第6日 6月8日(火) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日も朝からピーカンだ。今日は今年の旅のテーマ2の「海とシーフード」を訪ねる旅だ。イングランド本土の最南端と
最西端、 St. Michael’s Mount を始めコーンウォールの海岸を一巡りするのだから「海」は間違いない。
果たして「シーフード」は如何か。楽しみだ。
Gwynoon の朝食は朝日の差し込む明るく清々しいサンルームで、一段とおいしくボリュームもあり、同宿者とお話などして
ゆっくり楽しんだお蔭て出発が予定より遅れてしまった。
まず目指すはイングランド本土の最南端 Lizard Point だ。最西端の Land’s End は良く聞くが、 最南端もここコーンウォールにあったのだ。是非行かねば。 Praa Sands から A394を Helston まで戻り、 B3083を南下する。わずか30分だ。 この辺りには、イギリス国軍の施設がいくつかあるようだ。空軍のイヴェントが 近々あるようであちこちに横断幕がある。
B3083の終点が Lizard 村だ。小さな静かな村だ。更に1 km ほど細い道を進む。 Lizard Point
もナショナルトラストの管理下にある。ここは入場料でなく、駐車料を徴収するようだ。係員に会員証を見せ、
We are Membership.OK ? で通過だ。便利だ。
南に来たと思わせる背の高い雑草の道を海岸に向け降りていくと、突然視界が開け明るい海が見えた。予想より穏やかな海だ
(写真上右2枚)。最南端を示すものは何もない。海岸にも柵1つない。観光客もまばらだ。風もなく静けさが旅情を誘う。
最も南と思われる場所に立って記念撮影(写真上左)。落っこちないように。
Lizard Point から2 km ばかり先に Kynance Cove がある(写真上・下)。ここもナショナルトラストの
管理だ。ここの海岸は絶景だ。終ってみて見れば、この旅1番印象に残る海だ。ナショナルトラストに心から感謝と尊敬し、
メンバーであることを誇りに思う。自然そのものをあるがままに、何の規制もせず、保護してくれる。コバルトブルーの海も
白い波しぶきもピンク・黄色・白と色とりどりの小さな可愛い草花もいつまでも保護してほしい。
あの海岸沿いの集落にはティールームなどあるだろうか…などと考えたりしながら、
崖の上に立ちあるいは岩に座って飽くことなく海を見つめる。テーマ「海」は早くも満喫だ。
B3083を戻る途中 Lizard Cider Barn なる店を見つける(写真上右)。林檎や木の実から造ったサイダー (アルコール入り)やリキュール、ワインがピンからキリまで並んでいる。試飲を勧められ5種類ほど飲み較べる。 運転手は誰だ? 今夜は Gwynoon のテラスでサンセットを楽しみながら夕食の予定だ。そのために赤ワインを 1本ゲットする。(ワインを掲げて喜んでいる妻の顔が赤くないか? 日焼け? 試飲?)途中風力発電所を見忘れた。
Marazion に到着。道路脇の広場にはケルト十字が立っている(写真上左)。ここのお目当ては St.
Michael’s Mount だ(写真上中)。しかし、期待の干潮の時間ではないようだ。 Gwynoon のホストの
話しでは正午ごろが良いと聞いたのだが。(こちらのヒアリング力のなせる技)
島へのフェリーのお兄さんに干潮時間を聞いて、明日出直すこととした(写真上右)。(お兄さんゴメン)
Trengwainton Garden ここもナショナルトラストだ。この地域にあっては唯一の Garden である。
昨日の Trebah に似た南国調の雰囲気だ。小川が流れ水生植物が、咲き乱れている。大きなフクシアの木がある(写真下左)。
妻の大好きな花だ。我が家の庭にも何本かあるのだが、日本では夏越しさせるのが難しい。こんなに大きなフクシアは
日本では見られない。全てが大振りだ。トラノオの巨大なものがにょきにょき立っている(写真上右)。サクラ草も大きくて
美しいのだが、可愛げがないほど大きい(写真下中)。
歩き進む内にお屋敷に出た。ここには今でも持ち主が住んでいるようだ(写真上中)。ここから先は Private で
入れてもらえない。振り向いた先は、これまた広大な牧草地。その先はウッドランド、どこまでが Trengwainton
なのか。牧草地には白馬が1頭だけ、のんびりと草を食んでいる(写真上左)。桁外れだ。
<
Merry Maidens 。ストーン・サークルだ。大きさの良く揃った19個の石が規則正しく並んでいる(写真下左2枚)。
