第8日 6月13日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
心地良い目覚めだ。空はどんよりと曇っているが、雨の心配はなさそうだ。今日はドーバーを訪ねる。降らないでほしい。
Southgate−Little の客室は素晴らしい。壁紙・カーテン・照明カバーは深紅で統一され、柱・ドアー・窓枠・
天井は真っ白にペイントされそのコントラストは新鮮だ。そして、 Four − poster Bed のカバー・カーテンは
ゴールドだ。古いが良く手入れされており、重厚感溢れる部屋だ。一方外観は切妻の白い装飾と白い窓枠が壁を覆うアイビーと
調和し可愛い雰囲気だ。窓からの眺めは緑の牧草地に羊がポツリポツリ、正に牧歌的である。
「 Leeds Castle 」は「 The Loveliest
Castle in The World 」とも「貴婦人の城」とも謳われる城だ。が、ご覧いただくように、城の写真より花や
鳥の写真の方が圧倒的に多い。ウェブサイトのタイトル通り「花」が主役のサイトです。悪しからず。
パーキングからお城までは Woodland のような森と水路に囲まれた通路をかなり歩く。この間つつじの花や緑の柳などが
目を楽しませてくれるし、鳥の姿が目に付く。大きくて気品ある水鳥(写真下左)、尾を広げた孔雀、白い孔雀もいた。珍しい。
かなり歩いた末、ようやくお城が見えてきた。お堀にいた黒鳥は城のシンボルだそうだ(写真下右)。
左の橋を渡ればお城だが、ガーデン優先で右に進む。先ずは The Culpeper Garden というコテージ・ガーデン
がある。レンガの壁と、綺麗に刈り込まれた低いヘッジで囲まれた沢山のベッドに、色とりどりに植栽された草花は香りもまた
とりどりだ。幾つのベッドがあるのだろう、次から次に驚きの色と香りに出会う。この立体感・ボリューム感に圧倒される。
花が目と鼻を楽しませてくれるなら、鳥の鳴き声が耳を楽しませてくれる。隣には Aviary & Waterfowl があり、
珍しい鳥も多いらしい。ここは花優先でパス。
The Culpeper Garden から1段下、湖との間にもう1つガーデンが広がる。 The Lady Baillie
Garden と言う。写真下左の手前の階段を湖のの方に降りていくと、長いテラス・ガーデンが湖に沿って続く。レンガの
塀を飾る蔓性植物、裾を飾る草花たち、そして、ここでは湖を渡ってくる爽やかな風が肌を楽しませてくれる。
この先では迷路・洞窟や温室なども楽しめるようだがパスとする。なんせ神風カットビ急ぎ旅なのだから。
それでもお城も拝見しなければ、 The Loveliest に失礼だろう。橋を渡り湖の中の島に渡る。お城はそこにあるのだ。 入り口には犬の首輪のミュージアムがあった。好奇心はくすぐられるが…。9世紀に木造で建てられ、12世紀に石の城の建て 替えられたという歴史ある城なのだが、城内は撮影禁止。旧城と新城を結ぶアーチ橋の下を黒鳥が泳ぐ素晴らしい場面に出会った。 城内は撮影禁止でもここは室外、撮影OKだ。慌ててケースからカメラを出した時には黒鳥は足元で餌をねだっていた (写真上段で紹介)。黒鳥は居なくても絵になる(写真下中)。城の対岸にはゴルフ場も併設されているらしい(写真下左)。 また、城の前にはクリケットの出来る広場が広がっていた(写真下右)。全てが桁外れだ。
「 Chilham 」というロンドン南東部の村にやって 来た。 Canterbury の直ぐ近くだ。村に入ると30台くらい駐車出来そうなマーケットクロスがあった。周囲を 可愛い家が囲んでいる。みやげ物店やティールームもあるが大方は民家である。それぞれに花を飾ってある (写真上左、下左・中)。美しい広場だ。日本に電話を入れようと、公衆電話の場所を聞くと少し離れた場所を示された。 言われるとおり歩いてみると変わったものを発見。木の枝を横に伸ばし柵のようにしてある(写真上右)。 新芽が萌え出したところだ。何の木なのか気になる木だ(コマーシャル・ソング?)。旅の順調を伝えマーケットクロスに 戻ると、日本人らしき女性が一人カメラを構えている。話しかけてみると語学留学中とか、教会をバックにシャッターを押して 欲しいとのこと、お安い御用。それにしても恐ろしく古い教会だ(写真上中)。お城があるはずと探したが、今は非公開とのこと。 残念だ。城壁の上にリスがいた(写真下右)。塀の反対側は小学校だ。校庭で子供たちが元気に遊んでいる。声を掛けると 大勢寄って来た。先生もニコリと笑顔を送ってくれた。
「 Canterbury 」は英国国教会の総本山で
