第2日 7月11日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
爽やかな朝だ。泥のように眠って時差ぼけもない。それにイギリスらしからぬお天気だ。ここは1泊だけ。荷物も整え
階下に降りる。朝飯前の散策だ。何と建物の裏にプールがあった。水が涼しげに輝いている。隣家の石塀の上にはバラが
植え込まれ朝日に映えている。
お待ち兼ねの朝食だ。1年ぶりのフル・イングリッシュ・ブレックファストである。フル・イングリッシュ・ブレックファスト
については 「イギリスはおいしい」を参照いただくとして、懐かしい。
ソーセージの歯応えの無さが、焼いたトマトとマッシュルームが、カリカリトーストとマーマレードが懐かしい。家でも
休日などにフル・イングリッシュ・ブレックファストと称して作ってみるのだが全く別物だ。そしてミルクティーが
やっぱり違う。水の違いだと言われるがそれだけだろうか?
今日の予定を聞かれる。 Garden of The Rose を訪れた後、イースト・アングリアへ向かう、と応えたら、
この町も素晴らしいから遊んで行けと言う。特にローマ人遺跡が良いと地図を描いてくれた。こちらの人の地図は少し違う。
日本人なら方位・距離感・目標物を記し、三叉路や五叉路の角度も正確に記すが、こちらでは全ての道路に名前が
付いているから、その名前を基準に説明する。例えば「 A ○○○○を△△△の街で右折し B ○○○△に入り、○△●の街で
左折した□○△▲Streetに面している」と線をつないで説明するが、曲がる角度や線の長さが実距離と一致しないのだ。
おまけにカントリーサイドではまともな十字路など無いのだから、何度か曲がる内に日本人の感覚では方角が狂ってしまうのだ。
こんなところも文化の違いだ。
折角のお勧めであるので寄ってみることにした。しかし、時間が早すぎたため開いていない。通り過ぎてきた街並みが綺麗だった ので散策した。民家も商店も一様に花で飾られている。ハンギングもコンテナも大きくて立派だ。高いところでも水遣りの 装置がしっかり施されている。この装置は人出の無い内に作動されるのだが、時には人が居ようとお構いなしにシャワーを 見舞ってくれることがある。家の壁や柱はペンキが何度も塗り重ねられた後が見える。古いものを大切にする文化だ。 川が流れていて白鳥の親子が泳いでいた。雛が孵って間もないのか親鳥が盛んに威嚇してきた。しばらく楽しんで戻ってみたが まだ開いていない。到着した時から居た人たちも開場時間が分からないらしい。両手を広げ、お手上げポーズだ。 残念だがここはパスしよう。
The Garden of The Rose が今年の旅の最初のガーデンだ。ここは Royal National Rose Society という由緒ある協会の本部があるガーデンだ。会場時間のはずだが受付には誰もいない。カップルが1組 待っていた。こちらの人は大きな声で係員を呼んだりうろうろ探し回るといったことは決してしない。悠然と待つのだ。 我が身を反省。程なく係員が現れ入場。入って直ぐが Prince Mary Walk だ(写真下左と右)。この通りの 左右にバラ園が広がっている。盛りは少し過ぎたようだが、充分楽しめる。1,800種3万本のバラがあるとか。 様々な仕立て方がある。ポールに渡した両側の綱に蔓バラを這わせて Walk を彩る工夫(写真下左から2枚目)。池の周りの ランブラーが水に映っり、後ろにパーゴラを配した絶好の場所に白いベンチ。心憎い演出だ(写真下右から2枚目)。
クレマチスもそこかしこに咲き乱れている(写真上中と下左)。花も大きくバラに負けない華やかさがあって好きな花の一つだ。 我が家の庭にも何本かあるが、花の大きさが全く違う。どこを取っても絵になる光景だ。その名に恥じない、バラの庭だ。 長く続いているパーゴラの下をゆったりとした気持ちで散策する。贅沢な時間だ。
