2006の旅 アイルランド・ウェールズ

花花

第5日 6月26日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程   Kenmare --- Ring of Kerry(Sneem, Staigue Fort, Coomakesta Pass, Waterville, Valencia Island, Cahersiveen) ---
                    Muckross House --- Ross Castle --- Gap of Dunloe --- Kenmare
今日の走行距離   314km   今日の万歩計   12,200歩

Harbour View
今日は楽しみにしてきたリング・オブ・ケリー(Ring of Kerry)の日だ。お天気も申し分のない快晴だ。
Ring of KerryというのはKenmareやKillarney を拠点とし、Iveragh半島の景勝地を巡る周遊路のことだ。1周約170kmで、 大西洋に突き出た半島の険しい岩山や断崖のカーブの多い道路はドライブには絶好だという。楽しみだ。
他のお客さんも快晴に誘われるように始動が早いようだ。8時の朝食時間にはダイニングは満席だ。 いつものように食事の写真を撮っていると、早速「お撮りしましょう。」と言ってくれる人が現れる。親切なことだ。 フルアイリッシュもボリューム満点で美味しい。特に乳製品が良い。バターも牛乳も美味しい。ミルクティーも一段と 美味しく感じる。
裏庭では猫の子供4匹が盛んにじゃれまわっている。食後の運動だろう。親猫は窓枠や石垣の上など高いところから見守っている。 予想の付かない動きは見ていて飽きない。しかし、2泊の滞在中屋内では猫の姿を見ていない。それが良い。

Harbour View Harbour View Harbour View

スニーム(Sneem)
Kenmareの街を通り過ぎN70に入る。Ring of Kerryのスタートだ。左手に朝日に輝くKenmare Riverと対岸のBeara半島の 山並みを見つつひた走る。可愛い村コンテストで賞を取ったという Sneemに着いた。広場を囲んでカラフルな家が建ち並ぶ。 昨夜書いた絵葉書を投函すべくポストを探す。習慣で目は赤いものを追っている。見つからず尋ねると目の前の グリーンの建物がそれだった。アイルランドではPostはグリーンだった(写真下左と右)。切手と絵葉書も求める。
駐車した前の店が開店準備中だ。セーターを沢山並べている。見るとアラン・セーターだ。"SALE"、"OFF"の張り紙も目に入る。 編み目の紋様も美しくずっしりと重みがありアイボリーの色も気に入った。値段も納得だ。しかし、ここはアラン諸島とは 少し離れている・・・。買うべきや否や・・・。私の旅の鉄則に「迷ったら買う」があった。となれば、店に入って色々物色。 試着もして気に入ったものを求める。妻のほうはサイズが問題だ。店員にあれこれ探してもらってピッタリのものが見つかる。 共にOFF対象外だった。仕方がない。

Sneem Sneem Sneem

Staigue Fort
CastlecoveでStaigue Fortの入り口の 標識を見付け、地図を見るとView Pointのマークが付いている。山道を登り、こんなに奥までと不安になる位走って、 ようやく丘の中腹に壁が完全に残っている円形の砦が現れた。
壁の高さ6m、厚み4m、直径30m位だ。紀元前に造られたとの説もあるようだが、大きくてしっかりした構造だ。 小さな入り口を潜り中に入る。壁の中にに小さな部屋がある。壁の階段を登るとKenmare Riverの絶景が見られる。
訪れる人も少なく静かだ。我々の他には若いカップルが一組いるだけだ。

Staigue Fort Staigue Fort Staigue Fort

Westcove, Coomakesta Pass
N70に戻りWestcove、Coomakesta Passと巡る。この旅のために読んだカメラ好きな方の旅行記の中に「フォーカルポイントの度に 車を降りて撮影していたら先に進めない」と書いてあったが、その通りだ。エメラルドグリーンの大地とコバルトブルーの海の 対比、海の向こうに霞む島や半島の影、青い空に白い雲、そして時折通過する街や村のカラフルな家々、 おとぎ話の国を走り抜けているようだ。

Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry

ウォーターヴィル スケリッグ・リング(Waterville, Skellig Ring)
Watervilleには喜劇王チャーリー・チャップリン別荘があったということで海岸沿いの緑地帯の真ん中に像が立っている。 等身大だという。小柄な人だったのだ。観光客が次々に記念撮影をしていく。
Watervilleの北でR567に入れば世界遺産の島Skellig諸島を見渡せるSkellig Ringになる。途中からUnclassifiedの道路になるが、 良く整備されている。昨日のRing of Bearaに較べるとずっと広く快適に飛ばす。
Skellig諸島までは直線10km程度だろうがお天気が良すぎて海上がもやって視界を妨げる。小さな島が2つ、 急峻な岸壁を見せている。あんな隔絶された小さな島に世界遺産に登録されるような6世紀の修道院遺跡(Skellig Michael) があるとは信じがたい。訪れるにはそれなりの準備が必要らしい。今回は急ぎ旅でもあり見送る。
右から2枚目の写真の島はSkellig諸島のずっと手前にあるPuffin Islandだ。パフィンという可愛い海鳥が住む無人島だ。
アイルランドはヨーロッパで最も西に位置する。そのアイルランドの西端に近い地点を北上する。見える海は大西洋だ。 今はあくまでも蒼く穏やかだがひとたび荒れたら・・・と思わせる断崖が続く。
昨年の「我が人生の最北地記録更新」をふと思い出し、ここで「我が人生の最西地記録更新」か?と思ったが、よく考えると 世界の最西端ってなんだろう?ややこしくなってくる。とりあえず、いつも目にする日本を中心にした地図上の 「我が人生の最西地記録更新」ということで納得しておこう。

Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry

Ring of Kerryといえばこの地域随一の観光地のはずだが道路は空いている。Ring of Kerryでは道路が狭いのでコーチ同士の 擦れ違いをなくすためコーチは反時計回りと決まっているらしい。我々は時計回りに廻っているが、コーチの姿を見ない。 考えてみるとまだ昼前だ。KenmareやKillarneyを朝出発したコーチはまだここまで到達していないのだろう。 ましてやSkellig Ringまで入ってくるコーチは少ないのだろう。お蔭で快適に飛ばせる。

ヴァレンシア島(Valencia Island)
道は間もなくPortmageeに到着。Valencia Island は目と鼻の先だ。ここから橋を渡って島に入る。
島はなだらかなエメラルドの丘陵だ。2、3の集落を除いて人家も見当たらない。青い海を隔てて本島が見える。静かだ。
最も大きい街らしいKnight's Townの港は本島のCahersiveenとフェリーで行き来できるようだ。 街の外れに今は使われていない教会が建っている。
時計回りと反対に北に回り込んだとっつきに採石場があった。石切り場入り口の岩の上の洞穴に白いマリア像のようなものが 見える。作業の安全を祈って造られたのだろうか。

Valencia Island Valencia Island Valencia Island

入り口には噴水もあったりして採石現場とは思えないゆとり・豊かさを感じる。が、奥では重機が音を立てて動いている。 スレートを採掘しているらしい。もちろん立ち入り禁止だ。何のためであろうか採石場脇にタワーが建っている。
さらに周遊を続ける。どこを切り取っても美しい海と島と空だ。島の西端の村Clynacartanで今一度Skellig諸島を眺める。 小さい島がSmall Skellig で無人島だ。前述のパフィンなどの海鳥達の天国だと言う。 大きい島がGreat Skellig でこちらに修道院の遺跡がある。

Valencia Island Valencia Island Valencia Island Valencia Island

Cahersiveen Cahersiveen

Cahersiveen
R565からN70に戻り北上すると間もなくCahersiveenに到着。 Watervilleと共にRing of Kerryの拠点となる街だ。
Main Streetの裏通りのフリーのパーキングがあった。N70を走っていて目に付いたSeafoodの看板を掲げたレストランは 昼はお休みのようだ。では、もう少し先にあったパブにしよう。(この類の看板はキッチリ見ているのだ。)
オーダーはやっぱりSeafoodだ。Seafood chowderとAtlantic-Sea-Crab Open-Sandwichを頼む。もちろん、ギネスも。 Seafood chowderは熱々で濃厚で美味しい。Sandwichは蟹の身がどっさり、ソースも最高。大西洋、ごちそうさま。
Main Streetを歩いていても子供服の店が気になる。孫3人分の洋服をゲット。3月に生まれた初めての女の子の孫に 可愛いレースの服を見つけたが、娘から「フリフリはダメ。」と言われているので断念。

