第2日 4月21日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Birchley House --- Ranscombe Farm --- Hucking Estate --- Sissinghurst Castle Garden ---
Hole Park --- RH & DR --- Guesting Wood --- Tenterden --- Birchley House
今日の走行距離 250km
今日の万歩計 17,700歩
Birchley House
6時30分、小鳥のさえずりで目覚める。好天かと期待したが、今朝もイングリッシュライクな雨模様だ。
朝食の予約は8時30分だ。今日のルートを確認している内に雨も上がったようだ。広い屋敷の散策に出る。
玄関の直ぐ前を軌間30cmほどのレールが敷かれている。とても興味を惹くがその前にガーデンが気になる。
17世紀のハーフティンバーハウスの玄関前に伸びるフォーマルガーデンは、エバーグリーンの芝と効果的に配置された
チューリップが印象的だ。花壇のブッシュの合い間には様々な宿根草の芽が吹き出している。その葉色だけでも十分楽しめる。
フォーマルガーデンの中央に日時計、突き当りにはフルートを吹く少女像が置かれ印象的だ。こういうガーデンファーニチャーや
通路の石やレンガ、玉石などの変化がガーデンに奥行きと幅を感じさせる要素なのだ。
隣には半円形のローンガーデンが広がる。その先は2万5千平米の敷地を高い樹木が囲み、水仙の咲き乱れる芝の広場が広がる。
レールに沿って歩いてみる。トンネルもあり鉄橋もあるのだ。嬉しくなってくる。「今は山中、今は浜、今は鉄橋渡るぞと・・・」
と思わず口笛を吹いてしまう。この鉄道の機関車はきっと蒸気機関車に違いない。そして、子供たちを乗せて走れるのだろう。
広大な芝の広場のそこかしこにスイセンが咲いている。何種類かあり、まだまだ楽しめる花もある。イギリスの春を告げる花は
スノードロップ、スイセン、ブルーベルの順に咲くということだが、まだスイセンが楽しめると言うことは・・・
ブルーベルは???と心配になる。
芝の奥の木々の根元付近が青く見える。「さては・・・。」と雨水を含む芝を厭わず進んでみれば、やっぱりブルーベルだ。
昨日の道路沿いのブルーベルといい、この庭のブルーベルといい、こんなに身近に遭遇できるとは驚きだ。
そして、先ほどの危惧を払拭してくれるに十分な光景だ。
楽しい散策に心は温かだが、低い気温に身体は凍えてくる。そろそろ温かいフルイングリッシュブレックファーストにありつこう。
ダイニングに入ると温かい空気と香ばしい薪の香りが包んでくれる。素晴らしい彫刻の施された暖炉には太い薪がくべられているのだ。
Jenniferと朝の挨拶を交わし、昨夜のお礼を言う。この旅の目的はブルーベルだと話すと、幾つかの資料と地図を出してきて、
ブルーベルの森を紹介してくれる。鉄道について聞くと、「ハズバンドの趣味なの。」と嬉しそうに答えてくれる。良い感じだ。
久し振りのフルイングリッシュはオレンジジュースから始まりフルーツ、ヨーグルトと楽しみ、ベーコン・ソーセージ・目玉焼き・
マッシュルーム・トマトのホットプレートが登場だ。ソーセージが3本も付いている。調理の丁寧さが感じられ気持ちが良い。
パンもクロワッサンとトーストが用意してある。このごつい旧式トースターで焼くのだ。もちろん数種のジャム・マーマレードと
バター、そして、たっぷりのミルクティーと正にフルだ。(私達はパスしたがそのほかにシリアルも数種)
ミルクティーをサーブしてくれたDrummondに「ミニ鉄道の機関車は蒸気か?、人間は乗れるのか?」と聞くと、
「もちろん乗れるさ。機関車は蒸気とディーゼルがある。
蒸気機関車は手間が掛かるので仲間が集まったときに走らせる。」との返事だ。
「蒸気機関車が好きで今日も"The Romney, Hythe and Dymchurch Railway"に乗る予定だ。」と伝えると
「それは素晴らしい。」とうなずいている。
食べることに夢中だったが、人心地ついて見回せば、広いダイニングの調度が素晴らしい。窓のフレームもお洒落だ。
昨夜の予感通り素晴らしいB&Bだ。
Ranscombe Farm
