2008の旅 ブルーベルを訪ねて 〜サウスイースト・イーストアングリア〜

花花

第7日 4月26日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程       Mil Mar Guest House --- Stratford-upon-Avon --- The 2008 Shakespeare Birthday Celebrations ---
                         The River Avon Walk --- Packwood House --- Mil Mar Guest House
今日の走行距離     50km
今日の万歩計      20,800歩

Mil Mar Guest House

Mil Mar Guest House
熟睡し6時半起床。この旅ではほとんど毎日この時間に目が覚めてしまう。自宅ではありえないことだ。旅が非日常の所以だ。
シャワーを浴びるのは、まだ他のお客さんに迷惑と考え、ポストカードをしたため、ポストを探して朝の散歩に出る。 妻が「確か赤いポストがあった。」と言う場所に来てみると、赤は赤でも電話ボックスだった。まあ、こんな間違えも時?には・・・。
ストラットフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon) のB&B選びで考慮したことは、シェイクスピア生誕祭による交通規制・混雑を避け、 徒歩でシティー・センターに行けるロケーションだ。

Mil Mar Guest House

一大観光地だからB&Bは沢山あるが、それだけに選択が難しい。様々サーチする中で稚拙な日本語で 「ミル・マー ゲストハウスへようこそ ジムとサンドラが心温まるおもてなしで みなさまをお待ちしております。」と 記されたホームページを見つける。どこでもホームページには良い情報しか書かれていない。 その行間から受ける印象が大切な選定基準だ。そして、English Tourism Councilの4スターも一つの要素にし、 ミル・マー ゲストハウス(Mil Mar Guest House)に決める。
ここでも朝食はサンドラ(Sandra)がクッキングでジム(Jim)がサ−ブだ。「日本人の宿泊客は多いか?」と訊くと、 「友人の奥さんが日本人だが、宿泊客ではあなた達が始めてだ。」と言う。「ホームページの日本語はどうしたのか?」と 訊ねると「Daughter-in-Lawが日本語の勉強をしているので書いてくれた。」とのこと、道理で稚拙だが、 「とても上手だ。」とお世辞を言っておく。息子さんはRSCの音響技師をしており、日本へも公演で訪れたことがあると言う。
窓際の席で今朝もフルイングリッシュの朝食を美味しくいただき、徒歩でシティーセンターに向かう。 玄関を入って右が宿泊した部屋、左がダイニングルームだ。

シェイクスピア生誕祭(Shakespeare Birthday Celebrations)
シェイクスピアの誕生日は1564年の4月23日といわれる。(26日に洗礼を受けた教会の記録から推測しているらしい。) したがって、今年は444回目の誕生日になる。ちなみに、亡くなったのも4月23日だ(1616年)。
シェイクスピア生誕祭は18世紀に始まったという。今年のプログラムによれば23日から"Stratford Town Walk"や "Stratford Town Ghost Walk"、あるいは各種の"Lecture"が催されるようだ。 Ghost Walkというものも一度経験してみたいものだが、今回は日程が合わない。
祭のメインイベントは26日土曜日のようだ。そのプログラムがこれだ。 朝の9時からスケジュールが目白押しだ。
シェイクスピア作品が好きだとか、普段から接しているとか、英文学がどうとかいう訳ではない。
”ブルーベルを訪ねる旅”の移動時間を短くし、ゆとりある旅にしようとロンドンの周辺のブルーベル・ウッドで検索していたら、 ”生誕祭”の情報が引っ掛かってきた。

Stratford

ストラットフォードへは既に2回訪れているが、興味の尽きない場所だ。ブルーベルから離れて検索してみると 面白い情報が幾つも見つかる。観劇・パレード・ディナークルーズなどなどだ。 今年の旅の締めくくりはストラットフォードで決まり、ということで最初に決まった日程だ。

歩道を歩いているとファミリー4人連れに追い越された。イギリス人の歩き方は早い。よく東京人は歩きが早いと言われる。 その東京人の中でも早足のつもりでいる私だが、着いていけない。どちらかと言えば太り気味の夫婦が手を繋ぎ大股でサッサと歩く。 小学生くらいの男女の子供は、親の前になったり後になったり、かけるように歩いて行く。
良く見るとパパは何かのコスチューム姿のようだ。祭のパレードに参加するのかもしれない。 何だか一気にお祭モードに入った気がする。ファミリーが信号で止まると追い着き、また離され、追い着きしながら歩く。

