2008の旅 ブルーベルを訪ねて 〜サウスイースト・イーストアングリア〜

花花

第5日 4月24日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程       Church Hill--- Green Island Gardens --- The Teapot Pottery --- Wyken Hall Garden ---
                    Lavenham --- Sudbury --- Clare --- Stoke by Clare --- Thaxted --- Church Hill House
今日の走行距離     280km
今日の万歩計      8,600歩

Church Hill House
目が覚めてベッドの上から目に入る、低い梁の上には色々愉快なものが飾られている。掃除も行き届いて清々しい。 今日はラブリーなお天気だ。バックヤードの桜も朝日に輝いている。
8時お腹を空かせて階下に下りると、SusanとRichardの元気の良い気さくな挨拶が迎えてくれる。
ここのフルイングリッシュはいかにと、楽しみに待つ間のジュースとフルーツが胃を刺激する。もう腹ペコ。
ここではベークドビーンズが付いてきた。正直あんまり好きではないが、残すなどということはしない。完食。
途中からフランス人の青年が同席する。ビジネス兼サイトシーイングだという常連さんだ。ここはStansted airport まで車で20分と近いのでビジネス客も多いという。サンドウィッチ2つをパクつき、慌しく出かけて行った。
この間もSusanとRichardが入れ替わり現れてあれこれお相手してくれる。イングリッシュガーデンに魅せられて、 毎年カントリーサイドのガーデン巡りをしていること、日本ではガーデニングも楽しんでいることなど問わず語りに話す。
5年前にフィンチングフィールドを訪れ、昨夜念願の再訪を果たしたことを話すと、わが村のことように喜んでくれた。

Church Hill House Church Hill House Church Hill House Church Hill House

Green Island Gardens
昨日訪れる予定で果たせなかったグリーン・アイランド・ガーデン(Green Island Garden) を訪れることにした。それにしても、昨日の迷子は何だったのだろう。ピクシーの仕業としか思われない。

探し当てたガーデンはA120からわずかに逸れただけだが、周囲に何もない平原の中の林の中にあった。 三方を道路に囲まれた三角形のウッドランドは20エーカー(2万坪超)だ。
パーキングには1台の車もない。エントランスで何度か声を掛けたら出てきた女性は2歳くらいの男の子を抱いていた。 どうやら家族経営のガーデンらしい。ホームページで得た情報ではこの林は1987年に嵐のため多くの木が倒れる被害にあった。 1997年にFiona Edmondとその夫がここを購入し移り住み、Fionaの設計でガーデンが造られ始めたようだ。
入場すると、家の周りにちまちましたガーデンがある。TerraceとかCottage Walkとか名付けられているが、手入れが良くない。 Japanese Gardenにいたっては噴飯ものだ。
気をとりなおし、Main Bordersを歩く。広大な芝の広場に嵐で倒れた木でヘッジを組み、樹木や潅木・宿根草などを植え込んだ ボーダーが点々と続いている。多くの種類の名も知らない樹木が植栽されている。"a plantsmans paradise"と謳う所以だろう。 この時期は花がないので淋しいガーデンだ。このガーデンは秋の紅葉の時期が良いかもしれない。
Woodland Bordersに入るとブルーベルの姿が見られる。白花のブルーベルも沢山ある。Water Garden、Pond と進むが、お目当ての花は少ない。Pondの水芭蕉が見頃だ。
まだ新しいガーデンだから植栽された草木同士の融合が感じられない。それぞれがバラバランな感じだ。 ガーデンの敷地全体が平坦なのも、奥行きを感じさせない要素かもしれない。 設計者のFionaはこの地域で有名なべスチャトー・ガーデンを模範にしたように何となく感じる。。 土地に合う植物を探し植栽している点が共通している。このことは我が陽だまりの課題でもあるのだ。

Green Island Garden Green Island Garden Green Island Garden Green Island Garden Green Island Garden

