2005の旅 ヨーク編U

花花

第26日 7月11日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程   East Calder --- Alnwick Castle --- Great Ayton --- Guisborough ---
                    North Yorkshire Dale --- Pickering Castle --- Sinnington
今日の走行距離   400km   今日の万歩計  15,873歩

Ashcroft Farm House

Ashcroft Farm House

とうとうスコットランド最後の朝を迎えた。朝のダイニングは大賑わいだ。たった2日目なのに皆と打ち解けて交流できるのも Elizabethのホスピタリティーのお蔭だ。Elizabethはそれぞれのテーブルに声を掛け、全体が和やかに会話できるよう 気遣いを忘れない。観光の相談に乗ったり御代わりを薦めたりだ。
ここもゴルフのお客さんが多いようで、インテリアはゴルフ絡みのものばかりだ。さすが発祥の地、本格的なものから ユニークなもの、ユーモアあるものなど様々だ。

Ashcroft Farm House

今日はキッパーにしたら2枚も出てきた。妻はスモークト・ハドックをオーダー。ポーチド・エッグが2つ付いている。 双方満腹、トーストには手が付けられなかった。ミルクティーと良くマッチする。
アメリカ人ファミリーの出発と重なり玄関は大混雑だ。握手で陽気にさよならの挨拶をして出発する。
後日談 : 帰国後Elizabethからメールが入った。"I found one of your little socks with my washing"とある。 洗濯物をたたんでいてソックスが片方なかったのだが、どうしたのかな?で済ませていたのだ。 そんなところで迷子になっていたとは! 送りましょうかと続いていたが、ノーサンキューとメールする。

Alnwick Castle
出発はしたが、旅も26日目ともなると疲れが溜まっているようだ。運転していてむしょうに睡魔が襲う。 途中のBerwick-upon-Tweedという街の美しい海岸の見える場所で小休止。暫し睡眠。顔を洗って再出発。
今日の最初の訪問先はAlnwick Castleだ。 Northumberlandにある大きな城だ。現在も人が住む居城としてはWindsor Castleに次ぐイングランド2番目の大きさだという。 パーキングは少し離れたところにあるが既に満杯だ。空きを求めてぐるぐる廻っていると後からどんどん入ってくるから渋滞が 起こる。整理員はいない。諦めて出ようとすると自動ゲートが閉まったまま動かない。どなたかが電話をしてようやく 係員が現れ、臨時駐車場に行けと言う。更に離れた臨時駐車場からは2階建てバスで送迎される。 入場できたのは到着から30分以上も経ってからだ。
ご覧の通り壮麗な城だ。ハリー・ポターほか幾つもの映画のロケ地であるという。屋根に人が立っているように見えるのは 敵を欺くための像だ。例により城は外観だけ見物しガーデンに回る。

Alnwick Castle Alnwick Castle Alnwick Castle

Alnwick Castle

Alnwick Gardenは2002年にオープンしたばかりで、 発展途上のガーデンだ。 ホームページで"features spectacular water displays, wonderful gardens and one of the largest tree houses in the world."と謳っているが、入り口に構えるTreehousesもガーデンに入って直ぐに目に入るGrand Cascadeも ピカピカで古城のガーデンというより、新しいテーマパークにでも来たようだ。
ガーデンも色々なスタイルのガーデンがあるようだが、城とは独立していて植物園のようで情緒にかける。

Alnwick Castle Alnwick Castle Alnwick Castle

Alnwick Castle

とは言えRose GardenもOrnamental Gardenも植栽の厚さに驚く。Rose Gardenは中心に直径10mを越える大きな円形パーゴラが 設えられ、様々な色のクライミング・ローズが這い登り、その周囲は圧倒されるほどのシュラブ・ローズやブッシュ・ローズの 植え込みの中を歩道が廻らされ周回できるようになっている。
Alnwick Castleという名前のバラがあると聞いたが花期を過ぎているらしく見つけることができなかった。
Floating on Haven!から写真をお借りした。 コロンとした姿で中心の花びらの重なり具合がゴージャスだ。香りもとても良いとのこと。
Serpent Gardenと称するセイヨウヒイラギやイチイの木で蛇がうねるように装飾された各所に、water sculptures(水のオブジェ) が置かれ、その斜面を登るとOrnamental Gardenに出る。パーゴラで囲まれた中央のプールから始まる水路や通路により 仕切られた花壇に、バラとデルフィニウムを中心にこれでもかと植栽されている。

