだという。
その修道士がモン・サン・ミシェルと同じ様にここにも修道院を建てたのだ。
そして、12世紀末にコーンウォール伯爵により奪還され紆余曲折の後、1535年には修道院解散に遭い、
その後は要塞として使われたようだ。17世紀後半からは個人の住居となり、島の斜面にガーデンが造られたのだ。
1954年にはナショナル・トラストの管理となった。(現在でも元の持ち主の子孫が住んでいるらしい。)
A30から遠くセント・マイケルズ・マウントが見えてくる。心ワクワクしてくる。A30とA394のランドアバウトで
ローカル・ロードに下りればセント・マイケルズ・マウントは直ぐそこだ。車を停めてシャッターを押す。
しばらく行くと更に大きく見える。また、車を停めてシャッターだ。マウント湾(Mount's Bay)に神秘的に浮かぶ
セント・マイケルズ・マウントと美しい海岸線、青い海と白い波、見飽きない景色だが、
海底の舗道(The Causeway)を行く人の姿が見られる。幸いにも干潮で歩いて渡れるようだ。先を急ごう。
5年前と同じパーキングに車を止め、砂浜に下りる。細かく締まった砂は波紋を写したまま固まっている。
人が歩いたくらいでは崩れない。
舗道の脇には海草が干上がっていて潮の香りが強い。折角舗道が歩けるのに、わざわざ裸足になって海の中を行く人も見られる。
島の港のボートやヨットも砂浜に腹を見せている。
モン・サン・ミシェルもかつてはここと同じ様に干潮時は陸続きとなり満潮時には島となったようだが、1877年に
道路をつけたために土が堆積し陸地化しているという。このため地続きの道を取り除き橋に替える工事が行われているという。
2010年には完成するらしいが、世界遺産を守るのも大変だ。
建物(Castle & Church)の室内の展示物を横目で眺めて通り過ぎ屋上に出る。長い歴史を物語るように建物も様々な様式が見られる。
写真上左は教会の部分だ。その右2枚はお城のタワーだ。写真下左は要塞の名残りで大砲がズラリと並んでいる。
私達はなんなく歩いて島に渡れたが、早くも潮が満ち始めたようだ。The Causewayを歩く人も靴を脱いで裸足で渡っている。
自動車もそろそろと本土に帰っていく姿が見える(写真上右から2枚目)。
港で腹を見せていたボートも水に浮かんだ。本土との渡しの準備が始まっているようだ(写真下左から2枚目)。
この写真のThe Causewayの向こう岸の左の岩が、渡しのフェリーが着くチャペル・ロック(Chapel Rock)だ。
もっと潮が満ちた時は更に先の本土の突堤"Gwelva"(写真右隅に見える)か"Top Tieb"に接岸する。
島の植栽はトロピカルな椰子があったり、石楠花やフクシアの巨木が見られたり多彩だ。
一方、島には巨人が住んでいたという伝説もあり、巨人の井戸(The Giant's Well 写真下右)などが残っている。
ガーデンへは別の入り口から入る。建物(Castle & Church)の本土と反対側の急な斜面に築かれている空中庭園だ。
海岸沿いの芝のパスを進むとCastle & Churchの優美な姿が見えてくる。ここでも歩を進める毎にベストアングルになっていく。
ガーデンは石垣で築かれた何段ものテラスにトロピカルでエキゾチックな植物が沢山見られる。
海と空の青さも相俟って心ウキウキしてくる。石垣を覆うピンクのマツバギクの鮮やかさには圧倒される。
小さな井戸がある。これはガーデン専用だろう。とてもお洒落だ。見上げれば見上げるほど天空の城というにピッタリだ。
見上げたり、見下ろしたり忙しい、その上、足元は急な斜面だから気をつけなければならない。
Castle & Churchに比べ
入場者が少ないから、のんびり、ゆったりとしたおおらかな気分になる。トロピカルな植栽がそれを助長する。
写真上右から2番目の青緑の植物はいったい何なのだろう。良く見れば青緑のものが花なのだ。先から黄色いめしべが覗いている。
絵本にでも登場しそうな不思議な植物に思わず笑みがこぼれる。
ゆっくりと斜面を下り、最も海に近いパスを潮風に吹かれ港に戻る。The Causewayはすっかり海に沈んだ。
さすがに歩いて渡っている人は見られない(写真下左から2枚目)。
両腕に刺青をした上半身裸の無愛想なお兄さんに一人片道1.5ポンドを渡してフェリーに乗る。満席になるまで待たされる。
残り3席、4人連れは待たされ、次の2人組が乗り、もう1席のために1人客を待つ。
スタートすれば5分程度で本土に到着する。まだ大潮ではないのでチャペル・ロックで下りる。
写真下右から2枚目にさっきの刺青のお兄さんが島への乗客を乗せる順番待ちをしているのが見える。
島への交通案内の看板がシンプルにして分かり易くて愉快だ。
Address | Marazion Cornwall TR17 0EF |
Telephone | 01736 710 507 |
mail@stmichaelsmount.co.uk | |
Web Site | St Michael's Mount National Trust |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。