第4日 6月25日(日) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Decies B&B
静かな朝だ。小鳥のさえずりの声で起きる。Deciesはとても清潔なB&Bだ。ダイニングも天井が高く、
窓が高いので明るい。テーブルクロスやナプキンも真っ白で気持ちが良い。宿はこうでなくっちゃ・・・。
オレンジジュース・コンポート・ヨーグルトでスタートする。フルアイリッシュのボリュームもたっぷりだ。
セルフのコーナーに焼きたてのパンが置いてある。もしやと聞いてみるとこれがソーダブレッドだ。切り分けましょうか?と
サービスしてくれた。しかし、やっぱりボソボソした口当たりは???だ。私はカリカリトーストが好みだ。
ウエスト・コーク(West Cork)
昨日の反省から余分な寄り道はしないことに決め、N71で西を目指す。1時間余りでClonakiltyの街に到着。
カラフルだがしっとりした雰囲気の街だ。降りて歩いてみたいが車窓見学にて通過。
途中からScenic Routeの表示があるR597を経由する。道路脇の潅木は何とフクシアだ。この花が好きな妻は歓声とため息の
連続だ。フクシアは日本の気候に合わなくて、なかなか夏越え・冬越えが難しいのだ。
それがこんなにも厚く高く自生しているとは、羨望のため息だ。(クリックするとフクシアのアップの写真になります。)
Glandoreの穏やかな入り江にはヨットやボートが沢山浮かんでいる。青い海、緑の丘に建ち並ぶ白いハウスにも羨望のため息だ。
再びN71に戻り西進、Skibbereenの街に入る。なんとなく雑然とした大きな街だが、人の姿が少ない。しかし、路上には二重駐車、
パーキングは通路にまで車が溢れている。駐車場所を求めてカラフルな街並を2周して気付いた。日曜日の10時45分だから
教会のミサの時間だと。パーキングの前が大きな教会だった。敬虔なカトリック信者の多い国と聞いているが、
日曜のミサに大方の人が出席しているのだろう。教会にカメラを向けるのがはばかられる気がした。
教会前の通りのハンギングの色遣いが清楚で素敵だ。
バントリー・ハウス((Bantry House & Garden)
N71を北上しBantryの街に入る。
Bantry Houseの入り口で30台ほどの
クラシックカーの行列と対向する。こちらは右折側なので待たされる。お蔭で全ての車をじっくり見せていただいた。
ほぼ毎年こういうツアーに出会うが、良く保存されているし、飾っておくのではなく実際に使われていることが素晴らしい。
家にしろ車にしろ古いものを使いながら大切にするのはイギリスと変わらないのだろう。
パーキングから少し登ったところ、お館の西側にワイルドガーデン風のサンクンガーデン(沈床式花壇)がある。
様々な宿根草やグラス類やシュラブが植生され、間を小径がめぐらされている。お館からの眺めも良いことだろう。
お館の北へ廻ると芝の広場の向こうに海が広がる雄大な眺めに出会う。Bantry Bayにはヨットやボートが浮かび、遠い島影は
この後訪れるBeara半島だ。芝の広場には円形に花壇が切られ、テラコッタが置かれ、優美な像が立ち並んでいる。
更には、ローンテニスコート・クロケット場・4基の大砲が海に向けられ置かれている。驚きの広さだ。
ミュージック・フェスティバルが昨日から開催されているらしくお館への人の出入りも激しい。
南側の庭がメインガーデンのようだ。フォーマルガーデンは葉色の違う柘植でデザインされ、その中央に藤棚のサークルがある。
季節にはさぞかしと思われる。その南側斜面に7段のテラスが築かれ、真ん中を"stairway to the sky"といわれる
Hundred Stepsが通っている。最上段は爽やかな海風を受け眺めも素晴らしい。テラスにはアザレアやツツジが植えられているが、
今は花はない。藤棚の中央に噴水がある。海辺のガーデンらしく貝殻が使われている。
予想以上に素晴らしいガーデンに出合い満足して帰路に着くと「こんにちは」と声を掛けられる。髭を蓄えた小太りのおっさんだ。
日本語はこれしか知らないと盛んに「こんにちは」を連発するので、「おはよう」と「ありがとう」と「さようなら」
を教えてあげた。話してみると先ほどのクラシックカーのオーナーらしい。Belfastからやって来たという。自分の車は
1913年製だが見るか?と自慢する。一緒に行ってみると、30台の中でも一番立派そうな車だった。自慢するわけだ。
お土産の下駄のキーホルダーを渡して「さようなら」と別れると「こんにちは」が返ってきた。
「ありがとう」と「さようなら」を教えてあげたのに・・・???。
帰国後Woodland Gardenの他にWalled Gardenがあったことが判明。見ておきたかった。
