第2日 9月15日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Holiday Inn --- Newstead Abbey --- Hardwick Hall --- Hathersage ---
Stanage Edge --- Ladybower Reservoir --- Horsleygate Hall
今日の走行距離 266km
今日の万歩計 12,900歩
フルイングリッシュ・ブレックファスト
イギリス第一夜は心地良い眠りとなった。目覚めれば楽しみなフルイングリッシュ・ブレックファストが待っている。
レストランのサンルーム(写真下右)に席を取る。ビュッフェには目移りするほどの果物やジュース、シリアル、パンが並んでいる。
フレッシュフルーツとドライフルーツを取り交ぜヨーグルトを掛け、リンゴジュースを選ぶ。
これをいただいているとウェートレスがやってきて「コーヒーか紅茶か?」、「トーストは白かブラウンか?」、「メインは何にするか?」と訊きに来る。
それぞれティー、ブラウン、フルイングリッシュをオーダーする。出てきたフルイングリッシュはお皿が小さい上にハッシュブラウンやベイクドビーンズまで
入っているから山盛りだ。家でも時に妻が作ってはくれるが、イギリスで食べるフルイングリッシュは別物だ。美味しくいただく。妻の食欲も大分回復したようだ。
中庭でしばらく遊んだ後、ハーツへの連絡だ。ヒースローもカスタマーセンターもまだ留守電のままだ。
しかし、この街のハーツには繋がった。状況を説明すると「少し小さな車種になるが、それでよければすぐに交換できる。」との返事だ。
贅沢を言っている時間はない。それで了解し直ぐに事務所に向かう。始動するかどうかも心配したが、何とか動いてくれる。
ナビ子ちゃんが連れて行ってくれた場所は工業団地のような場所だ。日本ではレンタカーの事務所があるとは思えないような場所だ。
通りがかった女性に訊くが「私は知らない。あそこにペトロールステーションがあるから訊ねてみたら」とのことだが、
団地内を一回りすると見つかった。大きな駐車場を備えているが、車の数は知れている。これで商売になるのか心配になる。
手続きは極めて簡単、故障で迷惑を掛けたお詫びもない。ビジネスライクそのものだ。車はFIATのコンパクトカーだ。
荷物を移し替え、ナビ子ちゃんを装着し直して出発。1時間のロスタイムだ。出発して気が付いた。ペトロールが大分少ないことに。
戻ってクレームを付けている時間はない。仕方無しとしよう。
ニューステッド・アビー Newstead Abbey
今年の最初の訪問地はニューステッド・アビーだ。
かの詩人バイロンの住まいであったという。バイロンについては”人を恋うる歌”で「バイロン、ハイネの熱なきも 石を抱きて野にうたう 芭蕉のさびをよろこばず」
のフレーズで知るのみだ。バイロンはおろか芭蕉さえ左程知っているとはいえない。しかし、私の旅の目的は詩人の研究ではない。
良いガーデンがあると聞けば、訪ねるのみだ。
パーキングから暫く歩くと芝生の中に懐かしい赤いポストが経っている。ここには小さなバス停もあった。正にカントリーサイドの一景だ。
その右手に広壮な邸宅が現れたが、"Private Stable Block"の札が立っている。邸宅に見えるがStableとは信じられない。こんなところがB&Bであれば最高だ。
Stable Blockの脇には湖が水を湛えている。気温が上がり沢山の水鳥が湖畔の木陰に休んでいる。
その先の左手に目指すニューステッド・アビーが見えてきた。ランセットアーチの廃墟が懐かしい。
このアビーは12世紀に始まり16世紀にバイロン家の所有となったという。ランセットアーチの廃墟はアビーの西門にあたり13世紀の建造物だ。
詩人のバイロンは第6代男爵で19世紀当初のわずか6年だけをここで過ごしたらしい。そして彼は1818年にこのプロパティーを手放しており、
紆余曲折あって現在はノッティンガムシャーの所有で、広さは300エーカー(37万坪)に及ぶ。
