第15日 6月30日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Ees Wyke Country House
6時に目が覚めた。屋根裏部屋の天井窓を開けると鳥の群れが飛び交う姿が見える。いろいろな小鳥の鳴き声が聞こえる。
ヒツジの鳴き声もする。時折牛の鳴き声も入る。のどかな朝だ。Esthwaite Waterも朝はまた違った表情を見せる。
湖面を無人の白いボートが滑るように進む。不審に思い双眼鏡で確かめるとそれは白鳥の群れが泳ぐ姿だった。
大きな白鳥が去った後にはさざ波が残る。やはりEes Wyke Country Houseのロケーションは最高だ。
フランス人ご夫妻にスコットランドでの大きなサーモンの釣果を祈念する旨伝えお別れ。いよいよ今日はScottish Borders
に向かう。今日の旅は湖水地方ではないが便宜上この項に入れる。実際Acorn Bank Garden、Long Meg & Her doughters、
Hutton-in-the-ForestはLake Districtの北東部の直ぐ近くだ。途中大変な土砂降りに遭遇するが、15分もすると薄日が射す。
イングリッシュライクなお天気だ。
イラストはホームページから
Acorn Bank Garden
Acorn Bank Gardenはナショナル・トラスト管理の
小さなガーデンだ。赤い砂岩のお館の脇からテラス式のボーダーガーデンが伸びる。コーナーごとの植栽に変化があって楽しい。
花や葉の色形・花期・背丈など植物の特性を充分把握しての植栽だ。無理なく素直に美しいと感じる。何度か行き来し楽しむ。
最後にお館の裏に小さな池がありエンジェルの噴水が可愛い。この辺りの水は鉄分が多いようでエンジェルの
水の垂れる部分が赤くなっている(少しミジメ)。お館の砂岩も地元のもので、鉄分で赤くなっているのだろう、と推測する。
Long Meg & Her daughters
Acorn Bank GardenとHutton-in-the-Forestの間にストーンサークルの情報を得る。迷わず寄り道する。
途中バラの美しい民家を発見。壁一面のバラは何種類植えられているのだろう。窓も塞がれてしまった。
Long Meg & Her daughtersと呼ばれる
ストーンサークルだ。300×360フィートのサークルでイギリス第2とも第3ともいわれる大きさだ。情報量の割には
規模の大きなストーンサークルで驚く。
写真下左の航空写真(上記サイトより)でお分かりの通り、ストーンサークルの左上に立ってるのがLong Megだ。
3m60cmとのっぽのメグさんだが、見方によっては顔の長いメグさんともいえる?(写真下中) 赤い色の砂岩だという。
Acorn Bankのお館と同じだ。やっぱり!真ん中辺りに螺旋状の彫刻が見られる。紀元前1500年以上前のものだという。
サークルの石がHer daughtersという訳だ。子沢山のメグさんです。花崗岩で最大のものは30トンにも及ぶらしい。
石の数は59個ということだが、2回数えると同じ数にならないと言われ、正しく数えたものには死が与えられるともいわれる。
ちなみに妻と別々にに数えたところ数が揃わない。一緒に数えたらまた違う数字になった。それは60個だ。
お蔭様でまだ生きているので正しくなかったのだろう。伝説ではメグと娘は魔女であって、安息日に踊ったために
聖人により石に変えられたという。メグの石を欠くと血を流すともいわれる。どこかで聞いたような話だが、
それがロマンだ。
この素晴らしい遺跡が牧草地の真ん中に柵もなくおかれ、サークルの真ん中を道路が横切る。
航空写真の左下の路肩がパーキング。これがイギリス流だ。
Hutton-in-the-Forest
Hutton-in-the-Forestはバラが素晴らしいお城だ。
ここも思いもかけないスケールのガーデンだ。1605年に建てられた、ハウスというより城という感じのお館とガーデンが
待っていた。
お館の壁はバラで覆われている。その管理が行き届いているから、すっきりと清々しく見える。The topiary terraces
のローズガーデンから見るお館は互いに引き立てあって素晴らしい。
我々は例によってGarden OnlyでHouseはパスする。お館の前庭はThe topiary terracesだ。17世紀に造られたらしい。 一角に素晴らしいローズガーデンがあり、今が盛りと咲き誇る。また一角には白く輝く草花を全面にブルーの桔梗や デルフィニウム、ベージュのシモツケソウ、クリーム色はジギタリスだったか?ほのぼのと温かみのある色合いの植栽が見られる。 またこちらには巨大ななコンテナにマーガレットがこんもりと伸びやかに植えつけられている。こんなものを作ってみたい。