Bantryの街を出る時も少しのろのろ運転が続いた。その時フロントガーデンが素晴らしい B&Bを発見。次に来る機会があったら是非泊まってみたいと思わせるに充分な庭だ。 きっと良いホスピタリティーに出会えることだろう。
イルナクリン ガーデン(Ilnacullin Garden)
Bantry Bayが左手に見え隠れするR71を北上しGlengarriffに到着。ここでのお目当てはGlengarriff Harbourに浮かぶ小島
Ilnacullin(ガーニッシュ島 Garinish Island)だ。元は個人所有の島で島全体がガーデンなのだ。しかし、現在は
Heritage of Ireland(Office of Public Works)
の管理となっている。
島への渡船は色々あるらしい。R71を走っていて最初に目に入った案内に従い波止場の駐車場に止める。サイトでの情報より
立派な渡船が係留されており、5分後には出発だと言う。時には待たされるとの情報だったがラッキーだ。
渡船は小さな島や岩礁の浮かぶ湾を穏やかに進む。間もなく船頭が何か叫び、乗客が動き出す。何事かと構えると、
岩礁の上にアザラシが遊んでいる。すわとカメラを構えシャッターを押す。慌てるまでもなくあちこちの岩礁に2、3頭が
ユーモラスな格好で寝そべっている。もちろん野生だ。
また船頭が何か叫ぶ。ペリカンと言っているように聞こえたが、遠すぎて定かでない。デジカメの望遠を一杯まで引っ張ってみたが、
写っているのはペリカンとは思えない。謎の怪鳥としておこう。
10分位で島唯一の船着場に到着する。海水がきれいだ。帰りの時間を聞くと、不定期で随時運転しているとのこと。
Admission Feeを払いIlnacullin Garden
に入場。
この辺りは海流の関係で亜熱帯の気候に近いらしい。それを利用し世界中から樹木を集め、アイルランド有数の規模だとという。 なるほど、植栽された樹木はなんとなくトロピカルな雰囲気だ。珍しい木が多い。それぞれに名前が付いているが 初めて聞く名前ばかりだ。木が繁っている割に明るく感じるのもトロピカルムードの所為かもしれない。
建物もエキゾチックだ。左2枚はイタリアンガーデンのプールを挟んで向かい合う建物だ。見晴小屋とThe Casita
と呼ばれる建物だ。プールの周り1段高いはテラスになっていて周遊でき、テラコッタやモニュメントが配されている。
右2枚はウォールドガーデンの建物、アーチゲイト(Arched Gateway)と時計塔(The Clock Tower)だ。
アーチゲイトにはつるバラが見事に絡み、鋳鉄の門扉のデザインも優雅だ。時計塔の時計はアイビーで隠れてしまった。
左2枚はテンプル(the Grecian Temple)とそこからの眺望だ。バックに連なる山々はBeare半島のCaha山脈だ。
真ん中の一番高い山辺りが、後から訪れるHealy Passかもしれない。絶景だ。
右2枚は円形タワー(The Martello Tower)とそこからの眺望だ。このタワーは18世紀に英国陸軍が建てたもので、
個人所有者であったJohn Annan Bryceが購入した時はヒースに埋もれていたという。狭い階段をよじ登った屋上からは
360度のパノラマが楽しめる。
それぞれの建物を結ぶルートはThe DellであったりHappy Valley and JungleであったりThe Lawnと名付けられている。
良く雰囲気を表したネーミングだ。
タワーから下ったところがウォールドガーデン(Walled garden)だ。お洒落で素敵な色合いのアーチゲイトをくぐると
優しい色遣いのフラワーガーデンが展開する。ボーダーは100メートルに及ぶ。色遣いは優しいが草花の背丈は高い。
どの草花も生き生きとしている。暖かい気候がうなづける。
波止場に戻ると都合良くボートが着いた。チケットを見せると違う場所に戻るボートだと言う。受付の建物で アイスクリームを買って待っていると、また別の船が来て客を乗せ去る。どうやら3つの渡船があるようだ。 程なく我々の船もやって来た。アイスクリームを持ったまま乗って構わないと言うのでほおばりつつ船旅を楽しむ。 帰路はあっという間に到着だ。
リング・オブ・ベアラ(Ring of Beara)
Glengarriffを14時30分に発つ。Ring of Beara
を楽しむには充分の時間がありそうだ。
R572への入り口を見失いN71をかなり進んでしまったが、Caha Passへの急坂と急カーブの岩山の道のドライブを楽しめた。
Glengarriffに戻りR572への入り口を発見。改めてRing of Bearaのスタートだ。Ring of BearaとはBeara半島のScenic Route
を巡る周遊路のことだ。Ring of Kerryが有名だが、Bearaは道路も狭く観光化されていない良さがあるという。