建物の南側の芝の広場では結婚式でも行われるのか広大なテントが張られ、食料などが運び込まれている(写真上左から2枚目)。
広場を挟んで、1820年に造られたという大きな湖(Garden Lake 写真下左)が静かに水を湛えている。
広場や湖の周りは灌木や常緑樹、落葉樹で覆われていて、オータムカラーに染まりつつある。
ガーデンマップに従い歩く。シダ園(Fernery)も豊かな樹木に囲まれている(写真上右から2枚目)。
南の端に日本庭園(Japanese Garden)がある。1899年から造られたもので、日本の風景を模したつもりらしい。石灯籠が多用され、
石橋や踏み石など石と水路、樹木で構成されている。東屋はぼろぼろだ。これが日本庭園かと問われたら、素直に頷けないだろう(写真上左から2枚目)。
続いてVenetia's Garden、American Gardenと現れる。植栽などがそれぞれの国の特性を表しているのだろうが、良く分からない。
American GardenとRose Gardenの間にパーゴラの残骸らしき柱が残っている(写真上右から2枚目)。復活させたら面白いのに。
その脇にPrivateのハウスがある。ガーデナーの住まいと思われるが、その庭のトピアリーが面白い蛇の形だ(写真上右)。赤い目はテラコッタだ。
ローズガーデン(Rose Garden)は1辺が80mはあろうかという四角形の壁に囲まれている。田の字に通路があり、中央に噴水、壁際にはボーダーが走る。 通路に仕切られた4つのガーデンはエバーグリーンの芝の中にコニファーや灌木、宿根草と共にバラが植栽されている。 思いがけず多くの秋バラが咲いているが、そのバランスが控えめで爽やかさを覚える。スペースのあるガーデンならではのことだ。
各所に素晴らしいオーナメントがある。金網を編みこんだ"Weave Feature"だ。ガーデンで作業をするガーデナーを模ったものだ。
花に囲まれ休憩するガーデナーも良い。実にリアルに作られているが、真似できないこともないと思い、細部まで真剣に頭に刻む。
通路で擦れ違うカップルや壁際のベンチで寛ぐご婦人との挨拶も爽やかだ。
ローズガーデンの並びが小さなウォールドガーデン(Small Walled Garden)だ。壁際はボーダーで中央は柘植のヘッジで仕切られた2つの整形式ガーデンになっている。 ヘッジの中の植栽はハーブが多く使われている。ここのも柳の枝か何かの蔓で編まれたオーナメントが置かれている。 石やブロンズのように恒久性はないが、手作り感があって面白い。元は中世の修道院の養魚池だったという。
次はグレートガーデン(Great Garden)だ。アビーの東の外れに一段高く築かれたテラスガーデンでオランダ式のガーデンのようだ。
間にある"Eagle pond"に移るアビーの姿が美しい眺めだ。この池は別名"Mirror Pond"と呼ばれるらしい。謂い得て妙だ。
テラスの2ヶ所にある像は上半身が人間下で半身が馬の半人半獣・サチュロス(Satyrs)だ。1784 年のものだという。良く理解出来ない。
ここにも面白いトピアリーがあった。良く手入れされている。
グレートガーデンの木蔭の芝の中に色々なキノコが生えている。おとぎ話の絵本の世界のようだ。小人が出てきそうな雰囲気でもある。
ガーデンの北面は高い壁に沿った150mものボーダー(Herbaceous borders)だ。ここもテラス式に高くなっているから日当たりは抜群だ。 壁はバラや蔦などつる性の植物が程良く繁っている。ボーダーには大型の宿根草やグラス類が見事に繁茂している。豊富な植栽だ。 夏の草花の花殻なども美しく感じられるのはなぜだろうか? 全体の色遣いにセンスを感じる。
このガーデンで最も有名なスパニッシュ・ガーデン(Spanish Garden)に巡って来た。幾何学模様のBox Hedgesで縁どられたパルテア(Parterre)だ。
中心の井戸のデザインがスペインのオリジナルから倣っていることからこのガーデンの名前になったという。
