第7日 6月12日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Shortgate Manor Farm は部屋やダイニングは決して広くは無いが、ホスピタリティーの良い B&B だ。 ガーデンは10日の項でお知らせしたが、ダイニング・リビングを紹介しよう。下の写真のように豪華な家具調度ではない。 しかし、棚やサイドボードの上にに飾ってあるもの全てが、ホステスの Ethel の手作りだと言う。アートフラワーは 布製・粘土製などがあり、シャンデリアや鴨居にまで飾ってある。その色調がシックだからこれだけ沢山飾っても落ち着いた 雰囲気を壊さないのだ。陶器製品も全て手描きだそうだ。花やファームの風景をモチーフに抑えた色調で描かれている。
室内も壁紙・カーテン・ベッドカバーが統一されており、落ち着いた雰囲気だ。掃除も行き届いていて清潔だ。バストイレが
見事だ。ふかふかじゅうたんが敷き詰められ、絵も何枚も掛けられている。バスタブは映画の世界でしか見たことのない
貝殻の形をした大きなものだ。一方の窓からはガーデンが、もう一方の窓からは牧場が見渡せる。こんな B&B で
日がな一日のんびり寛ぐ旅も良いかもしれない(当分出来そうもないが)。ホストの Daniel もホステスの Ethel
も上品で優雅な立ち居振る舞いが印象的だ。 Ethel は肋骨を傷めて左手が動かせなくて少し元気がなかった。
昨日 Julia が買ってしまい悔しい思いをしたマグカップはストックがあった。良かった。
ここには、いつの日か再訪し Sissinghurst を訪れよう。そう心に誓って別れを言う。
「 Wakehurst Place 」は
Royal Botanic Gardens である Kew Garden の分室であり、ナショナル・トラストの管理と言う
ガーデンだ。 Seed Bank Zone 、 Gardens Zone 、 Conservation Zone 、
Woodland Zone 、 Loder Valley Nature Reserve の5つのゾーンからなる広大な
ガーデンなのだが今日は Gardens Zone を訪ねる。
16世紀に建てられたというお館 The Mansion の周りは素晴らしいボーダーで囲まれている(写真下)。 場所により
彩を変え、様々な草花の植栽がなされている。
Walled Garden が2つあるようだ(写真上、下)。見たこともない珍しい植物も多い。とにかく、世界中の植物を 集めている Kew Garden の分室なのだから。イチイの木のヘッジやトピアリーもなかなか見事だ。一方の中心には 少年?が吹くラッパから水が出る噴水が、他方の中心にはシルバーリーフの植栽の大きなコンテナがそれぞれアクセントに なっていた。どこを取っても抑えられた色遣いが好みに合う。
Wakehurst の5分の1を巡っているのだが広い。The Southern Hemisphere Garden や Asian Heath Garden などがあったらしいが、どこまで廻りきれたのか分からない。もちろん標識など どこにも出ていない。ここが Southern Hemisphere だろうか(写真下中)。これが Asian Heath だろうか(写真下右から2枚目)。ここはどこ?(写真下右)。
また、鳥の姿が良く見られた(写真下)。芝の上を雉が歩き回り、木立の中には美しい小鳥も見受けた。池には何種類もの水鳥が 泳いでいた。カモの雛が可愛らしい。パン屑を分けてもらい手のひらに載せて差し出すと我先に上がって来てついばんで行く。 池の水は澄んでいて涼を誘う。
「 Nymans Garden 」も ナショナル・トラストだ。ここも植物の豊富さでは出色らしい。ロング・ボーダーはどこを切っても絵になる。厚みを感じる 見事なボーダーだ(写真下)。
ローズ・ガーデンは盛りには少し早いようだが、芳香を放っている(写真下左3枚)。アーチがロマンチックさを醸しだす。
芳香を吸いながらアーチをくげれば心が軽くなる。足元のセージのブルー、フウロウソウの白も目に鮮やかだ。
写真下右はサマー・ボーダーの取っ付きのゲートだ。
Nymans Garden の名物サマー・ボーダーには少し早い。残念ながら、ガイドブックで見たカラフルなボーダーは見られない。
しかし、そこかしこに珍しい花が見られる(写真上)。シンボルの巨大王冠トピアリーもイタリア・ベローナ産の赤大理石の
噴水も、しかと見届けた(写真下左から2枚目)。
ここにも始めて見る巨木があった。白い花が重たげに付いている(写真下左)。こちらはイギリスでも有数ののっぽの木だ
(写真下右)。火事で焼け落ちたお館は草木と一体化し趣を添える。廃墟の前にも面白い形のトピアリーが沢山ある(写真下中)。
ミックス・ボーダーの巨大なデルフィニウムと芍薬が強烈な印象を与える(写真下右から2枚目)。
妻の好きなフクシアも様々な形と色で楽しませてくれるが、何と言ってもその大きさに驚く。日本の気候ではここまで大きく
育てるのは難しいだろう。左のスタンダード仕立ては妻の背を優に越している。右の白いフクシアはシャワーのように見える。
