2005の旅 スコットランド編

花花

第20日 7月5日(火) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程   Broadford --- Talisker Distillery --- Lephin(Skye Silver) --- Dunvegan Castle --- Monument to Flora Macdonald ---
            Kilt Rock Waterfall ---Old Man of Skye --- Portree --- Broadford
今日の走行距離   278km   今日の万歩計  7,963歩

Limestone Cottage
雨の多いと言われるスコットランドでもとりわけ雨が多く霧の島とも呼ばれるスカイ島だ。昨夜は激しい雨が屋根裏部屋の 天井窓を打つ音がしたが、サンライズが素晴らしいと聞いて4時30分に起きた時には上がっていて、それらしい眺めをゲット。 窓を覆うアイビーが良い感じだが、帰ってみるとハプニングがあろうとは…。
早朝は軽いミストだ。Limestone Cottageのフロントヤードは極めて小さなものだが、よく手入れされ植栽も考え抜かれている。 リビングから見える庭も素晴らしい。
窓が小さくて暗いが、それが良い雰囲気を生むリビングで朝食。昨日は姿を見せなかったホステスのKathieは長身・痩身な女性だ。 大病をしてようやく快復したところだという。闘病中の夫の看病への感謝の気持ちを繰り返し話す。ロマンティックな女性らしく、 朝食のプレートにもハートの形に成型したポテトと星型にくりぬいたパンを揚げたものが乗っている。
病気以来食の進まないKathieは妻の食べっぷりをみてあなたは痩せている割に大食いねと驚いている。二人ともすっかり平らげる。

Limestone Cottage Limestone Cottage Limestone Cottage Limestone Cottage Limestone Cottage

Talisker Distillery

Talisker Distillery
自他共に許す酒好きだ。中でもウイスキーが最も好きだ。最近は食事にあわせワイン・ビール・日本酒・紹興酒などを いただくが、ナイトキャップは決まってスコッチだ。ブレンデッドが主体であるが、03年の旅でシングル・モルトを 知ってからは、折に触れシングル・モルトも楽しむ。なにせ量をいただくので、ブランドには拘らない。 飲めれば幸せといったところだ。だが、その違いは判るつもりだ。
そんな私だからこのスコットランドでの楽しみ一つが蒸留所巡りだ。今日はその第1弾である。 Talisker Distilleryだ。 三大アイランズ・モルト(島で産されるモルト)の一つと言われ、個性的な香り強烈な口当たりが特徴と聞いている。楽しみだ。

Talisker Distillery

A87・A863・B8009と繋いでLoch Harportの湖畔に予想よりずっと小振りの蒸留所が現れた。スコッチの香り漂う パーキングには10時のオープンを待つ2組の夫婦と母娘の1組がいた。見学コースは一人5ポンドだ。 諸々の展示がある部屋のコーナーにバーがあり10年物が1グラス振舞われた。見学の最後にあれこれ試飲させてもらえるものと 思っていたのだが外れた。朝10時からシングル・モルトをダブルでなんて、決して拒むものではないと申し上げておこう。 香りをかぐ。強烈だ!一瞬クレゾールかとも思う程だ。しかし、よく嗅いでみるとスモーキーさとスパイシーさが鼻腔をくすぐる。 口に含むと舌の上で爆発が起きたようだ。熱く口の中に拡がりやがて甘さを感じ喉を下りていく。至福だ。驚いたことに 普段はスコッチを口にしない妻も喜んで飲んでいる。おこぼれを期待していたのにいつの間にかグラスは空だ。

Talisker Distillery

さて、見学開始。女性の案内に8人がぞろぞろとついていく。原料の大麦の説明がやたらに長い。続いて発芽した大麦を 乾燥させるピートの説明。糖化・発酵の行程。巨大な発酵槽の中でブクブクと泡を吹き強烈な匂いを発散させるもろみは 決しておいしそうとは言えない。この行程の水や酵母により味を左右するとか。次は蒸留。銅製のポットスチル(蒸留器) の形は巨大フラスコに見えユーモラスだ。タリスカーの蒸留器は独特なものだと言う。
最後に最も興味のある熟成の行程だ。熟成樽の貯蔵庫に案内される。樽の材料や作成行程などの説明より、びっしり並ぶ 樽に感動。スカイ島独特の霧が熟成にも一役買っているらしい。樽に書かれた製造年が気になる。何年物か計算しては喉を鳴らす。 長期の熟成中に蒸発して減ってしまう分を”天使の分け前(エンジェルズ・シェア)”と言う。素敵な言葉だ。 天使はそのお返しにモルトに香りとコクをプレゼントしてくれる。樽の列の中に遊ぶ天使と友達になろうと話しかける。 どうやら酒飲み同士意気投合だ。友達を連れて帰るために試飲したシングル・モルトをショップで求める。満足。

