2011年の旅 ノース・ヨーク・ムーア編

花花

第13日 9月26日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程       Burnley House --- Harrogate --- Haworth --- Southport --- West Arms Hotel
今日の走行距離     352km
今日の万歩計      17,000歩
出発時点の気温     14℃

バーンレイ・ハウス   Burnley House

Burnley House

今日でノース・ヨーク・ムーアを離れウェールズに向かう。バーンレイ・ハウスの4日間は穏やかでゆったりした滞在だった。 キャロラインとデニーは口数は少なく静かな二人だ。決してあれこれ話しかけてくるわけではないが、お願いしたことは笑顔できちっと応えてくれた。 ランドリーサービスも丁寧にたたんでベッドに置いてくれてあった。
今日はサウスポート(Southport)在住のマイミクのSさんと初めてお会いする予定だ。Sさんはアメリカやイギリスに在住後、日本で知り合ったイギリス人と結婚され、 現在はサウスポートに住んでいる。とても愉快でテンポのあるブログが楽しい。まだ20代前半のはずだ。約束の15時が楽しみだ。
サウスポートまでの順路でハワース(Haworth)に立ち寄る計画だが、昨夜食事をしながら相談した結果、今朝は早めにスタートして、 ハロゲートのバリー・ガーデン(Valley Garden)に寄り道することにした。
最後にもう一度美しい村の景色を目に焼き付け、9時10分出発。

ハロゲート・バリー・ガーデン   Harrogate Valley Garden

05年の旅でもハロゲートには2日訪れている。前回はベティーズに寄り忘れてお土産を買いに2度目の訪問をした。 今回はバリー・ガーデンを見落としたのに後ろ髪を引かれ再訪となった。 それだけこの街が魅力的ということだ。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

20日と同じパーキングに車を止め、ガーデンに急ぐが、クレッセント・ガーデン(Crescent Gardens)で道草を食う。20日の項で紹介した ロイヤル・ホール、ロイヤル・バス、ハロゲート区議会などに囲まれた三角緑地帯だ。中央あたりに全面ガラス張りのパビリオンがあり、 中にはカップルの天使(Cupid and Psyche)の像が立っている(写真上左から2枚目 クリックで天使像にアップ)。余りに綺麗で新しく見えるが19世紀の作品だという。 街頭に吊るされた巨大ハンギング・バスケット(写真上右)、芝をカットし作られた円形のローズ花壇(写真上左)とどれをとってもスケールが大きい。 階段の手摺の上のコンテナからも花が溢れ出している(写真下右)。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

バリー・ガーデンに入る。1858年に温泉保養客の散策のためのガーデン計画が立てられたという歴史ある公営のガーデンだ。 イギリスの有名な作曲家の名がついたメインストリート"Elgar Walk"を歩く。周囲は色づき始めた背の高い木と潅木で囲まれ、一面に芝の広場が広がる。 ところどころに芝をカットした花壇があり、それぞれ趣向の異なる分厚い植栽がなされている(写真2つ上右から2枚目、上左、下4枚など)。
緑の芝には早くも紅葉が落ち始めている。目と鼻の先でリスが栗を両手に持ち齧っている。すっかり人に慣れていて逃げる様子もない。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

写真上左の中央の小道は""Lime Tree Walk"、並木のシナノキの大きさがこの公園の歴史を物語る。右側に見える道がメインの"Elgar Walk"、 そして、左の高いところをコロネード柱廊(Colonnades)が通っている。花壇では作業員が寒さに弱い植物を別の場所で管理するため掘り上げている。 こうしたメンテナンスが行き届いているから、いつも美しいガーデンである続けるのだ。
まだ時間が早いので観光客より地元の方が散歩している姿が目に付く。特に若いママがバギーを押して散歩する姿が多く見られる。 女性の社会参加率の高い国だというが、育児休暇などの制度も整っているのだろう。パーキングも充実しているから、近くの住人だけでなく、 車で気軽に訪れる人もいるのだろう。赤ちゃんの時からこんなガーデンに接していたら、ガーデン好きにならない訳がない。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

どの写真を見ても背景に大きな樹木が見られる。周囲だけでなく、ガーデン内の至る所に樹木がある。それだけでなく、特に写真上左2枚で分かるように 潅木・ブッシュも豊かに植栽されている。樹形や樹皮の色、葉色、葉形の豊かさといったらない。遠くで見ても、近くに寄って見ても楽しめる。
ティールームのパビリオンも優美な姿だ。ハンギングバスケットの放列も素晴らしい。このシチュエーションならお茶の味も上がるというものだ。
上右のコンテナの素晴らしさにも感服するばかりだ。腰高のコンテナに背丈のある植物と下垂性の植物を合わせ、大きく見せている。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

