第3日 6月24日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Oaklawn B&B
今日は朝から雨だ。アイルランドは雨が多いとの情報だ。我々の晴れ男・女の神通力もここでは通じないか?
今日はWicklow山脈のビューポイントを幾つか訪れる予定だけに晴れて欲しいのだが・・・。
朝食はフルアイリッシュブレックファストをオーダー。初アイリッシュだがイングリシュともウェリッシュとも
大きな違いはないようだ。ソーセージの食感がイギリスのものほど柔かくないと感じるくらいだ。
トーストの他に出されたパンがソーダブレッドと思われるが確認を忘れた。食感は余り感心しないものだ。
ダイニングにはイギリス同様いろんなものが飾られている。妖精のレプラホーン(Leprachaun)も早速見付けた
(プランターの横に鎮座している緑の洋服に白髭の老人姿の人形)。
ホストの「午後には晴れますよ。」との御託宣に見送られミストの中を出発。
エニスケリー(Enniskerry)
通り過ぎるばかりであったEnniskerryの街の中心に車を止め一巡り。Wicklow山脈の深い緑の内懐の街だ。建物が綺麗に
塗り分けられていて雨の中だが明るく感じる。B&BのDIRECTIONSにあったthe clock at the centreも確かに真ん中にあった。
ウィックロー山脈(Wicklow Mountains)
さてWicklow山脈のドライブに入る。R760からR755に入るべきをUnclassifiedの道に入ってしまったようだ。
霧にむせぶ山道を行きつ戻りつ時間をロスして、ようやくR759を見付ける。
ビューポイントのLough Tayに着いたものの霧の中にかすかに湖を発見できるだけだ。気を取り直してSally Gapに来たが
ここでも雨脚が強くなり絶景にはお目に掛かれない。白い石の平原との印象だが定かではない。時間の遅れもあり
ストレスを感じる。
Sally Gapを左折しR115に入りGlendaloughを目指す。道端で雨にそぼぬれながら草を食む真っ白な羊にストレスを
癒されつつ車を進める。右手にGlenmacnass Waterfallが見えてきた。アイルランドも高い山が少ないからこの程度の滝も
しっかり地図に載っている。
アップダウンを繰り返しても、さほどの高低差はないと思われるのだが、岩場から一面のヒースかと思えば針葉樹林と
植生が目まぐるしく変わるのには驚いた。
このWicklow Mountains National Parkには
お天気の良い日に是非もう一度訪れたいものだ。
グレンダロッホ(Glendalough)
Laraghの街で若干道を失うものの
Glendalough Visitor Centre
の広い駐車場に到着。
生憎雨脚が強くなりレインコートにフードで完全防備しVisitor Centreに向かう。Guided ToursやAudio Visual Presentation
はパスしUpper Lakeへの遊歩道から全体像を眺める。
ここはSt. Kevinによって6世紀に創設された初期キリスト教の修道院などの遺跡群ということだ。33mあるという
緑深い森の中にラウンドタワー(Round Tower)が聳えている。手前の廃墟が大聖堂(Cathedral)だ。
雨のためUpper Lakeへの散策は断念しゲート・ウェイ(Gate Way)という門に向かう。二重の石積みの門だ。雨にも拘らず
大勢の訪問者がいる中、人の流れが切れたところで、ゲートの真ん中にハイクロス(ケルト十字)を捉えた良い写真が撮れた。
ゲート・ウェイの謂れについては右の写真でどうぞ。
大聖堂の廃墟は小さなものだ。天井は全て落ちて崩壊も著しい。小さな石を丁寧に積み重ねて造られている。
内部には沢山の墓石が横たわっている。
ラウンドタワーや大聖堂の周辺は墓地だ。見事な装飾紋様が施されたハイクロスが林立している。
