Stirling Castle スターリング城
スターリング城はエジンバラ城と同様に岩山の上に立つ壮大な王家の居城だ。
その歴史は12世紀初頭のアレキサンダー1世(Alexander I)の時代まで遡るというが、それについては他に譲るとしよう。今残る建物は14世紀からのものだという。
パーキングとメインゲート(Main Gate)の間の広場にロバート・ザ・ブルース(Robert the Bruce)の像が立っている。イングランドからスコットランドの独立を奪回した
14世紀初頭のスコットランド王だ。スターリング・ブリッジの戦いでイングランド軍を破り、ロバート・ザ・ブルースからナイトに叙されたウィリアム・ウォレスを称えた
ウォレス・モニュメントがフォース川(River Forth)を挟んだ山の上に見られる(写真下左)。エジンバラ城のゲートの両脇の彫像もこの2人であった。
いかにスコットランド人の尊敬を集めているかがうかがい知れる。
メインゲートを潜るとチケット売り場やショップ、カフェなどのある広場に出る。チケットを求め先に進むとForeworkという広場に出る。
ここにはBowling Green Garden(写真下中2枚)があり、植栽は今一つだが、芝が美しく管理されていて清々しい庭だ。
1506年に建てられた重厚なゲートハウス(The Forework Gatehouse 写真下左)を潜るとOuter Closeという広場だ。左手に精巧な彫刻が施された宮殿(The Palace
写真下左から2枚目)が現れる。現在修理中で、来年3月にオープンされるという。
その並びに大広間(The Great Hall 写真下右2枚)のピンクの建物がある。ジェームス4世(James IV)によって1503年に建てられたとされる。
スコットランド最大のグレーとホールと言われ、40m×14mの広さがあり、天井も高く採光も十分で明るいホールだ。
グレーとホールの反対側の出口からInner Closeという広場に出る。宮殿とグレートホール、王室礼拝堂(Chapel Royal)、
連隊博物館(Regimental Museum 写真下左・右)に囲まれたスクエアーだ。
王室礼拝堂は1594年にジェームス6世が息子ヘンリー皇太子の洗礼のために再建したもので、スターリング城における王族が建てた最後の建物となるという。
ここで女王エアリースが戴冠したことでも有名だ。中には「ユニコーン狩り(The Hunt of the Unicorn)」と題され3枚の大きなタペストリーが飾ってあった。
連隊博物館は1496年にジェームズ4世によって建てられたKing's Old Buildingが使われている。1881年にArgyll HighlandersとSutherland Highlandersが統合した
アーガイル&サザーランド・ハイランダー連隊(The Argyll and Sutherland Highlanders Regimental)は一次・二次大戦を通じて活躍した連隊で、
一時期はここを拠点としていた。今尚、連隊本部はここに置かれているのだ。博物館は興味なくパスする。
写真下左から2枚目はInner Closeからのグレートホール、右から2枚目はガーデンからの宮殿、右は連隊博物館だ。
グレートホールのすぐ横にグレートキッチン(Great kitchens)がある。中世の台所(Medieval kitchens)で16世紀のキッチンの様子を実にリアルなジオラマで表現している。
上左から「親方に叱られる見習い」、「鹿を運び込む男」、「鳥を調理する女」、「キャベツを切る料理人」、「肉を担ぐ料理人」、下左から「肉を調理する料理人」、
「パンを焼く職人」といったところだろう。今にも動き出しそうだ。グレートホールで繰り広げられる晩餐会の料理がここで賄われていたのだ。
写真下右3枚は「ユニコーン狩り」のタペストリーだ。メトロポリタン美術館収蔵で1495年から1505年の間に作成された7枚のシリーズのタペストリーを
West Dean Tapestry Studioのチームが丹念に手織りで復元を図っているものだ。2002年から始まり、現在4枚が完成しているとのことだが、ここには3枚しかなかった。
写真下中から順に、「狩りの始まり(The Start of the Hunt 2003年公表)」、「ユニコーンは発見されて(The Unicorn is Found 2004年公表)」、
「ユニコーンは殺され、城に運ばれた(The Unicorn is Killed and Brought to the Castle 2007年公表)」というタイトルが付いている。
完成予定は2014年だという。スタジオはイギリスの3カ所にあり、その一つがスターリング城にあるのだ。
驚いたことにスターリングのスタジオに札幌出身の女性職工が働いていていらっしゃり、その方のブログに「一人の織り職人が1日に織るタペストリー面積の割当てがあり、
7センチ×7センチ四方、49平方センチメートルである」と記されている。いかに根気のいる仕事かが分かる。
ただ、ユニコーンといえばスコットランドの王家の象徴のはずだ。そのユニコーンをハンティングするデザインのタペストリーを
こともあろうかスターリング城に飾って良いものか? 疑問だ。
Address | Castle Esplanade, Stirling, Stirling, Scotland, FK8 1EJ |
Telephone | 01786 450000 |
Web Site | Stirling Castle |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
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