Stratford

B&Bの謳い文句はシティーセンターまで800mとなっていたが、昔の不動産屋の表示だ。 20分ほど掛かって懐かしい交差点に出た。
Rother Marketのゴシックスタイルの美しい"American Fountain"が見える。どう見ても時計塔(Clock Tower)にしか見えない。 Fountainと呼ばれる理由は、かつては塔の足元に泉が湧いていたからだ。1887年にビクトリア女王のゴールデンジュービリーを 祝って、アメリカ人が寄贈したもので、当時ここは家畜市場になっていて人や家畜の水飲み場として泉が出ていたようだ。 現在そのかいば桶は花が植えられている。
現在は毎週金曜日と月2回の土曜日にはFarmers' marketが立つらしい。今日も大勢の人出で賑やかだ。
この美しい塔にはアメリカのイーグル、イギリスのライオン、そして、シェイクスピアの"Midsummer Night's Dream" に出てくるフェアリーなどが掘り込まれている。
このサイトにこの時計塔や 下のパブの古い写真が沢山載っていて、往時を偲ばせる。

Stratford

交差点の一角に大きな茅葺のティンバーハウスのパブがある。The Old Thatch Tavernだ。500年以上前に立てられたもので、 ストラットフォードで唯一の茅葺の建物で、最も古い(Since 1623)パブだということだ。 500年以上前ということはシェイクスピアもこの建物は見ていることだろう。とても目を惹く建物だ。
そして、古い建物といえばお決まりの幽霊が出るパブなのだという。そういえば、何となく暗く冷たい感じがする。
この交差点を左に曲がればシェイクスピア・バースプレイス(Shakespeare's Birthplace)のある ヘンリー・ストリートはすぐそこだ。なにやら賑やかな音楽も聞こえてくる。前を行ったファミリーも、もう姿が見えない。

イングリッシュ・フォークダンス(English folk dancing by children)
7年ぶりで訪れたヘンリー通(Henley Street)は懐かしさより、つい最近訪れた場所のような印象だ。
違うのは通りは子供たちで溢れ、それを大勢の父母や観光客が取り囲んでいる。最初のプログラムのフォークダンスが始まったところだ。
司会と伴奏のテントの向かいの特等席にスペースが取れた。
プログラムに寄れば"by children of the Stratford area"となっている。学校単位なのか地域(子ども会?)別なのか 20人足らずのグループが十幾つかに別れ、輪になったり、列を組んだりして踊る。子供たちの笑顔が可愛い。
衣装も様々で決して派手ではない。普段の制服のようなものだろうが、女の子は髪に花をつけたり、 お揃いのリボンをつけたりしている。髪につけた花はお揃いでは無く、きっとそれぞれの家の庭にある花を摘んだものだろう。 それが微笑ましい。
そんなに沢山の事前練習をしたようには思われない。先生なのか役員のお母さんなのか1曲ごとに指図して、何とか様になる。 そんなところもイギリスらしい。司会者の名調子がそれを救っている。巧みに子供たちを乗せ、ダンスが終る度に褒めてあげる。 その時の子供たちの誇らしげな顔がまた良い。心癒される。
さて、中休みに出てきたのが、むくつけき男達だ。写真右の出で立ちだ。カンカン帽を飾り立て、たすきを両掛けにし、 両すねには鈴飾りをつけている。両手には白いハンカチーフを持ち右手には木の棒を持っている。先程のファミリーのパパの姿も見える。
The Shakespeare Morris Menの面々だ。 何だか月亭歌朝を思い出さないでもない。
モリス・ダンスはイギリスに古くから伝わる伝統舞踊で各地方で衣装も踊り方も違うらしい。各地にこれを保存しようという Morris Menの組織があり、様々な年中行事で踊るらしい。
アコーディオンとシンバルの音楽に合わせ、両すねの鈴飾りをシャンシャンと鳴らして踊る。両手のハンカチーフを振り、 木の棒を打ち鳴らし踊る。時には大きな身体で宙に舞い、地響きを立て着地し、汗をしたたらせる。 ごついがたいで激しく踊るから、その内に足のもつれるお父さんが続出だ。ダイナミックだが、ユーモラスで愉快だ。