Alnwick Castle Alnwick Castle Alnwick Castle Alnwick Castle Alnwick Castle

Roseberry Topping
再びA1をひたすら南下する。単調な高速運転は睡魔を呼ぶ。サービスエリアにて暫時睡眠。Middlesbroughの街で 迷いながらもA171に出れば間もなくナショナル・パークNorth York Moorsだ。先ずはキャプテン・クックのモニュメントが あるという丘を目指しGreat Aytonにやってきたがモニュメントへは山道を歩かなければならないようだ。 マウンテンバイクで登って行く若者がいるくらいだから、さほどの山道でもなかろうが今日のところは疲れているので断念する。 キャプテン・クックの探検については子供の頃読んで漠然とした憧憬を抱いていたのだが、この地で生まれ育ったのだ。 只それだけのことだが嬉しくなる。小さな博物館があるがそういうものには興味が…。
Great Aytonへの道筋で変わった形の山 Roseberry Topping の表と裏の姿を見る。どっちが表?

Roseberry Topping Roseberry Topping

Guisborough
Guisborough Prioryの廃墟の美しい写真に魅せられて Guisboroughにやって来た。A171から街に入ると予想より広い通りが通っている大きな街だ。 その突き当りがマーケット・クロスでそれを左に折れると直ぐにPrioryの廃墟が見える。パーキングし入り口まで来て残念、 月曜休館だ。塀の外の歩道から何とか良いアングルでとカメラを構えると、ベンチでお喋りしていた3人組のおじさんから ”その先に行くと外からでも良く見えるよ。”とのアドバイスをいただく。
おじさんにお礼を言い郵便局を探す。お土産が増えてきたので一部を航空便で送ることにした。確認したところ、 日本まで5、6日で届くという。今日出せば帰国翌日か翌々日に届くだろうと計算した。6月28日にSettleの街の郵便局で 早々に購入した郵便小包用のダンボールに、布製品を中心にギッシリ詰め込んだ。料金は69ポンドだ。高いと言うべきか、 安いというべきか、微妙なところだ。

Guisborough Guisborough Guisborough

North Yorkshire Moors  Esk Dale
A171を外れUnclassified道路でNorth Yorkshire Moorsの北部、River Esk沿いにEsk Daleの小さな村々を巡るドライブを 楽しむ。先ずはCastleton村を目指す。見渡す限りのヒースの丘だ。緩やかにカーブし、なだらかにウェーブする道路の脇に、 ヨークシャー独特の顔の黒いヒツジがのんびり草を食んでいる。所によっては期待以上にヒースが色付いている。見事な紫だ。 後でB&Bで聞いたところ、今年は例年になく早く開花し始めたとのことだ。ラッキーだ。実はYorkを往きと帰りに分けたのは、 これが目的だったのだ。まんまと当った訳だ。
Danby村を通り抜けるとアップダウンの激しいSingle Track Roadも現れるが、快適なドライブでLealholm村に到着。 村の真ん中のRiver Eskに架かる橋が気になりストップ。水も青いが橋の石も青みを帯びた美しい石だ。 橋の下では子供達が水遊びを楽しんでいた。
Glaisdale、Egtonなどの村を通り、雄大なEsk Daleのドライブを楽しみ、再びA171に合流する。 A171を西進すると行く手にWhitbyの街が見える。大きな街だ。Whitby Abbeyは明日の予定だ。手前で右折しA169に入る。 はぼ真っ直ぐにNorth York Moorsを縦断する気持ちの良い道路だ。途中Hole of Horcumというヴューポイントがある。 直径1.6kmにおよぶ自然に侵食された陥没らしいが、そう言われればそうかとうなずくしかない。(写真下右)。

North Yorkshire Dale North Yorkshire Dale North Yorkshire Dale North Yorkshire Dale North Yorkshire Dale

Pickering Castle
Pickeringの街に入る直前に Pickering Castleがある。 時刻は既に18時過ぎ。入場はできないだろうが外観だけでもと立ち寄る。
城は小高い丘の上にかなりの規模であるようだ。外壁の周りは緑の芝で青々と囲まれている。その芝に車座に座り談笑する 男女が7、8名。学生かと訪ねると、High School Student!と元気な返事をする者もあれば、働いていると言う者もいた。 街の同窓生といったところだろうか。可愛い女の子が旅行者かと聞くので、どこから来たか分かるか聞くと、Mongolian?、 Chinese?、Korean?色々答えが飛び出すが正解は出ない。Japanを知っているか聞くと、Of course!の返事だ。幾つかの Japanに関する質問に応え、さよならを言うと、良い旅をと礼儀正しく清々しい挨拶が帰ってきた。