Birchley House

Drive
予定外の遠回りをしてしまい、先を急いでB1029を走っていると見たことのある建物を発見し停車する。
デダム(Dedham)のローズティールームに違いない。このピンクの建物は印象に残っている。
5年前のコンスタブル・カントリーの美しい農村風景が思い出される。テーブルクロスなどを求めたクラフト展が 開催されていたシティーホールも見える。変わらぬ風景だ。ローズティールームの右手を行くとストー川は直ぐそこだ。
この辺りは車で走っていたのではその良さは分からない。ストー川の川辺を散策したいところだが、 今回は予定外のエリアだ。何か損をしたような気持ちで先に進む。

The Teapot Pottery
1時間余りのロングドライブで着いたのはThe Teapot Potteryだ。
ティーポットは、04年に4つ、05年に1つ持ち帰った。新たに求めても置き場所に困るのだが、 ホームページで愉快なデザインのポットを見ると、どうしても実際に手にとって見たくなる。 兎に角、行くべしだ。サフォークエリアのショッピングの目玉だ。
思ったより小さなお店だ。店に入ると狭い売り場の奥が仕事場だ。意外に女性の職人が多い。挨拶をして品定めに入る。 決して店員が寄ってこないところが良い。自由にじっくり品定めだ。幾つか気に入ったものを見つけるが、 自宅ではこれ以上コレクションできない。でも、可愛い。じゃあ、お土産にしようと意見が一致する。持つのは私だが・・・。
求めたポットは3種類4つ。いずれマイサイトの”イギリスで買ったお気に入り ”でご紹介しよう。
品物が決まって店員を呼ぶ。包装に時間が掛かる。押しなべてこちらの人は不器用だ。 じれったくなって、お手伝いしたくなるが、じっと我慢。珍しく店の外まで見送ってくれた。写真撮影をお願いする。

The Teapot Pottery The Teapot Pottery The Teapot Pottery

Wyken Hall Garden
次に向かったのはワイケン・ホール(Wyken Hall Garden)だ。 Wyken Vineyardsのガーデンだ。Photogenic Gardenとして紹介されている。
パーキングに着いた途端に雹交じりのカミナリ雨だ。気温も急に下がって寒いくらいだ。ショップに逃げ込み雨宿りする。 ワインをはじめ農製品、衣料品、クラフトなど品揃えも豊富だ。
隣接のレストランはミシュランはじめアワードを取っているらしい。時分時で満員の盛況だ。ショップとレストランが入った 大きな建物は16世紀の納屋だという。屋根裏の梁にその証が見られる。品定めが終った頃には雨は去っている。
買い物は帰りにして、ガーデンへ出る。納屋の先にエリザベス様式という赤いマナーハウスが建っており、その周囲がガーデンだ。
最初に現れたのはトピアリーガーデンだ。愉快な形のトピアリーの中の勿忘草とチューリップが満開だ。

Wyken Hall Garden Wyken Hall Garden Wyken Hall Garden Wyken Hall Garden

幾つかに区分されたアウトドアルーム方式のガーデンだが、今は花は少ない。ノットガーデンやハーブガーデン、 ローズガーデンなどが配されている。ハウスの回りや、ガーデンの要所、 ポンドガーデンに独特の青い色のベンチやチェアーが置かれている。デザインが奇抜で面白い。
ガーデンのあちこちを孔雀や数種のニワトリが闊歩している。 孔雀と茶色のニワトリがガーデンの盟主を懸け牽制しあっている姿に息を呑む。アウトドアルームガーデンを離れ、 そう広くはないが良く整備されたワイルドメドーガーデンを歩く。水仙の花がまだまだ楽しめる。
ショップで幾つかのクラフトを求める。ワインは横目で睨んで我慢。

Wyken Hall Garden Wyken Hall Garden Wyken Hall Garden Wyken Hall Garden

Lavenham
時間が押している。予定していたBury St. Edmondsをパスして ラベナム(Lavenham)にやってきた。是非再訪したかった村の一つだ。
15、16世紀に羊毛産業で栄えた村がそのまま残っている。
最も印象に残った建物が下左の写真のティンバー・フレーム・ハウスだ。5年前の旅でこの傾きように嬉しくなったものだ。 白壁だったものがオレンジに塗られよりカラフルになっている。こんな変化はイギリスでは珍しい。
次の写真のピンクの家の傾きも5年前より進んでいる感じだ。どこが水平で、どこが垂直なのか相変わらず曲がった村だ。

