第10日 5月30日(日) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Kirklands House --- Castle Campbell --- Branklyn Garden --- Scone Palace --- Huntingtower Castle ---
Parkhead House --- Dupplin Celtic Cross --- Drummond Castle Gardens --- Kirklands House
今日の走行距離 173km
今日の万歩計 12,800歩
Kirklands House カークランズ・ハウス
ロケーションとしては満足でないカークランズ・ハウスを選択した理由は、
ホームページで見る1832年に建てられたという美しいハウスとガーデニング講座を開設しているガーデナーの素晴らしいガーデンに惹かれたからだ。
カークランズ・ハウス初のブレックファストに期待を寄せダイニングに入る。驚いたことに壁に打ち掛けが掛っているではないか。
壁紙や調度も何んとなくオリエンタルな雰囲気だ。聞けばホストは中国人の友人がいて、中国には何度か訪れているが、日本には来たことがないそうだ。
打ち掛けは中国の友人から譲り受けたものだという。日本の花嫁衣装であることは知っていた。
明るい窓辺に並べられた器からフレッシュフルーツをたっぷり取り分けヨーグルトを掛ける。更にレーズンをトッピングしていただく。
いやがうえにも食欲は増す。そして、フルスコティッシュにカリカリ三角トーストにバターとジャム、これだけいただくと、昼食は軽いおやつ程度で済んでしまう。
ここでは紅茶の種類も指定できる。昨日のウエルカムティーではダージリンを頼んだので。今朝はモーニングティーをオーダーする。
ダイニングルームの窓から広い芝の広場が見える。その周囲にボーダーガーデンと気になる幾つかのオーナメントが置かれている。
食事の後ガーデンに出る。オーナメントはチェーンソーカービングのフクロウとキノコだ。チェーンソーカービングは何時か挑戦してみたいと願っている。
そして、石の彫刻が4つある。Robert Forrestという1852年に亡くなった彫刻家の作品だというからかなり古いものだ。
立像はGeorge Ramseyの詩の登場人物でSymonとBauldyで座っている像はBurnの詩を題材にした Tam O’ShanterとSouter Johnnyという人物だとホームページに記載されているが、
元の詩を知らないのでどんなシーンかは定かでないが、座像はグラスを手に飲み物を楽しみながら談笑している姿がとても楽しい。
ボーダーはカラフルであるが、調和している。配色のセンスを見習いたい。天気は良いが気温9度、冷気が快く身が締まる。
Castle Campbell キャンベル城
昨夜のディナーをした街ダラーにヒストリック・スコットランド管理の15世紀の要塞がある。
キャンベル城だ。
パーキングから山道をフォードを越えて少し歩く(写真下左)。木の間に現れた城は残念ながら工事用のシートに覆われている。更に坂道を登り辿り着く。
全てが工事中という訳ではなかった。城は何度か増築を重ねたと見え石の色が違う(写真下左から2枚目)。南のテラスガーデンに面した部分が最も古く見える。
荘厳な雰囲気だ(写真下中、右)。3段のテラスからは遠くダラーの街を見下ろせる。客は他に一組、谷の沢音だけが聞こえる静かなテラスだ。
こんな辺鄙な場所の小さなプロパティーにもティールームが備えられている。朝一番だから客はいないが、準備は整っている。イギリス人のお茶文化を再認識する。
Branklyn Garden ブランクリン・ガーデン
ブランクリン・ガーデンはこの旅の訪問予定のガーデンの中でも最も楽しみにしてきたガーデンの一つだ。
05年の7月に訪れた時には少し時期が遅かったので、今年こそはとの思いだ。それなのに到着時にはひどい雨になり、しばらく車中で雨宿りする。
その間に6月2日訪問予定のスコットランド・ガーデン・スキム(Scotland's Gardens Scheme SGS)のお宅に電話をしアポイントを取る。1軒は幸いにも快くOKを取れたが、
