2002の旅 サウス・サウスイースト その4

花花

第3日 6月8日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程  Cerne Abbas --- Hardy Monument --- Hestercombe Garden --- Barrington Court --- East Lambrook Manor --- tintinhull Garden --- Montacute House --- Yeovil --- Evershot

Cerne Cerne

良く眠られて目覚めは最高。ホスト達もちゃんと帰宅しているようだ。朝食の後ホステスがガーデンを案内してくれた。 家の裏手が思ったより広く、斜面になっている。斜面全体がハーブと宿根草で埋まっている。斜面の上に回遊路があり両側が ボーダーだ。一つひとつの花についてその特性や植栽の工夫など丁寧に話してくれる。このガーデンは 「 National Garden Scheme 」に登録されていて、 近々公開されるとのこと、道理で熱心な訳だ。
ホステスの熱意に引っ張られ、すっかり時間をとってしまった。さー!今日もガーデン巡りだ。

Cerne Cerne

昨夜発見した「 Cerne Giant 」だ。 丘の斜面に50メートル四方以上の大きさで裸の巨人が描かれている(写真下左)。 この地域はチョーク層で出来ており、30センチメートルも掘れば白い地層が現れることを利用して描かれたホワイト・ホースが 有名だが、ここでは裸の巨人だ。裸だから男根剥き出し、しかも直立している。右手には長い棍棒を振りかざしている。 何ともグロテスクと言うかユーモラスと言うか、いやはや…。
地図を見ると Dorchester の南西5 km 余りの地点に、気になる View Poinnt がある。 Hardy Monument とある。好奇心を抑えきれず遠回りだが寄ることにした。快適なドライブの末、到着。丘の頂上に8角形の 安定感ある塔が建っている。どこか Giant さんの何かに似ているような…。いやはや…。1844年に建てられたという。 私の誕生より丁度100年前のことだ。ナショナル・トラストの管理下にあり時間が来れば中の螺旋階段で上まで登れるようだ。 南の方向には朝もやに霞んでいるが確かに海が望める。

Cerne Giant Hardy Monument Hardy Monument

「 Hestercombe Garden 」は イギリスを代表する有名なガーデンとの振れこみで期待のガーデンだ。今回の旅のエリアからは少し遠いのだが訪れた。 Ticket Office を抜け坂道を登ると開けた場所に出た。立派な塔が見える、給水塔だという。大きな木と マッチして絵になる(写真下左から2枚目)。キングサリの苗が植えられたばかりのようだ。いずれは黄色のシャワーを 降り注いでくれるのだろう(写真下左)。左に下りればランドスケープ・ガーデンだが、今日は右に下りてフォーマル・ガーデンを 見学しよう。

Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe

きっちりと石組みされ、効果的に段差が付けられている。段の縁はハーブ・ボーダーで、階段や石垣には爽やかな白色の小さな 花が咲きこぼれている。この花の名前は何人かに訊ねたが未だに分からない。ナーサリーでは扱っていない。雑草扱いか? 白い花に囲まれた順路(写真下)をすすむと円形プールに到達する(写真上左)。ここでは石と共に水を上手く活用し水路が 巡らされている。この円形プールを起点に東側の Water Garden が始まる。更に進めばハウス前の Victorian Terrace に出る。ここではフクシアのスタンダード仕立が印象的だった。

Hestercombe Hestercombe Hestercombe

Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe

Victorian Terrace から下を見て驚嘆。これがが有名な Edwardian Garden なのだ(写真下)。 東西を Water Garden の石垣で、北側は Victorian Terrace の下のボーダーの石垣に、そして、 南側は70メートルのパーゴラに囲まれたサンクン・ガーデンだ。石とエバー・グリーンで整形された花壇にはパステルカラーの デルフィニュウム・ルピナス・芍薬などが見事に咲き誇っている。下に下りて間近で花に触れれば、ため息をつくシーンの 連続だ(写真上)。

Hestercombe Hestercombe

Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe

Victorian Terrace とサンクン・ガーデンの間のロング・ボーダーが凄い(写真下)。霞み立つような白い花、 微妙に異なる銀葉のハーブ、石垣に垂れるエリゲロン、薄紫のラベンダーなどのえもいわれぬハーモニーにしばしウットリ。 この写真が2003年の年賀状を飾った。
パーゴラにはバラとクレマチスが妍を競う。芳香の中ゆったりと散策。終点の壁に丸窓が開けてあり、広大な牧草地に牛の姿が 見える。

