2002の旅 サウス・サウスイースト その7

花花

第6日 6月11日(火) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程  Halland --- Sheffield Park --- Sissinghurst Castle Garden --- Seven Sisters --- Alfriston --- The Long Man --- Halland

今朝は小鳥の声で目覚めた。快晴だ。この旅一番のお天気になりそうだ。旅も半ば過ぎ疲れが溜まっていたのだろう、良く眠った。 8時50分の食事では少し遅いと思っていたが、丁度良かった。時間に降りていくと、 Julia と Arnet は、すでに 食べ終わっている。良く話してみると、8時15分の約束だったのだ。 fifteen と fifty の聞き違いであった。 まあこんなこともあろうさ。ホストの Danial も混え Julia はけたたましくあれこれお喋りしている。妻の通訳が 間に合わないスピードだ。窓辺や棚に飾られているプレートやマグカップはホステスの Ethel のペイントによるものらしい。 販売もするらしい。気に入ったマグカップを Julia が買ってしまった。悔しい。 Julia と Arnet は一足 お先に出発すると言い、 Julia の激しいハグで別れの挨拶だ。 Arnet あくまでも静か、存在感が薄い。
食事後庭を一巡り。こんな素敵な庭を歩ける幸運に感謝。透明感のある白色のランブラー・ローズの裾を鮮やかな紫の クレマチスが飾る。この庭で、この場所が一番のお気に入りとなった(写真下左)。スタンダード仕立てのフクシアは妻の羨望の 的だ(写真下左から2枚目)。ファームの納屋の壁にはクライミング・ローズと足元はボーダーだ。花の色がブルー系に統一され 涼やかだ(写真下中)。家の周りももちろん花で囲まれている。

Shortgata Farm Shortgata Farm Shortgata Farm Shortgata Farm Shortgata Farm

Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park

ナショナル・トラスト管理の「 Sheffield Park Garden 」 からスタートだ。 B&B から近いし10時30分開場だから、朝がノンビリでも開場前に着いた。既に大勢の人が待ている。 会員だからチケット売り場に並ぶ必要はない。カードを提示し、 Morning で入場だ。ここはランドスケープ・ガーデン である。大勢の人もどこに行ったやら、静かな散策を楽しむ。石楠花が満開だ。赤、紫、ピンク、黄、白と様々な色が展開する。 草むらに動くものがいた、雉のメスのようだ。パートナーはどこへ…。信州の高原を思わせる一角もあった(写真上右2枚)。

Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park

Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park

大きな湖を巡るように曲がりくねった道が続く。ジャングルを思わせるような植栽の一画があった(写真上左3枚)。 湖と石楠花を前景に橋が見えたり、お館が見えたり、湖面のさざ波が涼やかだ(写真上右2枚)。湖の一角を睡蓮が占めて いた。ナショナル・トラストの職員が、胸まで水につかりながら手入れをしていた。お疲れ様の声を掛けた。
これが初めて出会った Landscape だ。18世紀にイギリスで独自に生まれた庭園様式で、池や森を自然らしく配した 風景式庭園だ。始めはその良さが判らなかったが、歩を進めるに従いおぼろげに判ってきた。このスケールの大きな庭の中で 自然に包まれていると、心の安らぎを覚える。

Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park Sheffield Park

さて、今日のと言うより、今年の旅のハイライト・大目玉である 「 Sissinghurst Castle Garden 」に到着。 この庭はガーデン選択で最も頼りにしているサイト「 Gardens Guide 」で、 Design、Plant、Scenic の各部門で3つ星、計9つの星を獲得している唯一の庭なのだ。案内書にしろ ウェブサイトの情報にしろ、評価の最も高い庭と言えよう。現在はナショナル・トラスト管理であるから、ここでもカードを 提示するだけで入場だ。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