もう1軒は留守のようだ。ガーデン・スキムに登録のガーデンは一般的には自らのガーデンが最も美しい時期の特定の日に一般公開するのだが(この場合はアポの必要はない)、
中には"By Arrangement"といって事前予約により、都合が良ければ見せていただけるところもあるのだ。この旅では、特定日オープンの庭2軒と、By Arrangementの庭6軒を
ピックアップしてきた。他にもSGSではないが予約が必要な庭を2軒予定している。上手くOKが取れることを祈ろう。
30分近く待って、ようやく小止みになってきた。いつの間にか同じように雨宿りしていた車が2台いたようだ。多少の雨にはめげないこちらの方も、先ほどの雨には出渋ったのだ。
その方達も車を出てガーデンに向かい始めた。後に続く。
ブランクリン・ガーデンはジョン&ドロシー・レントン(John and Dorothy Renton)夫妻が1922年にテイ川(river Tay)の畔の傾斜地の果樹園を買い取り、
移り住んでから創り始めたガーデンだ。”造る”でなく”創る”という発想だ。そして、ゆっくり創ったという、見習いたい。
イギリスではコンパクトでプライベートガーデンスペースの庭など評されるが、2エーカー(約2450坪)もあり、希少な植物も多く、
その数3500種を数え、世界中からプロのガーデナーや植物学者が訪れるという。
入場するが受付のショップに人がいない。せっかちな私は「ごめんください」とか「どなたかいませんか」とか、声をかけたくなるところだが、
先に入った人達は黙って並べてある苗など眺めて待っている。この辺りは大いに見習わねばと反省する。程なくボランティアと思われる職員が3人慌てて駆けてきた。
晴れて入場、とはいっても雨はまだ降り続いている。目に入るのは一風変わった雰囲気のハウスだ(非公開)。何となく和風の暖簾が掛けられているようにも見えるが、
"late Arts and Crafts style"の建物だという。
ハウスの前に楕円形の芝のゾーンがあり円形に3つの植え込みがある(写真上中3枚)。背の高い樺の木の足元はこのガーデンの自慢の石楠花が彩る。
その周囲に売り物の苗が並んでいる。このガーデンは縦横に巡らされた散策路で30のベッドに仕切られ、それぞれに異なる植栽がなされている。
どのベッドにも大きな樹木とこんもりと茂る灌木がバランス良く植えられている(写真上左、右)。日本のモミジ(Japanese maples)も植えられいる。
コニファーも各種見られる。自然のように見えるが、あくまでも計算された植栽なのだ。
このガーデンの売り物の一つがロックガーデン(Alpine Rock scree gardens)だ(写真下左から2、3枚目)。緩やかな傾斜地に沢山の石を組み込んである。
高山植物が多いだけにここだけはのっぺりした感じだがカラフルで楽しい庭だ。
その下方にガーデン唯一の池がある。水生植物の見本市のような植栽だ。色、形、質感、高低、どれをとっても絶妙な植栽だ。
ここにもご多分にもれずサンダイアルがある、年代物だ。24日にフロア城で求めたサンダイアルの陽だまりでのお披露目が楽しみだ。
このガーデンの植物の豊富さはプランツハンターの協力により、主に中国、チベット、ブータン、ヒマラヤ山脈などから集められた種子から育んだものだという。
自慢の石楠花も種から育てたというから驚きだ。イギリスでは樹齢数百年の石楠花の巨木を目にする機会も多いが、この位の木の大きさが丁度良いのかもしれない(写真下右3枚)。
このガーデンの自慢のもう一つが、ヒマラヤの青いケシ(Himalayan blue poppy "Meconopsis") でこれを中心としたベッドが"Meconopsis Alley"だ(写真上左、下左から2枚目)。
この旅ではこの青いケシを沢山のガーデンで目にした。何年か前のブームが結実したように感じ、イングリッシュガーデンの変化、発展、進化を認識する。
その元祖はここだったのかもしれない、見事なブルーに気が晴れる思いだ。
気が晴れると言えば、ガーデンデザイナーを自任したジョンが言った「真のガーデナーはドロシーだ」という言葉だ。夫婦協力しての庭創りが嬉しい。