霧にかすみ厳粛な雰囲気に包まれている。
キルケニー(Kilkenny)
今日の移動距離や訪問地の数など勘案しパスするつもりであった
Kilkennyの街だが素通りするのも勿体無いと思い寄り道する。
幸い雨も小止みの状態だ。街の中心地と思われる駐車場に入ろうとすると、出てきた車のドライバーが窓から顔を出し話し掛ける。
「こちらへ行けば僕が出てきたスペースが空いているよ。止めたら道路の向こうの肉屋でこの駐車券を買ってダッシュボードに
置くんだ。」と身振り手振りで教えてくれた。何という親切なことか。駐車券を肉屋で買うなど思いも付かないことだ。
狭いスペースに車を入れ肉屋を探し、1時間の駐車券を求める。駐車券はスクラッチ宝くじのように、
日付や時間など必要な部分をコインで削って表示して渡してくれる。
聖・メアリー大聖堂(St. Mary Cathedral)を目指して歩き出すと、雨脚が強くなってきた。High Streetと思われる道を
雨にぬれ、多くの観光客に揉まれながら歩くが探し当てられない。駐車時間1時間の制限がある。
諦めてタウンホールと大きなフラワーポットを写真に収めKilkenny城に向かう。
Kilkenny Castle
は駐車場の直ぐ横だ。街の中心から行くと手前の入り口は裏門だろう。こちらにフラワーガーデンがあった。
真ん中に噴水のある大きなガーデンだ。
城の横をぐるっと回り込み正面に向かう。この旅で初めて出会う日本人男性は地球の歩き方を手に一人カメラを構え無口だ。
城の全体を収めるには城の前の芝の広場を相当下がらなければならない。その芝のあちこちにリスが遊んでいる。
城の横からさっき探した聖・メアリー大聖堂が見える。一方通行の道を市外に進めていると、聖カニス大聖堂(St. Canice's
Cathedral)が目の前に現れた。
ロック・オブ・カシェル(Rock of Cashel)
道路工事が盛んだ。Kilkennyまでの間にも30分ほどロスをしたが、Cashelに向け進める間も断続的に渋滞に嵌る。
ここでも30分のロスだ。この旅では終始工事渋滞に悩まされた。工事の終わった道は走りやすい素晴らしい道だ。
アイルランドの経済発展が見える。
Cashelが近付くと前方に
Rock of Cashel
が見えてくる。小高い岩山の上に堂々と石造りの廃墟が建っている。4世紀から11世紀までは当地を支配した王の居城で、
12世紀に教会に寄贈されRound Tower(写真左から2枚目)やRomanesque Chapel(写真中央)などが造られたという。
セント・パトリックの十字架も12世紀のものだという。その謂れは他に譲ろう(写真右から2枚目)。
岩山といってもわずか67mの高さしかないのだが、見晴らしは極めて良い。一面緑の平原だ。
直ぐ眼下にこれまた廃墟の教会が見える。Hore Abbeyだ。
Rock of Cashelの駐車場でも嬉しい出来事があった。Pay & Displayが3ユーロだがコインが2.5ユーロしか持ち合わせがない。
しまったと思っても遅い。先に駐車券を買ったご夫人に両替をお願いすると「両替するほど持っていないけれど、幾ら足りないの。」
と言い、2.5ユーロを見せると「どうぞ」と1ユーロコインを渡してくれる。親切に頭が下がる。
Rockへ上って行く坂道のベンチに数人の少女達が屯している。「こんにちは。どこから来たの?」と聞くので「日本だよ。
知っている?」と答えると「知ってるよ。お金を頂戴。」という。こういう貧しい子供達がこの国にはいるんだと驚き、残念に思う。
「ノー。」と応え去ったが、帰りにも同じ場所で同じことが繰り返された。
しゃくなげ谷(Rhododendron of the valley)
アイルランド情報で最も参考になったサイトがリンクしている英国党宣言だ。
その「南アイルランド・ドライブ紀行」に「しゃくなげ谷」の情報を見付け何が何でも訪れるべしと決めた。