最初の訪問地は今年の旅のテーマ”ブルーベルを訪ねて”
ランスクーム・ファーム(Ranscombe Farm)
にやって来た。
ロンドンの中心から僅か40km余りのモーターウェイ沿いにあるというシチュエーションに強く惹かれた。
神秘の花の印象が深いブルーベルがこんな場所のファームで見られるという不思議さに興味を持った。
上掲のサイトから詳しい地図を入手しながら、余りの広大さ(70万坪)に”いざブルーベルの林はどこか”さんざん迷う。
住宅地に迷い込み、通り掛かった紳士に訊くと「そこのパーキングに止めてあの林まで歩きなさい。」と言う。
雨でぬかるんでいるし、いくらなんでも遠い。その林を目指して細い林道を突き進むと突き当たりは一軒屋の農家だ。
農家は改装中で親子らしい二人が工事をしている。声を掛けると高校生くらいの子供の方が出てきてくれる。
ブルーベルの林はどこか訊くと、分からないから中へ入れと招き入れ、父親に訊ねてくれる。
どうやら途中にあったパーキングから歩くしかないようだ。ご親切ありがとう。プライベートの土地に入り込んですみません。
地図によればこの林はナショナル・トレイル(National Trail)の
ノースダウン(the North Downs)
の一部をなしているようだ。右のようなノースダウンの素晴らしい光景が広がる。
ケント州の雄大な丘陵地を眺めながら歩き始めて間もなく、林の中にブルーベルを見つける。
しかし、林と牧草地との間は野バラやさんざしなどの生垣で区切られていて中に入れない。
しばらく歩くとようやく生垣が切れた。
林はやや荒れた状況だが、一面にブルーベルが広がる。僅かに人が踏んだと思われるルートをブルーベルを踏みつけないよう
注意を払いながら進む。進んでも進んでもブルーベルだ。奥へ入るほど美しく見える。
「もっとこちらへ、もっとこっちへ。」という魔女のささやきに誘われているように感じ、思わず後を振り返り、
帰り道を確かめる。ゾクッと身震いしたくなるのは気温の所為ばかりではないのかもしれない。
沢山撮った写真はこうして並べてみると皆同じだ。
Hucking Estate
次もブルーベルだ。この旅のブルーベルウッドの最大のニュースソースである
The Woodland Trustの管理の森
ハッキング・エステート(Hucking Estat)だ。
パーキングもあるし
Information boardも完備している。
ボードを見るまでもなく500メートルほど先まで牧草地の中に道が伸びている。スタイルを2つほど超えて進むと森に行き当たる。
その森全体がブルーのカーペットだ。通路がぬかるんでいるのもものかは奥へ奥へと突き進む。先ほどのファームと同じ
70万坪の広さらしいが、こちらは全部がウッドランドだ。この森もthe North Downsの一部のようだ。
この森ではブルーベルに混じって二輪草が咲いている場所がところどころで見られる。
また、白いブルーベルも幾つか見られたが、写真は撮れない。
先ほどの林もそうであったが、この森でも人に出会うことがほとんどない。月曜日であり雨模様ということもあるが、
この広大さ故であろう。静寂の中、神秘的なブルーベルの姿に見惚れる。
森の中では感じなかったが、森を出てパーキングへ戻る牧草地は冷たい強風で、ダウンのジャンパーに手袋をしても寒いくらいだ。
レンタカーの外気温計は10℃を下回っている。
荷造りの際、どんな服装にするか迷ったが、冬装束で正解だった。
Sissinghurst Castle Garden
シシングハースト
にやって来た。昨年に続き3回目の訪問だ。ナショナルトラストのホームページの各プロパティーの
"What to see and do"からブルーベル情報を得た。シシングハーストにもブルーベルがあると記載されていた。
ナショナルトラストには継続してメンバーになっていたが、昨年の更新の書類が届かずそのままになっていた。
新規に入会手続きをする。Joint membershipで年間77ポンドだ。
長身の女性とごつい体のカメラマンが「ライフスタイルについて取材させて欲しい。」と言ってきた。
少し胡散臭さも感じたが、「時間はないが、少しだけならOK。」と応じると、「ガーデンを見学しながら話がしたい。」と言う。
旅の目的や日本での生活、趣味などを聞いてくる。ブルーベルが目的と知り、ガーデン外の林に案内してくれたが、
