第2日 6月23日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Cottage Garden Rose
ぐっすりと休んで快い寝覚めだ。しかし見上げた天井にクモの巣がある。部屋の掃除が行き届いていないようだ。
昨夜はシャワーのお湯も充分に出なかったし、道理でThe AAの評価が3ダイアモンドな訳だ。素晴らしいローズ・ガーデンが
整っているのに惜しい。宿は清潔が第一だろう。残念なことだ。
荷物を整えガーデンを散歩する。納屋の壁をクライミングするバラも見事だ。マイガーデンの目指す姿だ。
玄関前のローズガーデンのバラの種類が豊富だ。香りのある品種を揃えているようで、芳香が鼻をくすぐる。
バラのアーチも幾つもある。このアーチも販売していると
ホームページに出ていた。
サイズも豊富で、さすがにガーデニングの国だ。羨ましく思う。
バックヤードも素晴らしい。シンボルは何かの大木にクライミングさせた白バラだ。バラが重過ぎるのだろう。 補強されている。その下の芝の広場を囲うようにシュラブのバラが植え込まれ、その奥は緑豊かな林に囲まれている。 ガーデンのコテージ裏の洗濯物干し場もスタンダード仕立てのバラで囲まれている。バラのナーサリーだけのことはある。 そのナーサリーのバラ苗の元気なこと、リーズナブルなお値段、種類の豊かさ、これまた羨ましい限りだ。
ナーサリーから道路に出て近所を散歩する。大通りの角にケルト十字があった。Cottage Garden Roseへの通りの名はずばり
Garden Laneだ。大通りを越えたところに学校があった。校庭の奥で先生らしき人が花の手入れをしていた。挨拶をすると
手を休めて校門までやって来た。生徒は2歳から11歳まで100名、名門のPublic Schoolに大勢進学しているなど
学校の自慢話して、お宅のお子さんも預かりますよと言う。教育ママであった妻の目が輝くが、孫をお預けしたいが、
ちょっと遠くて通えないんです・・・。と、応酬。日本からの旅行者と知って、今度は旅の目的など訊ねられる。
別れに旅の安全を祈ってくれた。かなり広い敷地を有する環境の整った私立学校のようだ。看板に
"Vernon Lodge Preparatory School & Kindergarten"とある。
朝食の時間になったのでB&Bに戻るとTeresaが
"AGAのCookers"で調理中だ。
イギリスではほとんどの家庭がこのAGAのオーブンを使っているらしい。
調理の様子やブルーウイローの食器、窓から見える緑とバラなど眺めながら待つこと暫し。例のマーマイトも置いてある。
懐かしのフルイングリッシュが出来上がった。おいしい。沢山のB&Bにお世話になったがキッチンでいただくのは初めてだ。
食後Teresa自慢のバラのエッセンスを使った化粧品や香料のショップを覗く。ドイツ在住の夫が編集したという本なども
自慢げに紹介してくれた。また、明日は日本のテレビが取材にやってくると自慢していた。どんな番組なのか興味が湧く。
ご覧になった方はお知らせください。
ボドナント ガーデン(Bodnant Garden)
早朝はもやがかかったような天気だったが、出発時には快晴になった。昨夜のパブで地元の方が紹介してくれたガーデンは
検討したが時間がないので次の機会とし、予定のBodnant Gardenに直行する。昨年訪れて感動したガーデンだ。
HolyheadからのFerryの時間までの1時間余りの余裕を利用して訪れる。
真っ先にキングサリのトンネルに行く。昨年は6月22日に訪れ満開の花に出会えたのだが、1日違いながら今年花は
終わっていた。残念。
入り口からホールまでのボーダーが素晴らしい。昨年に較べ手入れが行き届いている感じだ。この印象はBodnantの
全ての場所で感じた。ガーデナーの異動でもあったのだろうか?ガーデンは手入れ次第の感を強くする。
今年は時間が少ない。真っ直ぐホール前のテラスガーデンを訪ねる。リリーポンドは昨年にも増して青く光っている。
昨年撮りもらした池に映るホールの写真もしっかりゲット。一人悦に入る。
Canal Pondに下りる階段もすっきり整理され気持ちが良い。Pin Millの瀟洒な姿は変わらない。
Pin Millの反対側のテラスのベンチで一休み。快晴の太陽に輝くスノードニアの山々を眺め良い旅になる予感を感じる。
Stena Line
さて出発の段になって車のキーが見当たらない。ドアーを開けたのだから、たった今まであったのだ。車の内外探すこと10分。
シートの隙間にキーを見付けホッと一息。キーホルダーを大きいものに変えよう。
A5を一路Holyheadへ。昨年走った道だ。Britannia Bridgeを渡りAnglesey島へ。振り向けばウェールズの山々、
右手に美しいMenai Bridgeを見つめつつ快調に飛ばす。イギリスの交通標識は分かり易い。Ferry乗り場はこの標識だ。
迷いようもなく到着。ネットにて予約済みなので手続きは簡単だ。定刻40分前なのに既に長い行列が出来ていた。
100台は優に越しているだろう。こちらの人はこの待ち時間を楽しんでいるように見える。後にも続々と車が並ぶ。
(最後尾の青い車が06年の愛車だ。良く走ってくれた。)
待つこと暫し。Ferryが入港した。手馴れた速さで接岸。ビックリするほど沢山の車が降りてきた。正に続々だ。
下船が終わると今度は続々と乗船が始まる。この辺りの手際の良さはイギリス的でないと言ったら叱られるか?