リング・オブ・ケリー(Ring of Kerry)
Ring of Kerryは続く。大西洋に突き出た半島は天気が変わりやすいと聞いていたが、相変わらずピーカンの天気は雨の心配は 露程もない。
この辺りから擦れ違うコーチが増えてきた。コーチの後ろは決まって金魚のウ○チ状態で車が連なる。時計回りにして正解だ。
Cahersiveenから東10kmにあるKells Bayの海が素晴らしいとの情報だ。N70を離れ細い道を海岸線まで下りる。 白い砂浜のひたすら静かな海岸に出会えた。ただそれだけ。
N70に戻り東へ進むとViaductに出会う。嘗てFarranforeとCahersiveenを結んでいたGreat Southern and Western Railwayの Gleensk Viaductらしい。美しい海と島と空の景色はどこまでも続く。真ん中の写真はRossbeigh Creekだ。
少し内陸のこの辺りは湿原(泥炭)地帯のようだワタスゲらしき白い穂が揺れている。道路両脇には自生のマーガレットの 白い花がどこまでも続く。マイガーデンでは相性が悪く毎年2鉢3鉢と枯らしてしまうだけに、妻は羨望の溜め息の連続だ。 「ここの種をいただいて帰って、家で育てたら根付くかも・・・。」と。でもまだ種は出来ていない。

Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry Ring of Kerry

マックロス・ハウス(Muckross House)
Killarneyは大きな街だ。 市街はパスしてMuckross Houseに直行したが、 道路工事と入り口が見つからないなどで大きく時間のロスをする。
パーキングに駐車すると馬車の馬子(御者という雰囲気ではない)が歩くには距離があるから乗れとしつこく誘うが断って歩く。 Muckross Houseまでは確かに遠い。林の中や湖の畔などを30分以上歩く。キラーニー国立公園の中の広大な敷地だ。 石楠花やツツジの大木があちこちに見られるが今は花はない。(もっと近いパーキングもあるようだ。)
ガーデンは花を期待する我々には少し期待外れであるが、サンクンガーデンのスタンダード仕立てのバラやロックガーデンの エリゲロンなど楽しむ。ヘッジガーデンも年代を感じさせる。

Muckross House Muckross House Muckross House

お館の中は例によりパスしたがビクトリア女王も訪れたという端整で立派な建物だ。
林から見渡すLough Leaneの湖水は先ほどまで見てきた海の色のように青くない。黒く光っている。湖底が泥炭質の所為だという。 向こう岸に見える建物はホテルだろうか。
屋敷の隅に修理中のMuckross Abbeyが見られる。

Muckross House Muckross House Muckross House

ロス城(Ross Castle)
本来のRing of Kerryはこの後Ladies View とMoll's Gapを通ってKenmareに戻るコースだが、時間はまだまだ早い。
一旦引き返しLough Leane湖畔に建つ Ross Castleを訪ねる。 石造りの堅牢な城だ。正に湖畔の城だ。湖では遊覧船に混じってボートのフォア練習風景も見られる。 パーキングの脇に可愛らしいバラが咲いている。

Ross Castle Ross Castle Ross Castle Ross Castle

ダンロー渓谷(Gap of Dunloe)
Ladies View とMoll's Gapは明日にして、今日の最後は Gap of Dunloeを通るルートを選ぶ。
Gap of Dunloeはキラーニー国立公園(Killarney National Park) の西に位置する標高800m前後の山々に囲まれた渓谷だ。N72を西にLower Lakeを回り込み南下すれば Kate Kearney's Cottageに着く。 小さな山小屋を予想していたが意外に立派な建物だ。トイレを借り土産物を物色する。
ここで車を停め、馬車やポニーあるいは自転車や徒歩で周遊するのが一般的だ。確かに入り口に"Unsuitable for Vehicles" と書かれている。しかし、運転に自信があれば通行できるとの情報だ。是非にも通ってみたい。ということで進入。
馬車や歩行者を避けつ、対向車と行き違いつつ深い渓谷を谷川沿いに進む。下から順にBlack Lake、Cushvally Lake、 Auger Lakeが現れる。Black Lakeは名の通り黒い湖水だ。ピート(泥炭)が溶けているからだ。しかし、濁っているのではなく 透明度は高い。湖畔には馬や羊がゆったりと草を食んでいる。窓を全開しおいしい空気を吸い、肌で大自然を感じながら のドライブだ。山腹には大きな岩が不安定に突き出ている。落ちて来ぬかと気に掛かる。道路にのしかかるように突き出した 岩もある。
Auger Lakeが見えてくる辺り(写真下中)では空が逆三角形に切り取られ、あの上り坂がStair Way to Heavenと呼ばれるらしい。 壮大な眺めだ。映画の舞台ともなった風景だ。谷川を渡る橋が幾つかあるがWishing Bridgeと称される願いが叶う橋が あったらしいが・・・。この光景以上に願うことはない。
Auger Lakeを過ぎた辺りからは交通量も減り山岳ドライブの醍醐味を堪能する。峠を越しBlack Valleyを下りN71のMoll's Gap を目指すのだが、幾つかの分岐を過ぎ突き進む内に人影もなく対向車も来ない。この道で良いのだろうか?心細くなる。 ようやく現れた対向車が道を聞いてくる。「この道はGap of Dunloeへの道か?」と。「Yes!ところでこの道はMoll's Gapへの 道か?」と聞き返す。「Yes!」と互いに苦笑いだ。やれやれ。高速ドライブの再開だ。