カメラマンにあれこれポーズを取らされた。掲載されたらメールで連絡してくれるとのことだが、今のところ連絡はない。
シシングハーストの写真には縦のものが多い。タワーを始め高さがあり、奥行きがあるからだろうか。
このサイト
のレイアウト図を参照しながらシシングハーストをご一緒に散策しましょう。
今回のシシングハーストではコンテナが目立った。前2回の訪問では気付かなかった。
シーズンにより入れ替えているのかもしれない。
セアノサス(カりフォルニアライラック)がもう咲いている。花期の長い花のようだ。陽だまりに植えたセアノサスを思い出す。
長い通路(Walk)が幾つもある。真ん中がイューウォーク(Yew Walk)、右2枚はライムウォーク(Lime Walk)だ。
女性像の脇に立つのは妻と取材記者だ。
ライムウォークのスプリングカラーを見ることもブルーベルと同じくらい楽しみだった。期待通りの美しさだ。
ナタリー(Nuttery)と呼ばれるエリアの男性像だ。取り囲む新緑の木々はセイヨウハシバミらしい。下草はシダ類だ。
中にブルーベルの姿も見られる。
ハーブガーデン(Herb Garden)はさすがにこの季節はハーブが少なく見所は少ない。
女性記者が脇の木戸を開けてブルーベルの林に案内してくれる。こんなところから出入りして良いのだろうか。
ブルーベルの林に続く芽吹きが始まったばかりの並木は幻想的だ。ブルーベルもまだ開花し始めたばかりで数が少ない。
カメラマンからブルーベルに顔を近づけろとか、匂いを嗅ぐ仕草をしろだとかポーズの注文がある。
ブルーベルが香るという情報は聞いたことがない。良い気分がしないので、時間がないことを口実に取材を終了してもらう。
ガーデンに戻り果樹園(Orchard)の濠(Moat)付近からタワーを望む。ここでもまだスイセンが見事に咲いている。
モートウォーク(Moat Walk)を歩く。写真は東方向の女性像を臨む。計算されつくした設計だ。この季節にこの芝の緑は魅力だ。
陽だまりのロンデルでこれを実現したいと強く思う。
モートウォーク西方向のベンチを臨みつつ進む。ベンチの裏がコテージガーデン(Cottage Garden)だ。
さすがに初夏のビビッドな色合いは見られないが、その片鱗は随所に窺われる。
もう一度スプリングカラーを見て果樹園を経由してホワイトガーデン(The White Garden)に向かう。
有名なアーチ(Canopy 1969年に設置)の白バラもようやく芽を吹き出したばかりだ。チューリップはもちろん白だけだ。
アーチの真ん中に大きな壷(1937年に据え付けられたという)に白い花が植えられている。
その足元は白いクリスマスローズで飾られている。
ヘッジの中の植栽もまだ苗の状態が多い。スイトピーのための支柱だろうか、天然の素材が素敵だ。
シシングハーストはアウトドア・ルーム・ガーデンといい個々の庭を屋外の部屋に見立てる趣向だ。
個々のガーデンだけでなく、隣り合うガーデンとの関連性・接合性に心憎い演出が施されている。
出入り口から隣のガーデンを見ると必ずフォーカルポイントがあるのだ。
真ん中の写真はホワイトガーデン北側に坪庭のように造られたガーデンの眺めだ。先に広がるケントの草原も計算されている。
ホワイトガーデンの西隣に位置するデロス(Delos)と称するガーデンもスプリングカラーで覆い尽くされている。
Delosはエーゲ海の小島の名前らしい。エーゲ海をイメージした植栽なのだろうか。
帰りはいつもタワーに見送られるような、後ろ髪を引かれるような思いに浸る。またきっと帰ってきます。
横の写真もあります。ライムウォーク東端の女性像。足元の割れた石の間の植栽も計算されているのだろうか。
スプリングカラー、何度見てもため息が出る。比較的静かな園内もここばかりは人で賑わっている。
毎年咲いてくれる宿根でこんなガーデンが出来たらと願う。
ブルーベルの次に印象に残った花”フリチラリアだ。ユリの仲間らしい。陽だまりのバルブガーデンにも取り入れたい可愛い花だ。
ブルーベルはまだ咲き初めたばかりだ。
水仙の咲き乱れる果樹園を通してタワーを臨む。コテージガーデンと果樹園の境のバラも芽吹き、イギリスの春本番ももう直ぐだ。
三角屋根の素敵なガゼボ(Gazebo)と白いポールの上の鳩小屋(Dovecoat)は果樹園のフォーカルポイントだ。
