第10日 7月19日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
とうとう最後の朝を迎えた。パッキングにおおわらわだ。かなりのものを処分したが、スーツケースは体重を掛けないと
閉まらない。クリスタルのグラスとシングル・モルトはショルダーバッグで機内持ち込み。タンブラーが入らない。こんな時の
味方がデイパッグだ。これが結構詰め込めて重宝する。ナイフなどカトラリーは免税手続き後、スーツケースへ入れないと
セキュリティーを通過できない。なかなか面倒だ。
それにつけてもホステスのキムは親切だ。自動車レースの観戦客との誤解を解くのには苦労したが、旅の行程を話し、ここが
この旅の最後の宿泊先と分かると、何くれとなく気を遣ってくれた。パッキングしていると朝食前に紅茶を用意してくれた。
メールの返信が必要なら2階のコンピューターを使いなさいと声を掛けてくれる。お言葉に甘えて2階に上がると大きな事務室に
コンピューターが4、5台置いてある。ジョンの仕事用のようだ。デスクが高いから椅子もスタンドバーの止まり木ほどに高い。
小柄な妻は足宙ぶらりんでキーボードを打った。
ダイニングもリビングも豪華ではないが清潔で綺麗に飾られている。客室もそうだが壁に架かった額の数には驚く。庭も 「 Bed & Breakfast for Garden Lovers 」 に登録されているだけあって、良く整備された庭だ。大きなシンボル・ツリーが印象的だ。キムは庭造りのコンセプトなどを 妻に延々話しながら一回り案内してくれた。出発時刻は大幅に遅れたが楽しい時間を過ごせた。
「 Castle Ashby 」に向かう途中、
ぺトロール・ステーションに寄った。珍しいことにセルフでなくおじいさんが出てきて給油してくれた。チップをどうしようか
迷っている内に終わってしまった。難しい。例によって大きなお屋敷なので入り口が分かり辛い。お館は見えていても
” private ”で入れないゲイトがあった。回り道をしてようやく到着。
大きなお館だ。正にお城だ。しかし、パーキングらしき場所に車はいない。広大な敷地の中に人影も見えない。お館の前庭から
堀を隔てて先程のゲイトまで小型機なら下りられそうな広く長い緑地が広がっている。その一角にヘリポートが準備され
いかつい制服を着た警官かガードマンが数名屯しているのみだ。” Garden ”の矢印に従って入り口に来たが誰もいない。
大きな声を掛け入ってみるが返事はない。落ち着かない気持ちで、そのまま一回りしてしまった。ここも管理が素晴らしい庭だ。
大きなコンテナがあったり、温室も石造りの立派なものだ(写真右)。ハーブ・ガーデンは芳香にむせ返るようだ(写真下右)。
この広いガーデンで出会ったのは3人グループ1組だけだった。出口でもう1度声を掛けたが応答なし。只見してしまった。
さて、お館の入り口に戻ったがどうしたものか。お館の前に車も見えるし、その右手奥に美しいテラス・ガーデンも見える
(写真下左)。思い切って入ってみた。お館に中からは何やら物音はするが人は出てこない。テラス・ガーデンが凄い(写真下中)。
フォーマル・ガーデンだ。シンメトリーに見事な植え込みだ。大きな噴水や、コンテナらしきものが見えるが、さすがにここから
先に踏み込むのは躊躇われる。今日は大事なお客様でもあるのかもしれない。落ち着かなかったけれども充分愉しませて
いただきました。
「 Coton Manor 」は Gardn Guide の 評価は余り高くない(星二つ)のでパスしようとしたら、妻の大抗議にあった。何かの情報で楽しみにしてきたガーデンだと言う。 と言うわけで来てみたが、これが大当たり、素晴らしいガーデンだ。レストランやティールームのある一角は人でごった返して いて良い印象ではなかったが、ガーデンに入ると雰囲気が変わった。先ずテラスが現れる。大きなテラコッタ沢山置いてある。 植え込まれた植物は、多肉植物やアガパンサス(写真下左)、からペチュニアなどの草花まで(写真下左から2枚目)多彩だ。