CashelからN8、N24と繋ぎR668に入る。Cloghheenの村を過ぎ暫く行くと深い谷に入る。谷全体が石楠花の群生地だ。
両脇をピンクの石楠花に覆われたヘアピンカーブのドライブを楽しみ、最も底の辺りがThe Veeというビューポイントだ。
見上げれば360度石楠花だ。盛りは過ぎているが充分楽しめた。
ここから一気に登りつめたところがThe Gapという峠だ。ここからも眼下に湖とともにしゃくなげ谷を見下ろせる。
山の斜面にマリア像が建っている。アイルランドでは道路脇の至るところで大小のマリア像に出合った。信仰心の厚い国だ。
日本の道祖神にも似た雰囲気だ・・・? 少し違うかも・・・。
リズモア(Lismore)
しゃくなげ谷を発ったのが17時過ぎだ。今日の予定にはLismore CastleとBallymaloe Cookery School Gardensそして
Old Midleton Distilleryが入っていたのだが全て時間切れだ。欲張りスケジュールと分かっていたが、
これだけ積み残してしまうと少々落ち込む。
Lismoreの街に入る手前でLismore Castleの壮麗な姿に出合ったが車の流れの中で撮影場所を失った。
Lismore
の街は様々なコンテストで入賞している美しい街との情報だ。教会の前に駐車スペースを見つけ一巡り。しっとりとした街だ。
Midletonの街までは順調にドライブした。今夜のB&Bのホームページには珍しく地図が載っていたので迷うことはなかろうと 安心していた。ところが、さにあらず、地図上のラウンドアバウトが分からないのだ。同じ場所を右往左往すること5度。 Post Officeの前の男性に助けを求めた。地図を見た男性は「OK ここなら知っている。車はどちらに向かって止めてある?」 「ではどこかでUターンして、この場所から2つ目のラウンドアバウトを右に次のラウンドアバウトを左に行くとこの地図の ラウンドアバウトだ。」と身振り手振りで分かり易く教えてくれた。お蔭でその先は迷うことなくB&Bの入り口の交差点まで たどり着いた。するとその交差点で手を振る男性がいる。見ればさっき助けてくれた男性ではないか。「ヤー、着いたね! ここを入った2軒目だよ。」と親指を立てて合図してくれる。何という親切だろう。信じられない程だ。
Two Mile Inn
B&BでMidletonの街を外して夕食場所を尋ねるとN25沿いのTwo Mile Innを紹介してくれた。
Midletonまで2マイルのInnということか。近くて助かる。ここでも店の前で写真を撮っていると、表でビールを飲んでいた
女性グループから一人がやって来て撮ってあげましょうという。ご好意に甘えたが、ピンボケ写真だった。少し酔っていたようだ。
オーダーはチーズ・マッシュルーム・トマトのオムレツと本日の魚料理だ。魚料理は白身魚のワイン蒸のようなものだが小骨も多く
味もはっきりしないものだった。引き換えオムレツは美味しかった。卵はfree-range chickenのものだし、チーズを始め乳製品が
美味しいから当然だ。ギネスで始め白ワインで締める。
ここで珍しい出来事が。白のポロシャツにジーンズの男達が次々とやってきた。その数30人くらい。カウンターで
銘銘に飲み物をオーダーし我々の隣の大きなテーブルに集まり飲み始めた。その内に一人が大きな声で歌い始めた。
皆が手拍子で応じる。一人が終わると別の男が歌い始める。決して合唱はしないのだ。歌う人は喉自慢なのだろう、
朗々と声量豊かに歌っている。フォークソングだろうか。いつまで続くのやらと思っていたが、5・6人が歌った後は
2・3人がおどけた歌を歌い、お喋りに専念し始めた。ポロシャツの胸にはGuinnessの文字が読めたがどんな団体かは
分からず仕舞いだ。
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