第7日 6月9日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日は霧雨の朝だ。犬をお供に砂浜を散歩している人が3、4組。誰一人傘を差していない。風も強いし、
合羽のようなものを羽織っているのだろう。犬好き、散歩好きな国民だ。
昨日は部屋の窓からくっきり見えていた西の Cudden Point も、東の Trewavas Head も
霧に煙っている。 Point も Head も岬だ。どう違うのだろう。 Cape も岬だがイギリスには2つしかないのだとか。
島国イギリス、地図を見ると Point と Head が並んでいる。
今日の朝食は、オレンジジュース、ブルーベリーヨーグルト、フレッシュフルーツの後、スモークト・ハドックに初挑戦だ。
これが香りといい、塩加減といい、絶妙な味わいだ。ポーチド・エッグの黄身ともよくマッチする。これにはカリカリトーストの他に
ブラウン・ブレッドにバターを塗ったものが付いてきた。これとも良く合う。
食後に、今日はどこへ行くのかと Keith が訊ねる。何かアドバイスしたいという誠意が感じられる。行程表を見せたところ、
Perfect との返事が返ってきた。今日のテーマは「ミステリー」である。
朝一番の訪問先は「 Wyevale Garden Centre 」だ。 全国120店ものチェーンのようだがここ Lelant 店は少し物足りなかった。友人へのお土産としてガーデニング手袋、他に 洋芝の種、野菜の種、数種、小物を何点か求める。霧雨は上がったようだ。プランツ売り場を散策。珍しい花や 安くてしっかりした苗など欲しいものばかりだが検疫があってはままならず。
次は St. Ives だ。情報では、芸術の街、海岸の美しさがポイントらしい。海岸の美しさに魅かれ芸術家たちが集まり
コミュニティーを形成したものらしい。海岸沿いの白亜で円形の建物「 Tate St. Ives 」
に入る。 Barbara Hepworth Museum とのジョイント・チケットにすると少しお得なようだ。
Tate はモダン・アートと云うことで予想通り芸術音痴には良く分からない。展示の数も少ない。
Barbara Hepworth Museum and Sculpture Garden の庭は良かった。彫刻の色や質感が 緑の木々や花と融合し、和ませる。女流とは思えぬダイナミックさを感じさせる一方、女流らしい滑らかさを感じさせもする。 ベンチに座り、バラの香りを愉しみつつ彫刻を愛でる。満たされる。
海岸については昨日の Kynance Cove 、 Porthcurno を見てしまった後では少し見劣りする。
お目当ての Shopping Time だ。ギャラリーがいくつも並んでいる。 Whistlefish Gallery の
ウインドーに気に入ったものを見つけた。荷にはなるが、妻が持つ約束で St. Ives の港と街並みを描いた水彩と
マーガレットの咲き乱れる丘の向うに建つ城を描いた水彩を購入。
衣料品の店も多い。孫に T シャツとパンツをコーディネート。ついでにジジ・ババ用も Get 。(今年も気候に恵まれ
準備した洋服では暑すぎる)サーファー向けの店のようだが、なかなか渋めのセンスが気に入った。
Shopping もご覧ください。
コーンウォールの名物にコーニッシュ・パスティーなるものあり、是非食すべしとの情報である。それは食さねば。パスティーを
売る店はいくつかある。自慢の鼻を利かせ1軒を選ぶ。何種類かあるようだ。マッシュルームとオニオンの入ったものを1つ
購入。たった1つにそんなに騒ぐな。ウインドーには「 Buy 8 Get 2 Free 」とあるではないか。
10個もまとめ買いして、だからイギリス人は太るんだ。我々はこれを半分ずつで今日の昼食だ。どこで食べようかな?