イギリスでは人気の高いこの地区だが、めったに日本人にはお目にかからない。珍しく女性の二人連れと出会う。一緒に渡英し
最初の1週間は一人はガーデニング教室に通い、一人はホーム・ステイで観光した後合流し、ガーデンを巡っているとか。
メール・アドレスを交換し、記念写真を撮って別れる。
Nymans Garden の近くで Objet d’ Art の店を発見。寄ってみた。凄い!素晴らしい作品がいっぱい。欲しいものが あれもこれも。店員が出てきて説明をしてくれる。前にある真っ白な作品が時間の経過と共に、後方にあるようなグレーに 変わって行くのだと言う。大理石ならではのことらしい。そう言えばガーデンで見るオブジェはみんな渋いグレーで緑にマッチしている。値段を聞いて ビックリ。リーズナブルで本気で欲しくなる。日本にも送ると言うがそこまでは…と、断念したが後悔もチョッピリ。
「 Batemans 」も ナショナル・トラストだ。ノーベル文学賞受賞のキップリングが住んでいたという17世紀の家だ。小さな家とガーデンだ。 静けさに包まれている。ウォールド・ガーデンの植栽も先ほどまで見てきたガーデンに比較し地味だ。噴水も慎ましく微笑ましい。 ブロンズ像も小さなものだが凛として立っている。将軍とお妃か?向かい合っている。物真似してみた。愉快だ。
ガイドブックやウェブ情報では「港町 Rye 」と言う触れ込みだ。 地図で見る限り海岸は遠い。疑心暗鬼繰り返し情報を探った。沈泥で海が遠ざかったのだとか。11世紀に建てられたホテルが 残っているという。中世には海賊や密輸業者のたまり場であったという。好奇心を誘う港町だ。ノスタルジーを誘う。 野次馬はどこまでも…。
TIC の前には誇らしげにアンカーが飾ってあった(写真上左)。港町の象徴だ。TIC の直ぐ前を川が流れ、かっては
この辺りが港だったのだろうか。思いを馳せる。住所表示の陶板プレートの工房があった。おしゃれだ。オーダーすれば
作成して日本にも送ってくれるらしい。やっぱりそこまでは…となる。
街は急な坂道を登らなければならない。玉石を埋め込んだ石畳の道だ(写真上左から2枚目)。もうかなり磨り減ってしまって
いるが靴底にゴツゴツ響く。この通りが Mermaid St. だ。ティンバー・ハウスやレンガ造りの家々が立ち並ぶ。
その中腹に Mermaid Inn がある(写真上右から2枚目、下左から2枚目)。件の海賊のたまり場だ。建物の壁は
アイビーで覆われ、雰囲気を醸しだす。人魚の看板もどこか艶かしい。いよいよノスタルジックだ。
坂を上りきった教会の手前の民家の軒下の植栽だ。バラとカンパニュラの淡い色彩が重厚なティンバーと良く合う(写真下中)。
その先に教会が静かな佇まいだ。このステンドグラスは中から見たら素晴らしいだろう(写真上右)。教会から石畳の道を
下ればハイ・ストリートだ(写真下右から2枚目)。5時を廻ったので Close の店が多い。開いていた洋品店でセーターを
購入。文房具店でおしゃれなカードやステーショナリーを購入。
今日から2日の宿は Southgate−Little Fowlers だ。 Batemans から Rye に向かう途中で
場所を確認しておいたので、のんびりドライブを楽しむ。南で海に近い所為か明るく感じられる。空気が乾いていることも
あるのかも知れない。
Southgate ではスリムでハイソな雰囲気を持つスーザンが出迎えてくれた。可愛い玄関からはいる。建物はかなり
古そうだ。部屋には年代物の Four − poster Bed が据えられている。その他の家具も皆アンティークだ。
しかし、南向きの窓からは明るい光が射し込み快適な環境だ。
ここの庭は家を囲むように芝の広場が広がり、短い散策を楽しんだり、アフターヌーン・ティーを楽しんだり出来るようだ。
今夜のディナーは Southgate から歩いて5分のパブ Oak & Ivy だ。中に入ると右手が低い天井の梁が むき出しの雰囲気あるカウンター席、左手にテーブル席があった。若い陽気なボーイがメニューを持ってやって来た。 デジカメを見て直ぐに写真を撮ろうと申し出てくれる。気さくな店だ。ウェートレスが二人とも少しケバイ。一人はかなりの 巨乳だ。日本人が珍しいのか、何くれと声を掛けてくれる。料理をシェアーして食べようと、お皿を2枚頼んだら、二皿の パンが出てきた。 Plate と Bread を間違えられたらしい。もう一度説明しなおしてお皿をゲット。帰り際、 写真を撮らせてくれと頼んだらカウンターから出てきてポーズを取ってくれた。サービス精神満点だ。
Southgate に戻りリビングでスーザンとお喋り、旦那は同業(会社名は教えてくれなかった。)のサラリーマンで ロンドンまで車で1時間の通勤だという。温かい心遣いと持て成しに満足しておやすみ。 【T】
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
日程表 戻る |
6月6日 旅行記 |
6月7日 旅行記 |
6月8日 旅行記 |
6月9日 旅行記 |
6月10日 旅行記 |
6月11日 旅行記 |
6月13日 旅行記 |
6月14日 旅行記 |
6月15日 旅行記 |