Lephin(Skye Silver)
スカイ島最西端に近いLephinという村にSkye Silverのアクセサリー・ショップがあるとの情報だ。妻には内緒にしておこう。 と思ったが今度は妻の順番だろう。
A863に戻り北上。Loch Harportの河口辺りがView Pointだ。空の色も相俟って幻想的な雰囲気だ(写真左2枚)。 湖面から漂うものを感じる。
更に進むみDun Beag Brochのパーキングに来た。 周りのヒースが色付き始めたようだ。紫に染まった部分も所々に見られる。今年の夏は暑かったから開花も早いのかもしれない。 期待は膨らむ。
B884(B道路で3桁は珍しい)に入り西進。ここも昨日のトピックで述べたSingle Track Roadだ。 岩場とヒースの中の適度なアップダウンとスラロームのあるドライブだ。
お目当てのSkye SilverはLephinでは見つけられず、途中で見つけた ショップに立ち寄る。 店内にはケルト紋様のペンダント・ネックレス・ブレスレットなどが所狭しと並んでいる。ケルト紋様の多様さに驚く。 妻は迷いに迷った末ペンダントを選択、満足気である。

Lephin(Skye Silver) Lephin(Skye Silver) Lephin(Skye Silver) Lephin(Skye Silver) Lephin(Skye Silver)

Dunvegan Castle
お買い物タイムは終了。Dunvegan Castleにやって来た。 800年の歴史を持つ古城だ。今も29代目の子孫が住んでいるという。ここで有名なのがFairy Flagなのだが、 額に納められたぼろぼろの旗だ。Flagと言われればそう見えなくもないと言うくらいのものだ。妖精から送られたもので、 この旗をかざして戦うと勝利がもたらされたという。なにせ4〜7世紀のものというから無理もない。他の展示物も 何から何まで古色蒼然としている。建物からみるLoch Dunveganも神秘的だ。

Dunvegan Castle Dunvegan Castle Dunvegan Castle

ガーデンに出ると円形のヘッジガーデンが目に付く。この荒野と気候のスカイ島でこれだけ多くの草木を育てるのには 苦労も多かったことだろう。滝も見られる。紫色の松ぼっくりを付けた松が印象に残った。とうとう降り出したが そう長くはないだろう。
アザラシ見物のボートを出したり、コテージを貸したりと経営熱心だ。そうしないとこれだけのものを維持して行けないのだ。

Dunvegan Castle Dunvegan Castle Dunvegan Castle

Uig

Monument to Flora Macdonald
Dunvegan Castleの先にさんご礁のビーチがあるとの情報で、道とも言えぬ道をかなり奥まで突き進んだが、 それらしき場所に出会えず引き返す。雨は上がった。
次に目指すは島の最北部だ。A850から再びA87に戻り北上。Uigという街に来た。ここはフェリーも出入りする港であり、 漁港でもある。(写真右)おいしいシーフードを探したいところだがスカイ島探索を優先しよう。

A87はUigからA855に替わる。10kmほど北上すると Monument to Flora Macdonald がある。少し山手に登ると墓地がある。どうやらその中のケルト十字のモニュメントがそれらしい。 時の英雄チャールズエドワードスチュアートを助けたフローラ・マクドナルドという女性のモニュメントだが十字の上部は 苔むし、うっとうしい空模様と墓碑の中背中が寒い。墓地の奥のほうには写真右のような墓石がありこれについてもいわく因縁が 書かれている。
Monumentを下りA855に戻る右手にThe Skye Museum of Island Life がある。粗末な石と藁で出来た建物が数棟、島の古い暮らしを伝えているのだろうが、ここはパス。

Monument to Flora Macdonald Monument to Flora Macdonald Monument to Flora Macdonald

Kilt Rock Waterfall
A855でスカイ島の北端を廻った辺りから異様な光景が現れる。なだらかな牧草の丘に茶色の角ばった岩がそそり立つ風景だ。 柱状節理の表出だ。大きな規模で次々に現れる。
Ellishaderの村を左手にこの柱状節理を落ちる滝がある。Kilt Rock Waterfallだ。霧の島だけに水量は豊かだ。

Kilt Rock Waterfall Kilt Rock Waterfall Kilt Rock Waterfall

Waterfallの先の岩がKilt Rockだ。 スコットランドの民族衣装のプリーツのキルトに似ているのでこの名が付いた(写真下右)。敢えてこの岩でなくても周り中 皆キルト・ロックだ。