Lavenham Lavenham Lavenham Lavenham

Lavenham

そぼ降る雨の中だが、ビレッジサインのある教会の丘まで歩く。丘と言っても坂の上程度のことだ。 ビレッジサインは木製なのだが、少し古びてきたように見える。後方のタワーは Church of St. Peter & St. Paulだ。 ステンドグラスの荘厳な美しいさ思い出すが、今日はパスだ。
5年前印象に残った足の裏を羽毛で撫でるショップサイン(店の看板)を探したが、見つからない。 ここにも変化が見られる。村の佇まいは変わらなくとも中は変わってきているのだ。
雨が降り続いているが、人通りも車の往来も結構多い。ツアーの団体とも擦れ違う。
それにつけても、見事にティンバー・ハウスが並んだものだ。5年前にも感じたのだが、中世の香というのか、 かび臭い香を鼻腔の奥に感じる。
こういう村を見るのもイギリスのカントリーサイドの旅の大きな楽しみだ。 住民にとっては不自由も多いのだろうが、その外観を変えない姿勢には敬服するのみだ。

Lavenham Lavenham Lavenham Lavenham

Lavenham Leisure Ltd(ラベンハム社)

Lavenham

LavenhamをYahooやGoogleで検索するとキルティング・ジャケットの Lavenham Leisure Ltd(ラベンハム社) 関連の情報が目白押しだ。ひょっとしたら、一般にはこちらの方が有名なのかもしれない。
ラベンハム社はその名の通り1969年にラベナム村で生まれた会社だ。エリザベス女王に仕えていたエリオットが、 女王の馬用の毛布(ホースラグ)をナイロン製のキルティングで作ったところ、その保温性と軽さから評判を呼び英国中に広まった。 その後ジョッパーの要望によりキルティング・ジャケットが1972年に発表され、日本上陸は1992年だという。
5年前にもラベナム(こう読むのが正しいと思う)を訪れる際、ラベンハムのジャケットをラベナムで購入したいと思い、 色々調べたが、情報を得られなかった。

Lavenham

あれから5年、我がサーチ能力は格段に上がり、今や自称expert searcherだ。調査の結果、現在会社も工場もサドバリー (Sudbury)にあり、Factory Shopも併設されているらしい。何が何でも行くべし、そして、ジャケットを手に入れるべし。
大きなパーキングに車を止め、社員らしき人に聞いた入り口は閉まっている。隅のインターフォンに小さな張り紙があり、 「ショップに御用の方は押せ。」とある。ボタンを押して待っていると、黒いスーツ姿の女性が現れて、開けてくれる。 「自由にご覧ください。御用があったらこの電話で」と言い残して2階へ上がってしまった。ロビーと右側の大きな部屋に、 所狭しとジャケットが並んでいる。嬉しいことにほとんどのものが30%オフだ。それでなくとも、元の価格が驚くほど安い。 何着も試着した末、1着ずつを求める。2着合わせても1着の予定価格の半分で済んだ。良いショッピングが出来て満足だ。

Stoke by Clare

Stoke by Clare
次にHedingham Castleのブルーベルを予定していたが、時間が押しているので、先の可愛い街・村巡りを優先させる。
贅沢で勝手な話だが、ブルーベルに少し厭きたというか倦んだ気分がする。ブルーベルはどこでもシチュエーションに変化がないのだ。 林の中にブルーの絨毯、それが全てなのだ。日本の桜の方がまだしも変化がある。公園であったり、川沿いであったり、 池の周りであったりする。それでも、2日も3日も花見が続いたら厭きるだろう。年に1回の楽しみだから良いのだ。 「花は咲いたか?」、「花見に行ったか?」、「今年はどこが良いか?」、そんな逡巡の末の年一度の花見だから良いのだろう。