果樹園の一角にバラのコーナーがあり、下草の二輪草だろうか、今が満開だ。デロスの植栽も厚い。
Hole Park
今朝Jenniferが教えてくれたHole Parkに寄る。
ブルーベルで有名なガーデンらしい。Parkとなっているが個人の住居のガーデンだ。
有料だと聞いていたが、受付もなければ人影も見えない。住居部分は"private"となっている。
元は馬小屋であったろう建物から人声がするので覗いてみると、ティールームのようだ。
ブルーベルを見たいがと問うと男性が現れ、親切にも裏まで回って森の辺りを示し教えてくれる。
ウッドランドへ行く前にトピアリーとイューヘッジで囲まれたウォールドガーデンを覘く。
花はチューリップなど球根植物だ。トピアリーがいたるところで見られる。歴史あるガーデンなのだ。
厚みが1メートルもあるイューヘッジを繰り抜いた窓が開けられている。遠くに見える森にブルーベルがあるようだ。
ウッドランドでは早くも石楠花の花が見られる。小路を進むとブルーベルが見えてきた。午前に見た2つの森と異なり、
しっかりと管理された森だけにスケールは小さいが気持ちの良いブルーベルのカーペットだ。まだ満開には少し早いようだ。
ブルーベルの間にプリムラの姿が見える。先ほどの二輪草と共にブルーベルの共生植物だと後に教わる。
ウッドランドとウォールドガーデンの間も広いガーデンで様々な花木やスイセンなどが見られる。桜も何種類かあった。
エリカの大木で囲まれたベンチの後も桜だ。
レンガの階段に茂る紫はオーブリエチアだ。沿道の民家の石垣などにも見事に咲いている。色もブルー・ピンクと2色あるようだ。
屋敷のフロントが良く手入れされたトピアリーに囲まれたプールになっている。豪壮なことだ。
Romney, Hythe and Dymchurch Railway(RH & DR)
昨年7年振りにこのケント州で復活したゴルフを今年も楽しみたいと思っていたが、このところ肘痛が再発して断念した。
代わりに、この地区でのブルーベル以外のお楽しみとして保存鉄道に乗ることを考えた。昨年乗ったブルーベル鉄道は
沢山の情報を探ったが、車窓からブルーベルが見られるわけではないようだ。
では、ケント&イーストサセックス鉄道にしようとタイムテーブルを調べたところ、何とこの滞在期間は運行していないのだ。
更に検索すると保存鉄道ではないが、ロムニー・ハイス・ディムチャーチ鉄道なるミニレールウェイの情報を得た。
世界最小の公共鉄道だという、なかなか面白そうだ。タイムテーブルを検討し、
全線でなくロムニー・ハイツ間を往復乗車することにした。その発車時間が15時45分だ。
ホール・パークの出発が少し遅れたようだ。ぎりぎり間に合うだろうと走り出すと間もなく右手に風車が見えた。
急ぐ旅だがこれは1枚撮っておきたい。路肩にとめてシャッターを押す。1556年には存在した証拠があるという
Rolvenden Windmillだ。
ずんぐりとした頭でっかちなウインドミルだ。
前に車さえいなければ、いくらでも飛ばせるイギリスの道だが、思うようには行かない。
途中の懐かしいライ(Rye)の街を通過するのに時間を取られる。A259でも交互通行や農作業車のノロノロ運転に出合い
イライラさせられる。
ニュー・ロムニー(New Romney)の街に着いたのは発車10分前だ。後600メートルのStation Roadに入ってまた渋滞だ。
The Marsh Academyという学校の下校時間でごった返している。
駅に着いたのは5分前だ。妻が切符を買いに走る。駐車して駅舎で小用を足しホームに走る。ホームにピカピカに磨き上げられた
ミニ蒸気機関車が居るではないか。これも写真に収めねばと駅員の目を気にしながら、前・横・後からカシャリ。
客車は二人席が向かい合わせの区画毎にドアーが着いている。座席は大柄なイギリス人二人では窮屈なくらいだ。
先頭車両の最後部に乗る込み、ヤレヤレ間に合った。ところがなかなか出発しない。後部車両に先ほどの学校の生徒達が次々に
乗り込んできて出発できないのだ。観光客より通学客のほうが圧倒的に多い。確かに営業運転だ。10分遅れでスタートだ。
《教訓》 イギリスでは電車の発車時間に遅れても諦めず駅まで行ってみること。(往々にして遅れている???)