礼拝日の日曜日にダンスをしていた少女たちが神様の怒りに触れ石にされてしまったとの言い伝えがあるとか。近くには、
その時笛を吹いた少年がスタンディング・ストーンにされてしまい立っている(写真下右)。(よくできた話だ)
このストーンサークルは Postbridge の近くで見たものより5倍くらい大きい。全ての石がキチット立っているのが
神秘さよりも清々しさを感じさせる。(この几帳面さが私好みだ)
少女を蘇らそうと念力を送ってみたが…。サークルの真ん中では3人の若者が座り込んで盛んにおしゃべりをしている。
今年の旅のテーマ、その3「ミステリー」についても期待通りの展開だ。手を触れられる近さが、想像を膨らませてくれる。
Merry Maidens から Minack THEATER までは、いくつかの情報として「急勾配の狭い道が続き、
ヘアピン・カーブもある」と知り、また、 The AA の Route Planner でも descend(20% - hairpin bend) と
記されている。 楽しみにしていたのだが…そう感じぬままに到着。ンッ? (私はスピード狂であるとともに悪路好きなのだ)
「 Minack THEATER 」はパーキングから
既に素晴らしい眺望である。 Porthcurno 湾のコバルトブルーの海がすぐそこに輝いて見える。
何という色だ。妻がこの旅で最も期待してきたものだ。
入場して思わず驚きの声が出た。なんと断崖絶壁に造られた劇場なのだ。一番高い席から見ると(写真上右)ステージは はるか下に見える。急な階段を下りていくと、「 ROWENACADE CREATED THIS THEATRE 」の プレートがある(写真上左)。この劇場を建造した ROWENACADE は女性なのだ。彼女一人でこの断崖を開き石を運んで 造り上げたのだ。彼女の生い立ちなどは他のサイトに譲るが、その発想に感銘し、演劇への情熱を感じる。この劇場は壮観である。 予想をはるかに凌ぐスケールと美しさだ。
座席は上の写真のように石で造られており、ゆったりとしてはいるが急な階段だ。座ってみるとこれがなかなかの座り心地だ。
一つひとつに手造りの温もりを感じる。 Rowenacade おばさんの体温と熱意が伝わってくる。この石でできた席を Main
Auditorium と呼ぶようだ。この上に、後に造られた Uppar Terraces と呼ばれる芝生の席がある。
チケットも分けられているようだ。季節・演目によって異なるが、今週は月−金の夜の部と水・木の昼の部の公演があるらしい
円形の舞台にはセットが組まれている。いつか夏の夜に、シャンパンなどお供に公演を楽しみたいものだ。 Uppar Terraces
には、多肉植物が美しい花をつけていた。(写真上中央)
石の座席の背もたれに何やら刻まれている。これは、歴代の公演演目と年を刻んであるのだ。見渡せば良く知った演目も多い。 自分の生まれた年は何が公演されたのか?興味深く探してみた。何と、1939年を最後に「 INTERVAL FOR WAR 」 となっていた(写真上)。正に第2次世界大戦開戦の年から途絶えていたのだ。再開は1946年だ。今こうして遠い国を 旅行できる平和と幸せに感謝。
「 Land’s End 」にやって来た。名前の通り
地の果て、イングランド本土の最西端だ。沢山のサイトを見たが、概ね評判が良くない。俗化されているというのだ。
それでも名前の魅力には勝てない。外せない。俗っぽいの嫌いじゃない。という訳でやって来た。やっぱり俗っぽい。
出来の悪い遊園地だ。
それでも駐車料3ポンドも払ったからには一通り…。ここで絵葉書を求め地の果てから日本に送る…ロマンと思っていたが、止め。
遊園地を通り抜け、有名な Sign Post (写真上右)を横目に過ぎると、人は多いもののそれらしき場所に出た。
吹き付ける風は強く冷たさを感じる。足元深くの岩を洗う波も荒い。沖の岩場に標識が立っている(写真上左)。
あそこが最西端か?吊り橋を渡り、岬の最先端を目指す。ありました。 First and Last House (写真右)。最初で最後の家だ。
イギリス人も1度はと憧れる場所だ。何はともあれ、「遥けくも来つるものかな」の感はすると無理やり思う。
House の中は土産やと食堂(レストランではない)だ。外は寒いがコーニッシュ・アイスクリームは外せない。
皆、同じ思いか行列だ。写真のベンチでアイスクリームを舐めていたらこの場所で写真を撮りたい人が何組か待っていた。
あわてて中の食堂に戻る。ラム・レーズンのアイスには満足。妻のレモンは酸っぱいそうだ。やったね!