Box Hedgesの中は草花やハーブが植栽されている。今一番色鮮やかなのはベゴニアとゼラニウムの植え込みだ。もう少し高い位置から見られたらさぞかし素晴らしいだろう。
最後は"French Garden"だがそれらしくは見えない(写真下右)。ご多分に漏れず"White Lady"なるものも出没するとの噂だが、お目に掛れなかった。
ハードウィック・ホール Hardwick Hall
次はナショナルトラストのプロパティーハードウィック・ホール
に遣って来た。パーキングで「会員か?」と聞かれる。「Join today」と応えると「一旦2ポンド支払ってください。入会すると2ポンドは戻ってきます」とのことだ。
ゲートに続く塀も派手な装飾が施されている(写真下左)。立派なゲートハウス(Gatehouse)の中で入会手続きをする。昨年の会員証を返し、新たな書類を作る。
ボランティアの係員は大変親切かつ饒舌だ。裏返せば時間が掛かる。会費をカードで支払うと、2ポンドは現金で返って来た。
実は私達はNTの会員になって11年目になるが、初めて入会したのが2001年6月23日のヒドコート・マナー(Hidcote Manor Garden)だった。
そのため更新が渡英時期と重なることが多く、会費を納入したのに会員証が届かなかったこともあった。そこで近頃では毎年最初の訪問プロパティーで入会することにしているのだ。
ゲートハウスを潜ると荘重なハウスが鎮座している。"Hardwick Hall , more glass than wall"謳われる通り壁よりも窓の方が広い位だ。
ガラスがまだ贅沢品であった16世紀後半のことその富と権力の象徴として建てられたものだ。各階の高さも凄い。
ホームページに”石は輝き、ガラスは光できらめく”と記されているが、まさにその通りだ。
この家を建てさせたのがベス(Bess of Hardwick)と呼ばれるシュルズベリー伯爵夫人・エリザベス(Elizabeth Shrewsbury)だ。
当時、女王エリザベスT世に次いで2番目に強い権力と資産を持っていると言われた女性だ。
写真では分かりにくいが、6つのタワーの4面にはベスのイニシアル”ES”が誇らしげに光っている。
このイニシアルは有名なコレクションのタペストリーにも刻まれているらしい。顕示欲の強い女性だったのだ。
ハウス前庭を囲む塀に沿って素晴らしいボーダーが巡っている(写真上右2枚、下左)。アガパンサスが満開で美しい。一重のバラも輝くようだ。
ホールの南面に160m四方ほどの壁に囲まれたフォーマルガーデンがあり、イチイの厚い生け垣で4つに仕切られている。 一番大きな部分はガーデンマップでは名前もつけられていない芝の広場だ(写真上右3枚、下左3枚)。10数本の大きな木が点在し、 壁際はボーダーだ。ボーダーの植え込みが厚く、高く素晴らしい。こんなに素晴らしいガーデンに名前もないとは勿体ない。 ここでも一重の美しいバラが見られた。
その南の一角がハーブ・ガーデン(Harb Garden)だ(写真下左)。キッチン・ガーデンでもあるようだ。NTらしくハーブや野菜に名札が付いている。
その東の一角はマップでは"South Gazebo: Garden Exhibition"となっているが、ガゼボらしきものはない。
イチイの生け垣に沿ってダリアが満開だ(写真下右3枚)。元来ダリアは好きではなかったが、このダリアを見て考えが変わった。
色合いと植栽の仕方によってはダリアも悪くない。来年は陽だまりのバルブ・ガーデンにダリアを植えてみよう。いつもと違う時期に来た収穫だ。
その北の一角も名前がないが、果樹園(Orchard)のようだ。果樹の中にサンダイアルを見つける(写真下左)。
4つのガーデンを仕切る通路の真ん中が大きなサークルになっていて、イチイの木で作られたドームの中に4つの女性像が立っている(写真下右4枚)。
おそらく芸術を表しているものと推測する。左から2枚目はバイオリンを持っているので音楽、真ん中はパレットを持ってるので絵画、
次は本を持っているので文学と思われるのだが、左は男の生首を持っているではないか。どう解釈すれば良いのか?