自分の駐車スペースの目印を確認し船室へ。
アイルランド島の旅であれば空路アイルランドに入る方が賢明とお思いになられるだろう。しかし、私達にとっては
この旅もイギリス旅行なのだ。イギリス旅行の中にアイルランドを組み込んだというスタンスなのだ。
Ferryは"Stena Line"を
利用。普通はHolyhead=Dublin間を3時間15分。高速FerryならHolyhead=Dun Laoghaire(Dublin市内)間を1時間40分だ。
少々コストは張るが時間が欲しい。迷わず高速船にする。
広い船室が大混雑だ。妻が席を確保し、私はバーへ。ここでも行列だ。やっと順番が来たが、食事は別コーナーだ。
とりあえずビールをゲット。今度は妻が食事のコーナーに並ぶ。グリルドチキンとチップスだ。
周りの人間ウォッチングなどしながらゆっくりと船旅を楽しむ。それにしても老若男女皆良く食べ良く飲むものだ。
高速Ferryは揺れもなく安定している。1時間ほど経ったところで、そろそろアイルランド島が見えるかもしれないとデッキを探す。
しかし、高速船なのでデッキはないようだ。船首の大きな窓の前に場所を占め、近付くアイルランドの島影を双眼鏡で
眺めて過ごす。天気が良すぎて返って霞んでしまうが、旅への期待は募るばかりだ。
Ireland
10分遅れてDun Laoghaire港に到着。Dun Laoghaire港はDublin港の南にある。トラックも乗用車も入り乱れて続々・ゾロゾロと
降りて行く。Immigrationと表示されたゲートはくぐったが係員はいない。ノーチェックで一般道に突入だ。
アイルランド到着の第一印象は運転マナーの悪さだ。アイルランドはEUの支援で高度成長を遂げ今も成長中だと聞く。
道路は良く整備されているし、工事中の箇所も随所で見かけた。嘗ての日本の姿に似ていなくはない。道路は良いのだが
割り込みは多いし、クラクションは鳴らすしで運転マナーの悪さが目立った。これも日本の姿に似ていなくはない。
ただ、交通ルールは極めて遵守されていると感じた。取締りが厳しいのかもしれない。心しよう。
パワーズコート(Powerscourt Estate)
その広壮な敷地のため入り口に迷いながらも16時40分Powerscourt Estateに到着した。
アイルランドのガーデン情報は数多くない中でナンバー1の評価のガーデンだ。
門をくぐってから林の中を走ること暫し、House & Gardenに到着する。壮麗なHouseの前には広大なテラスが広がっている。
イタリア式のフォーマルガーデンというのだろうか。Great Sugar Loaf山を借景に様々な彫像や植栽された巨大コンテナの
並ぶテラス。その次のテラスはブロンズ製の紋章やフェンスが煌びやかに並ぶ。その下にエバーグリーンの芝のテラスが5段。
芝の中にベゴニアなどの花壇が鮮やかに掘られている。そのテラスの真ん中をゆっくりと降りて行くと最下段に等身大の
ペガサス像が躍動感あふれる姿を見せ、前の湖では噴水の水音が高く響いている。
こうした一つひとつを見ても圧巻だが、周りの山や林の木々なども含め全体のバランスが悠然として素晴らしい。
このガーデンでは噴水も色々と見た。左はDolphin Pondの噴水。後ろに立つ赤い木は1864年に植えられた
Japanese red cedars(赤ヒマラヤスギ)だという。
次がイタリアンガーデンの前の大きな湖の噴水。裸の青年が掲げるほら貝から水が噴出している。
次がWalled Gardenの噴水。人魚が持つ瓶から水が出ている。後ろにDolphin Pondの噴水も写っている。
右はWalled Gardenのもう一つの噴水だ。
広大な敷地の林の中で馬が草を食んでいる。
フラワーガーデンが好きな私達にとってはWalled Gardenが一番のお気に入りだ。
良く整備されたボーダーと厚く植栽されたバラと後ろの壁を這うクライミングローズにはため息しかない。
この玄関の周りのバラのようにコントロールされたクライミングが目指すところだ。頑張ろう。
他には怪しげな日本庭園(中国風でもある)やペットの墓、Tower Valleyと呼ばれるウッドランドガーデンもあるし、