Stratford Stratford Stratford Stratford

伴奏のお父さんの出で立ちは少し違うようだが、お仲間なのだろう。
中休みの後は各グループが一緒になって大きな輪になってのダンスだ。皆楽しそうだ。 最後はお父さんやお母さんやお友達を引き込んで一緒になって踊る。子供たちの嬉しそうな顔が印象に残る。

Stratford Stratford Stratford Stratford

旗の掲揚とパレード(Ceremony of unfurling flags & The procession)
フォークダンスが終るとヘンリー通は少し静かになる。プログラムによれば街の各所でパレードが始まったり、 "Strolling players, circus performers and musicians in costume"が観衆を楽しませているらしいが、 ここでパレードを待つことにする。何と言ってもVisitors' CentreとShakespeare's Birthplaceの前なのだから。
時ならぬクリスマスショップを覗いたり、ポストカードを求めたり、アイスクリームをなめたり、観光客然だ。
そうこうする内にパレードが始まった。ブラスバンドに続き、手に手に花を持った生徒や学生に混じり、シェイクスピア時代の 衣装を着た人などが行進する。
入ってはいけないはずの場所で私のカメラアングルを邪魔する小太りの輩が現れる。どうやらアジア人だ。 日本人なら注意をしようと思ったが、どうやら違う言葉を発しているようだ。それにつけても、かの国の人の傍若無人は目に余る。
一団が去るとまた静かになる。写真右はShakespeare's Birthplaceだ。街灯の横に立つ白いポールのたたまれた旗と 看板(banners for the works in the Shakespeare canon)が生誕祭の重要な役割を担うのだ。

Stratford Stratford Stratford Stratford

ポリスマンも現れた。そろそろVIPの登場のようだ。さっきのような不逞の輩は追い出された。色々な衣装を着た人々が現れ、 通りの両脇に立ち並ぶ白いポールの前で待機する。何事かと考えるに、ポールの看板にはシェイクスピアの作品が記されており、 その作品の衣装を着けた人がポールの前に立っているようだ。
現代のファッションの美女3人とイケメンのグループは何の作品か分かりかねるが、赤いドレスと黒いマントのカップルは、 ロメオとジュリエットだ。一緒にいるもう一人の女性はジュリエットの乳母か?
ファンファーレとドラムの合図(があったはずだが、私達には聞こえなかった)でたたまれていた旗が広げられる。 旗にはシェイクスピアの顔と看板と同じ作品名が書かれている。これが大切なセレモニーだったのだ。疑問氷解。

Stratford Stratford Stratford Stratford Stratford

いよいよ本格的パレード(the main procession)の始まりだ。幾つものブラスバンドに先導されて行列が進む。
パレードには世界各地からシェイクスピアの魅力を伝えるのに功績のあった人々や大使や外交官、学者、地元の名士、 演劇や映画界のスターなどの招待客、シェイクスピア戯曲の衣装を付けたRSCの役者、そして、 学生・生徒・子供たちなどが参加しているのだという。

Stratford Stratford Stratford Stratford

招待客も伝統の衣装で参加している人が多い。シェイクスピア作品に詳しくないので、何の仮装なのか良く分からないが、 その衣装の素晴らしさには目を見張る。
外国からの参加者には、お国の民族衣装で参加の人も多い。日本代表のご夫妻は工夫がなかった。シェイクスピアの研究者か?  姉妹都市などの関係者か? 折角のお祭を楽しみたいところだ。

Stratford Stratford Stratford Stratford

上でも出てきたが、下右から2枚目の写真の背中に羽をつけた仮装は”真夏の夜の夢”だろうか?
パレードといっても整然とした行進ではない。どちらかと言えば、だらだら歩いていく。おしゃべりしながら、 周囲にお愛想を振舞いながらの行進だ。楽しんでいる様子が伝わる。

Stratford Stratford Stratford Stratford

参列者は一人残らず手に花を持っている。大きな花束を抱えている人、立派なリースを持った人もいるが、 多くは小さな花束だ。中には自分の庭から摘んできたような花の人もいる。黄色の花が多いのはどうしたわけだろう。
パレードは華やかになるし、花好きには嬉しいことだ。後から分かったことだが、 これらの花は全てホーリートリニティー教会に眠るシェイクスピアのお墓に捧げられるものなのだ。
行列の最後尾は件のMorris Menが務める。地元の人だから沿道からの掛け声も盛んだ。カンカン帽にローズマリーを 飾ってあるのは何故だろうと思っていたが、これもお墓に捧げられているのを後ほど確認できた。