"Grass Amenity Areas"の中央辺りに大きな円形ガーデン(Circular Flower Beds)がある。1920年に造られたものだ。中心にある像は腕白な裸の男の子が二人、 湧き出る水に戯れている姿だ。湧き出る水は温泉(Spa)を表しているのかもしれない。 像を中心に二重に円形に芝がカットされ、トロピカルな植栽がされている。温泉保養地の雰囲気があふれ、明るい心持になる。
その先にダリアだけを植栽したコーナーがある。さまざまな種類が並んでいる。この旅では第2日目にハードウィック・ホールで美しいダリアに出合い、 これまでのダリアへの評価を変えることになったのだが、ここでまた元に戻りそうだ。と言うのはダリアに付き物の支柱の多さだ。 花数よりも無粋な支柱の数の方が多いかと思われるほどでがっかりする。ハードウィック・ホールのダリアは支柱が目立たなかった。 ここでも下右から2枚目は支柱が見えない。陽だまりでは支柱が目立たない方法でダリアに挑戦してみよう。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

ここから先、まだまだ"Grass Amenity Areas"が続き、その先は"The Pine Woods"が広がるのだ。その終点は何とRHSハーロウ・カーに隣接しているというのだ。 1.5kmはあるだろう。ガーデンの面積は17エーカーというから2万坪に及ぶ。今日はここまでにしておこう。
帰りは1933年に造られた"The Sun Pavilion"(写真上右から2枚目の左後方)を通って、コロネード柱廊を歩く。柱廊の壁にはバラが絡み、 天井にはハンギングバスケットが下がる(写真下左2枚)。心地よい散策だ。
ガーデンのゲートのはす向かいが"Royal Pump Room Museum"だ(写真下右から2枚目)。1842年に建てられた建物で1953年からミュージアムとして使われている。 微かにイオウの臭いが漂う。周りに4つ置いてあるコンテナも素晴らしい。マーガレット、ペチュニア、ロベリアだけでここまで大きくなるものなのか、一度チャレンジしてみよう。

Harrogate Harrogate Harrogate Harrogate

ハワース   Haworth

次に目指すのはハワースだ。ブロンテ姉妹(Bronte sisters)で知られる村だ。 正直私は余り興味は湧かないのだが、妻が寄りたいというので遣ってきた。目的のパーキングが見つからず、少々手間取る。
メイン・ストリート(Main Street)を上っていく。中世の細い石畳の坂道の両側に小さな家が立ち並ぶ。道路と建物の狭い隙間にコンテナが置いてあったり、 壁にハンギングバスケットが掛かっていたり、住人の街を美しくしようとする姿勢が窺える(写真下左)。ショーウインドーも気に掛かるが、 ショッピングは帰りということにしてミュージアムに急ごう。
ブロンテ 牧師館博物館(Bronte Parsonage Museum)の看板は苔むしていた。 6年振りとはいえ、2度目となると興味を引く展示もない。妻を急かして早々に立ち去る。前回結婚式で賑わっていた教会も今は人影がない。

Haworth Haworth Haworth Haworth

メイン・ストリートを上り詰めた教会入り口辺りの様子は6年前と少しも変わっていない(写真下右3枚)。ブロンテ姉妹の兄弟ブランウェル・ブロンテ(Branwell Bronte)が 飲んだくれていたというパブ"Black Bull"も静かな佇まいだ(写真下左)。
ブロンテ3姉妹というが、1男5女の姉弟だったのだ。長女マリア(Maria)と次女エリザベス(elizabeth)は若くして亡くなり、シャーロット(Shalotte)が3番目、 ブランウェルが4番目、エミリー(Emily)5番目で、5人連続年子であった。そして、2年後に末っ子のアン(Anne)が生まれたということだ。 そして、アンを産んだ翌年には母親のマリア(Maria)が亡くなっている。
閑話休題、サウスポートに向かう時間だ。メイン・ストリートをウインドーショッピングしながらのんびり下る。写真上右はアートカフェ"Cobbles and Clay"の ウインドーにあった”切り絵”、上左はピアノバー"Embers"の店先の三輪車コンテナ。溢れる白い花はバコパだ。花殻が沢山ある。摘みたい気分だ。 どちらもお洒落なお店だ。お土産屋、子供服店、ぬいぐるみショップなどを冷かして歩く。