Hestercombe

パーゴラの終点を右に曲がれば、西の Water Garden だ。真ん中を水路が流れ、両脇にボーダーが続く。 見事な植栽だ。水路の水生植物も活き活き瑞々しい。このガーデンはなかなか前に進めない。振り返ると新たな発見があり 逆戻り、行きつ戻りつを繰り返してばかりだ。 Water Garden の終点を1段上がったところが Rose Garden となる。まだ二分咲き程度で閑散としている。満を持す静けさか、緊張感がある(写真下右2枚)。ベンチの上のアーチは イチイの木を上手く誘引して形作られている(写真下右)。

Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe Hestercombe

さすがヘスタークーム、期待以上のフォーマル・ガーデンだった。牧場の牛の数も半端じゃあない(写真下左)。道路沿いに 花の綺麗な民家発見。茅葺屋根で、壁には藤やバラを這わせ、石垣には溢れるように咲き零れる小さな花たち。うっとり。 この板塀は少し無粋だが、中にはどんなガーデンが広がっているのか?親戚になりたい。

ヘスタークームの牧場 カントリーサイトの民家 カントリーサイトの民家

「 Barrington Court 」は ナショナル・トラスト管理のマナーハウスだ。立派なお館と広い庭だ。レンガを敷き詰めた小径のハーブ・ボーダーのハーブは 勢いがあり香りも強い(写真下左)。彫像の周りは白一色だのホワイト・ガーデン(写真下中)。ブルー・ガーデンもこれからが盛りを 迎えるのだろう、乱れがなく清々しい(写真下右)。

Barrington Court Barrington Court Barrington Court

バラが最盛期だ。辺り一面に芳香を放っている。散った花びらも管理されているから美しい。建物の壁色とよく調和している。

Barrington Court Barrington Court Barrington Court

一転、イエロー・ガーデンだ。黄緑からオレンジまで名前も知らない植物が植栽されている(写真下左・右)。白いアジサイの ような花のゲートがブルー・ガーデンへ誘う(写真下中)。爽やかだ。

Barrington Court Barrington Court Barrington Court

トピアリーも面白い形に刈り込まれている(写真下左)。チューダー朝のお館の前は広大なエバーグリーンの広場だ。元は納屋か 馬小屋か?茅葺屋根のテールーム。今日は外でアフターヌーン・ティーをいただく。ランチ代わりだ。ハンギング・バスケットが 軒下に幾つも懸けられている。鮮やかだ。目も鼻も舌も満足して次に向かう。

Barrington Court Barrington Court Barrington Court Barrington Court Barrington Court

「 East Lambrook Manor 」は女性 ガーデナーの庭らしく、豊かな緑に囲まれ豊富な種類の草花が咲き乱れるコテージ・ガーデンだ。植物を知り尽くした 植栽なのだろう。草花を掻き分けて行くような細い小径は静謐さが満ちている。参考にしたいガーデンだ。

East Lambrook Manor East Lambrook Manor East Lambrook Manor

オードリー・ヘップバーンが愛した庭と謳われる 「 Tintinhull House Garden 」 にやって来た。広さはないがガーデンの魅力が濃密に詰まっている感じだ。お館を出ると石畳の道が真っ直ぐ伸びている。 その先のイーグルの門をくぐってイーグルコートだ(写真下右)。その間には鮮やかなライム色のトピアリーと緑の芝生を 隔て、レンガの塀沿いにボーダーが連なる(写真下中)。
(2007年に再訪して、間違いに気付いた。ハウスとイーグル門の間の庭がイーグルコートだ。)

Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden

更に進めば噴水のある小さな池の周りがホワイト・ガーデンだ(写真下左)。隠れ家のような休憩所もロマンティックだ (写真下中)。ブルー・ガーデンの先はキッチン・ガーデンになる(写真下右)。

Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden

Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden

そしてメインはプール・ガーデンだ。細長い池の両サイドはエバー・グリーンの芝と趣の異なるボーダーで挟まれている (写真上右・下右)。その突き当たりに東屋があり優雅な籐椅子の周りを見事なコンテナの花々が囲んでいる。 オードリー・ヘップバーンもここで寛いだのだろう。東屋の壁もつるバラやアイビーが彩っている(写真上左2枚)。 プールの周りを巡れば、そこかしこにベンチが置かれ、花に囲まれている。ロマンティックだ(写真下左2枚)。

Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden Tintinhull House Garden

Yeovil の西方、この地域は正にガーデン銀座だ。わずか10km四方くらいの地域に上の3つのガーデンのほかに下の Montacute House 更には Lyte’s Cary Manor が点在しているのだ。嬉しい、忙しい。
「 Montacute House 」も ナショナル・トラストのガーデンだ。お館の前からまっすぐに伸びる道、遥か彼方に正門が見える(写真下左)。広大な お屋敷なのだ。エリザベス朝といわれる黄色味を帯びた明るい色の石造りの壮麗なお館が構えているのだが、写真に残っていない。 いかにガーデン目的とは言え、それはないね。そのお館の北側にフォーマル・ガーデンがある(写真下左から2枚目・中)。 広大なエバーグリーンの広場に、十字に通路が刻まれその交差点に立派な噴水がある。周囲を愉快なトピアリーが囲み、 更に外側を囲む白い花が満開の木はアーモンドの木だという。甘い香りが強烈だ。

Montacute House Montacute House Montacute House Montacute House Montacute House

オランジェリーの中ではフクシアが信じられない大きさに育ち満開だ(写真上右2枚)。フクシア好きの妻が歓声を上げて喜ぶ。 ため息をついて羨ましがる。どなたか日本の気候に合うフクシアの改良をお願いします。それにつけても可愛い花だ。 見事な大きさだ。
トピアリーというか、垣根というのか不思議なものがある(写真下左)。イチイの木だろうがこの巨大さに驚く。そして、 その形が異様だ。うねうねと波打っている。見ていると人の顔に見えてくる。まるでモアイ像のようだ。奇妙だ。刈り込んだ ガーデナーの意図を聞いてみたい。

Montacute House Montacute House Montacute House

何とおしゃれなガーデンだろうか(写真上右2枚・下)。お館と同じ優しい色の石材の柵に沿ってロング・ミックス・ボーダーが 伸びている。その両端には何とも洒脱な東屋が建っている。そして中央にも形の良い屋根の展望台?があった。 ボーダーの色遣いにも魅了される。ここも去り難い庭だ。何度も行きつ戻りつし、ベンチに座りその優しさに包まれる。

Montacute House Montacute House Montacute House Montacute House

既に Lyte’s Cary Manor は閉園時間だ。ガーデンは充分楽しんだ。まだ陽は高い。 Yeovil の街を 訪れた。小ぢんまりした街だ。お店はみんな閉まっていた。教会の塔を目指し歩く。教会の前が公園で綺麗に植え込みが なされている。一角にユニオン・ジャックを模した植え込みがあった。ゴールデン・ジュビリーのためだろう。王室と市民の 強い繋がりが理解される。街は至るところが花で飾られている。和む。

Yeovil Yeovil Yeovil

昨日予約しておいたインに到着。昨日惹かれた入り口の花がこれだ(写真下左)。軒下にハンギング・バスケット、窓辺に ウインドー・ボックス、壁を這うバラ、憎いほど綺麗な飾り付けだ。裏の広場も美しい飾り付けだ。ハンギング・スタンドも 頑丈だ。こんなベンチで陽を浴び、風に当たりながらランチも楽しかろう。
後の情報によれば、このインは有名な小説に登場する15世紀からの歴史も由緒もあるインであるらしい。映画のロケも 行われたと言う。フロント脇のレストランは既に大賑わいだ。30分後の席を予約して部屋で一休みする。

Acorn Inn Acorn Inn Acorn Inn

チップについて悩む。スーツケースを2階まで運んでくれたボーイは受け取らなかった。レストランでも周りの様子を見たが チップを置いている様子はない。明日の精算のときに考えよう。食事は美味しかったが量が多い。お値段もそれなりだ。
ワインと寝酒のバレンタインで心地良い眠りに・・・。  【T】

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