Stratford Stratford Stratford Stratford

街の散策(Stratford Town Walk)
パレードも去ってプログラムの谷間に入った。Stratford Town Walk は14時からだ。2時間待っても英語の説明が分かるわけでもなし(妻は別として・・・)、独自に歩くことにする。
Walking Britain のサイトからコース概要と地図をプリントアウトしてきた。出発点を昨夜観劇したコートヤード・シアターにしようと歩き始めたが、 近道をしようと考えたのが間違いの元だ。すっかり道を失った。
そのお蔭で歴史を感じられるティンバーハウスに幾つも出合ったのだが・・・、よく歩いた。交通整理のポリスマンに訪ねて、 ようやく見知ったNew Place(写真右)に辿り着いた。

Stratford Stratford Stratford Stratford

Chapel Laneを歩いていると民家から写真下左の扮装の女性が出てきた。声を掛け写真を撮らせていただく。 左右の二人は農婦の扮装だろうか?
コートヤード・シアターはエイボン川沿いにあった。昼間見ると小ぢんまりした劇場に見える。 が、良く見ると青い建物の右側の赤い大きな建物が劇場のようだ。売店でミニチュア本とポストカードを求める。 二人の若い日本人女性がチケットを求めている。観劇の当日券は難しいようだから、バックステージ・ツアーのチケットかもしれない。
ここからエイボン川沿いの道をを下って行くとホーリー・トリニティー教会にでる。中からパレードに参加した人たちが次々出てくる。 一般の入場は13時からとなっている。15分の待ち時間を、教会の裏手のエイボン川の岸辺で過ごす。
静かな川面にカヌーを浮かべ教室が開かれているようだ。大人も子供もかなりの腕前のように見える。楽しそうだ。

Stratford Stratford Stratford Stratford

街の散策・ホーリー・トリニティー教会(Stratford Town Walk・Holy Trinity Church )
ホーリー・トリニティー教会は姿も色も美しい。 この建物は1210年に建てられたという。コッツウォルズのハニーカラーと同じ色合いだ。 シェイクスピアが洗礼を受け眠る教会として知られ、年間20万人もの人が訪れるという。
厳粛な空気の中、入場すると真っ先に美しいステンドグラスの光が目に映る。撮影OKを確認しシャッターを押す。

Stratford Stratford Stratford Stratford Stratford

昔の衣装を着た男女が入ってきた。どうやら聖歌隊のようだ。近くの椅子に腰を下ろしじっくり聴かせてもらう。 美しい声に心が洗われるようだ。リーダーの女性が一番若く見えるがなかなか厳しい指導がある。数曲聴かせていただき 本陣に入る。ここで"Donation"として一人1.5ポンドを支払う。本陣に入って仰天、祭壇が花で埋まっているのだ。
プログラムに"lay floral tributes"と書かれたいるが、こういうことだったのだ。あのパレードの参加者が手にしていた花は シェイクスピアへの供花だったのだ。リースも花束もローズマリーも綺麗に飾ってある。ディスプレーは専門家が行ったのだろう。
下右から2枚目がシェイクスピアのお墓の場所に捧げられた供花だ。プレートの文字は古英語だろうか、さっぱり理解できない。 妻のアンをはじめ一族の墓も周囲ににある(青いプレートがそれを示す)。 とても素晴らしいものに出合えた。年に1度のこの日だからこそ出合えた光景だ。それにつけても、黄色の花が多い。
聖歌隊の美しい歌声は尚も続いている。もう一度聴き惚れて教会を後にする。

Stratford Stratford Stratford Stratford

街の散策(Stratford Town Walk)
さて、本格的な散策に移ろう。エイボン川の右岸を川に沿って下る。Walking Britainのコースガイドでは2つ目の橋を 渡ることになっているが、ショートカットして1つ目で対岸に渡り、Uターンする。
クルーザーが優雅に下っていく。船名を確認できなかったが、明晩のディナーの船かも知れない。楽しみだ。
左手にはずっと瀟洒なホーリー・トリニティー教会が見える。教会の少し下流が堰になっていて、 そこをカヌーで下っている。スリルがあって面白そうだ。
面白いものが現れた。エイボン川を横断するチェーン・フェリー(Chain Ferry)だ。1937年に出来たもので、 クランクを手動で回して引っ張るものだ。実にユニークだ。珍しいから両岸に行列が出来ている。料金は一人50ペンスだ。
カナルボートが舫ってある岸辺の光景はまるで絵に描いたようだ。

