第7日 6月27日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Etchingham --- Hever Castle --- Standen Garden --- Wakehurst Place Garden ---
Borde Hill Garden --- Brighton(Royal Pavilion) --- The Long Man --- Etchingham
今日の走行距離 216km
King John's Lodge
静かなB&Bだ。空模様は生憎ミストだが、大降りにはならないだろう。
ミストを浴びながらガーデンを一回りして朝食のテーブルに着く。今日は若い女性一人客と同席だ。
友達の結婚式に参列のため昨夜Somersetから入ったと言う。友達が取ってくれたB&Bだが素敵だと喜んでいる。
我々も一昨日までYeovilの近くに滞在していたと話すと、もっとずっと北の方から来たとのことだ。
彼女が部屋に帰ると入れ違いに、二組の夫婦が入ってくる。奥さん同士が友達でここで落ち合ったらしい。
一組はWiltshireから、もう一組はScotlandから遣ってきたと言う。賑やかなお喋りに付き合っていたら出発が遅れる。程々で失礼。
折角美しい庭のあるB&Bだ。歴史ある部屋も良いが、Garden Viewの部屋が空いていないか、Richardに訊ねてみる。
空いているというので、見せてもらう。3階の小さな窓の部屋で、窓から覘かないとガーデンは見えない。
部屋も狭くベッドも小さいので、14世紀の部屋を継続することにする。
Hever Castle
今日はガーデン巡りだ。今年の旅の初訪問のガーデンの中では最も期待の高いHever Castle Gardenに向かう。
道中降っていたミストも到着時には上がって、薄日が射してきた。オープンの11時には、まだ30分ある。
この時間に、明日は晴れると予想し、ゴルフ場に予約を入れる。この地域のゴルフ場を幾つかリストアップしてきたが、
"Visitors welcome"と"Reasonable"をキーワードに”Sedlescombe Golf Club”へ電話してみる。
"Visitor"、"Beginner"、"Clubs for hire"などを伝え、遅い時間のスタートを希望すると、18時までOKだという。
1ラウンド楽しむには16時のスタートが最適と判断し予約する。この時間ならプレー前にガーデン巡りもたっぷり楽しめる。
オープンまでヒーバー村の教会などを散策する。教会の裏手に小学校でもあるのだろうか、子供の元気な声が響く。
立派なゲイトを潜り入場、お城までは大きな木が点在する芝の広場を進む。途中ショップやレストランを経て、ようやく城へのアプローチだ。
城は意外と小ぢんまりしている。起源は13世紀に遡り、幽霊も出るという城だ。実際にEVENING GHOST TOURSなるものも開催されている。
ヘンリー8世の2番目の王妃であり、エリザベス1世の母親であるアン・ブーレンAnne Boleynが幼少の頃住んでいた城だ。
通路の両脇に整然とトピアリーが並ぶ。大層な数だ。手入れをしているガーデナーと話す。一つ刈り込むのに2時間は掛かるという。
これは何の形かと訊くと、"Snail"との返事だ。反対に回って見ると、カタツムリに見えなくもない。
城は二重の濠で囲まれ、跳ね橋と落とし格子で守られている。13世紀に造られた部分だという。
我々が一番乗りと思いきや、小学生の団体が先に入場していたらしく、城の窓から手を振っている。我々はガーデンオンリーでパス。
メイズのイチイの緑の壁の前に白い彫像が映える。迷路の中からは若者の歓声が聞こえる。我々は迷子になって帰れないと困るのでパス。
城の裏手、内堀の外にチューダー様式の住居が広がる。100年前に出来た物だというが、リッチな雰囲気にあふれている。
