ガーデン ご紹介

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Branklyn Garden  ブランクリン・ガーデン
               2010年5月30日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

ブランクリン・ガーデンはこの旅の訪問予定のガーデンの中でも最も楽しみにしてきたガーデンの一つだ。 05年の7月に訪れた時には少し時期が遅かったので、今年こそはとの思いだ。それなのに到着時にはひどい雨になり、しばらく車中で雨宿りする。
その間に6月2日訪問予定のスコットランド・ガーデン・スキム(Scotland's Gardens Scheme SGS)のお宅に電話をしアポイントを取る。1軒は幸いにも快くOKを取れたが、 もう1軒は留守のようだ。ガーデン・スキムに登録のガーデンは一般的には自らのガーデンが最も美しい時期の特定の日に一般公開するのだが(この場合はアポの必要はない)、 中には"By Arrangement"といって事前予約により、都合が良ければ見せていただけるところもあるのだ。この旅では、特定日オープンの庭2軒と、By Arrangementの庭6軒を ピックアップしてきた。他にもSGSではないが予約が必要な庭を2軒予定している。上手くOKが取れることを祈ろう。
30分近く待って、ようやく小止みになってきた。いつの間にか同じように雨宿りしていた車が2台いたようだ。多少の雨にはめげないこちらの方も、先ほどの雨には出渋ったのだ。 その方達も車を出てガーデンに向かい始めた。後に続く。
ブランクリン・ガーデンはジョン&ドロシー・レントン(John and Dorothy Renton)夫妻が1922年にテイ川(river Tay)の畔の傾斜地の果樹園を買い取り、 移り住んでから創り始めたガーデンだ。”造る”でなく”創る”という発想だ。そして、ゆっくり創ったという、見習いたい。
イギリスではコンパクトでプライベートガーデンスペースの庭など評されるが、2エーカー(約2450坪)もあり、希少な植物も多く、 その数3500種を数え、世界中からプロのガーデナーや植物学者が訪れるという。

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入場するが受付のショップに人がいない。せっかちな私は「ごめんください」とか「どなたかいませんか」とか、声をかけたくなるところだが、 先に入った人達は黙って並べてある苗など眺めて待っている。この辺りは大いに見習わねばと反省する。程なくボランティアと思われる職員が3人慌てて駆けてきた。
晴れて入場、とはいっても雨はまだ降り続いている。目に入るのは一風変わった雰囲気のハウスだ(非公開)。何となく和風の暖簾が掛けられているようにも見えるが、 "late Arts and Crafts style"の建物だという。
ハウスの前に楕円形の芝のゾーンがあり円形に3つの植え込みがある(写真上中3枚)。背の高い樺の木の足元はこのガーデンの自慢の石楠花が彩る。 その周囲に売り物の苗が並んでいる。このガーデンは縦横に巡らされた散策路で30のベッドに仕切られ、それぞれに異なる植栽がなされている。
どのベッドにも大きな樹木とこんもりと茂る灌木がバランス良く植えられている(写真上左、右)。日本のモミジ(Japanese maples)も植えられいる。 コニファーも各種見られる。自然のように見えるが、あくまでも計算された植栽なのだ。
このガーデンの売り物の一つがロックガーデン(Alpine Rock scree gardens)だ(写真下左から2、3枚目)。緩やかな傾斜地に沢山の石を組み込んである。 高山植物が多いだけにここだけはのっぺりした感じだがカラフルで楽しい庭だ。
その下方にガーデン唯一の池がある。水生植物の見本市のような植栽だ。色、形、質感、高低、どれをとっても絶妙な植栽だ。
ここにもご多分にもれずサンダイアルがある、年代物だ。24日にフロア城で求めたサンダイアルの陽だまりでのお披露目が楽しみだ。

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このガーデンの植物の豊富さはプランツハンターの協力により、主に中国、チベット、ブータン、ヒマラヤ山脈などから集められた種子から育んだものだという。 自慢の石楠花も種から育てたというから驚きだ。イギリスでは樹齢数百年の石楠花の巨木を目にする機会も多いが、この位の木の大きさが丁度良いのかもしれない(写真下右3枚)。
このガーデンの自慢のもう一つが、ヒマラヤの青いケシ(Himalayan blue poppy "Meconopsis") でこれを中心としたベッドが"Meconopsis Alley"だ(写真上左、下左から2枚目)。 この旅ではこの青いケシを沢山のガーデンで目にした。何年か前のブームが結実したように感じ、イングリッシュガーデンの変化、発展、進化を認識する。 その元祖はここだったのかもしれない、見事なブルーに気が晴れる思いだ。
気が晴れると言えば、ガーデンデザイナーを自任したジョンが言った「真のガーデナーはドロシーだ」という言葉だ。夫婦協力しての庭創りが嬉しい。 そして、ドローシーが言った"There is no truer saying in gardening than one learns by one’s mistakes."が嬉しい。試行錯誤で良いのだ
ここはスコットランドらしく泥炭の酸性土壌であったようだ。その土壌に見合う植物を植栽した"Peat Bed Area"と呼ぶベッドもある。
ようやく雨も上がってきた。どうやら最も雨の激しい時間に訪ねてしまったようだ(終わってみれば、この旅一番の降りだった)。それでも十分に楽しんだ。

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Information
 Address  116 Dundee Road, Perth, Perthshire, PH2 7BB
 Telephone  01738 625535
 Web Site  Branklyn Garden

オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。

「旅行記」もご覧ください。

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