第29日 7月14日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Bould Farm
Bould Farmは正真正銘のFarm Houseのようだ。大きなトラクターなど農機具が沢山ある。昨夜遅くまでそして今朝は早くから
立派な鳴き声を聞かせてくれたのは、この雄鶏らしい。時間によっては放し飼いにされている。
フルイングリッシュのお皿の色柄がシックで良い。イギリスでは良く見かけるパターンだ。ウイロー・パターンというものらしい。
同じテーブルに姉妹二人組みが着いた。サセックス地方から見えたという。2002年に訪れて素晴らしいガーデンに出会ったと
伝えると満足げである。サセックスの一押しはどこかと訊ねたら、お姉さんが妹に資料を取りに行かせてあれこれ検討し始めた。
イギリス人の親切が始まったようだが、どうやらガーデンについては私達の方が詳しいようだ。
Castle Combe
カッスル・クームは
"The Prettiest Village in England"や"Contest of Village conserved with old building in England"に
何度も選ばれた村として知られる。コッツウォルズのほぼ南西端に位置するため01年の旅では組み込めなかったので、
今回は最優先とする。
B4039沿いの村外れのパーキングに車を入れ、谷(Come)を下って行くと、いかにもコッツウォルズらしい民家に出会う(写真下左)。
少し先のSchool Laneの角の家も花一杯に飾られ気持ちが良い。庭では上半身裸のおじさんがデッキチェアーで新聞を読んでいる。
写真の許可を求めると快い返事が返る。ライムストーンが朝日に輝く(写真下左から2枚目)。
500メートルほどでマーケット・クロス(The Market Cross)に出る。14世紀のものだという。その傍らにマーケット・ハウスが
ある。堅牢な造りだ(写真下中)。ここからの眺めは正しく中世を思わせる。まだ観光客も少なく静寂の中、暫し見惚れる。
絵に描いたような眺めだ。歩いて来たパーキングの方向(写真下右から2枚目)、
その名もThe Streetというメイン・ストリート(写真下右)。
よく管理された古い建物、手入れの行き届いた植木や草花、塵一つ見られない道路、住民の見識が伝わる。
毛織物で栄えた往時がしのばれる立派な家々が立ち並ぶ。それぞれが個人の所有で、今なおここで生活が営まれつつ
保存されているのだ。電柱は無論、テレビアンテナ一つ見当たらない。
ガイドブックでお馴染みのアングルを3点。マーケット・クロスからThe Street方向を臨む(写真下中)。
反対にThe Streetの外れのPack Bridgeから マーケット・クロス方向を望む(写真下左)。
The Street中間からマーケット・ハウスが見える(写真下右)。
通りの家々には見事なハンギング・バスケットが掛かっている。Bybrook川に架かるPack Bridgeの袂にThe Gallery On The Bridge
というギャラリーがある。魅力的な品が沢山置いてある。地元作家がカッスル・クームを描いた版画が気に入る。
小品を1点求める。納得の買い物だ。
橋の先を右に入るとThe Manor House Hotelの豪奢な建物とシンボル・ツリーの植わる芝の広場が見える。
Manor Houseの朝は遅いようだ。静かだ。村の名前の起源となったCastleはこのホテルの奥の山の中にあったらしい。
今は土塁が残るだけだという。
帰りにもう一枚、The Market HouseからThe Streetを狙い、アングルに拘ってみたが如何だろう。
Snowshill Manor
01年にはSnowshill Manor
の直ぐ近くのカントリー・ハウスに泊まりながら訪問の機会を逸した。出発時はオープン前、帰着時はクローズド後という
パターンだった。今年はキッチリやってきた。
ナショナル・トラストの管理である。マナー・ハウスということで、華やかなガーデンを予想してきたが違っていた。
無農薬・有機栽培や動物や昆虫に気配りしたりコンパニオン・プランツを取り入れたりしたエコロジーなガーデンのようだ。
ブロードウェーの南、コッツウォルズの丘にとけ込むようにスノーズヒル・マナーは佇んでいる。パーキングから南西斜面に
広がる牧草地や果樹園の中を少し歩くと、意外に小ぢんまりしたマナーハウスに出合う。
ガーデンは斜面に沿いテラス式にそれぞれ趣の異なるガーデン・ルームになっている。
随所にオーナメントやらオブジェやらが置かれ、フォーカル・ポイントとなる。ベンチやオーナメントがブルーに塗られているが、
領主の好んだ色でその名を採りWade Blueといわれる。
シーズンが花の端境期に当たったようだ。別の時期に来たらまた違った印象を与えるガーデンだろう。
ガーデン脇のレストランではこの農場で作られた無農薬・有機栽培の野菜が食べられる。ランチはビュッフェ方式で、
食べたいものを指定して盛り付けてもらう。私のオーダーを受けた男は「これっぽっちで良いのか?」と心配している。
日本には”腹八分目”という言葉があるのさ!これで充分!