テラスからは素晴らしい2段ボーダーが見える。順路は違うが足が向いてしまった(写真上左から3、4枚目・下左から 2枚目・下左)。ウェヴサイトによれば Holly Hedge border となっている。ヒイラギの生垣に囲まれ、 デルフィニュウムやカンパニュラ、クレマチスなどが淡いパステルカラーで統一され見る目に優しい。順路に戻るとローズ・ ガーデンだ。バラはピークを過ぎたようだが、沢山のコンテナがあり参考になる(写真上右・下左)。巨大なランブラー・ローズ も目を見張るばかりだ(写真下中)。
ウォーター・ガーデンを過ぎると Mediterranean Bank だ(写真下左3枚)。この夏の気候はこのガーデンには ピッタリだろう。銀葉が眩しいほど光っていた。香りも気持ちを和めてくれる。その先には果樹園が広がっている (写真下右肩2枚目)。
続いて現れたのが Midsummer border だ(写真上右・下左から2枚目)。ここも今が盛りと咲き誇り
輝いている。もしも広い庭があったならこんなボーダーを作ってみたい。更に進むとこんなにビビッドなカラーの
ボーデーもあった(写真下中)。もう一度、二段ボーダーとローズ・ガーデンを愉しみ、レセプションの快活な可愛い
女の子に別れを告げ後にした。
思いがけず良い庭だった。妻は自ら仕入れた数少ない情報が中って鼻高々である。魔女の鼻のようにピクピクしている。怖!。
Canons Ashby House に来た。久々にナショナルトラストの会員カードが役立つ。パーキングからハウスの間に 家畜小屋があった。角が4本もある珍しい牛がいた(写真下左から2枚目)。羊さんお客さんにお尻を向けちゃあ失礼だよ (写真下中)。道中何があるか分からない。ゆとりを持って Heathrow に着きたい。ここは屋内を完全パスして ガーデンに回る。壁に囲まれたせい形式庭園だが見るべき花は見当たらない。羊飼いの少年の像と記念撮影し空港に向かう。
順調に Heathrow の Hartz に到着。車の返却は実に簡単だ。無事9日間のドライブを終了できた。感謝。
思い返してみればここを出発以来、九日間日本人に一度も逢っていない。交通手段などから観光地としてはマイナーになるの
だろうか。送迎バスで空港へ、ここで初めての免税手続きがある。 Hathersage で求めたカトラリーと書類を持って
列に並ぶ。凄い行列だ。日本人と韓国人が多い。一人で書類を10枚以上持っている人がいる。その分現物を持っている訳
だから混雑は増すばかりだ。書類の不備が多いようで係員が注意を促し相談に乗ってくれているにも拘らず窓口で指摘され時間を
ロスさせる輩が多い。こんな時間を過ごす位なら今後は免税手続きはやめよう(そんなに大きな買い物をすることも
無いだろうから)。
さて、セキュリティー・チェックで事件発生。X線検査装置を通った手荷物を開けろと言う。ショルダーもデイパッグも
開けた。中味も説明した。再度、再々度チェックされて No! だ。ショルダーバッグに入れたクリスタル・グラスの箱を開けろ
と言う。言われる通り開けた。係官が見つけたのはマドラーだ。ようやく OK は出たが、この広げた荷物はどうしてくれるの。
旅の最後のお楽しみはシーフード・バーだ。昨年ここを見つけ、今年も必ずと決めてきた。生牡蠣(セル6個)とシュリンプで
ワインは白のボトル。隣の客のスモークト・サーモンが美味しそうで追加。カウンターの中でキビキビ働く女の子が
可愛かったので、残っていた日本土産のキーホルダーをあげたら、サービスのチョコレートを山ほどカウンターに積んで寄越した。
美味しい料理にグラスもすすむ、グラス・ワイン追加。来年はコーンウォールか?ウェールズか?。また、1年がんばろう。
【T】
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