1999の旅 コッツウォルズ・ホームステイ

花花

第5日 7月1日(木)

ステイも今朝でお仕舞いだ。シャワーのお湯の出が悪かったり、トイレの水の流し方が難しかったり不都合もあった。
しかし、それを補って余りある実り多き3日間であった。心から寛ぎ楽しみました。(私達のB&B好きの原点だ。)
今朝もグレープフルーツのシロップ漬けがおいしいので「手作りか?」と聞くと、「いいえ、缶詰よ。」と大きな缶詰を出してきて、
「持って帰ると良いわ。」と差し出す。「Too much heavy. 勘弁してよ。持つのは私。」と辞退する。
今日の集合場所は競馬場のパーキングだ。生憎の小雨の中、JanetとFredと二人してお見送りくださる。本当にお世話になりました。

今日は世界遺産2つを巡りロンドンに入る。お風呂の語源となった街"Bath"と巨石遺跡"Stonehenge"だ。
バースといったらローマン・バス博物館(Roman Bath Museum)だ。これが2千年も前のローマ帝国の遺産だという。驚きだ。
博物館も隣接するビルも軒下に大きなハンギングバスケットが並んでいる。植栽も統一されていて、とても見映えがする。

Janet&Fred Bath Bath

コスチューム博物館&アッセンブリールームで舞踏会場やドレスを見学。
次にやってきたのがロイヤル・クレセント(Royal Crescent)だ。18世紀の高級集合住宅だ。ここもバースの世界遺産のひとつだ。
三日月型の弧が何とも優美だ。そして大きい。私のカメラでは全体が入らない。現在は一部がホテルになっているらしい。

Bath

そしてやってきたのがストーンヘンジだ。
緑の平原にその巨大な石組みが突如現れた時には胸が締め付けられ、ザワザワするようなる感動に言葉を失った。
(前後4回訪れているがそのザワつくような感動は変わらない。)
駐車場から地下道を通って巨石群の間近に出る。近くに寄るとその巨大振りに圧倒される。
その歴史は5000年前に遡るという。月並みだがいったい何のために・・・。それにしてもこの巨石を組む技術がその時代にあったとは。
興奮の内にシャッターを押し続けた。沢山の写真を撮ったのだが全て整理してしまった。何と言うことか。
写真なしでは寂しいので "FreeFoto.com" からお借りした。それにつけても神秘な姿だ。

Stonehenge Stonehenge Stonehenge

夕食は”ロンドンイルミネーションと「ジョージ・イン」でのディナー”なるオプショナルツアーに参加する。
イルミネーションを見学するといってもイギリスのこの時期では9時を過ぎても暗くはならない。
おそらく9時頃のスタートだったのだろう。薄暮の中、ピカデリーサーカス周辺やウェストミンスター寺院、ビッグ・ベンなどを巡る。
ジョージ・イン(George Inn)はロンドンでも最古のパブのひとつで17世紀に建てられた馬車宿だという。
かつてはDickensやShakespeareも訪れたそうだ。ロンドンに唯一現存する回廊式の馬車宿なのだそうだ。
現在はナショナル・トラストの所有で民間に貸し出されパブとレストランになっている。(この辺りが英国らしい。使用しながら保存する。)
パブはお客さんでごった返している。観光化が進んでいるようだ。ビールと共に楽しく食事をいただいく。
帰りはロンドン橋を渡って帰る。すっかり暗くなった中、ロンドン橋の上からライトアップされた タワーブリッジが見られた。

花花

第6日 7月2日(金)

今日は終日フリータイムだ。オプションとして昼は”スコットニー・カースルとウィズリー・ガーデンを訪ねて”が、
夜は”「バトーテムズ」ディナークルーズ”が用意されている。どちらも魅力的だが、ツアーから離れての行動もしてみよう。
色々調べたところキュー・ガーデン(Royal Botanic Gardens, Kew)が面白そうだ。
世界で最も有名で最大規模の植物園だという。(2003年には世界遺産に登録された。)
テムズ川を船で行く方法もあるようだが、経路が複雑で自信がない。地下鉄を利用する。駅からキュー・ガーデンまでの商店街もお洒落だ。
1759年に宮殿併設の庭園として始まり王立植物園となる。世界の植物研究の殿堂として種子保存庫など膨大な資料を収蔵しているという。
また、19世紀にプラント・ハンター(植物探検採集家)により広がる植民地の隅々や未開の地から採集した植物など4万種類も育てられている。
初めて出合ったモンキーパズルツリー(別名「チリ松」、「ヨロイスギ(鎧杉)」)。 (05年の旅6月29日編"Topic"も参照ください。)
”猿の困惑” この木を前にしてはさすがの猿も困惑することだろう。愉快だ。記録では45メートルもの高さのものもあると言う。
ここには6つの大きな温室があると言う。それだけ集めた熱帯植物も多いということだろう。
右がパーム・ハウスだ。大きいだけでなく、その曲線が優美だ。