Snowshill Lavender
Chipping Campdenへ向けて出発。B4081を目指しUnclassified道路を走っていると"Snowshill Lavender"の標識に出くわす。
事前の情報収集には引っ掛かっていない。半信半疑でハンドルを向けると、なんと!紫の海だ!。これは大変!
パーキングすると、取る物も取らずに紫の海に飛び込む。香りと色にむせる。おぉー!あちらにはピンクの波がおしよせている。
こちらでは白い波も見られるぞ!。夢遊病者のようにさ迷い歩く。思わぬ幸運な遭遇に感謝。
Chipping Campden
Chipping Campdenのお目当てはマーケット・ホールからB4081を500メートルほど南に下った辺りの
thatched roofの美しい街並みだ。ここは3度目の訪問になるがこの美しさを目の当たりにした感動は最初と変わらない。
コッツウォルズで住むとしたら、迷わずここを選ぶ。
緩やかにカーブを描く坂道の両側にゆったりとした佇まいの藁葺き屋根のお屋敷や蜂蜜色の石のお館。
どちらもフロントヤードの花々の手入れも完璧だ。美しい。おとぎの国のようだ。
この家々のバックヤードはどんなだろう?一度見せていただきたいものだ。ナショナル・ガーデン・スキムの
イエロー・ブックで調べてみよう。
Chipping Campdenはここだけでお仕舞い。
Sezincote Garden
コッツウォルズでまだ訪れていないガーデンを検索した結果、見つかったのが
Sezincote Gardenだ。情報は多くない。
ここもパーキングから緑の牧草地を歩く。入場して入り口の近くの橋の上からみると、上の池から流れ出した水が橋の下を通り
下の池に注ぐ。その周りに周遊路が廻らされ、水生植物が植えられている。なんとなくエキゾチックな雰囲気だ。
牛の像や蛇の彫刻などがそれを演出するだけでなく、植物もそうだ。橋の下にはベンチが設けられ、日陰で風が吹きぬけ、
爽やかな水音は涼を呼ぶ。遠くに見える館の屋根もエキゾチックなものだ。どうやらインドがコンセプトのようだ。
お館は窓を大きく取って風通しを良くしている。。白い建物はクレッセントになっていて、元は温室だったようだ。
お館前の広場の先の1段高いテラスにインド象の像が置かれている。イギリスのガーデンで象に出合おうとは・・・。
Chipping Norton
最後の晩餐はB&Bの庭を借りるようお願いしてきた。ワインと食料を仕込みに、この辺りで一番大きな街Chipping Norton
に向かう。直ぐ近くに個人旅行における第一訪問地のBourton House Gardenがあった。あの時の思い出が一気に蘇る。懐かしい。
Bourton-on-the-HillもMoreton-in-Marshも美しい街だ。街ぐるみで花を育てている。コッツウォルズのなだらかな丘陵は
明るい空のもと輝いて眩しい程だ。気持ちの良いドライブだ。
Chipping Nortonは大きな街だ。車をパーキングに入れお店を探す。個人の肉屋とか食料品店で買い物したいと思ったが、
思うように見つからない。やむなく通行人にスーパー・マーケットを教えてもらう。チーズ・パイ・果物とワインを仕込む。
ついでに紅茶もチョコも。お土産は昨日で完了したつもりだったが…。もうスーツケースにスペースはないよ・・・。
Bould Farm
グラスとカトラリーを借りてガーデン・テーブルに最後の晩餐の用意が整った。この長かった旅の恵みと無事に感謝を捧げ
乾杯!。この旅で受けた多くの人の親切に感謝しカンパイ!。あと二日の無事と来年も来られるよう祈りチアーズ!。
二人で盛り上がっていると、ダイニングからも賑やかな声が漏れてくる。ホストのGwynとLynneだけではないようだ。
陽が移り日陰になる。日向を求めてガーデン・テーブルを移動したり、庭を散策したり、ガーデンチェアーに横になったり、
