第10・11日 7月1日(金)・2日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Bryn Bella Guest House
Snowdonia National ParkのGwydyr Forestの森の一画に建つBryn Bellaで素晴らしいお天気と見晴らしの中、06年の旅
最後の朝を迎えた。眼下には森の間にBetws-y-Coedの街の家々が見られ、遠くにスノードニアの山々も青く見られる。
B&Bの前庭には小鳥のために沢山の餌場や水場が設けられている。色々な種類の鳥が次々に訪れては姿と鳴き声を楽しませてくれる。
ダイニングルームの窓ガラス1枚隔てて、目の前30cmの近さで観察できる。
これでもかとばかりにBirdfeederやBirdbathが置いてある。愉快だ。一方、屋内はぬいぐるみで一杯だ。廊下・階段・踊り場は
床・壁・天井に色々な動物のぬいぐるみが飾られている。カメラを向けるのを諦めさせるくらいの数だ。
ダイニングはハープの音色のBGMが流れ、落ち着いた雰囲気だ。また来年までお別れのフルウェリッシュブレックファストを
楽しむ。BGMのCDを販売しているというので求める。(この旅では絵を求める機会がなかったが、初めてCDを購入した。)
Betws-y-Coedの街もB&Bも気に入った。次にはゆっくり訪れたいとの想いを胸に、最終日のドライブのスタートだ。
ウェールズ(Wales)
ウェールズの丘陵地帯、昨年も走った懐かしいA5を一路西へ、のどかな光景に車を止めカメラを向けることしばしばだ。
目的地は2年越しの念願のPowis Castleだ。
ポウィス城(Powis Castle)
Powis Castle
は昨年の旅で訪問予定であった。予定していた日はSnowdon Mountain Railwayに再挑戦のため翌日に回したのだが、
あと1キロメートルの地点まで来て大型トラックから積荷の丸太が荷崩れして道を塞いでしまう事故に遭遇し泣く泣く断念した。
ナショナル・トラストのプロパティーの中でも人気のガーデンであり、いつか必ず訪れようと思ってきたガーデンなのだが、
早くもチャンス到来というところだ。期待感に心弾む思いでやって来た。
パーキングから城まで少々登り道だ。そこで孔雀の親子が出迎えてくれた。母鳥と雛が4羽、雛はウズラのようで性別も
分からないが首はすでに長く気品を感じさせる。父鳥の姿が見えない。
イングランドに征服される以前のウェールズ中央部の小王国ポウィスの城で、4段のテラスのあるイタリアン・ガーデンとして
知られている。
赤茶色のゲートを潜る。ゲートの上で威容を誇る紋章が気になる。盾の左側の象はイギリスの紋様としては珍しいように思う。
城も見事な赤い石で出来ている。昨年南ウェールズで赤い城(Castle Coch)を訪ねたがそれよりも赤い。
眩しいほどの陽光に光り輝いている。中庭のペガサスの背で笛を吹く女性の像もダイナミックだ。
例によって城内の見学はパスだが、後になって城の前の第一段目のテラスを見逃したことが悔やまれる。
2段目のテラスに下りる。かなりの急斜面に造られているから、1段目との段差も大きく幅も広い。スケールの大きなテラスだ。
壁際にヘッジで仕切られたボーダーが連なる。植栽はどこか南国的で開放的な感じの植物が多い。
もう一方は芝のベルトが敷かれているが、特別の柵もなく見晴らしは抜群だ。遠く望むのはイングランドだろうか。
テラス下の広場にはカラフルなテントが張られ何かイベントが行われるようだ。
驚くべきディスプレーに出合った。壁にハンギングとコンテナを飾るスペースがくりぬかれているではないか。5箇所もある。
上からイチイの刈り込みが覆い被さるように迫り出して花を保護しているかのようだ。ハンギングはフクシア、コンテナは
ナスタチウムを中心に植え込んである。足元のシルバーカラーは朝霧草だが、その名をArtemisia Powis Castleという。
その先の階段が誘っているように感じる。秘密の階段か・・・? 出会えたものは後のお楽しみ。
先のテラスは緑の芝が敷かれ迫力ある彫像が置かれている。それにも優る迫力のイチイの生垣が見事だ。想像力を働かせる造形美だ。
芝のテラスから下の広場の左に生垣で仕切られたウォールド・ガーデンが見渡せる。ここまでが2段目だ。
イチイのトンネルを潜り、3段目のテラスに下りる。このテラスの主人公は笛を奏でる二人の羊飼いの青年と
それにあわせて踊る二人の女性の彫像だろう。躍動感溢れる姿にこちらも思わずステップを踏みたくなる。
階段のフクシアのコンテナに見惚れる。この花には弱いんです。一つひとつの花やオーナメントが素晴らしく、近視眼的な
写真が多くなってしまったが、ガーデンの外は広大な牧草地が広がり牛や羊が放されている。
4人の若者の像の両側には見事なボーダーが延びている。この段はビビットなカラーの植栽が目立つ。
2段目のイチイの生垣を下から見上げると更に迫力を増す。モアイ像を連想する。
4段目のテラスに下りる。この段も同様にボーダー・ガーデンだ。見上げる城は、ただ四角いだけでなく美しいフォルムを見せる。
この段の植栽はパステルカラーが多いようだ。また、彫像もあちらこちらに配されているが、