こんな住宅のバックヤードなど覘かせてほしいところだが、"PRIVATE"の立て札が遮る。
城の右側外堀との間にイチイで囲まれたアウトルームガーデンがある。ハーブの植え込みが素晴らしい。こんなに伸びやかに育ててみたい。
その隣の部屋におおきな天球儀型日時計があった(日時計その5)。後のトピアリーはチェスのコマを模している。このOutroomはKeep Outだ。
次の部屋はバレリーナ一で覆い尽くされたローズガーデンだ。中央に噴水、ベンチが2ヶ所にある。素晴らしいの一言だ。
とても愉快なヘッジガーデンも現れる。何とも美しく楽しいガーデンだ。外堀には睡蓮が浮かび、可愛い木橋が架かっている。
外堀を橋で渡り川沿いに進むと大きな半円形の池が現れる。100年ほど前に造られたイタリアン・ガーデンンの荘重な前庭だ。
左右にゲイトがある。左側のゲイトから入場する。反対側の通路はパーゴラ遊歩道のようだ。
こちら側の通路との間は芝の広場となっており、ローマ時代やルネッサンス時代の彫刻、胸像、コラム(円柱)が並んでいる。
通路の左は高いレンガ壁が築かれ、仕切りで区切られた趣向の違うガーデンが立ち並ぶ。
植栽もさることながら、オーナメントや彫像に目を見張る。ちょっと怪しげな彫像もあってドキリとさせられる(写真は掲載不能です)。
更に続くレンガ壁はクライミングの植物で彩られたウォール・ガーデンに変わって行く。
そして、行き着いた先の階段を上がると広大な湖が開けてくる。イギリスのガーデンの湖の多くは造られた湖だ。ここもその例に漏れない。
振り返れば、豪華なイタリア式の噴水だ。入り口の半円型の池と対する位置にある。贅沢で壮大ななガーデンだ。
何かイベントでもあるのだろう。仮設のステージとスタンドが建てられている。
左側通路のゲイト脇のオーナメントは歴史を感じさせる。それに続く様々な趣向のガーデンから3枚。
イタリアンガーデンの南端の湖への石造りのゲイト、折り返しの長い長いパーゴラ・ウェイ、ローズガーデン。
湖からの折り返しは反対側のパーゴラ・ウェイを歩く。左側の石壁の奥にローズガーデンがある。古びたレンガの塀で囲われている。
この旅最高のローズガーデンだ。バラの花も美しいが、モニュメントやガーデンファーニチャーが周りのレンガ塀とマッチして最高の雰囲気だ。
手入れも行き届き、目の覚めるような気持ちの良いガーデンだ。
パーゴラ・ウェイにはバラ・ハニーサックル・クレマチスを始め多様なクライミングが這い登る。
陽だまりにもパーゴラをの構想は描いていたが、このパーゴラを見て作成は確定的だ。
それにつけても、黄色のハニーサックルの美しいこと。足元の植栽も参考になる。
メイズ(迷路)はパスしたが、Water Mazeなるものがあるらしい。好奇心をくすぐられ訪ねる。
散策路をかなり歩いて到着したWater Mazeは予想したものとは違った。意外に小さなものだ。
中心に岩の洞窟があり、その岩肌を水が滴り落ちる。岩の周りは3重の通路が囲む。
その通路は幾つものコンクリート板でできており、幾つかのコンクリート板は踏むと隙間から噴水が上がる仕組みだ。
噴水が上がるまでの僅かな時間にそこを通り過ぎれば濡れないで済むという訳だ。迷路というより鬼ごっこのようなものだ。
子供達が歓声を上げて走り回る。成功して良し、失敗して濡れて良しだ。
私も2つほど渡ってみたが、足元が濡れているので、滑って怖い思いをした。まだ旅は長い、程々にしておこう。
ショップで幾つかのお土産をゲットする。それにつけても、56.5ポンドの買い物に”VAT content is £8.41”は高いと感じる。
Standen Garden
ケント州のヒーバー城から西南に下りウエストサセックス州のブライトンBrightonへの道すがらに幾つものガーデンがある。
ブライトンでのショッピングタイムを睨みつつ、幾つ回れるだろうか。最初はナショナル・トラスト管理のStanden Gardenを訪ねる。