Stratford Stratford Stratford Stratford

レクリエーション・グランド(Recreation Ground)という広い広場に入ってきた。対岸に工事中のロイヤル・シェイクスピア・シアター が見える。広場では家族連れや若者のグループや老若のカップルなどが、ベンチや芝生に広げたシートで寛いでいる。 子供たちはボールを追いかけたり、カイトを引いて走り回っている。
我々もシート(私のリュックにはアウトドアーで必要なものは常に揃っている)を出して座る。綺麗に見える芝だが、 いざ、座ろうとするとヒツジあるいは水鳥の落し物が一杯なのに気付く。陽射しが強く暑いので日陰にシートを敷いたが、 こちらの人は敢えて日向で日光浴だ。行列の屋台でアイスクリームを求め、一休みだ。
散策を再開。Tramway Bridgeを渡りシティーセンターに戻る。橋の左側からCox's Yardが見下ろせる。 Tramway Bridgeは昔は電車が通っていたらしいが、今は歩行者専用だ。車が通る橋はClopton Bridgeで、 後にロンドン市長になったクロプトンが1480年に建てたという古い橋だ。
写真右は街で見かけたリコーダーの演奏をするグループ。

Stratford Stratford Stratford Stratford

橋を渡ると右側がバンクロフロ・ガーデン(Bancroft Gardens)だ。シェイクスピア像が聳え立ち、回りにその作品の主人公 (Hamlet, Lady Macbeth, Falstaff and Prince Hal; symbolising philosophy, tragedy, comedy and history)の象が立つ。
広場で大道芸人のパフォーマンスを暫し見物する。このガーデンに隣接する係留所(canal-basin)が明晩のディナークルーズの 出発点だ。確認をしておこうと思ったが、船はランチクルーズに出ているし、受付のような場所も見当らない。 舫ってあるクルーザーの船員らしき人に、ホームページをプリントアウトしたものを見せて訊ねると、 「この前の空いたスペースがこのクルーザーの係留場所だ。」とのこと、一安心だ。
WatersideからSheep Streetへと散策、昨夜のポストシアターディナーを楽しんだThe Oppoの前でスナップを1枚。
High StreetからHenley Streetへと歴史的建物やストリート・パフォーマンスなどを楽しみながらのんびり歩く。 Henley StreetとWindsor Stree交わる場所に道化?の像が立っている。シェイクスピアの作品には、 道化が数多く登場するそうだが、これもその一つだろうか。

Stratford Stratford Stratford Stratford Stratford

パックウッド・ハウス(Packwood House)
ショートカットTown Walkを終って2時30分だ。ディナーに再び訪れるとして、一旦B&Bに戻る。陽射しが強く暑い。
近郊のガーデンを訪れようと検討の結果パックウッド・ハウス に決める。A3400を北上すること30分で到着、A道路とはいえ、10足らずの村を通過する以外は草原を気持ち良く高速ドライブだ。

Packwood House Packwood House Packwood House Packwood House

ガーデンに入って真っ先に眼に飛び込んだのは、ビビッドな配色のボーダーだ。(写真下左)チューリップ、ヒヤシンス、 スイセンなどの球根植物だ。突き当たりの素朴なガゼボが効いている。
ガゼボを右に曲がるとレンガの壁と分厚い柘植(Box)の垣根で仕切られたローズガーデンだ。バラの芽が赤く吹き始めている。(写真上左) 壁を伝うバラもよく手入れされていてシーズンの美しさが偲ばれる。
ローズガーデンの先のガゼボの階段を登って右に曲がると一段高いRaised Terraceだ。写真上右から2枚目の後のレンガの上が それだ。そこから見下ろす、柘植の厚いヘッジで囲まれたサンクン・ポンド・ガーデンも特徴的だ。(写真上左から2枚目)
この壁で囲まれたガーデンがcarolean gardenと呼ばれ、パックウッドを代表するガーデンだ。

Packwood House Packwood House Packwood House Packwood House Packwood House Packwood House Packwood House

