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Blackford  ブラックフォード
               2010年5月29日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の第1訪問地はハイランドゲームズ(Highland Games)が開催されるブラックフォードだ。ハイランドゲームズとは、スコットランドのハイランド地方各地で 5月から9月にかけて行われる競技会で、ハイランドギャザリング(Highland Gathering)とも呼ばれる。 その起源は中世に遡り、折に触れて行われた屈強なハイランドの男達の力比べに端を発するといわれている。
夏の風物詩としてテレビなどで見て、いつかはハイランドで実際にこの目でゲームズを見たいと願っていた。調べてみると毎年100を超すハイランドゲームズが開催されるが、 その多くが8月の開催で、今回の旅の滞在中には15の開催が見つかったが、日程が上手く合致したのが今日だけなのだ。しかも2か所で開催されるのだ。 もう一つはバスゲート(Bathgate)で開かれるWest Lothian Highland Gamesだ。 バスゲートはベルサイドから南へ10km足らずのところだが、開始時間や後の訪問先などを勘案し、ブラックフォードに決めたのだ。
到着は10時25分、開始5分前だ。入場料を言われる通り1人4ポンドとパーキング1ポンドで9ポンドを支払ったが、シニアは1人2ポンドで良かったのだ。 若く見られたということで妻は納得しているのでそれで良しとしよう。

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会場はバグパイプの音が高らかに鳴り、売店も巡回遊園地も最後の準備に大童というところだ。1870年に始まったという Blackford Highland Gamesは今年で141回という歴史を誇るのだ。 この片田舎の小村で長く存続していることは、伝統を大切にするイギリスならではのことと感心する。
既に広い芝の会場を囲むように観客が集まり始めている。地元の人達が座っているベンチの隅に座らせてもらう。 折りしもハイランドダンスが始まった。様々な色のタータンチェックのスカートとベストに身を包んだ少女たちが(幼稚園児から中学生くらいまでか)、次々に登場し、 バグパイプの演奏に合わせ飛び跳ねるように踊る。こちらも思わず体が弾んでくる。初めと終わりに腰に手を当て、お尻を突き出すようにお辞儀をする挨拶が可愛い。 どうやらこのダンスも競技会のようで採点する審査員が2ヶ所のテント(写真下左の右の方に見える)で採点している。
到着時からポツリポツリとしていたが、生憎と強い降りになり気温もかなり下がったようで寒い。審査員や地元の方は準備良くテントを用意しているが、 旅人は小さな折り畳み傘とリュックに忍ばせてあったビニールシートを膝に掛けることしか手がないが、心浮き浮き楽しい気分だ。 売店でホットチョコレートを求め暖まる。チョコの中にマシュマロが沢山浮いていてとても美味しい。 こんなこともあろうかと、エジンバラのロイヤルマイルで求めた手袋が役に立つ(妻の手袋はサイズがちょっと合わないがご愛嬌)。

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そんな中でも、男たちの力比べ(Heavy Events)が始まって、ハイランドゲームズ気分は高まってくる。先ずは丸い石を砲丸投げのように投げる競技が始まった。 キルトをはいたむくつけき男共が持つと石が小さく見え、ユーモラスだ。
次は円盤型の石だろうか、円盤投げの要領で投げる。続いて石に棒を付けたものを振りまわしてハンマー投げのように投げる。これはかなり遠くまで飛んでいった。 参加者は15名程度で次々に投げて行く。
雨も強くなりもう一つ盛り上がってこないのはアナウンスがないからだと気付く。競技の説明とか選手の名前をアナウンスし、実況なども入れて盛り上げたら面白いと思うのだが、 これが141回の伝統なのだろう。選手は気合の声を発するでもなく、ガッツポーズをするでもなく、黙々とゲームをこなしていく。モンゴルとは大分違うようだ。

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Countryside

いよいよ丸太投げが始まった。写真右のように直径20cm程で長さ4m余りの丸太を素手で縦に持ち上げ、これを上前方に放り上げて1回転させれば成功というゲームだ。 雨で手が滑って成功する者がいないまま競技終了のようだ。
次に自転車のレースが始まったが、濡れた芝のコースでのレースはさぞかし大変だろう。徒競争も始まったが、観客席から遠くて迫力は今一つだ。 参加者が多いのだろう、延々とレースが行われているが、ゴールするとゼッケンを回収し、係員がスタート地点に走って運んでいる姿もローカルな雰囲気で面白い。 これらの競技には賞金が掛っているし、何よりも誇りが掛っているのだろう。それだけに選手は真剣だ。
私も見ているより参加してみたい。踊る阿呆に見る阿呆だが、力比べへの参加は民族衣装(Highland Dress)の着用と事前登録が必要なのだ。年寄りの冷や水は慎まねば・・・。
若干小止みになってきたところでパレードが始まる。合羽を着ているバグパイプの楽団は民族衣装が見られずシャレにならない。続いて真っ赤なスポーツカーが現れた。 ミススコットランドが来るというので、これに乗っているのかと思ったら子供たちが乗っているようだ。ミススコットランドは族長(Chieftain)と思われる男性と歩いて現れた。 長靴を履き、傘を持ってのカジュアルなスタイルで登場だ。ここでもはっきりしたアナウンスもなく運営役員や選手と握手したり、記念写真を撮ったりする程度で盛り上がりに欠ける。
ここまで既に3時間が経った。綱引きや重い石を後ろ向きに投げ上げてバーを超えるゲームなどハイランドゲームズはこれからが佳境だろうが、この辺りで切り上げよう。 というのは、湖に浮かぶ島に修道院の廃墟があるとの情報がある。これは看過出来ない。

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Information
 Address  The Highland Games Park, Blackford, Perthshire, PH4 1QF
 Telephone  -
 Web Site  Blackford

詳細はWeb Siteなどでご確認ください。

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