Minack Theatre 2009年6月3日 訪問
5年前に訪れ、「いつか夏の夜に、シャンパンなどお供に公演を楽しみたい」と強く念じた野外劇場Minack Theatreにやってきた。
調べてみると、シャンパンを楽しもうにも夜の部は20時開演だ。23時近くに終演して、夜道のローカルロードの45分の
ドライブは、余りにもリスクが大きいと断念する。幸い水曜日と金曜日に昼の部の公演があるので、
3月30日の発売開始日にネットで早々にチケットを手に入れた。
5年ぶりのポースカーノ湾(Porth Curno)は変わらぬ驚きで迎えてくれた。コバルトブルーの海と白い砂浜の何と美しいことか。
この旅で一番の暑さだ。砂浜には沢山の海水浴客が見える。
チケットを見せ入場する。開演30分前なのにもう沢山の観客でごった返している。席を探してうろうろしていると係員が
誘導してくれた。何と前から2列目の席だ。石の席は焼けて熱いほどだ。用意したシートを敷く。座席を確保し一安心。
開演前に冷たい飲み物を求めて売店へ行く。あまりの暑さにシャンパンの前にビールが欲しいと思い尋ねると、
アルコール類はないと言う。(チケットと一緒に入っていたリーフに「アルコール類は自分で用意せよ」と書いてあった。)
已む無くミネラルウォーターを求める。売店の傍らに"Minack Seats"なるものが1ポンドで貸し出されている。
座る部分と背もたれが一体となったシートだ。これは便利だ、迷わず2つ借りる。お客さんは続々と詰め掛けている。
800あるという座席がほぼ埋まってしまう。
このオープン・エア・シアターはロエナ・ケイド(Rowena Cade)という女性が、1923年からほぼ一人で手押し車で
断崖絶壁に石を運び、約60年の歳月をかけて作り上げたものだ。背もたれには歴代の公演演目と年を刻んである。
ゴツゴツした石のシートの感触を確かめながら、改めて彼女の演劇への情熱を深く感じる。
この劇場は観劇しなくても見学だけでもお薦めしたい。かの有名なランズ・エンド(Land's End)よりずっと美しい
コーンウォールの海が見られる。水・金曜日は午後の公演があるから11時30分まで、その他は17時までオープンしている。
さて、演目はミュージカル”コーラスライン(A Chorus Line)”だ。ミュージカルは国内でも見たことがないが、
そのストーリーなどを少しかじってきたので、言葉は分からなくても何とか楽しめる。オーディションを受けるダンサーとしては、
出演者の体型が少々ご立派過ぎる感は否めない。
ミナック・シアターは断崖にあるから海風が強く夏でも寒いことがある。雨の中の公演もあり得る。などの情報があったので、
ウインドブレーカーや雨具を用意したが、観劇日和を通り越して肌がジリジリ焼けるほどの熱さだ。海風はそよともしない。
中には日傘を差している人もいるが、それはマナー違反だろう。
休憩に入り再び売店へミネラルウォーターを求めにいくと、アイスクリームが飛ぶように売れている。もちろん私達もいただく。
劇場を見渡してみる。やはり劇場は人が入ってこそ生きているように思う。人々のざわめき、色とりどりの洋服などが
この壮大な劇場に命を吹き込んでいる。ロエナ・ケイドもどこかの席で見守っているように感じる。
写真下左の座席の赤いものがMinack Seatsだ。妻は休憩時間に入り日傘を差し暑さを凌ぐ。出演のキャストも合い間に
水分を取りながら演技するほどの暑さなのだ。
Address | Porthcurno Penzance Cornwall TR19 6JU |
Telephone | 01736 810 181 |
Web Site | Minack Theatre |
詳細はWeb Siteなどでご確認ください。
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