第2日 6月7日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
朝から空模様は良くない。朝食前に庭と近隣を散歩。Beehive Manor の玄関の標識・彫刻・コンテナなど本で
見た通りだ。梁の太さ・湾曲振りも面白い。チューダー様式と言うらしい。ドアーは開け閉めの度にギシギシ音がする。
建物は古くても良く手入れされていて綺麗だ。清潔感がある。 Beehive とは蜂蜜の巣箱のことで、元は養蜂業者の館で
あったようだ。客室は全部で3室という可愛い宿だ。
朝食はもちろんフル・イングリッシュ・ブレックファストだ。大きな円卓で同宿のお客さんと一緒にいただく。この日は
お馴染みさんの若いビジネスマンが一人同席となった。新聞を読みながら食事をしている。日本のサラリーマンの出張と同じだ。
それでもお愛想の挨拶は交わしてくれた。1年振りのフル・イングリッシュ・ブレックファスト、この味・このボリューム・
この温かさ、やっぱり美味しい。イギリスだ!テーブルの上のマーマレードなどが入った蓋付きの容器がとても面白い形を
している。こんなのを探したいものだ。
とうとう降り出した中、出発。
雨は強くなる一方だ。 「 Hadspen Garden Nursery 」 に到着した途端一層強い降りとなった。パーキングには車はないし心配になってくる。しばらく雨宿りしていると、次々に車が 着いて雨もものかは、トランクに準備した合羽を着て入場していく。中には長靴に履き替える人もいる。さすがに現地の ガーデン・ラバー達だ。遅れを取ってはならじと私たちは折りたたみ傘だ。ビギナーだな。だんだん小降りになってきた。
ここは Nori & Sandra Pope が管理する Garden Nursery 、色の変化が素晴らしい。花や葉の色の コントラストが鮮やかだ。 Curved border (写真上右)は700メートルに及ぶ半円形の壁に沿ったボーダーで、 Yellow ・ Orange ・ Red ・ Plum ・ Pink ・ Peach ・ Yellow と七色に植え 分けられている。 Plum を中心として左右対称を演出しているのだそうだ。
Plum Grey border は暗紫とシルバーグレーの葉のコントラストを楽しむボーダーだが、今は花も満開で 素晴らしい(写真上左・右、下左)。雨の中、庭で手入れ中の Nori さんは客の質問に丁寧に応じている。私達にも 楽しんでくださいと声を掛けてくれた。 Nursery を見学中ハウスの中に Sandra さん発見、声を掛けると気軽に 記念撮影に応じてくれた。フクシアの木も元気が良い(写真下右)。
次に向かうのは Forde Abbey だ。折りしもサッカーのワールドカップの真っ最中だ。サッカー発祥の地イングランドに
は熱狂的ファンが多いようだ。沿道の家にはユニオン・ジャックではなく白地に赤十字のセント・ジョージ・クロスを屋根や窓に
掲げてあるのが目につく。かと思えばユニオン・ジャックで家中を飾りつけた家もある。何が違うのか不思議に思っていたが、
旅の途中で疑問が氷解した。セント・ジョージ・クロスはワールドカップ・イングランドチームへの声援、ユニオン・ジャックは
エリザベス女王在位50周年ゴールデン・ジュビリーの祝福のためなのだ。車にもそれぞれの国旗を翻して走っている
姿が見うられる
「 Forde Abbey 」到着。入場すると直ぐキッチン・
ガーデンだ(写真下左)。どうやらここは北側・裏口のようだ。このキッチン・ガーデンの用土もそうだが、日本の畑と土が
一目で異なる。日本では耕運機などで綺麗に耕されて均質な細かい培養土だが、こちらはゴロゴロした土か石か分からないような
状態だ。収穫物もこちらでは不揃いで量り売りされている。だからどうした…と言われると困るが。お館の周りをぐるりと
回って庭に出るのだが、その通路も至るところが撮影スポットだ(写真下右4枚)。
エバー・グリーンの芝が美しい通路をふわりふわりと気持ち良く歩く。凄く広大と言うほどでもない、全体を見回してその規模が 掴めそうな、安心感と言うか落ち着いた感じがする。貴族にはなれないな。パーク・ガーデン(写真下左から2枚目)、ロック・ ガーデン(写真下中)と一巡りして行く。広い芝生の広場もある(写真下右2枚目)。
行く手に小高い小山が築かれ、その斜面もエバー・グリーンの中に様々な植栽が施され目を楽しませる(写真上右。下左2枚)。 珍しいお花も数多い。長方形の長い池の端にドーム型の Temple があった(写真下中)。ここからの眺めが最高(写真下右から 2枚目)。池の左側に見えるあの白いベンチも撮影ポイントのようだ(写真下右)。淡いピンクの花はライラックだろうか? このガーデンも良く映画のロケに使われるらしい。ティールームでアフターヌーン・ティーをいただき寛ぐ。
既に午後2時、そろそろ今夜の宿を探さなくては。今年は宿の予約をしないで現地で気ままに探してみようということになった。
ウェヴサイトで調べてどうしても泊まってみたいと思った
「 Bed & Breakfast for Garden Lovers 」
の2軒は事前に予約したが、今日から3日はフリーである。とはいえこの地域のいくつかの候補は用意してきた。近場から
訪ねてみよう。1軒目は No Vacancy だ。二つ目の候補を探す途中道沿いに感じの良いホテルがあった。
ホテルも良いかもと思いフロントへ、満室との返事。どうやら足元を見られたか?合点が行かない。2軒目は見つけられず、