さすがにコーンウォール一の観光地。観光客も多く活気があり、明るい街だ。みやげ物屋を覘きフェアリー物、ピクシー物を
物色、ピンと来るものが乏しい。妻は蓋つき小物入れが気に入ったらしい。購入。レストランに今夜のディナーの席を予約する。
ここからはミステリーを訪ねる旅になる。再三紹介している The AA の Route Planner でも検索できない Unclassified な道を進まなければならない。 そこで Multimap の2万5千分の1の地図を50枚程 カラープリントし貼り合わせた特製マップを用意した。目的地はマーキングしてこれでパーフェクトと思っていたが、 そうは行かないのが面白いところだ。
Chysauster は写真(上中)にあるように2000年前の住居跡である。
こんなに辺鄙な所だが駐車場にはトイレが完備している。もちろん水洗でハンドドライヤーもセットされている。この駐車場で
先程のコーニッシュ・パスティーで昼食とする。まだほんのり暖かくスパイシーで体が温まる。美味しかった。もともとは
後で述べる鉱山の工夫たちの昼食として汚れた手でも食べやすいように工夫されたものらしい。
入り口に小さなオフィス兼ショップがあるが、その気になればどこからでも入れそうなところだ。駐車場には沢山車があったのに
人影は少ない。フットパスをウォーキングしているのだろう。歩くのが好きな民族だ。
登呂遺跡のような復元住居があるでもなく、この看板1枚で想像を膨らます。ここはこの辺りでは1番高い丘の上になる。
水はどこから供給していたのだろうか?気になる。
Lanyon Quoit である。この旅の巨石遺跡の中で最も期待してきたものである。このように、いくつかの石を支柱とし 天板を乗せたものを Quoit というらしい(ストーンヘンジや飛鳥の石舞台と似ている)。思っていたより小ぶりだが 感動ものだ。いったい誰が、何時、何のために、どのように…と5 W 1 H の疑問が湧いてくる。飽くことなく各方向から 眺める。この舞台に乗りたい衝動に駆られる。が、それだけは…。3本の足に支えられているが何となく不安定な雰囲気だ。 元は4本で支えられていたのかもしれない。崩れ落ちた石がそれらしき場所にある。妻がその石に成り代わった。
Men−An−Tolが見つからない。この辺りを右に入ったところだと思うのだが…。空き地に1台の車が止まって地図を
見ている。隣に停めて尋ねてみた。「私たちも迷っているの。もう少し先の駐車場から少し歩いてみたけれども見つからない。」
との返事。ウーン困った。
先に進むと駐車場に沢山の車。目印の電話ボックスもある。兎も角歩いてみよう。見当をつけて歩き出す。一緒に歩き始めた
若者は早足でもう見えない。かなり歩いて不安になった頃、向うからカップルがやって来た。尋ねてみたら
「ええ、もう少しよ」と言ったのに、見えてこない。また不安になった頃やっと見えた。何かそこだけ輝いているようだ。
20分くらい歩いたろうか、それにしてもこちらの人のもうすぐは…。
当然と言えば当然だが、写真で見てきたとおりの姿がそこにあった。ユニークでユーモラスである。ただ眺めるだけでは 飽き足らない。丸い穴をくぐってみる。石に抱きついてみる。何回くぐるとどんなご利益だのと聞いたが愉しんだだけで十分。 こんなに愉しい遺跡なのに人はいない。さっき道を探していたご夫婦はどうしたのだろう。 あの沢山の車の人達はどこに行ったのだろう。見つかって良かった。
次に目指すは Engine House 。この辺りではかつて錫が採れたらしい。その鉱山で坑道の水を汲み出すための ポンプの蒸気機関の小屋があちこちに残っているのだ。煙突が高いので良く分かる。 Lanyon Quoit や Men−An−Tolからも1つ見えていた。 St. Just の近くの Engine House がこれだ(写真下左)。 他にも2つ煙突が見えている。かなり大きなものだ。中は抜け落ちてどんな構造だったかは分からない。この地の一大産業 だったのだろう。コーニッシュ・パスティーはここから生まれたのだ。地下には坑道が残っているかもしれない。 ピクシーはこんな場所に住んでいるように思う。
Cape Cornwall 。Cape とは同じ岬でも、2つの海を分ける岬を言う。ここではケルト海とイギリス海峡。
Cape はイギリスに2ヶ所だけ。と、どこかのサイトで呼んだような気がする。1ヶ所だけとのサイトもあった。
確認できない。皆聞きかじりのどうでも良いことだが、 Land’s End より地の果ての雰囲気がするとの情報で
やってきた。ナショナルトラスト管理で良く整備されているし、遠く Land’s End も見えるが、
まあそんなものか。海は Kynance Cove 、 Porthcurno に限る。(目黒の秋刀魚か?)
