2. 英国ガーデンのマインド 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
英国で「花は育てるものだ」・・・と原点に戻り帰国、花作りを再開した。
しかし、思うに任せない。もとより日当たり、風通しの悪い庭だ。英国と日本の気候の違いも大きい。
ストレス発散にもう一度英国へ行こう、目の保養をしよう、センスを研こう、なにか学んでこようと、
英国のガーデニングに接し、癒され、学ぶための個人ドライブ旅行も6回を重ねた。
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しかし、イングリッシュ・ガーデンを真似るつもりはさらさらないし、真似もできない。
何より気候の違いはかばいようがない。
夏のロンドンの平均気温は東京より10度以上低い冷涼な気候なのだから。
ならば、そのマインドに学びたいと思う。
その背景や根底にある精神や文化に共感し、
それに触れる心地良さを体感することが大切だと思う。
イギリス人のガーデンは、あるじ自らが造り、手入れをする。
そして、そこに家族が集い親しみ、友を招き語らう。そういうライフスタイルに学びたい。
また、それが街路の景観作りにも一役担っている。そうした社会性がある。
「個」と「公」の役割があることも認識したい。
写真は 私たちが泊まったB&B
NGS登録で回遊式のバックヤードがとても素敵だ
この写真はキッチンガーデンから建物を望む
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社会性といえば、英国にはNational Garden Scheme(NGS)というチャリティー組織がある。
そこに登録されたガーデンは3,500にもおよぶ。各ガーデンは最も美しい時期に年に数日一般公開される。
その入場料や寄付などを財源に福祉事業を支援する組織だ。
NGSは1927年に設立され、深く英国市民に浸透している。
イエロー・ブックと呼ばれる黄色い表紙の冊子が毎年発行され、登録ガーデンとその公開日などが紹介される。
公開日にはホストはお茶と手作りのクッキーなどを準備しヴィジターをもてなし、案内をするのだ。
また、友人達もこれをサポートする。素晴らしい組織だと感動を覚える。
NGSの選考基準の一つはヴィジターを45分間厭きさせない見所のあるガーデンであることだ。
NGSに登録されることは、とりもなおさずガーデンのあるじの誇りなのだ。
写真は NGSのイエロー・ブック
いつかこの本を手に気ままにガーデン巡りをしたいものだ
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私達のガーデンも試行錯誤を重ねながら成長してきた。日当たり、風通しの悪さをカバーするために、
コンテナとハンギングを主体にして移動を可能にした。置き場所も垂直思考にして、壁やトレリスを活用した。
自ずとそこには夫婦の会話も増えた。既に独立した子供たちにも花心は伝わったように思う。
ご近所の方や通行人からも声を掛けていただく機会が増えた。
私達も散歩の途中でガーデニングをしている方を見かけると問い掛け交流させていただく。楽しいものだ。
庭師や植木職人任せの庭を愛でるのではなく、コンテストに出すための花を作るのでもなく、
家族で楽しみそこに生活があり、なおかつ、社会に開かれたガーデンを目指すなら、
豊かな日々となることだろう。
写真は マイガーデンのハンギング
お隣とのフェンス、ここが日当たりが1番なのだ
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リビングの吐き出し窓
壁にバラ トレリスにクレマチス
天井から吊るしたハンギング
全ては垂直思考の賜物だ |
リビング前の花壇
夏椿に絡ませたクレマチス
高く工夫したコンテナ台
コンテナはローテーションして日照を確保 |
玄関脇の目隠し
ここにもトレリスを活用
少しでも狭さをカバーしたい
オブジェの効用も英国から学ぶ |
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