「大聖堂」がある。カンタベリー物語でも有名だ。
宗教的興味も文学的興味もないのだけれど、ここまで来たのだから寄らない手はない。要するに唯の観光だ。
大きな街だけに見つけた駐車場は、立体駐車場だ。3階に駐めたが料金の支払い方が分からない。高校生らしき男の子4人組が
通りかかったので聞いたところ、駐車スペース番号を推さなければならないようだ。日本のコイン駐車場では経験するが
イギリスでは初めてだ。スペース番号を一緒に確認に行ってくれたりして親切に教えてくれた。一見怖そうに見える青年たちも
本当に親切だ。ありがとう。
街はすごい人出だ。空港以来の人込みが懐かしくさえ感じる。やっぱり日本人か。おしゃれな雰囲気のイタリアン・カフェーで
コーヒー・ブレイク。コーヒーは機内以来だ。愉快な看板を見つけた(写真下左)。何の店だったか帰国後ウェブで検索したら、
メキシコ料理と判明した。この家の傾きようはどうしたことか(写真下右)。ギャラリーのようだ。傾いたのではなく、その様に
設計したもののようだ。ローラ・アシュレイの店で幾つかショッピング。
大聖堂へはクライスト・チャーチ・ゲイトから入る(写真下左)。6世紀からの歴史を持つゴシック様式の大聖堂の尖塔は空に 向かって伸び、威容を誇る(写真下右)。裏通りから全容が写せた(写真下中)。さすがの大きさだ。
Dover に来た。駐車場探しに手間取るが、迷ったが幸い、 Western Docks Ferry Tarminal の
直ぐ近くに空きを見つけた。フェリー・ターミナルの横の Pier の先端まで行けた。
ドーヴァー海峡だ。ドーヴァーの響きにはくすぐられるものがある。ロマンだろうか郷愁だろうか懐き続けて来た。その
Dover に今、立てた。感慨である。胸に迫るものがある。無口になってしまう。しばし立ち尽くした。
ホワイト・クリフが見える(写真上右、下中)。反対側にはシェイクスピア・クリフも見える。共に白い岩肌が夕日に光っている。
丘の上にはドーヴァー城が威容を見せている。この要衝の地で数々の戦いをくぐり抜けてきた城だ(写真上中)。
港にはひっきりなしにフェリーやフォーバー・クラフトが行き来する(写真下左2枚)。大きな客船も係留されていた(写真上左)。
埠頭には人影も少ない。太い腕に刺青をしたセーラーに出会ったり、ハンチングの怪しい男二人連れにであったり少々怖い。
カモメだけは友好的だ。
今夜はこの旅最後のディナーとなる。スーザンにレストランを予約してもらっている。取って置きのレストランと紹介されたのが The Curlew だ。車で15分ほど走る。野原の中の一軒家だ。広い駐車場に停め店に向かうと、マスターらしき人が 出てきて、帰りには暗くなるからこちらに停めた方が良いよと空きスペースを示してくれた。「スーザンの紹介のイーチダだね、 さあこちらへどうぞ」と通された場所はバーではないか。ちょっと不安に思ったが、ここで食前酒をいただきながらオーダー を決めるらしい。オーダーして程なく席の準備が出来たと案内される。広くはないがなかなか雰囲気の良いレストランだ。 バーもレストランも満席だ。きっと美味しいに違いない。期待感が膨らむ。出された料理は全て期待以上だ。盛り付けが良い。 まるでフレンチだ。料金もリーズナブルでここに来るために、何時かもう一度 Southgate−Little に泊まろう などと、スーザンが聞いたら悲しみそうな話になった。ご馳走様、また何時か来ます。
Southgate−Little に戻ると今夜もスーザンが出迎えてくれた。美味しい店の紹介を感謝する。平日はロンドンの
大学寮にいるというお嬢さんも週末で戻っており話しこむ。私のデジカメを見て「こんなのが欲しいかったの、ママ買って」と
おねだりしている。値段まで聞いて、日本は安いと羨ましがっていた。旦那は今日もまだ帰っていない。どこでも宮仕えは辛い。
明日はこの街でショッピングを楽しみたいと話すと「この街はだめ、私の大好きなおしゃれな街を紹介するわ」と言うことに
なった。明日の朝までに地図を用意してくれるそうだ。お喋り好きな母娘と妻に付き合っていれない、と言うより英語が
通じない、そろそろ勘弁してよ。
今日の旅も思いっきり楽しんだ。時間があれば、まだ2つもガーデン情報を持っていたのだが、一つ一つの訪問地で充実した 時間を過ごしたのだから満足だ。寝酒用に成田空港で買ってきたバランタインが多めに残っていた。アイスをもらって一人、 旅の無事を祝福しカンパイする。至福の時間だ。荷造りは明日の朝にしよう。 【T】
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