第5日 7月14日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今朝も良い天気だ。この旅も5日目、まだ雨は1滴もない。毎日暑いくらいだ。思えばこれがこの年ヨーロッパを襲った 異常気象の前触れだったのだ。 English Like な天気と言えば、雨のち曇り時々晴れ、所により霧または雹と 相場は決まっているのだが、今年は違った。結果的にこの旅では17日の午後2時間余りの集中豪雨に出会ったのみであった。 ただ、この集中豪雨が凄かった。一時は運転も憚られ、しばらくパーキングで様子を見た。小降りになって通った街の交差点は 冠水しており小型車では車の腹まで洗われそうで冷や汗物で通行した。
最初に訪れたのは Wroxham だ。ホテルの庭を流れる Bure 川の3 km 程下流の街だ。ノーフォーク地方は ブロードと呼ばれる湖沼が数多く点在し、その観光の中心をなす街だとか。元来船・水に弱い体質だ。ここでもブロードの 雰囲気のみを体感してガーデン巡りに廻る日程だった。しかし、この川の水の豊かさ・明るさを見てしまったらこのまま 帰られない(写真下)。次のクルーズの時間を確かめる。90分後だ。予定の Fairhaven Garden 往復には 少しタイトだ。悩む。 Gardens Guide によれば星2つの評価のお庭だ。この際パスと決める。と、決まれば先に Horning を訪問してしまおう。
Horning は小さな街だ。ウェヴサイトの情報通り川沿いにホテル、ティールーム、クラフトショップなどが並ぶ可愛い 街だ(写真下左2枚)。 見れば桟橋に観光船が停泊している(写真下中)。準備に余念のない女性船員に尋ねると30分後にスタートで、 1時間30分のツアーだと言う。これはニーズにぴったりだ。切符売り場を尋ねると、時間になったらここに来いと言う。 Wroxham の立派な観光案内所とだいぶ違うが、良しとしよう。しばしショップなどを冷やかした後1番に乗船。2階席の 先頭に陣取る(写真下右から2枚目)。川の流れを見ていると、岸から眺めるのとは違ったものを感じる。ザワザワしたものを 感じる。船・水に弱い証拠か?船からと見るホテルのティーガーデンも更にお洒落だ(写真下右)。出航時間になってもお客は わずか。月曜日だからこんなものかなどと話していると観光バスが1台、また1台、更に1台と到着。いずれもシニアの団体だ。 肥満体で杖をついた人が多い。イギリスでは特に女性に肥満で足の不自由な人が多いように見受けられる。 お蔭で出航は大幅に遅れた。
いよいよ出航だ。川岸のプライベー・ピアには出港準備のボートが数多く見られる(写真下左2枚)。端正な佇まいのサマー コテージはバラのアーチも見られる。今日はお留守か?(写真下中)茅葺屋根のコテージではガーデンでお茶をしている (写真下右から2枚目)。干潟には水鳥が沢山お食事中(写真下右)。
街から離れると返って豪華で手入れの良いサマ−コテージが現れた(写真下)。ただただ驚くばかりだ。羨ましいと言うより 底力を感じさせられる。ゆとりの深さだろうか。遊び方の違いだろうか。何と言うことか風車のついた家まで現れた(写真下右)。
船は川を離れブロードに進入する。両岸は葦や潅木に変わった。陸とも沼とも区別できない広大なブロード、水路が縦横に 走っているらしい。ボートを停め、小さな手漕ぎボートで探検を愉しむ人もいるのだそうだ。盛んに大小のボートと擦れ違う (写真下)。皆にこやかに手を振って挨拶だ。中にはこんなお行儀の人も居る(写真下右)。
船は更に進む。出発前感じたザワワ感は更に募る。胸が締め付けられるように痛い。自然の神秘への畏れだろう。
少し広い空間に出た。湖なのだろう。ヨットの姿が多くなり(写真下)、岸には観光施設らしいものも見える。ここまでが
ハイライト。帰りはショートカットの水路があるようだ。緊張と言うより緊迫感でのどが渇いた。1階のバーでハーフパイントの
ビールをいただく。喉に染み渡る美味さだ。
思い出に残るであろうツアーだった。予定変更して良かった。
Felbrigg 村。ノーフォークの北のはずれの小さな街にも立派なホールとガーデンがあるのだ。この国の底力を思う。 日本での情報は皆無だがナショナル・トラスト管理であり訪問予定に組み込んだ。 Horming から30 km 余り、 強烈な日差しを受けて田園地帯を快適なドライブの末、道路わきにタウンポスト発見(写真右)。木製の無骨なものだが 雰囲気がある。人影もなく静かな村だ。
メンバーシップ・カードを提示し入場。さすがにナショナル・トラストだ。規模はさほど大きく感じないがないが、手入れの
行き届いたガーデンだ。この清潔感・爽やかさは私の好みだ。
お館はチャペルも備えた立派なものだが、例によってパス(写真下右)。ガーデンはキッチンガーデン、果樹園、オランジェリー
など生活に密着した雰囲気がある。
Walled Garden がまた素晴らしい。レンガの壁に様々な植物が見事に配され変化に富んだ情景を生む。
芝も綺麗に刈り揃えられ、エッジも気持ち良く切ってある(写真下右から2枚目)。柘植の柵も2段になっており見事に
