Talisker Distillery
自他共に許す酒好きだ。中でもウイスキーが最も好きだ。最近は食事にあわせワイン・ビール・日本酒・紹興酒などを
いただくが、ナイトキャップは決まってスコッチだ。ブレンデッドが主体であるが、03年の旅でシングル・モルトを
知ってからは、折に触れシングル・モルトも楽しむ。なにせ量をいただくので、ブランドには拘らない。
飲めれば幸せといったところだ。だが、その違いは判るつもりだ。
そんな私だからこのスコットランドでの楽しみ一つが蒸留所巡りだ。今日はその第1弾である。
三大アイランズ・モルト(島で産されるモルト)の一つと言われ、個性的な香り強烈な口当たりが特徴と聞いている。楽しみだ。
A87・A863・B8009と繋いでLoch Harportの湖畔に予想よりずっと小振りの蒸留所が現れた。スコッチの香り漂う
パーキングには10時のオープンを待つ2組の夫婦と母娘の1組がいた。見学コースは一人5ポンドだ。
諸々の展示がある部屋のコーナーにバーがあり10年物が1グラス振舞われた。見学の最後にあれこれ試飲させてもらえるものと
思っていたのだが外れた。朝10時からシングル・モルトをダブルでなんて、決して拒むものではないと申し上げておこう。
香りをかぐ。強烈だ!一瞬クレゾールかとも思う程だ。しかし、よく嗅いでみるとスモーキーさとスパイシーさが鼻腔をくすぐる。
口に含むと舌の上で爆発が起きたようだ。熱く口の中に拡がりやがて甘さを感じ喉を下りていく。至福だ。驚いたことに
普段はスコッチを口にしない妻も喜んで飲んでいる。おこぼれを期待していたのにいつの間にかグラスは空だ。
さて、見学開始。女性の案内に8人がぞろぞろとついていく。原料の大麦の説明がやたらに長い。続いて発芽した大麦を
乾燥させるピートの説明。糖化・発酵の行程。巨大な発酵槽の中でブクブクと泡を吹き強烈な匂いを発散させるもろみは
決しておいしそうとは言えない。この行程の水や酵母により味を左右するとか。次は蒸留。銅製のポットスチル(蒸留器)
の形は巨大フラスコに見えユーモラスだ。タリスカーの蒸留器は独特なものだと言う。
最後に最も興味のある熟成の行程だ。熟成樽の貯蔵庫に案内される。樽の材料や作成行程などの説明より、びっしり並ぶ
樽に感動。スカイ島独特の霧が熟成にも一役買っているらしい。樽に書かれた製造年が気になる。何年物か計算しては喉を鳴らす。
長期の熟成中に蒸発して減ってしまう分を”天使の分け前(エンジェルズ・シェア)”と言う。素敵な言葉だ。
天使はそのお返しにモルトに香りとコクをプレゼントしてくれる。樽の列の中に遊ぶ天使と友達になろうと話しかける。
どうやら酒飲み同士意気投合だ。友達を連れて帰るために試飲したシングル・モルトをショップで求める。満足。
Address | Carbost, Isle of Skye Inverness-shire IV47 8SR |
Telephone | 01478 640314 |
Web Site | Talisker Distillery |
詳細はWeb Siteなどでご確認ください。
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