Haworth Haworth Haworth Haworth

ケイリー・ムーア   Keighley Moor

Keighley Moor Keighley Moor

ナビ子ちゃんにサウスポートの待ち合わせ場所をピンポイントで指示する。言われるがままに走ったから確かではないが、6年前通ったローカルロードを逆に走ったようだ。 6年前はウェールズのB&B"The Old Barn"を発ちハワースに来たのだが、今年はアクシデントにより宿が変わったためハワースを発ち "The Old Barn"の前を通るB4500の終点の村"Llanarmon Dyffryn Ceiriog"に泊まるというのだから不思議な因縁を感じない訳にはいかない。
「嵐が丘」でお馴染みのムーアを駆け抜けたのだが、今回も連想される暗くて荒涼としたムーアではなかった。時に岩場やヒースが見られるものの、 多くは穏やかで豊かな牧草地が広がる。道も良く整備されていて快適なドライブを楽しめる。A6068からM65と道を繋いでいく。

サウスポート   Southport

サウスポートに予定通りの時刻に到着。パーキングもSさんの案内どおりスムーズに見つかる。 待ち合わせはサウスポートのメインストリートであるロード・ストリート(Lord Street)の赤い看板のパスト・タイムス(Past Times)の前とメールで確認している。 グーグルのストリートビューで調べると赤い看板がしっかりと確かめられた。何と便利なことか、何の心配も不安もなしに待ち合わせることが出来る。
パスト・タイムスの前で待つこと暫し、日本人と英国人のカップルが歩いてくる。Sさんは予想していたより少し若く見えるが、間違いないと確信できる。 あちらも気付いて笑顔で手を振る。初対面の挨拶を済ませ、コーヒーハウス"Esquires Coffee House"に入り席を占める。 それぞれ好みの飲み物とケーキをオーダーしておしゃべりが始まる。Sさんが早口だというのはブログの記事で知っていたが、 予想を遥かに超える早口だ。機関銃のように次から次に楽しい言葉が飛び出してくる。パートナーのMさんも英国人らしく論理的で議論好きなようだ。 なかなかにイケメンだが若く見える。日本で英会話教室の講師をしていたから日本語もとても上手で私としては助かる。 Mさんに日頃疑問に思っていたイギリス人の習慣などについて、本音のところを質問してみる。こちらが疑問視するほど彼は意識していないようだ。 「人それぞれだから、それほど気にすることもない」とのアドバイスだ。お二人の結婚の馴れ初めやイギリスでの生活ぶり、 私達のカントリーサイドの旅の様子などとりとめもなく会話が弾み、気が付いて時計を見ると17時に近い。名残は惜しいが、まだ道中は長いので再会を約して別れる。
話に夢中でお二人の写真は撮り忘れた。写真は左から"St George's United Reformed Church"、ロード・ストリートのハンギング、 右2枚はオベリスクと白い建物2棟がセットで"War memorial"らしい。海浜リゾート地らしい明るさが感じられる美しい街だ。

Southport Southport Southport Southport

ウエスト・アーム・ホテル   West Arms Hotel

ナビ子ちゃんの案内でリバプール(Riverpool)の街中も迷子になることなく順調に通過し、南下を重ねること2時間、ようやくホテルに到着する。 アクシデントの所為で思い掛けない辺鄙なところに宿泊する羽目になったが、6年前と同じB4500上のアコモデーションとはどういう因縁か。 それも前回のB&B宿泊時は2晩ともこの村のパブに食事をしに来ていたのだ。
ウエスト・アーム・ホテルは1570年からイン(Inn)として始まり、 建物はその当時のもののようだ。玄関を入ったロビーでは初老の男女が食前酒を楽しみながら談笑しているところだ。好奇の目に晒されながら、チェックイン。 荷物を運び入れ、着替えもせずディナーのためにロビーに行くと誰もいない。メニューを選び、ワインをいただきながら暖炉にあたり長旅の疲れを癒す。
このロビーにホームページで紹介している自慢ものが全て揃っている。丸太を燃やす炉端(inglenook log fires)、古い梁(old beams)、低い天井(low ceilings)、 うねる床(undulating floors)、そして、いよいよ美味しいレストラン(award winning rosette restaurant)に案内される。
レストランの中央には先ほどロビーにいた人達が一つのテーブルを囲んでいる。12名の 団体だったのだ。挨拶をして隣の席に座ると、その内の一人から 「とこから来たか?」と尋ねられる。「フロム ジャパン」と応えると、待っていましたとばかり「日本へ行ったことがある」と話し出す。 東京、日光、京都などを訪れて、日本贔屓となったようだ。
メニューは妻がフィッシュケーキ、私がソーセージ。少々味が濃いが、ボリュームも丁度良く美味しくいただいた。 食後は部屋に戻り、妻は知人への絵葉書を、私は明日のルートの再検討が日課だ。この旅で出した絵葉書は妻が24枚、私は2枚だ。

  

West Arms Hotel West Arms Hotel West Arms Hotel West Arms Hotel

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