そして、ドローシーが言った"There is no truer saying in gardening than one learns by one’s mistakes."が嬉しい。試行錯誤で良いのだ
ここはスコットランドらしく泥炭の酸性土壌であったようだ。その土壌に見合う植物を植栽した"Peat Bed Area"と呼ぶベッドもある。
ようやく雨も上がってきた。どうやら最も雨の激しい時間に訪ねてしまったようだ(終わってみれば、この旅一番の降りだった)。それでも十分に楽しんだ。
Scone Palace スクーン宮殿
スクーン宮殿と表記した。"Scone"はクリームティーでお馴染みのスコーンと同じスペルだが、
宮殿はスコットランド・アクセントでスクーンと発音するのだそうだ。クリームティーのスコーンを発明した場所と思って訪問した人がいたとの笑い話がある。
スクーン宮殿は26日のエジンバラ城の項で述べた運命の石(即位式の石 The Stone of Destiny)が元はここにあったことで知られる。
別名スクーンの石(Stone of Scone)と呼ばれ、9世紀から1296年にエドワード1世によってロンドンに持ち去られるまで、スコットランド王の即位式に用いられたものだ。
この旅行記でも既に度々登場しているロバート・ザ・ブルース(Robert the Bruce)の即位式も1306年にここで行われたことがホームページに誇らしげに記載されている。
その運命の石のレプリカがムート・ヒル(Moot Hill)の礼拝堂(Chapel 写真下左から2枚目)の脇に置かれているらしいが、足元が濡れているのでパスする。
宮殿は16世紀の建物をマンスフィールド伯爵(Earls of Mansfield)によって1808年に改装されたものだ。その豪壮さに驚く(写真下左)。
その際宮殿のすぐ前に広がっていたスクーン村を3kmほど東に移転させたというから剛毅なものだ。その名残が村への出入り口であった16世紀に造られた豪壮なアーチ門(Archway)だ。
両側のタワーには銃眼(Gun Loops)が見られる。そして、アーチ門を出た右手に立っている古色蒼然たるクロス(Mercat Cross)が市場のマーケットクロスだったのだ(写真下右)。
その脇に小さなガーデンが見られた(写真下右から2枚目)。周りは良く整備されたウッドランドだ。
Huntingtower Castle ハンティングタワー城
ハンティングタワー城も
ヒストリック・スコットランドの管理の城だ。パース(Perth)の街を西に抜け出た直ぐ近郊に位置していた。15世紀に建てられた2つの城を17世紀に繋げたものだという。
2つの城の間は3メートル足らずしかなかったのだ(写真下左)。南西から見て(写真下左から2枚目)奥の東塔が先に出来、手前の西塔が後に出来たものだという。堅牢さが感じられる。
東塔ホールの天井の装飾はテンペラで描かれたもので16世紀初頭のものだ。梁の一本一本にも細かい装飾がなされている。西塔の屋根に上るとパースの街並みが一望できる。
右の写真は西塔の外部からの階段を上がった2階から見上げたアングルだ。左下が入口のドアーだ。壁が厚いから内部はさして広くはない。どうやら、ここにもでるらしい。明るいうちに退散。
Parkhead House パークヘッド・ハウス
さて、今日のもう一つのお楽しみがSGSの訪問だ。ブランクリン・ガーデンの項で前述した"By Arrangement"のガーデンを初めて訪れるのだ。
パースの住宅街にあるパークヘッド・ハウスだ。
その周辺にはナビ子ちゃんが案内してくれたが、お宅が見つからない。見回すと道路の反対側に黄色の小さな看板を発見。旅の強力な助っ人の"streetmap"だが、
ポストコード(Postcode)を入力した際、道路の反対側を示すことがあり時に混乱することがある。この看板は私達の為に置いてくれたのだ。その証拠に帰りにはなかった。
路駐OKの道路なのでUターンして近くに止め、路地を入って行くとゲートをいっぱいに広げたお宅がパークヘッド・ハウスだった。雨もすっかり上がり、太陽さえ顔を出し始めた。