離れた場所には滝もあるという広大さなのだ。
グレンクリー(Glencree) Oaklawn B&B
Powerscourtから今夜のB&Bに向かう。アイルランドでもイギリス同様地図の概念が違うようだ。
Oaklawn B&Bのホームページでも "DIRECTIONS"として
掲載されているのは"ENNISKERRY : from the clock at the centre proceed by the Take Away and leave the village
going up Killgarron hill. After 3.5km approx. turn left at the sign for Oaklawn B & B. After 1km turn right."と
文章のみだ。地図は1つも載っていない。"going up Killgarron hill"と言われても手持ちの地図にはKillgarron hillが
載っていないのだから大弱りだ。それでもhillを頼りに地図上の山の方向に見当をつけて進む。出てきました
"the sign for Oaklawn"が。
自らの勘に満足し、その先にGlencreeという景色の良い場所があるとの情報に従い進む。行き違いも難しい山道の交わるところ
辺りがGlencreeだろうが標識も何もない。Great Sugar Loaf山を始め美しい山々の景色を眺め引き返す。
Oaklawn B&Bは高原のロッジを彷彿させる構えだ。ペトロールステーションと夕食場所を紹介してもらう。ペトロールステーションは
Enniskerryの街外れだと言う。夕食はEnniskerryのイタリアンレストランがお勧めだと言う。パブが良いというとGlencullen
という街のJohnnie Fox's Pubが良いと教えてくれた。
先ずはペトロールだ。Bodnant Gardenでキーを見失うアクシデントのためイギリスで入れようと思っていたのに、
ここまで引きずってしまったので既に空に近い。ここでも怪我の功名だ。イギリスでは1リットル約220円であったが、
アイルランドでは175円位で済むようだ。この差は大きい。ただこのスタンドが街外れと言うより山の中と言う方が
当たっている場所にあった。
イタリアンレストランは街の真ん中に見つかったが、陽も高いのでパブに向かうことにする。途中道が分からなくなり、
標識を確認していると、どういう訳かB&Bのホストが車で通り掛り方向を示してくれる。指示された方向に進んだが、
Glencullenは一山越えた隣町だった。ようやく見付けたJohnnie Fox's Pubは
大きなパブだった。
Johnnie Fox's Pub
Johnnie Fox's Pubは幾つもの部屋があるようだ。通された部屋は相当古く広い部屋だ。奥に暖炉があり洗濯物が干してある。
壁には鹿の剥製や生活用品がぶら下げてあり、天井にも農機具などが飾ってある。古い時代の生活ぶりを
思い起こさせるに充分なシチュエーションだ。
Irish Pubに来たからには、先ずはギネスをオーダーしこれを楽しみながらメニューを見る。ギネスはクリーミーな泡が 美味しい。喉越しもきりっとして気に入った。ここではシーフードをというのがB&Bのホストのお薦めだ。 Irish Smoked SalmonとLobster Saladを気張った。両方とも魚の形をしたガラスの器に生野菜をたっぷり敷きその上に スモークトサーモンとロブスターが1匹分乗っている。ロブスターにはprawnsも沢山添えられている。贅沢な1品だ。 (写真は思わず手をつけてしまったので盛り付けが乱れている。) 添えられたブラウンブレッドは手を付けられそうにないので下げてもらった。 美味しくいただいてチェックをして帰ろうとすると、入り口のMain Barで楽器の準備をしている。 21時30分から演奏が始まるという。アイリッシュ音楽は魅力だが、帰りの道程も長い。まだ旅の始まりでもあるし、 今日のところは涙を呑んでパスにする。
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