我々の乗ったのは残念ながらディーゼル機関車であった。ミに鉄道にしてはかなりのスピードで走る。
車窓からは羊の放牧が見られる。子羊がじゃれ合ったり、母羊にまとわりつく姿が可愛い。菜の花畑も満開間近で美しい。
馬・ウサギ・キジ・ヒバリ・カモ・白鳥など色々な動物が見られる。
途中に2つの駅があるのだが、駅とは思われない構造だ。生徒達が自分でドアーを開け降りて行く。駅舎はもちろん改札さえない。
一つの駅では踏切を塞いで停車し、乗客を降ろしていた。その踏み切り脇には通学バスや迎えの乗用車が列をなしていた。
何とものどかな光景だ。
2、3の街や村を通過する時は住宅の直ぐ裏を走る。したがって、各家のバックヤードを垣間見ることが出来る。
決して大きな家ではないけれども、多くの家に白いフレームのサンルームがあり、庭には芝が張られている。
花が咲き、子供のおもちゃ転がっている。テーブルとイスがあり、洗濯物が干してある。正に私の理想とするガーデンだ。
ターミナルのハイツ(Hythe)駅に着く前に一旦停車して、後部の車両を切り離している。後で分かったことだが、
ハイツまでは通学生徒が乗るので十数輌できたが、帰りは3輌で帰るのだ。
ハイツ駅に着くと3輌を残し、先ほど残した車両を隣の車線に納め、また元に引き替えし、帰りの3両に連結する。
この間にポイントの切り替えの度に、運転士が切り替え所まで線路を走る。全てを一人でこなすのだ。
保存鉄道ならボランティアもいようが、そこは営業運転の厳しさだろう。只々、作業を見守る。運転士は同年輩だ。
作業が終って目が合った時、思わず「お疲れさん。」と日本語で声を掛けた。通じたかどうかは定かではないが、
苦笑いで首をすくめた。
とは言え、しっかりハイツ駅の写真も収めた。プラットホームの花も、ゲージは15インチ(38cm)という証拠写真も、
ディーゼル車にありがちなくすみもないピカピカの機関車もだ。
タイムテーブルでは10分の停車時間であるはずだが、優に20分を掛けて出発だ。帰りは3両になった車両に、
乗客は我々と、上の写真の横幅の広いカップルの4人だけ、往きにも増してスピードを上げる。海外旅行で事故にあったニュースを
目にする昨今だが、こんな状況で発生するのかもしれないと思うほどのスピードだ。スピード狂の血が騒ぐ。キャッホー!