慌しく愉快に、それでいて心楽しく安らかな時間が過ぎて行く。今この時に感謝。
”Topic” 公衆便所 Public Lavatory Topic一覧はこちらへどうぞ
”Topic”も残すところ後2回。最後は毎日お世話になるトイレと風呂について感ずるところを書こう。先ずはトイレから。
イギリスではありがたいことに公衆便所が完備している。Rest Roomとは言わない。Lavatory、Toilet、W.C.だ。
シティー・センターにも、公園にも、M道路(モーターウェイ・高速道路)だけでなく一般道のパーキングにも、
野中の遺跡の駐車場にも、お湯が出る水道と石鹸水そして温風乾燥機がセットの水洗トイレが完備している。
もちろんトイレットペーパーも備えられている。
そして、それが実に清潔に保たれているのだ。明るく広くドアーや鍵もちゃんとしている。床も綺麗だし落書きもない。
行政なりのシステムの中で管理されているものと思われる。街の花壇やハンギング・バスケットなども含め、
当たり前の住民サービスなのだろう。
面白いのが温風乾燥機だ。ガーガー大きな音を立てる吹き出し口に手をかざしてのんびり乾かす。だから乾燥機の前に
行列ができたりする。私はまどろっこしくてハンカチーフで拭いてしまうが、こちらではハンカチーフは手を拭くものではなく、
洟をかむものなのだ。
不思議に思っていることだが、ナショナル・トラストのトイレにはペーパー・タオルが備えられているところが多いことだ。
自然保護の観点からするとペーパーより温風乾燥機と考えるのだが…。再生紙利用なのかもしれない。
時に有料トイレに出くわす。10〜20ペンスのわずかな料金で清潔・快適なトイレが利用できるのは嬉しい。
スーパー・マーケットやペトロール・ステーションのトイレではレジで鍵を借りて利用する方式もあった。
2004年のShaftesburyでは18時以降駐車無料のパーキングはありがたいが公衆便所も閉まってしまうという事態に
嵌ったことがあるが、管理人のおばちゃんのご好意で使用させてもらった。
翻って我が日本の公衆トイレを見ると、汚い・臭い・暗いの3Kが多い。狭い・トイレットペーパーがない・虫がいる・
落書きが不愉快・ドアーが閉まらない・鍵が掛からない、さらには吸殻・新聞・週刊誌のごみ箱の如くでさえある。
行政のシステムの未熟と人心の公徳心の欠如に他ならない。自宅の御トイレはきっと綺麗なのだろうから。皆で考え直そうよ。
自宅のトイレといえば、B&Bを含め一般家庭のトイレを比較すると日本が勝るかもしれない。上にタンクの付いた
タイプのものは要注意だ。紐の引き方次第で水の出が違ったりして綺麗に流れてくれないこともある。
経験では一杯までゆっくり引いて、サッと離すと上手くいった。
シャワートイレは見たことがない。自宅がウォシュレットなので、渡英後しばらくは、終わるとスイッチを探している自分に赤面。
しかし、トイレのデザインという点では、白一色清潔第一の日本よりイギリスだろう。壁紙も個性があるし、必ず絵や写真が
飾られているし、カーテンもしっかり掛かっている。便座は木製が多いように見受ける。これはヒーターなしでも温かい。
バス・トイレ・洗面が一体のイギリスの文化と、トイレを不浄と考えるが風呂好きな日本の文化の違いが感じられる。
私のフォトコレクションに公衆便所はない。インターネットでしつこく探したが見当たらない。
やむなくベルギー・ブリュッセルの小便小僧にご登場願った。身長60cmの可愛い坊やだという。最近はおしゃれで
洋服を350着も持っているとのこと。一度お目に掛かりたい。
06年の旅では公衆便所の写真をゲットしよう。ナニッ?見たくない…。それは失礼。
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
行程表 戻る |
7月13日 旅行記 |
7月15日 旅行記 |
ウェールズ編 | ヨーク編T | 湖水地方編 | スコットランド編 | ヨーク編U |