最初に目指したのはHealy Passだ。Adrigoleという村でR574に入ると、くねくねと蛇行する狭隘な山道となる。沢を渡り
迫り出す岩を避け、ミッションをローにしても小さな我が愛車は喘ぐような急坂を行く。幸い対向車も少なく山岳ドライブを
楽しみながら峠に到着。ピークには小さな売店と真っ白なキリスト像があるだけだ。
この峠はCorkとKerryの境界でもある。写真右3枚はCork側だ。今登ってきた山道と沢に架かる石橋、そして
周囲の山は荒涼とした岩・岩・岩の連続だ。写真左がKerry側のGlanmore Lakeの眺めだ。こちらは緑が豊かで静かな佇まいだ。
Castletownbereの街にやって来た。この街に限らずRing of Bearaの街や村の家々はすべからくカラフルに塗られている。
色彩感覚を疑いたくなるような色遣いだ。壁の色と窓枠や柱の色が変えてあるのだが、そのコントラストたるや
首を捻らざるを得ないものも多い。さすがに港街、Lobster Barが目を惹く。
Castletownbereを西に進むとPuxley Mansion and Dunboy Castleのサインに出会う。牧草地を少し走ると入り江の丘に
修理中の廃墟が見える。これがPuxley Mansionだ。その先は工事中で進めない。入り江には海水に沈みかけた廃船が2艘。
ロビンソンクルーソーを思い起こさせる光景だ。
更に西進。Ring of Beraも最西端まで来て佳境に入る。断崖の入り江が見えたかと思うと、白い砂浜が現れる。 はたまた、圧迫されるような岩の隘路をひた走る。岩の間には早くも紫のヒースの花が見られる。 制限測度100km/hとなっているがとてもそんなに出せない。60kmがやっとだ。交通規則に煽られているような変な気分だ。
イギリスもアイルランドも老夫婦のドライブでは女性が運転しているケースが多いように見受ける。そして、女性の運転は
概ねのんびりで私を苛立たせる。このカーブの続く道でそんな車に追いついてしまったら仕方がない、ゆっくり追走しよう。
岩山を抜けると絶景の海が見える。こんな岩山にも羊や牛が放牧されている。牧童と牧羊犬に促されて牛が牧場に帰る
所に出合った。ここでもおとなしく過ぎ去るのを見送る。
R575でBeara半島の北海岸に廻り、Kenmare River(リバーというがれっきとした湾だ)沿いに東進する。R571を逸れ
海岸線を求めてRing of bearaは続く。ガードレールなど一切なし。あくまでも"at your own risk"という訳だ。
日本ではこんな道を観光宣伝して事故でも起きたら行政の責任が問われるだろう。楽しいドライブが続く。
この辺りはかつて銅が採れたとかで銅や真ちゅうにケルト紋様をエッチングしたアクセサリーの店があるとの
情報も持っているのだが17時を廻った。縁がなかったとしよう。(後で分かるのだがアイルランドの営業時間は
イギリスと大きく違う。)
Harbour View
この旅唯一の連泊するB&Bだ。慎重に選んだ結果は的中だ。ロケーションが素晴らしい。Kenmare River脇にあり、
海の向こうにIveragh半島の山々が眺望できる。朝食は明るいコンサバトリーで楽しめる。部屋も寝具も清潔だ。
アイルランド政府観光庁の認定マークであるシャムロックも付いている。22時頃にはまだVacancyだったが、
翌朝にはNo Vacancyとなっていた。ランドリーも朝出せば夕方までに仕上がるとのことで助かった。
Con's Restaurant
夕食の予約は20時だ。今日も昼食は摂っていない。朝食がボリュームたっぷりだから、昼はショートブレッドと
チョコレートくらいをかじっておけば充分だ。
とはいえさすがにお腹がすいた。B&Bお薦めのレストランはお隣にあった。先ずはギネス。オーダーはDeep Fried Brieと
Scallops Mornayだ。Deep Fried BrieはBrieというチーズをカリカリに揚げたもの。Scallops Mornaydaはホタテ(King Scallop)
の貝柱を茹でたものにチーズソースをかけたものだ。(アイルランドの乳製品は一級品だ。毎朝のバターも美味しい。
普段はカロリーを考えてバターには手を出さないが、今回は別だ。)
ところがこの写真がない。お腹が空いていたのと、あまりに美味しかったので写真に気が付いたのは修正しようがないほどに
手をつけてからだった。ワインが進んだのは言うまでもない。この旅一番のディナーと言って良いだろう。
美味しい店は量が少ないのが相場だ。珍しく二人ともデザートもオーダーした。
食事を楽しんだ後、波止場や付近のトワイライトウォークを楽しむ。今日は一日晴天に恵まれた。 この夕焼けなら明日もきっと晴れそうだ。
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