アート・アンド・クラフト運動Arts & Crafts Movementのウイリアム・モリスWilliam Morrisの友人の邸宅だったということで、
ウイリアム・モリスの壁紙wallpapersや織物textilesが沢山あるというが、そういったものには余り食指が動かない。
というか、それよりも一つでも多くガーデンを見たいと思うのだ。
ということで、建物の脇を通りガーデンに回る。建物の裏のテラスガーデンの先は芝の広場だ。小学生らしき一団が写生をしている。
思い思いの格好で、思い思いの方向を向いて描いているが、豊かな芝の上で楽しそうだ。それにしても、画用紙が小さ過ぎないか・・・。
テラスガーデンは建物の壁と一体化して年代を感じさせる。ローンガーデンの片隅の植え込みも厚みがある。
館の横に深い谷のようなガーデンがある。Quarry Gardenというがここから館の石を切り出したのだろうか。
Wakehurst Place Garden
次もナショナル・トラストの管理だ。その上、Kew's country garden in West Sussexだ。王立植物園キューガーデンの分室という訳だ。
キューガーデンとそれ程離れていないように思われるが、ウェイクハーストの気候の方が多雨・温暖でキューの植栽を補完できるらしい。
ここは5年前に訪れている。時間は丁度14時、ティータイムにする。2棟の嘗ての馬小屋Stablesを繋げて新しいレストランになっている。
ケースにはミートパイやソーセージなど美味しそうな料理も並んでいるが、朝食をしっかりいただいているので、ケーキで十分だ。
そのケーキもボリュウムたっぷりだ。好きなものをセルフで取り、ミルクティーを注文し、会計をする。急ぎ旅にも暫しのブレークだ。
レストランの外にもテーブルが並んでいるが、今日は雨模様でお客さんの姿はない。
さて、ガーデンへ。今年見つけてマイブームとなった花がペンステモンPenstemonだ。
日本名ツリガネヤナギというようだが初めて見るように思う。色も豊富で形も可愛い花だ。これは是非、種を仕込んでいこう。
さすがにROYAL Botanic Gardenだ。花には一つひとつ分かり易いプレートが付けられている。6枚連続ペンステモンをご覧あれ。
うっとうしい曇り空だが、爽やかな気持ちにさせてくれる、良く手入れされたガーデンだ。
どこを見ても目の覚めるような鮮やかな花が迎えてくれる。時間を忘れて歩き回る。
Borde Hill Garden
更に南下してBorde Hill Gardenに寄る。このガーデンに関する情報はごく僅かだ。
この館も14世紀にその歴史を遡り、17世紀には今の姿であったようだ。しかし、館は非公開だ。
Herbacous Gardenの植栽が厚い。Rose Gardenから眺めるお館は優雅な姿だ。
Italian Gardenは比較的新しいようだ。フォーカルポイントのベンチでお約束の1枚。館の南面に広がるローンガーデンに豊かさを感じる。
Brighton(Royal Pavilion)
ブライトンは5年前の旅では素通りした。如何にカントリーサイド・ドライブを謳うからと言って、
また、道に迷うからと言って、大都市を避けてばかりもいられない。ショッピングを楽しむためにブライトンに遣ってきた。
案に相違して、スムーズにロイヤル・パビリオンを見つけ、近くに駐車できた。ロイヤル・パビリオンはやはり異質に映る。
時刻は16時を過ぎ肌寒く感じる。この旅では妻がレインコートを忘れてきた。明日のゴルフに備えても、ウインド・ブレーカーが欲しい。
都合良く、パビリオンに向かう道筋にSURF & SKIという店を発見。
また、都合よく気に入った色のSサイズが見つかった。
支払いを済ませ、トイレを借りようと店員にトイレはどこかと訪ねると、「OK!”」と手招きして外へ出て行く。
「?」と思いつつ着いていく。交差点の角のパブを指して「あそこで何か1杯飲んで、トイレを借りると良い。」と。それって親切?