行程は順調に進んでいる。15時15分、今から戻れば St. Michael’s Mount の干潮時間に間に合う。 明日にと諦めたが、予定復活だ。走る、走る。見えてきた。遠くからも道が現れているのが見える。心が弾む。 さっきのパーキングに入れると料金徴収のお兄さんはこちらを見たはずなのにやって来ない。とりあえず、駐車。 料金を払おうとすると「朝貰ったから良い」とのこと。覚えていてくれたんだ。料金の2ポンドより大きな感動を貰う。
信じられないほどの陸地が現れている。島への道は赤茶色の石畳でしっかり組まれている。大勢の人が行き来している。 みんな楽しそうな笑顔だ(写真上左)。車も通っている。運転手が会釈をして行く(写真上中)。潮の香りも気持ちが良い。 島までは結構距離があった。島の港ではボートが腹を出して横たわっている(写真上右)。何ともも情けないユーモラスな姿だ。
ここもナショナルトラストが一部管理している。お屋敷の一部と Garden は持ち主の貴族が管理しているらしい。
残念ながら今日はお庭は公開されていない。屋上から覗くのみ(写真上中)。余計に見たくなる。出入り口のハンギング・
バスケットがすごい(写真上左・右)。花が溢れてバスケットが見えない。使っている花は我が家も同じだが…何故?
参考と励みになる。
お屋敷の収蔵物にはあまり興味がない。早足で駆け抜け、屋上に出る。素晴らしい眺めと心地よい潮風だ。干潮で現れた道の
姿が良く分かる(写真下左)。対岸の Marazion の街並み、その向うに広がる丘。豊かだ。
私がこのサイトを立ち上げるきっかけとなったサイトに、この屋上の塔(写真下右)の美しい写真がある。あのアングルでと
色々試すが納得いった写真にならない。カメラの違いということにしておこう。
さて、帰りも歩いて渡れる。19時30分頃まで渡れるそうだ。それにつけても干満の差に驚く。道を外れて砂地を歩く。 Praa Sands 同様、細かな砂だ。しっかり締まっていて足跡も付かない。車も平気で走っている。駐車場のお兄さんに Thank you. bye を言って Marazion に別れを告げる。
Penzance はコーンウォールの拠点都市だ。ここで今夜の食料を調達だ。
我々は B&B での夕食は概ねパブでいただく。リーズナブルで美味しく、地元の方々との交流も出来たりして楽しい。
そして、時にお洒落をしてレストランに繰り出す。
しかし、 Gwynoon には2階にテラスがあり、立派なテーブルや椅子も用意されている。ここで海とサンセットを
眺めながらのディナーも魅力と訊ねたら、もちろん OK 何か軽食でも用意しましょうか?とのこと。そこまで甘えるのも
どうかと思い、自分で調達することにしたのだが、思うように見つからない。18時を回っており、大方のお店は閉店だ。
スーパーではサンドウィッチかレトルトだ。テイク・アウェーとなるとハンバーガーくらい。シーフードで何かと期待して
来ただけに、これでは納得が行かない。方向転換、 A394沿で見たあのお花を沢山飾ったパブに行くこととする。
そうと決まれば善は急げ。ペンザンスのポイントで写真を撮り出発。そんな訳でペンザンスの記憶は余りない。
Gwynoon のある Praa Sands の隣村 Ashton にあるパブ Lion Lamb に到着。
今日ここまでの旅行記の中に、ランチが入っていない。そうなのだ、フルイングリッシュブレックファストをしっかりいただけば
昼抜きで済ませてしまうことが多い。今日も Minack Theater から Land’s End への車中、 Minack で求めた
ジュースとショートブレッドで済ませてしまったのだ。
Lion Lamb は自分のおいしい店を嗅ぎ分ける能力を再認識できたパブだ。サンセットディナーも惜しまれるが、
このパブに満足。表の花は全てペチュニアだった。コンテナもハンギングも皆、ペチュニアの健康優良児だ。後1ヶ月もしたら
バスケットを覆い尽くすように枝垂れてくるのだろう。
Gwynoon に戻ると Keith が遅くなったことを心配してくれる。予定変更の訳を話し Lion Lamb で済ませてきたと
告げると、「それは良い店を選んだ。あそこは美味しかったろう」と言ってくれた。明朝も8時の食事をお願いし Good Night。 【T】
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
日程表 戻る |
6月3日 旅行記 |
6月4日 旅行記 |
6月5日 旅行記 |
6月6日 旅行記 |
6月7日 旅行記 |
6月9日 旅行記 |
6月10日 旅行記 |
6月11日 旅行記 |
6月12日 旅行記 |
6月13日 旅行記 |