2003の旅 イースト・アングリア ピーク・ディストリクト その9

花花

第8日 7月17日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程  Holmesfield --- Castleton --- Hathersage --- Chatsworth --- Bakewel --- Sheffield --- Holmesfield

Rider View Point

Peak District と言う語感は日本人からすればかなりの山間を思い浮かべる。しかし、昨日までのところでは 高原地帯程度にしか見えない。今日は唯一山間らしきところを訪れる。楽しみにしてきた場所だ。それだけにお天気に 恵まれたいと念じてきた日だ。皮肉なことにあんなに晴天続きだったのに今日は少し曇り空だ。
最初の訪問地は Castleton だ。 B&B からは20 km 、飛ばせば20分の 近さだが寄り道は多い。 Hathersage の手前に View Point がある。やや湿気を含んだ冷涼な空気の中雄大な光景が広がる(写真左)。 A 6187 を並んで進む白馬を見つけ、写真撮影を請う。母親と息子のようだ。息子が盛んに照れていたが許可してくれた (写真右)。

「 Castleton 」は A 6187 の 終点の小さな村だ。村の外れのパーキングに入れ、先ずは 「 Peveril Castle 」、 English Heritage 管理の古城だ。10時オープンまで村を散策。2組目の入場となった。城は小高い丘の 上にあり、かなり急な坂道を登る。羊はこの急斜面で朝食中だ。係員が順路の羊の落し物を掃除してくれる。1組目のカップルも 係員も追い抜いて、一番乗りを達成。
建物は極一部分を残すのみだ。しかも傾いている(写真下左・中)。寂寥感を感じる。廃城ながら中に入られる。石のアーチ窓 からの眺めは表現が難しい。

Castleton Castleton Castleton

頂上から見下ろす村は戸数が数えられそうな位こじんまりしている。その先ははるか先まで人工物は見えない。広大な国立公園 なのだ。エバー・グリーンが美しい。目に優しい眺望だ(写真下)。

Castleton Castleton Castleton Castleton Castleton

反対側を見下ろすと Dale と呼ばれる深い谷だ。こんなところにもフットパスが通っていて大勢の人がリュックを背負って 歩いている姿が見える(写真下左)。ここのお土産と言えば世界でもこの地でしか採れない希石 「 Blue John 」のアクセサリーだ。 ジュエリー・ショップ兼みやげ物店が2軒ほどあった。店先の花の綺麗なほうに入って1点購入(写真下中)。 こうして見るとさほどに見えないが、なかなっきつい登りだった(写真下右)。
この村には洞窟が数箇所あり見学できるようだ。エレベーターで降りる地底湖もあるらしいが他に興味深いところは多い、 パスしよう。

Castleton Castleton Castleton

快調に山を下る。途中 Hope という村は小さすぎてあっという間に通り過ぎた。 Hathersage 村はメイン ストリートらしき部分もあった。パーキングOKの路肩に駐車し散策。ここの教会には昨日の主人公ロビン・フッドの相方 リトル・ジョンの墓があるとかで、パブの名前も The Little John だ。看板も2人のエピソードが描かれていた (写真下左)。果物屋の店先のカラフルさにはいつもシャッターを押してしまう。青林檎2個だけ購入。店先の切花もカラフルだ (写真下中)。
「 Hathersage 」で検索して いて「 David Mellor 」 を見つけた。 栄誉ある賞を受賞した食器のデザイナーでその工房・ショップがこの村にあるらしい。ピーク・ディストリクト最大の 都市 Sheffield は古くから Cutlery で栄えた街との情報はあった。昨年訪れたお洒落な街 Royal Tunbridgr Wells のアンティーク屋で衝動買いしたナイフ・フォークセットは安かろう悪かろうで気に 入っていない。 Sheffield で良いものが見つかればと思っていたところだった。これは寄らねば。と言う訳で この丸い建物 The round Building が工房でその奥にショップがあった(写真下右)。何はともあれ テーブルナイフ・フォークのショーウインドウで2、3当たりを付け店員を呼び、手に取って見せてもらう。丸みを帯びた デザインで握りの部分がユニークでバランスの良いものに決定。 City と言うデザインだ。スプーンも含め各半ダース。 これはお値段も張ったがすっかり気に入って使っている。他にもデザインの素敵なキッチン用品がズラリと並んでいる。 2人とも料理が好きだから買い物籠はいっぱい。キッチン用品って重いし割れ物も多いことは忘れてた。 Shopping もご覧ください。

Hathersage The Little John Hathersage 果物屋 Hathersage David Mellor

「Chatsworth 」に来た。 イギリスでも最大級の House & Garden だ。今まで持ってくれた空からとうとう降り出した。ようやく English−like になってきた。パーキングからして広大だ。停めた場所をしっかり記憶。
Garden Only の入り口は House とは別だ。ゲイトの鉄柵がベルサイユのようだ。圧倒される。 入場。縦横に通路がありそれぞれ両脇は趣向の違うボーダー・ガーデンとなっている。赤と黄色のボーダー(写真下中)、 白さが清々しいホワイト・ボーダー(写真下右)など。トピアリーも整然としている。オランジェリーも広大だ(写真下左)。

Chatsworth Chatsworth Chatsworth

お館も荘厳だ。緑の木々と花で飾られている。ラベンダーのロング・ボーダーは香りに包まれている(写真下左)。ここから先は プライベート・ガーデンで入られない(写真下中)。ここにはデヴォンシャー公爵ご一家がお住まいなのだ。何とも優雅なことだ。