Kew Kew Kew

こちらはテンペレイト・ハウスという。世界最大の温室だ。こちらも劣らず優美な姿だ。
全てのスケールが大きい。広大な園内を走り回るが如く彷徨う。歩き疲れて気が付けば、喉はカラカラ、お腹はグーグー。
ビュッフェスタイルのランチをテラスでいただく。この後の予定を相談する。Regent's ParkのQueen Mary's Gardenのバラで意見一致。
フリータイムだから夕食も予約しなければ、”地球の歩き方”で紹介されている”Scotts”でシーフードで意見一致。
お目当ては大好物の牡蠣だ。日本では”R”の付く月しか食べられないが、イギリスでは1年中OKだ。
レストランに公衆電話でダイアルするが掛からない。近くの学生らしき若者に尋ねると市外局番が必要だという。
ここはロンドン市内ではないようだ。無事20時に予約完了。親切な若者だった。

Kew

地下鉄でRegent's Parkへ移動。Queen Mary's Gardenではまだまだバラが満開だ。これでもかというくらいのバラだ。その数6万株という。
ここでも写真を撮りまくったのだが1枚も残していない。早まった。
さて、ディナーの”Scotts”は地球の歩き方1999〜2000版の”高級なイギリス料理”で紹介されている。楽しみだ。
一旦ホテルに戻り、シャワーを浴び、一休みしてからお洒落をしてタクシーで向かう。
ところがタクシーがこの辺りだと降ろしてくれた場所が違っていたようだ。ここでも親切な方に道を教わり無事到着。
オーダーは”シーフードの盛り合わせ”のようなもの(正しい名前は覚えていない)。当時の換算で8000円位だった。
牡蠣は含まれているし1品で二人が楽しめる量だという。しかし、牡蠣を1ダース追加オーダーし、白ワインもオーダーする。
出てきた料理はアフターヌーンティーで使うような(当時は知らなかったが)3段の銀の盆だ。
一番上は牡蠣が2種1ダース、2段目にロブスターの大きな爪がごろごろ、3段目に海老が2種類どっさり。
なるほどこれだけあれば追加は要らなかったか。別のプレートで牡蠣が1ダースやって来た。
美味しい美味しい会話も忘れるほど没頭して牡蠣とロブスターは平らげたが、海老は幾つか残してしまった。満足。
ウェーターに断って写真を撮ると近くの席の大男がこちらにやってくる。
何か文句を言われるのかと思ったら、「お撮りしましょう。」とにこやかに声を掛けてくれる。親切に甘える。

花花

第7日 7月3日(土)

今日夕方には帰国だ。出発まで自由行動となっているが、魅力的なオプショナルツアーを用意してくれてある。
”プライベートガーデンとガーデンショップ巡り”に参加する。
大きな木が繁る緑豊かな閑静な住宅街のように記憶している。バスの乗降もはばかるような生活道路で降りたお宅は予想よりずっと小さい。
フロントガーデンは駐車スペースに取られて狭い。しかし、フェンスにはつる性の植物を這わせるなど管理のよさが感じられる。
奥様が出てきて家と塀の間の狭い通路を通って案内される。バックヤードも奥行きはあるものの思ったよりずっと狭い。
ロンドンの住宅街ではこんなものなのだろう。一段高くなったサンルームから庭を見下ろせる設計だ。テラスもある。
塀は全てつる性の植物で覆われ、多くの樹木・潅木が植えられ森の如くだ。背丈や葉の色や形・質感を変え奥行きを感じさせる。
足元は葉物で彩られ芝が広がる。この時期開花している草花は多くないが、宿根草も沢山植えられているようだ。
コンテナも随所に配置されている。良く見つめてみると様々なオブジェやオーナメントがある。
視覚的効果を狙ったものや隠すように何気なく置かれたものなどワクワクさせるガーデンだ。
こちらの質問に丁寧に応えてくれる奥様もにこやかで楽しそうだ。ガーデニングが好きで人に見てもらうことが喜びなのだろう。
さすがにNational Garden Scheme(NGS)に登録されているだけのことはある。(NGSについては英国ガーデンは楽しい 第 2 回を参照ください。)
このガーデンがその後の私のガーデニングに大きな影響を与えている。例えばアーチフローラだ。
他にもトレリスやハンギングも上手に使って立体的な広がりを見せるガーデンだ。この”立体的”もマイガーデンのキーワードだ。
奥の見え難いところに温室・物置・洗濯干し場などがある。

NGS NGS NGS

NGS登録のプライベートガーデンを堪能した後はガーデンショップだ。日本の園芸店とは少し趣が違うようだ。
置いてある植物やコンテナなどガーデン・グッズの種類・数の豊富さが桁違いだ。店先のハンギングもさすがだ。
この旅では随所で花に対する想いを覆すカルチャー・ショックを受け、触発されただけにあれこれ心動かされる。
育ててみたい花の苗もあるが所詮持ち帰れない。ガーデン・グッズのコーナーを物色し優雅な形のテラコッタと
ワイヤー製の燭台付きコンテナケースを求める。しっかりパックしてもらい、機内持ち込みで持ち帰る。
写真右は前日Stoe−on−The−Woldで求めた陶器製のコンテナケースだ。いずれもお気に入りだ。

shopp shopp shopp shopp

無事帰国。狭くて陽当たり・風通しの悪い庭でのガーデニングが始まる。
見てきたようには、また、頭に描くようには行かない。試行錯誤・暗中模索・五里霧中・苦心惨憺・悪戦苦闘。
ストレス発散にもう一度イギリスへ行こう。そうして私達の”カントリーサイド・ガーデン巡り・ドライブ”が始まったのだ。

写真たっぷりの旅行記をご覧ください
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