Hatfield House は今年の旅行の目玉の一つである。エリザベス一世が幼少時代を過ごしたという由緒ある
貴族の館だ。館もさることながらガーデンが素晴らしいとの情報だ。特に East Garden は金曜日のみオープン
とのこと。日程とぴったり合致した。 East Garden が呼んでいる。
ところが、突然ですが非常に悲しいお知らせが…。そうなのです、現侯爵 Robert 6th が、何と今朝お亡くなりに
なったのだ。門からお館までは1 km もあるので様子は知れないが、ゲートは守衛がガードしていてしめやかな雰囲気だ。
選りに選ってこのような日に…。何か因縁を感じ、黙祷を捧げ、再訪を誓う。
道路を隔て向かいが鉄道の駅だ。ロンドンからのアクセスが良く人気のある House だから、我々と同じように訪れて、
案内板を見て驚いている人達が後を絶たない。 House 正門横のパブはこんな時ではあるが花で飾られていた。
さて、となれば時間が余る。ここへの道中見かけて心動いた Nursery まで戻ろう。こんな時のためにも情報は
多いに越したことはない。訪問予定以外のエリア情報もインプットしておくと良い。また、沿道の看板・案内板にも興味を
持って見て置くと役立つことがある。沿道の看板・案内板については
「ドライブ=交通標識・風景」も参照ください。
「 Aylett Nurseries 」は凄い。
規模が違う。プランツの種類が豊富だ。フクシアが、バラが、クレマチスが、びっくりするほど多品種並んでいる。
持って帰れる訳もないのに、これが良い、いやこっちも良いと見て回る。他にも見たこともない珍しいプランツが一杯だ。
東京で最も大きい園芸店と思っている二子玉川の第一園芸(我々は春と秋に自宅から自転車で片道2時間かけてプランツ仕入れに
通う)の10倍くらいありそうだ。園芸用品やオブジェなども目移りするほどだ。天使のオブジェなどをゲット。
しっかり梱包してもらう。
Audley End House は English Heritage というナショナル・トラストと並ぶ保護団体の管理で
立派なお屋敷でロンドンに近い割りに日本では情報が少ないお屋敷だ。この地区が穴場ということだろう。事実この旅行で
まる9日間日本人に一人も出会わなかったのだ。
お館(ジャコビアン様式というらしい)の裏側が広大な庭園、表側が緑の芝の広場という構成だ。庭園は実に良く管理され、
植え込まれた花々が輝いていた。サルビアもアゲラータムも大きく育っている。日本のものとは品種が違うのだろうかと
疑うほど大きい。名前の分からない花のほうが多いくらい種類も豊富だ。敷地も広大でずーっと遠くにドーム様のテンプルが
建っている。訪問客も多いのだろうが(パーキングの車の数は多い)撮った写真にも余り人が写っていない。
それだけ広いということだ。
表側に回ると広大な芝生の前庭が広がり、その先に広い池があり、更にその先に緑の芝生の広場が広がる。そこにキッチン
ガーデンがあるようだが歩くには遠すぎると車で移動した。その広場ではかの有名なクリケットの試合が行われていた(写真下左)。
白いユニホームのむつけき男共が夢中でプレーしている。ピッチャーらしき人が走って勢いをつけながら投げた球をバッターが
木の板のようなバットではじき返すゲームのようだが、しばらく見ていたくらいではルールは分からない。広場の外れの木の
下ではテーブルや椅子を出して、のんびり寛いでいた。国際試合では4、5日かけて決着が付くのだそうだ。短縮したルールでも
7時間程掛かるらしい。試合の最中にランチタイムもティータイムも設けられるらしい。そういえばテーブルの上にはティー
カップやワイングラスが出ていた。
池だと思っていたのは川のようだ Cambridge に注ぐ Cam 川の上流になるらしい。白鳥、黒鳥、鴨など沢山の
水鳥が泳いでいる。川越しに見るこの景色には眩暈がしそうだ(写真下中)。キッチンガーデンは有機栽培がなされており、