Chatsworth Chatsworth Chatsworth

写真上左のラベンダーの先の木のトンネルの真ん中にかすかに見えるものが、写真下右の巨大コンテナだ。その先にまた木の トンネルだ。その終点まで歩いた。柵の先は見渡す限りの草原だった。広さを体感した。巨大コンテナの右方向に池があり 噴水( The Emperor fountain )がこれでもかと高く吹き上げている(写真下左)。水の重力で 298フィート、90メートルも上がるらしい。小さな草花も心を和らげてくれる。

Chatsworth Chatsworth Chatsworth Chatsworth Chatsworth

ラベンダーのロング・ボーダーの途中左手に有名な滝 Cascade が見える。緩やかな坂道をかなり登ると水音も高く 水が流れ降りてくる。滝と言うより水の階段だ(写真下左)。かなりの水量だ。子供たちが水に入って遊んでいる。源は このゲートの下から溢れ出てくる(写真下右)。噴水同様丘の上の貯水池から暗渠を通じて流れてくるのだろう。300年も 前に完成したとは思われない。壮大だ。ピーク・ディストリクトの豊かな水にまつわる場所はこの後も何ヶ所か訪れることとなる。

Chatsworth Chatsworth Chatsworth

Chatsworth Chatsworth Chatsworth Chatsworth Chatsworth

Chatsworth のウェヴサイトによれば105エーカーと言うから13万坪のガーデンに8キロメートルに及ぶ 散策路がある Magical Landscape と謳っている。
ロック・ガーデンは常識を超えている。正に岩の庭だ(写真上左2枚・下左)。巨大な岩が積み上げられている。地震のある 日本では危険すぎる。 Formal Hedge と呼ばれる生垣は草花との組み合わせも楽しい。暖炉に椅子とテーブルなど テーマがあるようだ(写真上右から2、3枚目)。晴れていればゆっくり観賞したいところだ。色々発見もあるだろう。
池の周りのトピアリーなど思わず微笑みたくなる長閑さだ(写真下中)。これはキッチン・ガーデンだったろうか、この多彩な 色の点在はモネの絵のようだ(写真下右)。その一角に公爵夫人所有の世界第2位の大きさのダイアモンドを模したモニュメント があった(写真上右)。雨も強くなってきた。この辺で断念しよう。

Chatsworth Chatsworth Chatsworth

次も楽しみにしていた Haddon Hall だが、パーキングへ入ったとたん土砂降りの雨となった。しばらく様子を見るが 動きが取れないほどの降り方だ。これではガーデン見学は無理と判断。明日の予定の Sheffield のモールでの ショッピングに変更することにした。その前に少しお腹が空いてきた。 Bakewell Puding にしよう。 と言うことで「 Bakewel 」に向かう。 雨は小降りになったが途中の交差点は冠水しており渋滞だ。先に行った同クラスの車が通られたことを頼りに冷や汗物て 突破した。
Bakewell Puding に関し元祖を名乗る店はいくつかあるらしいが、何と言ってもここ 「 Rutland Arm Hotel 」 だ(写真下左)。街の真ん中、ランダバウトに沿って建っている。ジェーン・オースティンが高慢と偏見を著した 部屋があるという由緒あるホテルだ。午後2時過ぎフロントには人影もない。おそるおそる訊ねると Welcome ラウンジ でもロビーでもお好きな席へと両方見せてくれる。ロビーの上席に陣取り待つこと15分。暖かなプディングと紅茶にビスケット も付いてきた(写真下中)。写真撮影をお願いし(写真下右)、早速いただく。うまい!程良く甘くクリーミーでとろけそうだ。 満足。
この街ではもう一つ目的がある。ウェヴサイトでこの地方に駐在の方がこの街のシングル・モルト専門店に買い物に行くと 出ていた。それだけの情報しかないがシングル・モルトと聞いては見逃せない。ホテルのボーイに尋ねるとバーテンダーを 呼んでくれた。心強い。少し迷ったが極近くのマーケット内に小さな店が見つかった。しかし、品揃えは豊富なようだ。 お薦めはどれだと聞くと例の両手を挙げるポーズ、そりゃあそうだピンからキリまであるのだから。そこで15年から 20年物でスモーキーなものを2種類欲しいと(いつもの通り身振り手振りとわずかな単語で)伝えると、大きくうなずき、 手を打って薦めてくれた2本をゲット。免税ではないが納得の価格だ。満足。

Bakewell Rutland Arm Hotel Bakewell Pudding Bakewell Rutland Arm Hotel

ランドマーク

さて、自分の買い物ばかりではお隣の人が許さない。 「 Sheffield 」に英国最大のモール 「 Meadowhall Shopping Centre 」が あるとの情報だ。予定外の行程だが M1 のジャンクション34の近くと言うことで何とか到着。驚いた。 12,000台収容の大パーキング、270店が入居、平日なら午後10時までオープンなのだ。 広すぎる、店が多すぎる、で返って的が絞りにくいがスーパーマーケットの Marks and Spencer もあって、 予定の買い物が全て揃った。途中で一旦荷物を車に置きに行く始末だ。お土産探しも楽しいのだがニーズに合わないと ストレスに変わる。これで開放された。
夕食は今日もピーコックにした。3日連続で日本人が通えばカウンターの中のお兄さんもウエートレスのお姉さんも ビックリした顔の後、笑顔で迎えてくれた。ピーク・ディストリクト最後の夜に飲みなれたエールビールで乾杯。ワインも 開けてゆっくり愉しむ。メニューの勉強をしたいから持って帰って良いか訊ねると、奥から新品を出してきてくれた。
満腹で店を出ると目の前のランダバウトの真ん中のモニュメントが目に入る。ひょっとするとあれは…。ドキドキしながら 道を渡り深い牧草を掻き分け近寄ると、やっぱりそうだ!ピーク・ディストリクトのランドマークだ。こんなに近くに あったのか。思ったより小さなものだ。見つけてよかった。思い出となるだろう。  【T】

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