3軒目へ。実は候補の中ではここが1番良さそうに思っていたので今のところ余裕がある。 Cerne Abbas という街の
Cerne River Cottage だ。無事見つかった。思った通り美しいガーデンに囲まれたコテージだ。
ノックをすると感じの良い女性が出てきた。期待を込めて交渉すると、今日は満室、明日からはホリデーで休業との返事。
マイッタ!思うように行かないものだ。困った顔を見かねたか、近所に良い B&B があるから行ってみたらと道を教えてくれた。
2,3分のところに平屋の小さな B&B があった。見せてもらった部屋は少々狭いがこれ以上時間は取れない。しかも明日は
満室で今夜だけとのこと。この地区で後2泊したいので、出来れば連泊したいが仕方がない、良しとしよう。ホスト達は今夜は
観劇に出かけるので夜は留守らしい。部屋の鍵と玄関の鍵を渡された。食事はこの街のパブにしなさい、後で予約しておいて
上げると言う。今電話してくれないのかと言うと、今は皆ワールドカップに夢中でだめだと言う。そういえばここでもテレビが
大きな音を立てていてホストの対応も心ここに在らずだ。さっきのホテルマンもその口だったか?イングランドは予選リーグ
初戦はスウェーデンに引き分けて、第2戦も強豪アルゼンチンに前半は0:0らしい。ホストはこのチームは弱いと嘆いていた。
自国でワールドカップを開催しているのに何故旅行なんかしているのだと聞かれても返事の仕様がない。予ねて用意の日韓
ワールドカップ公認グッズのキーホルダーを渡すと大喜びだ。
さて、イギリスまで来てテレビ観戦もない、もう1軒ガーデンを訪れよう。なんとなく車の通りも人通りも少なく感じる。更に
進めているとセント・ジョージ・クロスを付けた車が何台かクラクションを鳴らして走り去った。どうやらイングランドが
勝ったらしい。良かった良かった。
Mapperton House を目指す。 The AA の Route Planner に従い A 、 B のクラス付け されていない unclassified の狭い道を走行中 Evershot という小さな村で、入り口を綺麗に花で飾った インを発見、良い雰囲気を感じたので明日の宿泊の可否を訊ねた。値段は少し高めに感じたが宿探しで時間を費やしたくない、 予約を入れる。(イギリスの道路についてはドライブも参照ください。)
「 Mapperton House 」にやって来た。質素だが
重厚な雰囲気を感じる門構えとお館だ。門柱の上のイーグルだろうか翼を広げた鳥のオーナメントがユニークだ
(写真上左から2枚目)。門を入ると見知らぬ白い花を綿のように付けた大きな木があった。下の芝生にも小さな可愛い白い花が
いっぱいだ(写真上左)。
お館の裏に回って驚いた。少し起伏のある広大な丘陵地の谷間にユニークな庭が広がっていた。お館から見て左手のオランジェリー
の辺りが高く(写真上中)、そこを起点に水路が始まり所々にプールを溜めて右側の低い場所のプールまでかなりの距離がある
(写真2つ下の左から2枚目)。
水路の両脇は愉快なトピアリーがずらりと並び、そこかしこにモニュメントや鳥や動物のオーナメントと花壇が造られている。 その外側には、レンガの壁が造られウォール・ガーデン、ボーダー・ガーデンが花の種類も豊かに築かれている。オランジェリー からの眺めも秀逸だ。スキップしたくなるような、思わず口笛を吹きたくなるような庭だ。ロマンチックと言うかユニークと 言うのかオーナーのお人柄が偲ばれる。
今日はいろんなタイプのガーデンが見られた。もう一つ予定していた Hestercombe Garden は今からでは 間に合わない。街も少し見たいと言う訳で、予定外の Dorset の州都 Doechester に立ち寄った。町の中心部の パーキングに車を止めたのが18時近く、残念ながらお店はほとんどクローズだ。ウインドー・ショッピングをしつつ散策。 若者の姿が目立つが人通りは少ない。サウス・ストリートからハイ・ウエスト・ストリートの角の時計塔が良い雰囲気だ (写真下左)。左に曲がりハイ・ウエスト・ストリート少し歩いて振り返ると教会の塔と時計塔・看板の並びがイギリスだ (写真下中)。
この街はカントリーサイド・ドライブを始めてから最大の街だ。当然のこと道路が入り組んでいて分かり辛い。
予定外だから細かい地図は持ってきていない。 A 37を一苦労して探し当て上がってみると大渋滞、ようやくランダバウトが
近づき流れ始めたと思ったら、交通整理のポリスマンが目指す方向は交通事故で閉鎖だと言う。後ろから急かされるように
進んではみたが、地図はなく迂回路が分からない。パニックに陥って街中をさまようこと1時間、元の場所に戻ったら
開通していた。
夕食はホストが8時で予約してくれてある。予約できた店の名と地図はダイニングのテーブルの上に置いてくれる約束になって
いる。遅れそうだが連絡の取り様がない。飛ばしに飛ばして30分遅れで店に到着。良く走った1日だった。ビールで乾杯。
蔦で覆われたパブの壁にも、 Doechester の街同様、ゴールデン・ジュビリーの祝福のユニオン・ジャックが
掲げられていた(写真上右)。
トワイライトの街を歩いていると Serne Giant の看板がある。これってウェヴサイトで見たよ。こんなところに
あったのと言う感じだ。思わぬ拾いもの、今は暗くて何も見えないが明日の朝が楽しみだ。11時になってもホスト夫婦は
帰った様子がない。さすがに疲れた…シャワーを浴びて暴睡。 【T】
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