入り口の建物の間を潜り抜けると直ぐ目の前に Tower が建っている。4階の細い建物の両脇を6角形の塔が挟んでいる 形だ(写真下)。 Tower まで20メートル程度か、左右は青々とした芝の広場、 Front Courtyard だ。 入り口の建物の壁はバラや藤、アイビーなどで覆われている。
Tower に登るには入場制限があり順番待ちだ。待望の屋上、爽やかな風が頬に心地良い。見晴らし最高、入り口からは 次々入場してくる(写真上左)。 Front Courtyard と入り口の建物の壁のバラや藤もみえる(写真上左から 2,3枚目)。ここ Sissinghurst で最も人気の高い White Garden は直ぐ分かる(写真上右から2枚目)。 Cottage Garden にも人が多いようだ(写真上右)。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

反対側に目を転ずれば Rose Garden が広々と拡がっている(写真下左2枚)。隣の建物の屋根から突き出ている白い 屋根は、ビールのホップを乾燥するサイロの屋根で風を取り入れるために方向を変えられるのだとか(写真下中)。イギリスと いえばスコッチ・ウイスキーを思い浮かべるが、一番飲まれている酒はビールなのだ。ここケント州はホップの産地らしい。 後ろの広がる森との間に、お堀の水も見える。ここは Castle なのだ。見事にデザインされた美しい庭に見とれる人で 渋滞状況だ。これでは、順番待ちになるわけだ。
Tower の写真は左から、 Front Courtyard から、 Rose Garden から、 Cottage Garden から、Orchardからの眺望だ。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

Tower を降りると Front Courtyard の散策だ(写真下左2枚)。壁をクライミングする様々な植物、 ボーダーに植栽された数々の植物、一朝一夕でない歴史を感ずる。また、日々の手入れの良さも一目でわかる。トピアリー、 大きなテラコッタが青々とした芝の広場アクセントだ。
Rose Garden はシーズンの始まりを感じる。最初に開花したバラが満開で乱れのない状態。次のバラが五分咲き・ 3分咲きでスタンバイしている(写真上左・中)。私の最も好きな時期にヒットした。ラッキーだ。柘植でヘッジされた花壇は バラだけでなく、カラーコーディネートされた草花が足元を飾っている(写真上右、下右2枚)。優しい色遣いが心を 和ませてくれる。ベンチも効果的に配置されている。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

オブジェも色々見られる。 Rose Garden の女性像(写真上左)。 Lime Walk の突き当たりの女性像 (写真上中)。 Herb Garden のライオン像のコンテナ、 Yew Walk の端にも像が置かれている(写真下左)。 これは Herb Garden の女性像だったろうか(写真下左から2枚目)。 Lime Walk は風を感じる散歩道、 Yew Walk は静寂を感じる散歩道だ。変化を楽しめる奥の深い庭だ。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

お目当ての White Garden だ(写真上右3枚、下)。白い花とシルバー・リーフで構成されたこの美しい庭を言葉に 出来ない。ルピナスとカラー(写真下左)、大好きな白バラ・アイスバーグ(写真下中)、この白い花はフウロウソウ? 大きい(写真下右)。中央の大きなアーチのバラはまだ蕾が固かった(写真上右から2枚目)。季節を追って咲き次がれて 行くのだろう。綺麗に刈り込まれたヘッジの中でスタンバイしている草花も美しい。シルバー・リーフの美しさも再発見した。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

White Garden の隣の区画で青い芥子を発見(写真上左)。神秘的な美しさだ。この紫の花はデルフィニウムとは 少し違うようだ(写真上中)。白いカンパニュラが霞むほど大きく艶やかだ。変なおじさんが、井戸水を汲んでいた。
園内で出会った日本人の親子連れから最寄の駅まで送ってほしいと頼まれた。来るときは駅から歩いたが、雨後で道が悪く 子供が難渋したとのこと、快く了解。夫は留学生でお金はないけれども、折角の機会だから、イギリスを沢山知りたいと言う。 精々がんばるよう激励、時間を決めて待ち合わせする。
出色は Cottage Garden であった(写真上左、下)。目にも鮮やかな赤いばら(写真上右)、暖かい温もりの オレンジ・ボーダー(写真下中)、周囲を明るくする黄色のルピナス(写真下左)など心浮き立つガーデンだった。何回も何回も 飽きることなく巡った。また必ず訪れることだろう。

Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle Sissinghurst Castle

Garden には充分満足した。次はイギリス海峡の名所 Seven Sisters を訪れる。ケント州のなだらかな大地を 70 km 余り、1時間足らずの快適なドライブで Eastbourne の海岸に着いた。フロントガラスの行く手に白い Cliff が現れた。あわててパーキングを探し、海岸に下りた。しかし、地図を良く見ると Seven Sisters は ここからは見えるはずがない。見えているホワイト・クリフは Beachy Head のようだ(写真下)。

Seven Sisters Seven Sisters Seven Sisters

更に車を進め Beachy Head に来た。岬は牧草に覆われた広大な台地だ。海岸線は柵も仕切りも無く、いきなり 白い断崖絶壁だ。高所恐怖症の私には足がすくむ光景だ(写真下左・中・右)。西の方角遥かに Seven Sisters が 姿を見せた(写真下左から2枚目)。岬には海からの強烈な風が吹き付ける。寒い。イギリスでは珍しい商業主義のドライブ・ インがあった。コーヒーで暖を取る。

Seven Sisters Seven Sisters Seven Sisters Seven Sisters Seven Sisters

Beachy Head を下り Birling Gap の海岸にきた。売店兼レストランが1軒だけの小さな海岸。そこから Seven Sisters を目の前に見てとれる7人の白い法衣の尼が祈る姿に見えると言う。言われてみれば…と言う ことにしよう。クリフに近づいて見ると、正にチョーク層だ。幾重にも重なった層が見られる。点々と黒い石が混じっている。 黒曜石らしい。海岸には波に打たれて丸くなった白い石が沢山混じっている。緑の世界から白の世界に移り、目にまばゆい。

Seven Sisters Seven Sisters Seven Sisters

Seven Sisters の近くに、中世の姿そのままに取り残された小さな村があるとのウェブサイト情報を得た。 Alfriston と言う村だ。そこを目指す途中の海岸線の車窓からの景色が素晴らしい。車を止めて写真撮影をしたいが、 片側一斜線で渋滞気味の道路ではそれも儘ならない。 Seven Sisters Country Park に入る車で 混雑しているようだ。 Park とは逆に内陸に入った高台にビューポイントがあった。ここからの眺望も絶景だ。緑の大地を ゆったりと川が蛇行し白い海岸の海に注ぎ込む様は始めて見る光景だ(写真下左・中)。イギリス海峡からの強風を物語るように、 ブッシュも傾いたままだ(写真下右)。

Alfriston Alfriston Alfriston

「Alfriston 」は本当に小さな村だった。 時刻も17時を回り人通りも無い。マーケット・クロスの先にパーキングを見つけ駐車し、ハイ・ストリートを散策。 ハイ・ストリートと言っても100メートルも無い。道の両側にティンバー・ハウスやレンガ造りの家が立ち並んでいる。 Star Inn は800年の歴史を誇るらしい(写真下左・右)。村全体アンティークだ。が古さと静けさが中世に いざなうようだ。 Star Inn の脇に立つ赤いフィギュアは気味悪く、場違いに見えたが、村の公式ウェブサイトによれば 由緒あるもののようだ。

Alfriston Alfriston Alfriston

地図を見ると Alfriston から目と鼻の先に The Long Man がある。ラッキー!これも情報収集のお陰だ。 対向車が来たら困るような農道を進む。パーキングに案内板があった。チョーク層を削り出して描いたものとの情報であったが、 どうやら違うようだ。第2次大戦に利用されたり、曰く因縁があるようだ。興味と英語力のある方は こちらからどうぞ。
急斜面に築かれているから下からでも良く分かる。巨人の身長は226フィートだ。約70メートルになる。人影も無い 場所でロングマンと対峙していると、背筋がぞくぞくして来た。早々に退散しよう。

Long Man Long Man Long Man

Holland Holland

今夜のディナーはホテルのレストランだ。少しおしゃれをして出掛ける。昨日のパブとはランダバウトを挟みはす向かいにあった。 静かな雰囲気が良い。ゆったりとした席で観葉植物が置かれていたり、イギリス風とは少し違う感じを受ける。スターター、 メイン、デザートどれも味はすこぶる良かった。満足して帰る頃になって、ようやく暮れなずんできた。内容豊かな 一日であった。  【T】

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