日本人旅行者であることは伝えてあったので、花の手入れをしていた女性(Madeleine マドレーヌ)が気が付いて歓迎してくれる。声を聞いて旦那さんも出て来た。
マドレーヌは泥の付いた手では握手もできないと言って手を洗いに行った間に旦那さんがハウスは300年前の建物だとかシンボルツリーは
"Spanish Chestnut"であるとか丁寧に説明してくれる。
マドレーヌが戻り、改めて握手。入口から順番に案内してくれる。一つひとつの花や木について、各コーナーのガーデン・コンセプトについてなど、
よどみなく説明してくれる。聞き役を妻に任せ、旦那さんと話す。やはり、こちらも植栽はマドレーヌ、構造物や力仕事は旦那さんという役回りだ。
写真上右や下中、右から2枚目の小道(Path)はこのガーデンで最もエキサイトしたゾーンだ。これは私のガーデンコンセプトのお手本だ。
写真下右は挿木した柳の枝で編んだものだ。私の発想では及びもつかない。こんなことにもいつかチャレンジしてみたい。
マドレーヌの説明は機関銃のように連射される。妻も負けずに応酬している。イギリスのガーデナーのバイブルの"A-Z Encyclopedia of Garden Plants"を薦められる。
妻もその名は知っていたが、帰国後早速求めた。厚さ8cm、重さ5.4kgの代物だ。
何枚かの写真を添えて礼状を出したら、喜んでくれて"Plants Names Simplified"なる小冊子を送ってくれた。
植物だけではガーデンは構成できない。オーナメントやファーニチャーも欠かせない。ここに掲げた写真の中から探していただくのも、
ガーデナーにとっては楽しみかもしれない。笛を吹く少年、髪を梳く少女、アイアン製の雄鶏とサギと日時計、石製の日時計、バードバスとバードフィーダー、
木製のフクロウ、ベンチ、トレリス、パーゴラなどが見つかるだろう。まだ見逃したものもあるだろう。かといって、くどくならないところがバランスの良さだ。
面白かったのは、パーゴラの突き当たりに鏡が置いてあったことだ。最初は随分奥行きのあるパーゴラだと思っていた。「あれ! どこかで見たような」と思ったら、
我が身ではないか、ビックリと同時に「やられた!」と苦笑いが出る。
勿論小さいながら温室(Greenhouse)もキッチンガーデンもある。温室には様々な野菜のポットがずらりと並んでいる。「トマトにこのポットでは小さすぎるだろう」と
訊ねると「ポットの下のビリール袋に入ったままのコンポストに根が伸びて行くから大丈夫」とのことだ(写真上左)。何とも愉快な話だ。
この地域の気温ではトマトは温室でないと育たないのだという。ハーブ類や瓜の類も並んでいる(写真上左から2枚目)。
案山子が立てられていたり、ちょっと不釣り合いに思われるサンダイアルやカラフルな風車も遊び心に見せてしまうのもトータルなデザインなのだろう。
この植栽の厚さ、深さ、豊かさは知識と経験、センスと情熱によるものだろう。とても追いつけないが、情熱だけは見習おう。SGSの紹介に
"with always something in flower"とある。”いつも幾つかの花が咲いている”と解釈した。私のガーデニング・コンセプトと一致し、意を強くする。
私達のためにオープンしてくれたガーデンだから1時間45分、一人占めで楽しんだ。一巡りしてガーデンの真ん中のベンチでお茶をいただく。至福の時間だ。
小さな池がある。「こんな池を造りたい」と話したら、旦那さんが「これを掘るのに3週間掛った」と腰をさする。石をどけて敷いたビニールシートを見せてくれたり、
「循環式ポンプが良い」と言ってポンプの隠し場所を見せてくれたり、水を浄化する小道具なども説明してくれる。
SGSは知らないがイングランドのナショナル・ガーデン・スキムの選考基準の一つに”ヴィジターを45分間厭きさせない見所のあるガーデン”とある。
ガーデンそのものもホスピタリティーも、まさにこれを満たして余りあるガーデンだった。名残を惜しんで辞去する。
St. Serf's Church & Dupplin Celtic Cross 聖サーフズ教会とダップリン・ケルト十字
情報集めの中でダップリン・ケルト十字