上右のものとは別にこんなマーガレットの植栽の仕方もある。おしゃれだ。ため息あるのみだ。妻にトピアリーの帽子を
かぶせてみた。面白く出来た。
The Walled Gardenに廻る。バラのやぐらと足元のカンパニュラの鮮やかな競演だ。ハニーサックルは脇役だ。
次のコーナーはビビッドカラーの植栽だ。それでいてどぎつくないから素晴らしい。もう、目眩がしそうだ。
白く輝く草花がこれだ。花は日々草のように見えるが、葉っぱはビオラのように見える。妻はビオラの仲間だと主張する。
美しい色のバラだ。この色を何と表現すれば良いのか。満開だがまだ花弁1枚さえ散らしていない花から、硬い蕾まで
様々な形態の花が、それぞれの美しさを競う。えもいわれぬ香りも手伝って、ここでも目眩だ。
Woodland Gardenに続く牧草地には、貴婦人を思わせる気品高いヒツジさんが草を食んでいる。
Hadrian's Wall
イギリス版万里の長城といわれるHadrian's Wall
は世界遺産に登録されている。01年に湖水地方を訪れた時に情報を得、検討したが日程上断念した。今4年越しでその壁に立つ。
ローマ帝国はブリテン島に進行し、ケルト民族を北に追い遣り南部を占領するが、北からの反攻に悩まされる。
西暦122年にここを訪れた皇帝Hadrianが、防衛のために命じて造らせたのがHadrian's Wallだ。西のSolway湾を望む
Bowness-on-Solwayという街から、東の北海を望むその名もWallsendという街まで117kmに及ぶ長さだ。
壁は高さ4〜5メートル、幅は2.5〜3メートルあったという。
M1をCarlisleでA69に、HaltwhistleでB6318と繋いでOnce Brewedのナショナルトラストのパーキングに入れる。
ここのHadrian's WallにView Pointのマークを見つけここに決めた。4km先にRoman Fortもある。
先ず出合った壁は写真左の通り高さ1.5m、幅1mと小ぶりである。左から2枚目の写真の後ろの岩の上がView Pointらしい。
生憎小雨が降ってきた。傘を片手に急な石段を登る。命がけで登ったが、雨はますます強くなり見透しが利かない。残念。
Roman Fortへの散策も断念。ここも情報程の大きさはないが、四角く切り揃えた石を丁寧に組んである。大変な工事であったろう。
それにしても、侵攻しその逆襲を防ぐのにこれだけの労力を割く。多くの犠牲もあっただろうし、ここに派兵された兵士も
家族も苦労したことだろう。虚しい思いだ。そして、今も尚、人間は過ちを繰り返している。悲しい気持ちだ。
一天俄かに掻き曇り、バケツをひっくり返したような降りだ。こんな雨でも雨具なしで悠々と歩いて行く人が多い。
40人位の中学生の団体が大騒ぎだ。その内に稲妻が走り、落雷の轟音だ。直ぐ近くでの落雷だ。傘をたたんで走って車に戻る。
下着も靴の中も水浸しだ。雨も雷もますます強くなってくる。あげくに雹(ひょう)が振りだした。直径2cm以上ある。
車の天井がドスドス、フロントガラスでカチンカチン音がする。さっきの中学生はどうしただろうか?気になる。
30分ほど様子を見て少し小降りとなったので出発したが、またまた土砂降りになり、危険を感じ路肩に止まり様子を見る。
一時はこのまま暗くなったらどうしようと、不安になる。再び30分ほどで小止みとなり出発。B6318をHadrian's Wallを
左手に眺めつつ東進する。
スコットランドは手荒い歓迎を、してくれたものだ。
Carter Bar
B6318をHarlow Hillまで進み、B6309を左折しBelsay HallとWallington Hallを目指していたが、
またしても土砂降りだ。これではガーデン巡りもままならにと判断し、A68に戻り一路Scotlandを目指す。
ところが途中で交通事故による道路閉鎖に出合う。パトカーも次々やってくる。その内ポリスが迂回路を説明しているようだ。
ここは地元の車についていくが得策とUターン。迂回車の列はゆっくりとNorthumberland National Park(5つ目の国立公園だ)
を進む。2つほど小さな村を通過したが、後は牧草地ともいえぬ荒野を走り抜ける。A68に戻り更に北に向かう。
イングランドとスコットランドの国境を示す大きな石碑があるCarter Barに到着。この時には雨は上がったが、
強い風が吹き付け寒い。他に観光客もなく静かだ。石碑は上下線別々に立っているのだ。妻はまだイングランドに立っている。
私は国境を跨ぐ男を演じてみた。様にならない。スコットランドの空は暗い。先行きや如何に…。
その後も時折とんでもない土砂降りに見舞われながら、雨中のJedburghのAbbeyやWaterloo Monumentを幻想的に眺めながらの