パビリオンの裏の公園にトイレを発見。用を足し、落ち着いて見学に入る。このエキゾチックな建物は違和感をぬぐいきれない。
館内の展示もネット情報では私達の興味とは外れているようだし、時間も遅い。パビリオンを一回りしてショッピングへ。
ひやかして歩いていると小さな靴屋のショーウインドウに気に入ったデザインの靴を発見。試着し購入。
愛想の良いインド人の店員2人で切り盛りしていた。どうやらこのGardner Streetにはインド人経営の店が多いようだ。
布地屋を見つけ娘にインド綿の布地を2m求める。時折、ミストが吹き抜ける冷たいお天気だ。
この旅行記を書くための調査で分かったことだが、”パビリオンの裏の公園”と思ったものが、パビリオンのガーデンであったようだ。
準備不足がこんなところに出る。いずれにしろ、さほど印象的なガーデンではなかった。自戒。
また、05年に訪れたコッツウォルズのSezincote Garden
が、ロイヤル・パビリオンのデザインに影響を与えているらしいことも興味深い発見だ。
Brighton Seven Sisters The Long Man
英国有数のビーチ・リゾートらしく、瀟洒な建物が並ぶ街並を海岸線まで出て、A259を東進する。
間もなくパレス・ピアPalace Pier(ブライトン・ピア)が右手に見えてきた。やっぱりこの街は私の趣味でないようだ。
やがて左手にRottingdean Windmill mini golf course
が見えてきた。海からの風がまともに吹きつけ、旗が倒れそうだ。
そんな中でも興ずるプレーヤーの姿が見られ、明日のゴルフが楽しみになってくる。
更に東進すると今度は右手に白いクリフが見えてきた。セブンシスターズSeven Sistersではないか。国道からこんなに間近に見られようとは。
5年前のあの断崖での驚嘆、海岸に下りての感動が蘇る。うっかり見とれてばかりいると、追突事故を起こしかねない。
Suttonで左に入り、02年にも訪れた中世の面影を残す村アリフリストンAlfristonを通過する。800年の歴史を誇るStar Innも健在だ。
今日最後のお目当てはロングマンThe Long Man だ。補修が終ったばかりなのだろう、見事にくっきりと山肌に浮かぶ。
何だか、かえって有難味に欠けてしまうようだ。24日にお目に掛かったジャイアントThe Giantでは何と嘆いたのか・・・勝手な話だ。
これで今回も3つのヒルフィギュアhill figure(丘絵)を見ることができた。ジャイアンくん、ジョージくん、ロングくんの3人だ。
The Bear Inn
The Long Manを発ったのが19時。白夜の英国とはいえ、鬱陶しい霧雨の中では既に点灯運転だ。
King John's Lodge到着時にRichardが薦めてくれたレストランはB&Bの先だ。時間も遅くなったので手前の村で夕食を済まそう。
既に何度も通って好印象のBurwashという村だ。パーキングが空いていたThe Bear Innのレストランに入る。
外観では分からなかったが、なかなか年代物の建物のようだ。そして、大きな店だ。 メニューは
・ 8oz Fillet Steak with Tomato, Mushrooms, Chips and Peas
・ Baked Cod Filler Wrapped in Bacon with White Wine, Shallot and Tomato の2品だ。
チップスを除き、どちらも美味しく完食。チップスも細い部分はカリカリで、太い部分はホコホコして美味しいのだが、余りに量が多い。
King John's Lodge
21時過ぎ、B&Bに帰着。リビングが騒がしい。十数名の男女がワイングラス片手におしゃべりをしている。
Richardが目ざとく見つけて、お帰りの会釈を送ってくる。Richardもかなり酔っている顔だ。他の人もグラスを上げて会釈をくれる。
Self-Catering Accommodationの方のお客さんだろうか? シャワーを浴びてベッドに入っても賑やかな声が聞こえる。
そこで気が付いた。ここKing John's Lodgeもナショナル・ガーデン・スキムNGSの登録ガーデンであったことに。
そして今日は、年1回のEvening Openingの日だったのだ。ここは4・5・9月に各2日づつ昼にオープンしているが、
6月の今日1日だけはワイン付きのEvening Openingだったようだ(NGSのイエローブックのガーデン紹介記事)。
11時頃だろうか夢うつつの中で帰宅の途に着くざわめきを聞いたような気がする。
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
日程表 戻る |
6月21日 旅行記 |
6月22日 旅行記 |
6月23日 旅行記 |
6月24日 旅行記 |
6月25日 旅行記 |
6月26日 旅行記 |
6月28日 旅行記 |
6月29日 旅行記 |
6月30日 旅行記 |