新しい大理石の彫像は整いすぎていてつまらない。
この色遣いが素晴らしい。しばし暑さを忘れる清涼感だ。この高さ厚みが両サイド遥か彼方まで・・・。
4段目から見上げる城も雄々しい。
広場でのイベントはまだ始まっていないようだ。左に進んでウォールド・ガーデンから巡ろう。
先ずはシュラブローズのスタンドのプロムナードだ。香りも素敵だ。左サイドの銅葉の木々もアクセントだ。
突き当たりにエレガントなベンチが魅力的なイチイの洞窟がある。
今度は可愛いティンバーハウスが現れた。どなたかがお住まいらしく、"private"のお庭にはイレブンジーズのポットや
カップが残されている。優雅な生活が偲ばれる。
ブドウのアーチの先にもシークレットゾーンが・・・。なかなかにロマンティックだ。
噴水のしぶきを浴びて喜ぶちびっ子兄弟の仕種が可愛い。ママが呼んでも知らんぷりだ。孫兄弟と同い年くらいに見える。
こちらの家は誰のためのものか。ここのボーダーも大したものだ。
広場でイベントの呼び掛けが始まった。音楽も聞こえてくる。広場の真ん中ではダンスが披露されている。 中世の装束をまとった男性一人と女性二人が手を取り踊る。音楽は穏やかな調子で緩やかに優雅な踊りだ。 正面のテントに鎮座する王様にダンスを披露しているという図だ。
その周りを囲むテントでは、当時の生活振りを再現している。妻はレース編みをしている女性に興味を持ち質問する。 しおり(Book Marker)を編んでいると言う。デザイン集を見ながら一目一目虫ピンを動かし、糸巻きのようなものを動かして行く。 この小さなしおりを編み上げるのに2時間かかるという。
城の周りはウッドランドガーデンのようだが、今日はここまで。下りてきたテラスを登る。厳しい登りだが、花や彫像を 愛でながらだから苦にはならない。兎に角、草花の種類が豊富だ。ネームも添えられているが、今はその美しさだけを楽しもう。
まだまだあります。
彫像も数多く効果的に配置され楽しませてくれる。2段目のテラスの秘密の階段を登って出会ったのが左の少女像だ。
鶏を頭上に掲げて弾けるような笑顔を見せている。天真爛漫で可愛い、ほのぼのとさせてくれる。
同じく2段目のテラスのイチイの生垣の前の彫像は対照的におどろおどろしい。身体はひとつで頭が幾つにも別れた蛇を
退治している男の像だ。
羊飼いの青年が吹く笛の音が聞こえてきそうなほどリアルだ。青年の足元で一方の牧羊犬は笛の音に耳を傾けて寝そべり、
もう一方の牧羊犬は踊っている。愉快な姿だ。
笛に合わせて踊る女性のスカートが揺れている。風を感じる。傍らの羊も嬉しそうに見上げている。
右の女性はとうとう羊を抱き上げてしまった。躍動美・健康美を窺える。
真ん中の笛を吹く青年は4段目のテラスに居る。
Heathrow
期待以上のガーデンだった。たっぷり2時間楽しんだ。ショップを覗いて予定より少し早く出発する。
これからがロングドライブとなる。約300km・3時間半の行程だ。例年のことだが、この最後のドライブはモーターウェイを
走ることが多く、単調になりやすく、睡魔との闘いになる。
今年も1時間30分走ったところで睡魔に負ける。サービスエリアで15分の仮眠と洗顔でリフレッシュし予定通りの時間に
無事Heathrowに到着。Hertzの手続きもいつも通り簡単に終わりシャトルバスで空港へ。
アイルランドの付加価値税は何と20%だ。これは大きい。以前あまりの混雑に辟易とし、その後は免税手続きをしたことがないが、
今回は5箇所ほどで免税の書類を作成してもらってある。税関が空いていたら手続きをしようと覗いてみると、意外に空いている。
並んで待っていると係員が廻ってきて、書類のチェックをし、クレジットカードでの清算の者はそのまま受理された。15分で完了だ。
何事もなく出国手続きも終わり、免税店でスコッチ2本など最後のショッピングを済ませて、最後のお楽しみは"Seafood Bar"だ。
大好物の生牡蠣がこのシーズンでもいただけるということで、ここ数年恒例となった。早速半ダース×2とシーフードサラダ
そして、白ワインをオーダーする。今日は時間もたっぷりある、ゆっくり楽しませてもらう。正直今年の牡蠣は余り美味しくない。
Kenmareでいただいたものが美味しすぎたのかも。シーフードサラダは見た目よりずっと美味しくいただいた。
丁度ワールドカップ準々決勝のイングランドVSポルトガルがテレビ中継されている時間だ。ロビーのテレビ観戦の人の歓声や
ため息が聞こえてくる。PK戦に突入し、さっきからそわそわしていた店員達も、半数ほどはとうとう店を放り出して、
テレビ観戦に行ってしまった。残りの店員でどちらが勝つか賭けをしている(イギリスらしい)。アングロ・サクソンでない男が
多数のアングロ・サクソンを相手にポルトガルに賭けている。結果は3−1でポルトガル。アングロ・サクソンでない男は
大喜びでイギリスを貶す。日頃人種差別を受けているのかもしれない。
さて、機上の人となり、何のアクシデントもエピソードもなく成田に帰着。蒸し暑さに帰国の実感が湧く。
成田エキスプレスも少ない待ち時間で乗れ、東京駅乗換えで順調に我が小金井に帰還。旅の無事に感謝。
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