ドライブだ。
Marmions Brasserie
JedburghでB&Bに電話を入れたが、Melroseの街に着いてから、B&Bが見つからない。直ぐ近くにいることは確かなようだ。
農家のおじさんが雨の中濡れながら”直ぐそこさ。良いところだよ”と説明してくれる。しかし、分からない。
その内携帯が鳴り出す。日本からかと思って出ると、B&Bのご主人からだ。到着が遅いが大丈夫か?との電話だ。
居場所を伝え説明してもらう。それでも見つからず途方に暮れていて気が付いた。1本目を右に入るという1本目とは、
この側道のことかも知れぬと。案の定、側道の先に細い道が続き、そこに小さな手書きの看板が置いてあった。
そう、置いてあったのです。更に進むと道路に動くものが…まさかのウサギだ。これぞイングリッシュライクだ。
そんな訳で紹介のレストランMarmions Brasserieに入ったのは19時40分だ。今日も手軽に車中ランチで済ませたので腹ペコだ。
オーダーが済むとワインと共にパンとオリーブの実・オリーブオイルそして小さなおつまみも付いてきた。なかなかだ。
メニューはハトの胸肉のロースト・レンズマメとクレソン添え、蟹の平目包み焼き、今日のパスタの3種だ。
これはイタリアンだ。お断りしておくがお皿の縁に付いているのは汚れではなく演出なのだ。シェフの努力が空回りしている。
おいしい料理だ。満席で賑わっている。
Fauhope House
B&Bに戻り、リビングでサービスだというスィート・シェリーをいただき寛ぐ。1ヶ月のこの旅も丁度半ばを超える。
ハプニングは幾つもあるが、大きなアクシデントもなく幸いだ。後半もかくありたいと願う。
赤い壁の部屋が不思議と落ち着けるのだ。白い出窓から大きな庭が見える。明日の朝が楽しみだ。この部屋のドアーは
壊れていて、開け閉めにコツがいる。鍵も壊れて閉まらない。それでもホステスは悪びれる様子もなく”大丈夫よ”と。
イングリッシュライクだ。
”Topic” Bow wow - Meow meow 動物の鳴き声 Topic一覧はこちらへどうぞ
今朝天井窓から小鳥のさえずりを聞き、ヒツジや牛の鳴き声を聞きながら考えた。あの動物達は英語で鳴いているのだろうか?
「チュンチュン・ピヨピヨ」、「メーメー」、「モーモー」は英語で何と表記するのか?気まぐれ好奇心を満たしてみた。
多くのサイトやYahoo!辞書や電子辞書を駆使して調べたところ、日本語では「擬声語(擬態語)+と鳴く」
例えば「ワンワンと鳴く」と表すことが多く、擬声語が豊富だ。それに対し英語では「動物の鳴き声を表す動詞」が豊富で
動詞一語で表わすことが多いとの違いがあるようだ。
イギリスで出合った動物達の鳴き声を一覧表にしてみた。表に示した鳴き声の中で名詞は斜体で表わしたoink、
bow wow、cock-a-doodle-dooの3つだけだ。
ちなみに鳴き声ではないが、イギリスでよく見る動物でウサギのピョンピョンは"hop hop"だ。ここでも擬態語と動詞の違いだ。
動 物 名 | ア ニ メ | 鳴 き 声(動 詞) | 動 物 名 | ア ニ メ | 鳴 き 声(動 詞) |
ヒツジ Sheep |
baa baa bleat |
ヤギ Goat |
bleat | ||
牛 Cow |
moo moo low / bellow |
豚 Pig |
oink oink grunt |
||
馬 Horse |
neigh whinny |
ロバ Donkey |
heehaw heehaw bray |
||
犬 Dog |
bow wow bow wow / woof yap / yelp / bark / whine |
猫 Cat |
meow meow mew mew |
||
蛙 Frog |
croak croak | 鼠 Mouse |
peep peep squeak squeak |
||
雄鶏 Cock |
crow cock-a-doodle-doo |
雌鶏 Hen |
cluck cluck squeak squeak |
||
アヒル Duck |
quack quack | 雀 Sparrow |
chirp / cheep tweet tweet |
||
鳩 Pigeon |
coo coo | 白鳥 Swan |
cry quack quack |
||
フクロウ Owl |
hoot hoot | 烏 Crow |
caw caw |
アニメはリンクサイトカツのGIFアニメ から拝借 (雌鶏・雀・鳩・白鳥を除く) 白鳥を除き動きます。お楽しみください。
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