本日の最終列車も時刻表の5分遅れで17時10分にニューロムニー駅に無事到着する。駅のミニ鉄道ミュージアムは閉まっているが、
ショップはしっかり開いている。営業努力に敬意を表し、孫へのお土産にトーマスのぬり絵とランチ代わりのお菓子を求める。
パーキングに戻り車の中でランチをしていると、先ほどの運転士が車で帰っていく。これからパブで一杯やっていくのだろうか。
Good Luck Bye-bye
Guestling Wood
この時期のイギリス旅行は初めてだが、夏時間とはいえ、午後8時半過ぎまで明るいことには驚かされるし、嬉しいことだ。
それだけ活動時間が長く取れるからだ。
再びライの街を通過してヘイスティング(Hastings)近郊の
ゲストリング・ウッドを目指す。
お天気はすっかり回復し、ケント&イーストサセックスの明るい空の下、快適なドライブを楽しむこと1時間で到着。
パーキングからスタイルを越すと直ぐそこからブルーベルのカーペットだ。奥に進むほど青く美しく見える。
ここでもピクシーに誘われている感覚に陥り、途中で引き返す。パーキングより下の方向には二輪草の群生が見られる。
その境目辺りでブルーベルと二輪草の共生が見られる。美しい光景だ。
そろそろ空腹を感じる。今夜のディナーは昨年5年ぶりに訪れ、2晩通ったBodiamの"The Curlew"にきめた。
Guestling WoodからB&Bへの通過点にあるのだ。携帯電話でB&Bへ食事をしてから帰るので21時を過ぎると連絡する。
昨年ゴルフを楽しんだSedlescombe Golf Clubの前を通過し、順調にCurlewに到着する。しかし、パーキングには車が1台だけだ。
何と休業日のようだ。しかたなく、B&Bへとって返し、レストランの紹介をお願いする。
JenniferとDrummondが相談して紹介してくれたのはテンターデン(Tenterden)の街だ。ここならトルコ料理店もイタリアンも
パブも色々あってどこでも楽しいディナーが出来るだろうとのことだ。
Prezzo
テンターデンの街は意外に大きな街だ。ゆっくり歩いて探すにはお腹がすきすぎた。High Streetを車で流しながら探す。
トルコ料理の店は直ぐ見つかったが、イタリアンやパブが見つからない。
Prezzo
の看板を出した店の前に駐車スペースを見つける。
歩道を歩いていた女性に「良いイタリアンレストランはないか?」と尋ねると「ここがそうよ。」と店に入っていく。
紹介でもしてくれるのかと思って着いて入る。彼女は予約客だったようだ。客がいっぱいで賑やかな店だ。
席が空いているというのでここに決める。
オーダーはスターターから
・MUSHROOMS AL FORNO マッシュルームにパルメザン・ガーリック・オニオン・パン粉を詰め焼いたもの
・MOZZARELLA IN CARROZZA モッツァレラチーズのフライ トマトソース
メインにFILETTO DI SALMONEを頼んだら今日は終わったという。お薦めを聞くとPOLLOが良いという。
確かにメニューにはPOLLOの文字が並んでいる。POLLOとは鶏肉のことらしい。
・POLLO GORGONZOLAを選ぶ。鳥の胸肉をグリルしゴルゴンゾーラのクリームソースでいただくらしい。
付け合せはポテトのフライかグラタンがチョイスできるというのでグラタンにする。
この旅日記のためにホームページを調べて分かったことだがPrezzoは全英に100店以上の店を持つチェーン店だ。
その所為か、料理が出てくるのが早い。そして美味しい。”早い・安い・うまい”とどこかの立ち食い蕎麦屋のようだ。
スターターが出た時には写真を撮ったが、美味しく食べている内に、メインの写真を撮り忘れた。
そのくらい美味しかったということにしておこう。
店を出た時には21時を回り、とっぷり日も暮れた。真っ暗な中のUnclassifiedの道の運転は標識も少なく苦労する。
突如前方にパトカーの青灯が見える。後ろ暗いところのある者にはドキッとさせられる。
しかし、取締りではなく交通事故だ。大きなバンがお腹を上にして路肩の土手に転覆している。
スピードの出しすぎでカーブを回り切れなかったのだろう。”前車の覆るは後車の戒め”という。自戒自戒。
案の定、ショートカットの入り口を見過ごしてしまう。少し遠回りだが広い道を行こう。
闇が深いというのだろうか静かだ。対向車もまばらだ。
Birchley Houseに到着。シャワーを浴びると、明日のルートの検討もせずベッドに就く。
セミダブルを二つ繋げた大型ベッドは疲れた身体にありがたい。
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
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