各像の横に2つずつ8個の白いベンチが並んでいる。良いお天気に恵まれ暑いくらいだが、こちらの人は日当たりの良いベンチから塞いでいく。
日陰のベンチ2つだけが空いていた。生首の象の隣だ。空いていたのはその所為か? そこに座って持参のお茶で一休み。
ホールの東側のグランドに移る。広い芝の中に池が1つあるだけだ。イチイの木が色々な形に刈り込まれている。壁際の植え込みは目をみはるばかりだ。
ここは1959年からNTのプロパティーになった。さすがに手入れが良い。
下左から2枚目の写真には”ES”のイニシアルが良く写っている。下右から2枚目は池の前からさらに東を望んだ光景。
広い牧草地は"Wine Glass field"と名付けられている。牧草地を囲む並木がワイングラスの形をしているのだ。
Google Map
でご覧いただくと良く分かる。高さ1.2kmのグラスだ。どの年代に造られたものかは分からないが、その遊び心が嬉しい。このグラスで乾杯したいものだ。
ホールとフォーマルガーデンの間を通ってゲートハウスに戻る。フォーマルガーデンの仕切りの通路の入り口に男性像が2つ立っている(写真上下右)。 上はワインの神様・バッカス(Bacchus)に違いないが、下は音楽の神アポロか? 酒と音楽そして花、正にユートピアではないか。
売店を覗く。本や文房具が充実している。友達にNTのプロパティーの美しい写真満載の2012年のダイアリーと孫のためのバースデーカードを求め、
オールドホールに向かう。因みに、写真上右から2枚目はオールドホール前からニューホールを望むが、左に見える建物がゲートハウスだ。
オールドホールは本来14世紀の建物だが今残るものは16世紀のものでニューホールより数年古いだけだという。
というのは、1584年にベスがシュルズベリー伯爵と諍いを起こしチャッツワースを追われ、このオールドホールを改装し住んでいたのだという。
ところが、1590年に伯爵がなくなり、ベスはその財産を受け継ぎ女王に次ぐ資産家となり、ニューホールを建てさせたのだ。
それ故、今残るオールドホールはベスが改装させた部分だけというわけだ。(そういう記事をネットで見たということで定かかどうかは保証しない)
オールドホールはNT所有でイングリッシュ・ヘリテージの管理となっている。大勢の客がいる割に静まり返っている。
その訳は、ほとんどの人が"Audio Tour"に聞き入っているからだ。少し異様な雰囲気さえする。イギリスの方はこの手の歴史話が好きなのだ。
壁のところどころが白く見える部分がある。これは当時の漆喰仕上げの装飾を復元したものだ。室内も同様の漆喰の装飾が復元されている。
今年は”神風かっとび急ぎ旅”を少し改めてゆったりとした旅を目指そうと決めたのでこの時点で16時を回ってしまった。
今日の予定の中にはロビン・フッドの"Sherwood Forest"やアウトルームガーデンが素晴らしいと聞く"Renishaw Hall"もあったが、
もうラストアドミッションには間に合わないだろう。
パーキングの売店でアイスクリームを求め、ベンチに座ってこの後のスケジュールを組み直す。
ハザーセージ(Hathersage)に真っ直ぐ向かえば、お気に入りのカトラリーの店に間に合いそうだ。
その後、ピークディストリクトの山間のドライブを楽しむことに決める。アイスクリームのデザインがほのぼのとして面白い。
デビッド・メラー David Mellor
お気に入りのカトラリーの店はデビッド・メラーだ。
8年ぶりのThe round Buildingは少しも変わらぬ姿でそこにあった。懐かしい(写真右)。
03年の旅で訪れた当時、栄誉ある賞を受賞したばかりのデザイナーズ工房で、ここで求めた
"City"というシリーズのナイフ、フォーク、スプーンがとても気に入っている。
同じシリーズのティースプーンとフルーツフォークが欲しくてやって来た。
閉店15分前に到着した。先客は1組、買い物は済んだようだが、店員とのお喋りは止まらないようだ。
8年前は一番奥にあったカトラリーのショーケースがない。探し回ると一番入口にあった。
どのシリーズにもティースプーンはあるが、フルーツフォークはない。そういえば、どんなレストランでもデザートは普通のナイフとフォークでいただく。
小さなフルーツフォーク1本でケーキをいただくことはないことに気が付く。長さ13cm、ころころっとした丸みが可愛らしいティースプーンを6本オーダーする。
料理をするのが好きだからキッチン用品を見るのも好きだ。色々な器具が並んでいて面白い。用途の分からない品物も結構ある。所変われば品変わるだ。
あれこれ欲しくなるが、キッチンが手狭だから無闇に揃える訳にはいかないし、キッチン用品は重いので持ち帰りが大変なのだ。
ここは自重して、ステンレスのしっかりしたコーヒー・ティースプーンを1つ求めるに留める(写真右)。
スタネージ・エッジ Stanage Edge
ハザーセージの街で国道を逸れ山道に入る。目指すはスタネージ・エッジだ。