Stoke by Clare

調べではクレア(Clare)とストーク・バイ・クレア(Stoke by Clare)が美しい家並みの残る街らしい。
懐かしいLong Melfordの街を経由してA1092を西進すると、ゆったりと蛇行する道路の両脇に古い家並みが連なる。 どの家も相当古い。やはり15世紀くらいからの歴史があるのだろう。
特徴的なのは壁に漆喰で模様を浮き彫りにしたパーゲティング(pargeting)という技法が施された家が多く見られることだ。 これも羊毛産業で潤った時代の名残りだろう。
Stork by Clareの村を歩く。高名な方のお葬式でもあったのか、花束を手にした多くの人が歩いている。一種異様な雰囲気だ。
通りにヴィレッジサインを見つける。馬と黒い顔の羊が描かれている。やはり羊毛産業の名残りだろう。 この小さな村にもカレッジがあるようだ。学業に専念できそうな環境だ。

Clare Clare Clare Clare

Thaxted
まだまだ陽は高い。A1307からB1052を経て、Saffron Waldenの街を車で流す。懐かしいパステルカラーに塗られた 小さな家々や古いティンバーフレームのホテルは相変わらずだ。Audley End Houseの入り口を横目で睨み向かうのは サクステッド(Thaxted)だ。
B道路は突如という感じで15世紀に建てられた木造ギルドホールの交差点に出る。交差点近くにパーキングスペースを見つける。
この街に来たらJohn Webb's Windmillだろう。1804年に建てられたという。大きな風車だ。 ギルドホールの左側の坂道を道なりに登っていく。途中に手入れの行き届いた端整な茅葺の建物に豊かな生活ぶりをうかがう。
風車からSt. John教会へ歩く。1340年から170年の年月をかけて築かれたという教会の尖塔は180フィートの高さだ。 近くの茅葺屋根の家は15世紀頃に、聖歌隊の家として建てられたものだという。

Thaxted Thaxted Thaxted Thaxted

The King's Head

The King's Head

帰りはFinchingfield経由だ。何度見ても美しい村だ。住んでみたい。
Church Hill Houseに戻りSusanとRichardのお薦めパブを訊ねると、「一押しのパブがある。少し遠くても良いか?」 と言う。「No Problem.」と返事をすると、パソコンから7枚もプリントアウトしてくれた。ホームページ 1枚、 メニュー 2枚、写真3枚、地図 1枚だ。
この地図で懇切丁寧な説明が始まった。イギリス人と日本人の地図感覚の相違については、 ”2005年の旅 TOPIC Map 地図” で述べた通りだが、何時までたっても馴染まない。程ほどに聞き流して、出発だ。
A1017沿いのGosfieldの街にあるThe King's Head がそのパブだ。Unclassifiedの道を快適に飛ばす。Gosfieldの直前に素敵な湖があり、ゴルフ場併設のリゾートホテルがある。 こんなホテルに泊まってゴルフなど楽しめたら、また楽しかろう。

The King's Head

Richardは20分位掛かると言ったが、15分足らずで迷うこともなく到着。いつものかっとび旅だ。 パブの写真を撮ろうとリュックをあさるがカメラがない。どこに置いてきたか? 少々焦る。 Thaxtedで撮って以後、B&Bで出した覚えはないが、部屋に忘れたと考えるしかない。
不安な気持ちを振り払い、一角に席を占める。オーダーは
・ Warm asparagus with a poached egg and lemon dressing
・ Dmoked salmon soup with potato and mashroom
・ Grilled ribrye steak with hand cut chips and mashroom sauce  の3品だ。
素晴らしい料理の写真を撮れないのが残念だ。SusanとRichardのお薦めだけのことはある。
入った時には空席があったが、 出る時は満席の盛況だ。
B&Bに戻り、カメラを探すが見当たらない。大切なカメラを紛失してしまったか・・・。 2004年6月12日のカメラ紛失事件が頭をよぎる。
念のため、リュックを逆さまにして中身をベッドの上に出すと、最後にカメラが出てきた・・・。フー・・・。
2枚の写真はRichardがプリントアウトしてくれた写真をスキャンした。もう一度行きたいパブだ。


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