パックウッドでもう一つ有名なのが17世紀のイチイのガーデン(Yew Garden)だ。Raised Terraceの中央の姿の良い 錬鉄製のゲート(写真上左から2枚目)をくぐると、数多くのトピアリーが立ち並ぶエリア出る。トピアリーガーデンといえば、 色々な形に刈り込んだ樹木があり、楽しい気分にさせてくれるものだが、ここのトピアリーは円筒形に刈り込まれたものばかりだ。 雰囲気も厳粛なものが感じられる。
ゲートからなだらかなスロープを登っていくと、15メートルを越す一段と背の高いトピアリーが立ち並び、 その奥が小高い丘になっている。(写真上左から3枚目)その丘は柘植で螺旋状に仕切られた細い道を辿って 頂上まで登ることが出来る。頂上には1本のイチイのトピアリーが立っている。
この木はキリストに譬えられ、回りの背の高いトピアリーは四聖人・十二使徒を表し、多くの小さなトピアリーは群集を 意味するものだという。すなわち、山上からキリストが弟子や群集に教えを説く新約聖書内マタイによる福音書にいう ”山上の垂訓(The Sermon on the Mount)”を表現したものだ。
ハウスの周りを歩く。家の壁を様々な巨木が飾っている。今はモクレンが美しい。また、特徴あるのは日時計が数多くあることだ。 それも、垂直に置かれた日時計だ。珍しいが、あまり正確な時間は期待できそうに無い。
もう一つ圧巻だったのがスイセンだ。この旅で一番の群生に出合えた。

Packwood House Packwood House Packwood House Packwood House

ストラットフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)
18時30分、パックウッドから直接、車でストラットフォードのヘンリー通り近くのパーキングに入る。 検索の結果、狙い定めたレストランに向かう。昼間賑わったヘンリー通りも静かだ。祭の後のもの寂しさが感じられる。 Shakespeare's Birthplaceの庭のチューリップが満開だ。写真右は食事が終って帰り道の20時のヘンリー通りだ。 旗もたたまれ、閑散としている。

Stratford Stratford Stratford Stratford

ソレント(Sorrento)
目指すソレントは直ぐ見つかった。 ヘンリー通りを右折しハイストリートに出て、1本目のEly Streetを右折して左側だ。イタリアンらしい良い感じの店構えだ。
店に入って店員に席を乞う。「予約なしと」伝えると、首を傾げながら奥へ行ってしまう。予約を手抜きしたことを悔やみかけた時、 女主人が現れて、「ノープロブレム」と狭い席に案内される。しかし、直後に入った1組の客以降の予約の無い客は断られている。 滑り込みセーフに気を良くする。オーダーは
・ Mozzarella Cheese with tomato and basil, drizzled with olive oil garnished with wild rocket leaves
・ Delicately sliced Parma Ham with Melon
・ Escallops of veal flamed in brandy with mushrooms in a cream sauce  だ。
スターターは二品とも味・ボリューム共に満足だ。メインは迷った末にオーダーした。"Escallops"を電子地所で引くと、 ”帆立貝”と出た。美味しそうだな・・・とオーダーしたが、出てきたものを口にして、「・・・?」だ。 どう考えてもこれは肉だ。
もう一度メニューを貰って確認する。”帆立貝”で間違いない。しかし、3つ目に「牛肉の薄切り」も出ているのだ。 これが柔らかな肉で、"with mushrooms in a cream sauce"も濃厚で美味しい。これだから楽しい。
英語力試しに電子辞書を和英にして遊ぶ。「はし」は"end"、"chopstick"、"bridge"の3つに変換されるという具合だ。
妻はまだいけるというので、Dolciからティラミスを、私はイタリアの焼酎といわれる”グラッパ”をオーダーする。 日本で出てくるより量が多くて嬉しい。(帰りは車だった・・・)

Sorrento Sorrento Sorrento Sorrento Sorrento

看板(Banners for the Works in the Shakespeare Canon)
酔い醒ましではないが、通りの両側に立つポールに取り付けられた看板(Banners)に書かれた作品名を確認しながら歩く。 全部で何枚あったのかは数えなかったが、聞いたことのある作品のバナーを撮ってみる。
順に ・ お気に召すまま(As You Like It)  ・ ジュリアス・シーザー(Julius Caesar)  ・ 空騒ぎ(Much Ado About Nothing)
・ ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)  ・  ジョン王(King John)  

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・ 夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream)  ・ ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)   ・ 恋の骨折り損( Love's Labour's Lost)
・ じゃじゃ馬ならし(The Taming of the Shrew、1593年 - 1594年)   ・ ヴェローナの二紳士(Two Gentlemen of Verona)
万歩計は2万を超えた。よく歩いたものだ。

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