に魅せられる。形といい、彫刻といい西暦800年前後の物とは思えない斬新なものだ。アクセサリーのモチーフにも多用されている、これは見ておくべし、と遣って来た。
聖サーフズ教会はダニング(Dunning)の村の中心にあった。決して大きなものではないが、部分的には1200年まで遡るという(写真下左)。
ダップリン・ケルト十字は教会の最も奥に立っていた。高さ3m、幅1m、厚みは50cmはあろうかという大きなものだ(写真下左から2枚目)。
この十字は1999年までは、ここから5kmほど東北のフィブリオット(Forteviot)という村に、1200年間立っていた物をヒストリック・スコットランドが、保存のためこの教会に移したものだ。
精巧な彫刻は宗教や戦争の様々なシーンやピクトの動物を刻んだもので、4面にびっしりと刻まれている。図柄は理解出来ずとも惹きつけられるるものがある。
写真下中はその側面の彫刻だ。下段はハープ奏者ということらしいが、上段はピクトの動物なのだろうか。右から2枚目は墓石だという。これはケルト十字のデザインに違いない。
写真右は教会の柱の隅に嵌め込んであった銘板だが、不気味な中にユーモラスなものがある。1612の文字が刻まれている。
Drummond Castle Gardens ドラモンド城
昨日ハイランドゲームズを楽しんだブラックフォードの直ぐ近くにドラモンド城がある。
"One of the finest formal gardens in Europe"と自らホームページに謳っているし、"the pride and jewel of the highlands"とも評される。
写真を見る限り是非とも訪ねておきたいガーデンだ。ありがたいことに18時までのオープンだ。これからでも十分間に合う。
A822を左折し、豪華なゲート(east gateway)をくぐり、両脇を18世紀に植えられたブナの巨木に挟まれた並木道(long beech avenue)を進むこと2km余り、ようやくパーキングに着いた。
入口はお城の西側からだ(写真下左)。壮麗なお城は公開されていない。手前右手から入場する。ラストアドミッション(last admission)の17時にギリギリセーフだ。
テラスに出て驚嘆、何というスケールのフォーマルガーデンだろう。これぞフォーマルガーデンだ。余りに整然とした幾何学模様に清々しさを感じる。
このパルテリア(parterre)のデザインは聖アンドリュース十字(St Andrew's Cross)、すなわち、スコットランド国旗の青地に白の×印の十字なのだが、
余りに大きすぎて下の右3枚の写真ではイメージできないかもしれない。そんな方には
Google Mapの航空写真
をご覧いただこう。
このお城とガーデンは17世紀初頭にに建築が始まり、19世紀末に改築されているという。ガーデンには20世紀にも大きな手が入れられているという。
クロスの中心に1630年に作製された日時計(John Mylne's Sundial)が据えられている。違う国の時刻を示すという。いわゆる世界時計だ。
整形式庭園(Formai Garden)は基本的にフランス式だが、このガーデンはイタリアンスタイルを数々取り入れている。1つはテラス・ガーデンであることだ。
テラスのトップやパルテリアからは見えないが、その南側に温室(Glass House)やナーサリーなどのあるテラスがあるのだ。
2つは彫像や壺、噴水などがふんだんに配置されていることだ。テラスや階段の欄干の装飾もきらびやかなイタリアンだ。
そして、樹木の種類も数も豊富だ。パンフレットによれば、リンゴ21種、コニファー13種、カエデ14種、シュラブ10種類があるという。
他にトピアリーが様々な木でつくられている。ここはウッドランドではなく、フォーマルガーデンなのだからその壮大さが知れる。
1842年にビクトリア女王(Queen Victoria)が植えたというカエデもあるという。
そして、仕切りに使われたラムズイヤーのシルバーが際立ってガーデンを明るくする効果がある。今はまだ色味が少ないが、7月になればヘッジの中の草花やバラが咲き、
より華やかなガーデンになることだろう。
華やかといえば、帰り際にテラスのトップで孔雀が羽を広げている。1羽は欄干に止まりガーデンを見下ろしている。正に鳥瞰だ。