ハザーセージの北に位置し、南北6kmにわたり連なる砂岩のエッジだ。標高は最高458mと知れているが、ロッククライミングの名所として有名だ。
20世紀前半まではミルの石臼に利用する為切り出されており、今でも山の斜面に放置されたミルストーンが見られるという。
それを運搬する馬が通った道(Packhorse Road)が今はウォーキングに活用されている。
エッジの直ぐたもとに大きなパーキングがあり沢山の車が止まっているが、人の姿はほとんどない。皆ウォーキングをしているのだろう。
良く見ると岩山にへばりついている人や、エッジの上から手を振る人も見られる。下左の写真の左の方に二人、右の方に一人のクライマーが写っている。
こんな場所にも羊が放牧されている。映画"Pride and Prejudice"などのロケ地としても知られているようだ。
レディーボワー貯水池 Ladybower Reservoir
ピークディストリクトの情報を集めていて気になる写真を見つけた。これだ。
何とも奇妙奇天烈、背筋が寒くなる写真ではないか。レディーボワー貯水池だという。
是非一見しておかなければと遣って来た。
レディーボワー貯水池はシェフィールド、ダービー、ノッティンガム、レスターなどの大都市に水を供給する為にダーウェント・バレーを堰き止めて造った貯水池で、
1935年から1943年に掛けて工事が行われ、さらに水を満たすために2年が掛かったという。
私の目を惹いた丸い物は貯水池の水がオーバーフローした時の排水口で、2ヶ所に設置されており"Plugholes"と呼ぶらしい。
直径が24mもあり、洗面所などのものに比べると巨大なお化け排水口といったところだ。
パーキングに車を止めるが、妻はこの手のものに全く興味を示さない。已む無く一人で貯水池に向かう。森からリスが出て来てちょろちょろしている。自然豊かな場所だ。
A6013を横切り湖畔から見る眺めは美しい。しかし、お化け排水口は見えない。ここからは距離があるようだ。
パーキングに戻りお化け排水口がありそうな場所に来たが、交通量が激しく路上駐車は無理だ。とっさの判断で山側の小路に乗り入れる。
民家があるが空き家のように見受けたからだ。案の定、空き家だ。庭先をちょっと拝借、妻を残してA6013を渡るとお化け排水口があった。
しかし、今は渇水期のようだ。目と鼻の先で無残な姿を晒している。轟々と水が流れ落ちる、身のすくむような光景を思い描いていただけに残念だ。
貯水池の周りはヴィジターセンターもあり、ウォーキングやフィッシングの拠点として人気があるのだというが、 既に17時30分、もう歩く人も少ない。B&Bに向かうことにしよう。といいつつ、地図上にビューポイントを見つけるが、駐車場所がなく近くのパブのパーキングに入る。 そこからも素晴らしい眺めが広がっている。その景色に向かってベンチが並んでおり、パブの客がビールなど片手に見入っている。 ふと足元を見ると黒豚が寝そべっている。急な斜面に羊と同居しているのだ。ビックリしているとお客に笑われた。
パブ・ピーコック The Peacock
ピークディストリクトの宿、ホースレイゲート・ホール(Horsleygate Hall)に着き、8年ぶりの再会を交わし、荷物を部屋に運び、
ウェルカム・ティーを辞退して早々に食事に向かう。
8年前に3夜連続通ったパブピーコックは
特別美味しいという訳ではないが、フレンドリーな持て成しが何となく気に入って通ってしまった感じだ。
A 621、 B 6051、 B 6054が交差する場所にある。見渡す限り民家はない。車でしか来れない所にパブがあり、
客の大半はアルコールを飲んでいるのだ。飲酒運転に関する規制が日本よりかなり緩いようだ。まあ、こちらもそれに便乗させてもらっているのだが・・・。
今年も若いウェートレスがフレンドリーに迎えてくれた。「8年前に3日連続で来たことがあるんだよ」、「まーそれは素敵。今度は何日?」、
「8年前は君は小学生だったろうね?」、「まー嬉しい。でもそんなに若くはないわ」、「じゃあ高校生かい?」、「大学生よ」などと楽しく会話。
オーダーは妻が ・ Organic Shetland salmon 私が ・ 70oz Fillet Steak だ。サーモンはパンチェッタで包んで焼いてあり、アスパラガスも新鮮だ。
ヒレステーキはメニューではソースがチョイスすることになっている。スチルトンと黒コショウ(Stilton and Peppercorn)にしようと思ったのに
日本人とみて勝手に照り焼きにされたようだ。会話力不足だ。それにつけても"Teriyaki"は立派な料理用語のようだ。
ご覧の通り、盛り付けもお洒落で量も適当だ。地元のエールビールの後、妻は白、私は赤ワインをグラスでいただく。
グラスワインは大250ml、中185ml、小125mlと3つの中から選べるのが嬉しい。
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