Gap of Dunloe Gap of Dunloe Gap of Dunloe Gap of Dunloe Gap of Dunloe

ケンメア(Kenmare)
正しい道と聞いても尚心細くなるような孤独なドライブの末、無事N71に出る。Ring of Kerryは良く整備されていたが、 ドライブの楽しさだけで言えば昨日のRing of Bearaの方が道が狭い分面白かったように思う。
B&Bに戻り一休み。窓からは湾内を行く遊覧船の姿が見られる。Dinner Cruiseなんてのも楽しそうだが、Irish Musicや Irish Danceも是非一度体験したい。私達の宿選びは”大きな街を外す”の原則があるため、こんな時には不都合となる。
ホステスに相談するとKenmareのホテルを紹介される。ところがそのホテルでは水曜日のみIrish Musicの演奏があるとのこと。 月曜日なら確かこのバーで演奏しているはずと丁寧に教えてくれる。行ってみるとドアーに小さな張り紙で21時30分から 演奏があると知らせている。ここでは食事は出来ないようだ。
並びにFoley's Restaurantを見つける。 大きなレストランだ。沢山のテーブルが並び、ギッシリのお客さんの歓談の声がこだましている。エネルギーを感じる。 メニューにFresh Oysterを発見!やれうれしや!他にCrub & salmon FishcakeとPoached Lambをオーダーする。もちろん、 ギネスに続きワインも。
このFresh Oysterが格別に美味しい。殻は小振りでも身はぎっしり詰まっている。海のミルクといわれるが、正にミルキーだ。 もう一皿御代わりをしたい気持ちだが、混雑しているし程々にということで次の機会に譲る。この旅初のラムも柔らかくて ジューシーで美味しい。満足だ。

Kenmare Kenmare Kenmare Kenmare

Foley'sを出てバーCrumleyに向かう。間にLinen & Laceのお店があった。既に21時30分だがまだ開いている。 イギリスではあり得ないことだ。娘達と自宅用にテーブルセンターを求める。聞いてみると22時まで営業しているという。 観光地とはいえ随分頑張るものだ。活力を感じる。
Bar Crumleyに入ろうとすると、出てきた女性が"No space."と両手を広げ首をすくめる。覗いてみると満席で立ち見のお客さんが 大勢いる。バーは小さな店だ。カウンターが15席ほどとテーブル席が15席ほどだ。テーブル席の一隅でヴァイオリンと ヴィオラとギターの3人がアイルランド民謡だろうか演奏している。私達もギネスのグラスを片手に立ち見と決める。 何処か哀愁の漂う音楽だ。たぶんこれに合わせて民族衣装で踊るショーなどもあるのだろう。
演奏中なのに隣の団体の立ち見客の若い女性が盛んに大声でおしゃべりをする。アメリカ人らしい。 その中の男性が日本語で話しかけてきた。なかなか流暢な日本語である。かつて東京のアメリカ大使館で働いたことがあると言う。 ワシントンDCに在住で2週間のアイルランド旅行だそうだ。
演奏者もビールを楽しみながらの演奏だ。自らカウンターに取りに行っている。 手拍子を打ったり飲んだりと小一時間ほど楽しんで帰る。

Kenmare Kenmare Kenmare


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