Kilt Rock Waterfall Kilt Rock Waterfall Kilt Rock Waterfall

Old Man of Skye

Old Man of Storr
A855を南下する。大きくスラロームを描き、アップダウンを繰り返していると前方の山の中腹に奇妙な形の岩が見えてくる。 Old Man of Storrだ。
幾つもの尖った岩を従えて兀然として立つOld Manは何かを発信してくる。道はOld Manの直下を通り過ぎ、Old Manは背後になる。 このまま過ぎ去れずに、Uターンしてもう一度彼に対面して走る。一番美しく見られた場所(写真右)で再び車を止め暫し見入る。
Old Man付近のA855の両側は驚くほどの数の車が駐車されている。Old Man目指してこの岩山に登っているのだろう。 皆に親しまれているのだ。
スカイ一の街Portreeはトイレ休憩のつもりで寄ったが、流石にスカイ島一の街だ。面白いお店が並んでいる。 ろうけつ染めの店でケルト紋様のテーブルクロスを購入。良い買い物をした。
これでスカイ島のドライブは終わる。昨日スカイに着いて以来感じる不思議な情感を伝え切れていない。 並ではないが驚くほどでもない景観なのだが、受けるインパクトが違うように感じる。自然が話しかけてくる様でもあり、 Dunvegan CastleにFairy FlagをもたらしたFairyの仲間が悪戯しているようでもある。

Broadford Hotel
今日もディナーはBroadford Hotelにする。スターターはシュリンプ(小エビ)のカクテルを半分ずつ。メインは ホームメイド・ステーキパイとハドックのグリルをオーダー。今日は写真を忘れずに!
ステーキパイはコクがあって良い味だ。ハドックのグリルはフィッシュアンドチップスと変わらない。やっぱりおいしい。 新鮮な魚なのだろう。

Broadford Hotel Broadford Hotel Broadford Hotel Broadford Hotel Broadford Hotel

Limestone Cottage
B&Bに戻ると驚くことに暖炉に火が入っている。まだ時間は早い。ロッジの周辺を散策する。記念碑の前で、 犬を連れた朝の散歩の老人と出合う。求めもしないのに親切にも記念碑の説明をしてくれる。第二次大戦でスカイ島も 戦場となったようだ。その際の戦死者を慰霊する碑であると言う。英国人だけでなく、敵対国の戦死者も一緒に祀ってあるのだと いう。そこが良い。夏休みで早朝から遊ぶ少女と話したり、斜面のガーデンの手入れをするおばさんに挨拶したり、 日蘇友好(スコットランドは漢字で蘇格蘭と記す)に励む。
部屋に戻ってビックリ。今朝まで窓枠に良い雰囲気で絡んでいたアイビーがすっかり刈られてしまっている。Tonyの仕業だ。

Limestone Cottage Limestone Cottage Limestone Cottage

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渡英の経験も8回を数える。色々と慣れてきた。しかし、未だに戸惑い悩むのがチップ制度だ。ホテル・レストラン・ タクシーに関する情報は潤沢にある。しかし、B&Bやパブに関しては多くのサイトを参考にさせていただくが、 クリアーな結論に至らない。B&Bやパブでは基本的にはチップの必要はない。と認識し、そのように行動しているが、 今のところトラブルはない。
チップとは異なるが、私達はB&Bへお土産を持参する。これがホスト達との心の交流に大いに役立っていると感じている。 プレゼントをされれば誰でも嬉しいものだ。ささやかでも日本情緒を感じられるものを選ぶ。渡すと大抵はその場で開いてくれる。 そこで使用法や素材などについて説明をする。それで大いに親近感を抱いてもらえるようだ。

お土産

今年は写真のようなモビールにした。モチーフは着物姿の少女と和傘、素材は和紙と竹だ。渡した全てのB&Bが その場でリビングやダイニングに飾ってくれた。
04年は風呂敷だ。花柄の縮緬のものだ。本来の用途の他に、スカーフやテーブルクロスなどに利用してもらうよう説明した。 6月7日のParford Wellでは早速テーブルクロスとして使っていただいた。6月10日のGwynoonのMonicaは別れ際に 大切にすると言ってくれた。
03年は笊の3枚セットだ。素材の竹と編み方に興味を持ってもらえた。野菜などを洗った後の水きり用として用途は伝わった ものと思う。
02年は趣が変わる。この年はサッカーのワールドカップが日本で開催されていたので、FIFA公式グッズのキーホルダーにした。 サッカー発祥の地だけに大変好評でご夫婦で取り合いになりそうな気配になったりして愉快だった。
01年は始めての年で考え抜いた末、手作りの照る照る坊主にした。大小様々、表情も様々に作って持参した。 用途についての説明には苦労したが、大方ニュアンスは伝わったようで、いろんな風にぶら下げていただいた。 2年目からは手作りのアイディアがなく市販品となった。
他に小物を幾つか用意していく。B&Bで馴染みとなったお客さん・パブやレストランで親切にしてもらった ウェートレス・観光中にお世話になった方などに気楽に渡して感謝の心を伝えるためのものだ。
キーホルダーでは下駄や草履・縮緬製の巾着やテディーベアー・煙管と煙草入れなどをモチーフとしたものだ。 和紙製のブックマーカー、千代紙なども喜んでいただけたと思う。
さりげなく、しかし、確信を持って渡したい。


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