エンブセイ−ボルトン・アビー蒸気鉄道 Embsay Bolton Abbey Steam Railway
今年の旅のエリアにも幾つもの保存鉄道が走っている。その中からエンブセイ−ボルトン・アビー蒸気鉄道を選んだ。
スキプトンの郊外のエンブセイ(Embsay)と昨日訪れたボルトン・アビーの間4マイル(6.4km)を15分で走るラインだ。
このラインはスキプトンとイルクリ―(Ilkey)を結ぶミッドランド鉄道(Midland Railway)の一部として1888年に開通し、
1965年に廃線となったもので1997年に保存鉄道として再開されたものだ。
10時エンブセイ駅到着。始発時間30分前だが、パーキングはコーチや乗用車で混雑している。急いで切符売り場に走る(写真上左から2枚目)。 1888年開通当時の駅舎の前には古いトランクが積んであり旅情をそそる(写真上右から2枚目)。
蒸気機関車の"Norman"が入線してきた(写真上左)。1943年の製造というから私より1年年長だ。1944年にはフランスに渡り
1946年にイギリスに戻され、1976年まで現役で使われた後、博物館などに展示され、2010年にここで現役復帰したという。
往路は後ろ向きに連結して走るようだ(写真上右2枚)。
団体客も多く、各車両とも混雑している。前2車両だけ何故か空いている。良く見ると"FIRST CLASS"と記されている(写真下左から2枚目)。
チケット売り場に戻り、料金を訊くと「2ポンドプラス」とのことだ。チケットを求め乗り込む。
一番前の車両は座席は固定ではなく優雅な椅子が並べられている。椅子や壁、床の色も統一され落ち着いた雰囲気だ。取り付けられた扇風機もレトロだ(写真下左)。
2両目は1面が長い革張りのソファーで大きなテーブルのある車両だ。窓も広くゆったりとした空間だ。ひょっとすると食堂だったのかもしれない(写真下右から2枚目)。
往きは一番前の車両で椅子を窓側に向け車窓を楽しむ。景色は概ねヨークシャー・デールのなだらかな斜面に牛や羊が、のどかに草を食んでいる贅沢な光景だ(写真下中2枚)。
しかし、時に岩山の険しい景色も見られる。エンブセイ駅近くで見られた岩山は"Embsay crag"と思われる(写真下左)。
ボルトン・アビー駅近くでも線路の南側に険しい岩山が見られる(写真下右)。
写真上右はドアのガラス窓の開閉用のベルトだ。ロックを外し、窓ガラスを下げベルトの穴をフックに引っ掛けて止めるシステムだ。レトロだ。
一番前の車両だから煙突から出る煤塵が窓ガラスに当たりバチバチ音がしている(写真下左)。ボルトン・アビー駅で機関車の入れ替えをする。
復路は蒸気機関車は前を向いて走る。機関手が内部を写して良いと体を引いてくれた。蒸気機関車の各部品は重厚で重量感に溢れているが、
トータルのシステマティックな姿は優美でさえある。
ボルトン・アビー駅舎は保存鉄道として再開時に建てたものだと言う。ショップを覗き2人の男子の孫に機関車のイラストが入ったキャップを求める。
帰りは2両目のソファーでティーをいただきながら返りたいと思いティールームでテイクアウェイを頼んだら「テイクアウェイはやっていないが、
これを持って行きなさい」とマグカップを渡される。「カップはどうすればよいか」と訊ねると「あなた方の良い記念品になるでしょう」とのことだ。
おおらかな対応に心身ともに温まるティーとなる。とはいえ、厚手の大型カップは手荷物の重量を増すばかりだ。
Address | Bolton Abbey Station, Bolton Abbey, Skipton BD23 6AF |
Telephone | 01756 710614 |
Web Site | Embsay Bolton Abbey Steam Railway |
詳細はWeb Siteなどでご確認ください。
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