道中見つけた Signpost 。 St. Ives、 Lands End 、 Cape Cornwall とこの地方の
3つの観光スポットが揃っていて楽しいかなと思ったが…如何(写真上右)。
St. Just の街並みが美しい、教会も時計塔も感じが良い(写真下左)。 P Free を見つけ散策することにした。
16時15分、下校の中学生が屯している。ゴムホースに穴が開いていて漏れる水を掛け合ったりして他愛もないことに
大笑いしている。 Hello と声をかけたら、大騒ぎだ。日本人が珍しいのだろう。
果物屋がカラフルで思わず撮影(写真下中)。(そういえば毎年撮っている)ばら売り、量り売りだ。肉屋の惣菜が美味しそうだ。
昨晩のサンセット・ディナーにこんなものをイメージしていたのだ。やはり5時前でないといけないのだ。納得。
ホテルのクリムティーの看板が魅力的だが今夜はお目当てのレストランでのディナーだ。我慢しておこう。ハンギングは
バスケットでなくビニールバッグだ。この手法は一度試したが失敗に終わった。花の選び方がポイントか?
今日最後の予定地 Can Euny を目指す。どうやら Engine House からピクシーを連れて来てしまったようだ。
どう見てもこの辺りで間違いないのだ。あの道、この道とトライした。とんでもない悪路だ。オッと車の腹を擦ったよ。
自分の車ならこんな道通らないね。( Hertz には内緒にしとこ)しつこいくらい粘った末諦めた。
早く戻ってシャワーを浴びて、お洒落してディナーに行こう。と空いた道を快適に車を飛ばす。交差点で徐行、何気なく見た
小さな看板に Can Euny ⇒ 。どうやら丘の反対側から登るようだ。行かねば。
Carn Euny は Chysauster 同様、古代人の住居跡だ。案内板の想像図も同じだった。窓の部分が残っていた。
お決まりのように、1枚(写真下中)。遺跡の隣は放牧場だ。怖いくらい大きな牛が突然顔を出し何かねだるようにこちらを
見ている(写真下右)。大きい、これがあの美味しいクロテッド・クリームの源か?お世話になります、ありがとう。
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今宵のディナーは「 Alba 」だ。
St. Ives の港に面した、素晴らしいロケーションにあり、2004年の The AA の
BEST Seafood Restaurant Awards に輝くレストランだ。今年は運が良く訪問エリアの店が
選ばれていた。もう1軒はパブ部門で受賞した The Blue Ball で最後の夜に訪ねる予定だ。
B&B を出る頃になって雨が降り出した。この旅唯一の雨らしい雨だ。 St. Ives に到着した時が一番ひどく、
しばらく車中に閉じ込められた。イギリスの雨は長くは続かない、間もなく小止みとなり無事レストランに。レストラン前の港は
雨の後なのにこんなに明るい雰囲気だ(写真下左)。昼間予約に来たときは1階席は大混雑で良い印象ではなかったが、
通された2階席は全く雰囲気が異なっている。白を基調とした室内は芸術の街に相応しく、いくつもの絵が飾られている。
テーブルクロスも小ざっぱり白で気持ちが良い。お客さんは皆、それなりにきちんとしたファッションだ。特に女性は
ドレッシーだ。かといって堅苦しさはなく、寛いだ雰囲気だ。席に座ると、早速隣の席のカップルから声が掛かった。
言葉を交わす内写真を撮ってもらったり、一緒に撮らせてもらったり。愉しい。
食前酒としてシャンパンをいただく。メニューは、牡蠣があればと期待したが残念。スターターとメイン両方では食べきれない
ように思ったので、メインのみとした。お目当てのシーフードである。私はオマール海老、妻はモンク・フィッシュ=鮟鱇にした。
素材も新鮮だし、ソースが美味しい。ワインを含めて、お互いに満足。付け合せ野菜のポテトも美味しい。
これならスターターもいけたかな、そこがままならずである。レストランでの苦労については
「イギリスはおいしい」も参照ください。
デザートを大っきいのにした。美味しかった。
レストランを出た時には表は真っ暗。イギリスのカントリーサイドで歓楽街に出会ったのは初めてだ。夜はこれから、
人で溢れている。 【T】
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