刈り込んである。これが好きだ。ナショナル・トラストのガーデナーの技だ。
ハーブガーデン、シュラブガーデンと展開する。空には雲ひとつない快晴。暑い。緯度は日本最北端稚内よりずっと高いは ずなのだが。恵まれたとすべきなのだが、用意した洋服では合わなくなった。明日あたり Norwich の街に出て 買い物をしなくては。
Well Next The Sea という変わった名前の街にやってきた。北海に面した漁港・シーサイドリゾートである。
防波堤沿いにずらりと車が並んでいる。隙間を見つけて駐車。潮のにおいに誘われるが海水は見えない。この辺りは干潮時には
何キロメートルも先まで潮が引くのだそうだ。
シーフードを求めて街並みを散策する。 TIC ツーリスト・インフォー
メイション・センターのハンギングバスケットが素晴らしい(写真下左)。 TIC は青色の i の標識で示されかなり小さな
街にも設置されている。旅行者の強い味方として様々な旅行記で紹介されている。しかし、私にはそうでもない。万全の準備を
整えて旅行するからだ。なんとなく散策していると出会うが、いざ探すとなかなか見つからない。もちろん会話も資料も英語。
昨年一部の宿泊を現地調達で計画を組んだが、思うように見つからず時間のロスをした。今のところはインターネットを駆使して
情報を集め事前準備が無難だ。
思うような店に出会えず、海沿いの通りに周る。するとありました。 SHELLFISH と記した屋台が(写真下中)。
早速 Local Crab のハーフと Shrimp 1カップを求めて防波堤に登り賞味。Local Crab は味噌も
たっぷりあり、香り良くボリュウム満点。 Shrimp は甘くプリプリしている。白ワインが欲しい。 Local Crab の
見本が置いてあったがどうも作り物のようだ。動かない(写真下右)。
思わぬところでタウンポスト発見(写真右)。道路沿いの小さな広場にあった。鋼鉄製でガッチリしたものだ。 海の町らしいデザインだ。
海岸沿いに西に進むとこれまた奇妙な名前の村を通る。 Cley Next The Sea だ。この村には18世紀の風車小屋が 残っており、今は B&B として使われている (写真左)。その向うは直ぐ海だ。翌日 Norwich のギャラリーでこの風車小屋を描いた水彩画に出会い迷わず購入した。
Holkham Hall 。想像を絶する巨大なお屋敷と
お館なのだ。その様をお伝えする言葉が見つからないのでウェヴサイトから写真を拝借した。真ん中の写真だ。これでも
ほんの一部のようだ。 The Park and Lake にジャンプしてみると少し分かっていただけるかもしれない。
この写真を元に説明しよう。
写真右上の森の先の A 149の入り口からお館まで1 km ほど。その間に沢山の鹿の群れに出会う(写真上左)。
パーキングは建物の裏側になる。入り口はこちらから。お館の全景を撮るために鹿の糞がいっぱいの芝生の中を
バックしなければならない(写真上左から2枚目)。
展示物は係員が丁寧に説明してくれるが、興味もヒアリング力もない。絵画や彫刻を横目に駆け足で巡る。部屋は広く、
天井は高いので石の建物は涼しい、外の暑さが嘘のようだ。窓からノットガーデンを見下ろせた(写真上中)。
食いしん坊だけにダイニングとキッチンでは足が止まる。素晴らしい調度のダイニング。あのお皿はマイセンか?
キッチンのロースト機はローストするその熱が動力となり肉が自動回転する仕組みだ(写真上右)。感動。
お館の外に出る。大きな池にモニュメントがある(写真下左)。この時間は噴水は止まっているようだ。その先の広大な芝の
広場には何かイベントでも催されるのかいくつもテントが張られていた。庭と言っても私の概念とはかけ離れている。
ノットガーデンを挟んでお館を望む(写真下左から2枚目)。斜めからのアングルで更に大きさが分かってもらえるだろう。
お館の右側に神殿風の建物が何であったか思い出せないのだ(写真下中)。オランジェリーであったと思うのだが写真がないので
私好みの草花のガーデンではなかったようだ。
昨日の Shrubland Park を上回るスケールに圧倒されて帰路に就く。イギリスに来て牛・羊・ウサギ・リスは
珍しくなくなったが鹿はやっぱり珍しい。もう一度車を停めて観察。これだけいれば鹿狩りも楽だろう。
Sheringham Park と港町 Cromer を予定していたが今日は十二分に愉しんだ。明るく開放的な空気の中
ドライブを楽しみホテル帰着。部屋ではノーフォーク・ミードのロゴの入ったセーターを着たテディ・ベアが出迎えてくれる。
このテディ・ベアは日本へ連れて帰ろう。
今宵は結婚記念日のディナーである旨伝えておいた。プールサイドでの食前酒が済んで通された席は1番奥の窓際の席だった。
白いテーブルクロスの上には小さなトランプのマークの金銀のチップスがちりばめられてあった。さり気ないサービスである。
ありがたい。34回目の Wedding Anniversary に乾杯。余りに目立つ席で写真を撮るのは憚られた。 【T】
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