Pickering Castle Pickering Castle Pickering Castle

Riverside Farm
今日から2泊のB&Bは名前の通りリバーサイドにある。清らかな豊かな流れの川に沿いフロント・ガーデンが広がる。 潅木の木立に囲まれバラや草花が植えられ、周回路が設けられている。川沿いの遊歩道にも出られるようだ。
家の脇にはリビングから続くテラスにパラソル付のテーブルを囲み、セダムやハーブが植栽された居心地の良さそうな空間がある。
裏には芝生の広い広場が広がり、両脇はシュラブや果樹園などが囲んでいる。広場の中央の2ヶ所にバラのアーチが造られ、 この下を進めばロング・ウォークの役割を果たすようだ。よく考えられている。

Ashcroft Farm House Ashcroft Farm House Ashcroft Farm House Ashcroft Farm House

Fox & Hounds Country Inn
夕食は村唯一の食事どころなのだろう、客で大賑わいの Fox & Hounds Country Innを紹介された。 入って分かったのだが、入り口が2つあり、一方はレストラン、もう一方はパブの造りになっている。パブのほうに入ったのだが、 真ん中にカウンターがありメニューは共通だ。妻のオーダーはホタテのソテーとズッキーニの詰め物、私はラム肉のチョップに ラタトゥイユ添え。それぞれに添えられているタイムとラベンダーは可愛い蕾付だ。なかなか凝った盛り付けだ。 お味も含めThe AAのロゼッタをいただいているだけのことはある。こうしたカントリーサイドにこれだけのレストランが あるのだ。イギリスの料理はおいしくないと言う輩に教えてあげたいくらいだ。

Fox & Hounds Country Inn Fox & Hounds Country Inn Fox & Hounds Country Inn

Sinnington
Sinningtonの村の真ん中に広場がある。この小さな村に、こんなに大きな広場が必要か?と思うくらいだ。使われなくなった橋が ポツンと取り残されている。豊かな流れを見せる川の畔にグースが騒いでいる。 広場には犬のウンチ専用のゴミ箱が設置されている。(今日のTopicをご参照ください。)

Sinnington Sinnington Sinnington

”Topic” 犬好き   Topic一覧はこちらへどうぞ
イギリス人は犬好きだ。私達が基本の宿としているB&Bも7割の確立で犬を飼っている。室内で放し飼いだが、靴を脱ぐ日本 における室内飼いとは趣が異なる。また、入って良い部屋とそうでない部屋をしっかり躾けてある場合が多いし、 客に吠えたり不快感を与えるようなことも少ない。犬嫌いではないがよそ様の犬をやたらに撫でたり、 写真を撮ったりするほどの犬好きではない私のカメラにも幾つか納まっている。

B&Bの犬 B&Bの犬 B&Bの犬

朝な夕なは愛犬を散歩させる(と言うより共に散歩する)人を常に見られる。雨が降っていても変わらない。
双子の赤ちゃんをしっかりガードして散歩する犬もいたし、スノードン山に一緒に登る犬もいた。犬同士が吠えあったり 喧嘩したりの場面に出合ったことはない。
また、広場には犬のウンチ専用のゴミ箱(NOT FOR LITTER DOG-WASTE ONLYと書いてある)が設置されているのも見かけた。 それほど犬と共に散歩する人が多いし、マナーも守られているということだろう。

散歩中の犬 散歩中の犬 散歩中の犬

散歩だけでなくどこへ行くにも一緒だ。パブやレストランのテーブルの下でおとなしく寝そべっている姿に ビックリしたり、その躾の良さに感心したりもする。
旅行にも連れて行く。ホテルやB&Bの案内にNo dogsと記載されていない限りOKらしい。観光地にも犬連れが多くみられる。 自動車やキャンピングカーの中、運河を行くCanal Boat(乗り合いはNo Dog)やブロードのヨットでも愛犬を抱いている姿が 見られた。
いずれも幼犬の内に専門家によるキッチリとした訓練を受けさせるのが常識らしい。だから、吠えたりじゃれ付いたりしないし、 飼い主の命令に忠実だ。犬好きではあるが主従のけじめはしっかりしている。猫可愛がりしないところが良い。

犬のショー 犬のショー

一方、犬を使ったショーにも出合った。一つは牧羊犬のショーだ。ヒツジの代わりにアヒルを使っていたが、主人の指示に従って 自在にアヒルを誘導する様には感心した。
もう一つはドッグレースだ。囮のウサギを追いかけさせて競争させたり、障害物を越えさせたりする。子供達は大喜びだ。 賭け好きなイギリス人はこの競争も賭けにしてしまう。こちらは大人のお楽しみだ。

          

因みに6月30日の”Topic”で述べた動物の鳴き声の英語表記を見ると、犬の鳴き声の種類が一番多い。 bow wow bow wow / woof / yap / yelp / bark / whineだ。それだけ種類も多く身近な動物ということだろう。


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