不揃いではあるが美味しそうな野菜が育っていた。温室前のラヴェンダーが満開だ。
Saffron Walden の街だ。なんとカラフルで可愛い家並みだ(写真下左・中)。しかもかなりの年代ものだ。 おもちゃの様でさえある。壁はパステルカラーでそれぞれだが、窓枠は一様に白だ。しかしドアーはまたそれぞれ個性的に 塗り分けられている。何度も塗り重ねられた後が見て取れる。この街中ではフロントヤードは見られないが、 きっとバックヤードは充実していることだろう。見てみたいものだ。
飽きることもしらず歩き回る。民家の合間から教会の尖塔が臨める(写真下左)。今日はパブランチにする。 Eight Bell だ(写真下中・右)。金に輝くベルが8つ、分かりやすい看板だ。築600年を超える建物だ。内部は梁がむき出しになっていて、 往時の技術の確かさを偲ばせる。メニューはサンドウィッチとオープンサンドそしてエールビールだ。ボリューム満点、満腹だ。 食後も散策、こちらも Eight Bell 並みの年代を誇るホテル The Cross Keys Hotel だ(写真上右)。
この辺りの街・村は5〜10 km 、車で10分足らずの間隔で現れる。そのどれもが絵になる街並みなのだ。 Thaxted の村の見ものはギルド・ホールだ(写真下中)。村の中心に建っており、上階ほど迫り出した奇妙な建物だ。 ギルド・ホールの脇を通り過ぎ教会の方に登っていくと、直ぐに麦畑だ。麦畑の中に大きな風車が立っていた(写真下左)。
次に現れた村は Finchingfield だ(写真右)。ウェブページで知って是非訪れたいと憧れた村だ。期待通りと 言うか、余りにも情報の写真のとおり、絵のような光景だ。その絵が動いている。不思議な錯覚を覚える。言ってみれば 何の変哲もない光景だ。手前を小川が流れ、その向うに緑の丘が広がり、道が緩やかに弧を描き、白壁にレンガ色の屋根の家が 個性的にしかし、調和良く建っている。そして奥には教会が聳え緑も豊かだ。絵を見ているようであり、心地よい音楽が聞こえて くるような思いもする。この旅で最も印象に残った光景だ。この光景の中に入りたくなって、教会の先までドライブをした。 間近で見ても美しく芳香さえ感じられた。住んでみたい村だ。
次の村は Little Bardfield だ。何もない村、そこが魅力なのだ。道路わきにタウン・ポストがポツンと
立っていた(写真下左)。この旅ではこの Town Post も1つのテーマとしたい。タウン・ポスト脇の公衆電話から
B&B へ少々遅れての到着を連絡。
もう1つ Great Saling を予定していた。この村には水曜日しかオープンしないガーデンがある。今回は日程が
合わないがそんなガーデンのある村の雰囲気を感じたくて組み込んだ。しかし、もう1度 Finchingfield を
訪れたくて予定変更。やっぱり凄い。ウェブページでは夕焼けの光景が最高とあった。いつかこの村に泊まりあのパブの
屋外のテーブルでワインを愉しみながらその光景を見たい。写真の手前の道路の左側にパブがあり、多くの人が外に出て
グラス片手に談笑していた。 Finchingfield は都合3度訪れたのに写真はこの1枚しか撮っていない。
唯々この景色に見入っていたのだ。
今日のドライブも無事に終了。 Embleton Houseは 直ぐ見つかった。ホスト Edward の手厚い持て成しだ。 部屋の掃除も行き届き清潔だ。手入れされた美しいガーデンのテーブルで Welcom Tea のサービスと軽い会話を愉しむ。 ディナーの店にも電話予約をしてもらった。 The Bull Inn だ(写真上右)。メニューを読むのに悪戦苦闘しつつ、 オーダーを済ませ。ビールで乾杯。徒歩では帰りは少し辛かった。 【T】
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