Elgin Cathedral エルギン大聖堂
今年のスコットランドの旅は廃墟の旅と言っても良いかもしれない。今日も4つ目の廃墟の訪問になる。一般的に廃墟は城よりも大聖堂の方が美しいと思う。
中でもスコットランドで最も美しいといわれるエルギン大聖堂に遣って来た。
1224年に始まり1270年の火災、1390年の戦火、1402年の放火を乗り越え、1560年の宗教改革(Reformation)で棄てられるまで、
発展・拡大してきた大聖堂の廃墟だ。黄色の砂岩でできた建物は荘厳・優美と言うほかはない。その歴史を思うと畏敬の念を抱く。
エルギン(Elgin)の街中にパーキングを見つけ、通りがかった紳士に道を尋ねる。親切に教えてくれた道は遊歩道だ。A96を歩道橋で渡ると公園(Cooper Park)だ。
図書館の辺りから前方に美しいタワーが見えてくる。2つのタワーに挟まれた西正面(West Front)だ(写真下左)1224年の建設当初のものだという。
右手のレセプションから入場する。南側廊のわずかに残る窓枠は15世紀に改修されたものだ。狭間飾りも残っている(写真下左から2枚目)。
素朴な石の像は司教をかたどったものだろう。詳しい情報は見つからない。東の端(Feast End)の内陣(Chancel)の部分は良く残っている。バラ窓にもその下の2段の窓にも
素晴らしいステンドグラスがはまっていたのだろう(写真下右)。想像するだけで厳粛な気持ちになる。
写真下左から、西正面の2つの入り口の一つから東の内陣をみる。
今は落ちてしまって柱の基部しか残っていない身廊から西正面のタワーを望む。
身廊から見た内陣。
棺などが置かれている内陣の南回廊(South Transept)。
わずかに残る北翼廊(North Transept)だ。
大聖堂は東西に軸を持って建てられる。外装では西正面が内装では東の端の祭壇がおかれる面が最も装飾的であるのは、東がキリストを象徴する方角であることから、
民衆が自然に東を向くような装飾を施してあるのだという。
一角にピクト十字の刻まれた石板(Pictish Cross Slab)が立っている。19世紀に他所で発見されたものをここに立てたのだという。
表が十字架と人物像、裏に三日月や円盤、馬に乗る人物と猟犬が見られる。
西正面のタワーの中は螺旋階段があり登ることができる。大聖堂の周囲は沢山のお墓が立っていて気持ちの良いものではない。
やはりバラ窓のある姿が壮麗で良い(写真下右)。
回廊から8角形の建物に繋がっている。15世紀に修復された参事会会議場(Chapter House)で完全な形で残っている。中に入って驚きの光景だ。 ドーム型の天井は周囲の8本の柱と中央の1本の支柱によって支えられている。これが石で造られているとは信じがたい。 窓にはシンプルなステンドグラスがはめられている(写真上中、下中2枚)。
Address | Elgin, Moray IV30 1HU |
Telephone | 01343 547171 |
Web Site | Elgin Cathedral |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
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