美しいガーデンに続いて、美しい孔雀の姿を見られてラッキーだ。
Countryside カントリーサイド
B&Bへの帰り道、ペトロールが減ってきた。朝から入れなければと思っていながら、ぺトロール・ステーションに寄りそびれていた。今年の車アストラは残りのペトロールで、
あと何マイル走れるかを表示してくれる。確か50マイルを切った時点からだと思うが、その表示が消えて警告が表示された。
しかし、A823沿いにステーションが見つからない。アウキテラーダー(Auchterarder)という街に入ってみるが、見つからない。スーパーマーケットSparを見付け、ワインとミネラルウォーターを求め、
ペトロール・ステーションは何処か聞いてみると、はす向かいのモータースがそうだという。なるほど、ポンプがたった1つ道路脇にあった。やれやれこれで一安心とUターンしてみると、
何と休業だ。本業が中古車屋だから日曜日はお休みなのだろう。
この時はその内見つかるだろうと思っていたが、その後もA823は山の中を走る道だ。時折、村というより集落を通過するだけだ。少し焦りを感じる。ここは下手に動かないが良い。
このままB&Bまで帰ると、警告が出てからの走行距離30kmくらいだろう。50マイルを切って警告が出たとすれば、辛く見積もってもあと30kmは走れる。
B&Bで最寄りのステーションを教えてもらって動くのが確実だ。と判断する。普段はあまり意識しないが、ここは経済速度を意識しつつ走る。
教訓:ペトロール・ステーションはどこにでもあるようで、探すとなかなか見つからないことが往々にしてある。特にこの後向かうハイランド地方では、早め早めに入れておくことにしよう。
ところで、イギリスのペトロールは高い。日本では一時期リッター当たり180円くらいまで上がって大騒ぎになったが、概ね120円台を維持しているように思う。
イギリスでは2004年は85ペンス(当時の換算180円)、2005年は90ペンス(当時の換算220円)2007年は100ペンスになった(当時の換算230円)。
今年は平均123ペンスだった。円安の恩恵で180円だ。税金が日本の倍近く課せられているということで、店頭価格は1.5倍になるのだ。
それでも、張り巡らされた高速道路が無料であることを思えば、それで良しとする。
Kirklands House カークランズ・ハウス
カークランズは食事もできるとのことで到着時、今夜のディナーを予約してある。スタートは19時30分だから、まだ1時間以上ある。
ここのガーデンはヴィジターは3ポンドだが、宿泊客はフリーだ。ハウスの南斜面に広大なガーデンが広がる。色遣いは少々ビビットに過ぎる感があるが、これは好みの問題だ。
のんびり一巡りの後、シャワーを浴び、着替えをしてディナーに臨む。
ディナーは朝食でも一緒になった、オランダ人ご夫婦と一緒だ。ここはアルコールを販売するライセンスがないので、お酒は持ち込みなのだ。
それでアウキテラーダーの街でワインを求めたのだ。オランダ人ご夫婦はそれを知らなかったらしい。我々のワインを注ぐようホストに伝える。すると、販売できないから、
ホストのおごりということで、1本追加となった。
ここではホステスのGillが調理し、ホストのPeterがサービスを分担している。スターターは野菜とエビなどのシーフードのサラダというのだろうか、
ジンジャーかミントか強い香りと刺激がする。オランダ人ご夫婦はさっさと平らげた。私も何んとか続いたが、妻は半分以上残したろうか、ちょっと厳しい代物だった。
メインはサーモンのソテー、トマトとバジルのソースだ。これはいけるが、スターターといい、メインといい量が多すぎる。これも何んとか完食するが、
ブロッコリーとジャガイモの付け合わせにはほとんど手が付けられない。オランダ人ご夫妻はお喋りだ。あちらは二人が交互に喋っているが、
こちらは妻一人で応対だから妻は食事をする暇がない。そこをホストがカバーしてくれて晩餐はは進む。喋れないまでも、一所懸命聞いているから、今宵は疲れた。
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