ガーデン ご紹介

花花

Tillypronie  チリープロニー
               2010年6月5日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

ガーデン・スキーム(Scotland’s Gardens Scheme SGS)のホームページでオープンガーデンを調べていると、我々の滞在とオープンデーが重なるガーデンが見つかった。 年に2日しかないオープンデーが重なるとは一期一会だ。
手持ちの16万分の1の地図では道がついていない。"Streetmap"の5万分の1の地図でようやく破線で示されているローカルロードしかアクセスできない場所だ。 ナビ子ちゃんにセットして指示通り走って行くと、とんでもないショートカットを指示してきた。B9119からA97を回るより、確かに3分の1位の距離にはなるが、 すれ違いは互いに路肩に乗り上げるか、どちらかが戻るしかないような道だ。最後の1kmは正に道なき道を行く。良く対向車がなかったと我が幸運に感謝する。 そして、突然現れたのは大きなお館の裏の広場らしい場所、大勢の人がお茶を楽しんでいる。突然の闖入者に一斉にこちらを見る。 お騒がせしてすみませんと頭を下げつつ、ゆっくり進むとお館の先に広大なパーキングがあった。どうやら裏口から入ってきたようだ。
受付のジェントルマンに「カーナビの指示通りに来たら裏口から入ってしまった」と話すと「ノープロブレム ユーアーウエルカム」とにこやかに歓迎してくれる。

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チリープロニーは 1867年にビクトリア女王により礎石(foundation stone)が置かれたという。当時の主はSir James Clarkで女王のお抱え医師(the Queen's physician)であり、 女王家がディーサイドのバルモラル城を購入することに尽力したのだという。
1878年にアメリカの作家Henry JamesはTillypronieについて"this supremely comfortable house lying deep among the brown and purple moors the glorious view of sweeping hills and gleaming lochs that lies forever before the windows"と書いている。
当時よりずっと進化したであろう素晴らしい眺めがハウスの前面に広がっている。ハウスより1段低いテラスは1920年代に作られたもので、 分厚い植栽のHerbaceous bordersと整形式のローズガーデンが連なる(写真上左3枚)。

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このエステートは1952年からはアスター家(Astor family)の所有となる。1960年にはエリザベス女王とクイーンズマザーが植樹をしたという。
1984年に20代でここを相続した今の当主Philip Astorは、1920年代のテラスガーデンの図面を見つけ、テラスの下の斜面にロックガーデン (Rock Garden)を造ったのだ(写真上左)。岩と苔(moss)と地衣類(lichen)と高山植物(alpines)が見事に調和し、カラフルで楽しいガーデンだ。 色く塗られたベンチで暫し休む。訪問客も多いようだが、広いガーデンだから静かなものだ。
更に彼はエリザベス女王のゴールデンジュービリーを記念してpony paddockだった場所に金色の葉をした各種灌木を植栽した"Golden Jubilee Garden"を造ったのだ(写真上右、下左)。 彼の弁によれば"I am even less of an equestrian than I am a gardener."という訳だ。そして、2003年9月には女王を迎えて植樹していただく栄に浴している。 このガーデンで3回目の女王による植樹なのだ。
隣のヒースガーデン(Heath Garden)も少し紫に色づき始めてその凹凸やうねり具合が素晴らしい(写真上中2枚)。ロックガーデンもゴールデンジュービリーも ヒースガーデンも私のガーデンの概念を越えた存在だ。良い勉強になった。
到着時皆さんを驚かせた場所でティータイムを楽しむ。ミルクティーは大きな紙コップに一杯だ。ケーキも目移りするほど種類がある。 普段はガレージらしき場所にテーブルを広げ、即席ティールームだ。
受付のジェントルマンに挨拶をして帰ろうとすると「どこから来た」と訊く、「フロムジャパン」と応えると「京都を旅したことがある」と言う。 「日本の秋の色どりが好きで、カエデなど沢山植えた」と言う。どうやらご当主のフィリップさんのようだ。「石と砂利でできた庭を知っているか?」と訊く 「竜安寺だろう」と応えると「禅ガーデンにヒントを得たガーデンを造りたいと思っている」のだと言う。彼のお父さんも日本に興味を持っていたとのことだ。
どんなガーデンが出来るのか? いつの日か再訪しよう。帰り際、イエローブックを1冊プレゼントしてくれた。記念写真をお願いし辞去する。

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Information
 Address  The Hon Philip Astor, Tarland AB34 4XX
 Telephone  01339 881529
 Web Site  Tillypronie

オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。

「旅行記」もご覧ください。

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