第2日 6月22日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Norton Sub Hamdon --- Ford Abbey & Gardens --- Montacute House Garden ---
Tintinhull House Garden --- Long Sutton Golf Club --- Norton Sub Hamdon
今日の走行距離 96km
Carpenters
イギリス第1夜の目覚めは爽やかだ。朝食は8時30分。広いダイニングキッチンに下りていくとChrisが調理中だ。
オレンジジュースと自家製だというヨーグルトをいただきながら1年ぶりのフルイングリッシュブレックファストを待つ。
待望のフルイングリッシュはマッシュルームが付いていないシンプルなものだ。
トーストもテーブルの上の我が家にとっては昔懐かしいトースターで自ら焼く。
一通りのサービスが済むと最初に差し上げたお土産を開けて良いかと訊ね、同じテーブルに座って開け始める。
ここへはイグサ製のランチョンマットを2枚と和紙人形(マイサイトで旅情報をお知らせした読者からお送りいただいた手造りのもの)
を用意した。ランチョンマットは2色にしたがどちらの色も気に入ったと喜んでくれる。和紙人形にはPrettyとBeautifulを連発だ。
Mikeに見せてくるとダイニングを出ていった。しばらくすると二人で現れて感謝してくれる。
「今日はどこへ出かけるのか?」の問いに「Ford AbbeyとMontacute、午後はLong Sutton Golf Clubだ。」と答えると、
Mikeが毎週月曜日にプレーしているゴルフコースだと言う。日本から電話で予約済だと言うと驚いている。
「クラブは持ってきたのか? 僕のを使ったらどうだ? 大きな傘も貸してあげよう。」と親切だ。
貸しクラブは予約済みなので傘を借りることにした。
Chrisは「Ford Abbeyだけで午前中は掛かるわよ。」と日程を心配してくれる。Tintinhull Houseも予定しているとは、
言い難くなってしまう。我々はガーデンオンリーで建物の中に興味が無いのだが、歴史好き・古い物好きのイギリス人には
そこが理解できないらしい。敢えて説明することも無かろう。
Ford Abbey & Gardens
さて、今年最初の訪問地はFord Abbey & Gardensだ。時折、殴りつけるような土砂降りの中を進む。Crewkerneという街を通り、
B道路を走っているとFord Abbeyの道しるべを発見。UターンしてそのUnclassifiedの狭い道路を走る。
予定のコースより相当ショートカットできたようだ(幸先が良い)。第1号の入場者になった。
5年前に訪れたときの印象が非常に良かったガーデンの一つだが、今年は時期が遅かったのかもしれない。
お館の壁を彩っていた藤も終り、Long Pondの脇の白いベンチの後の花も終わっている。
幸い雨も上がったようだ。今年は前回と逆周りに歩いてみる。Long Pond脇のボーダーは夏の草花に植え替えられている。
テンプルの錬鉄製のドームが美しい。テンプルの裏手からお館を望む。しっとりした空気の中トピアリーが青々と美しい。
ボーダーをガーデンの外れまで歩くとなにやら像に出会う。この辺りから南に巨大な樹木の林が広がる。
樹木の下はエバーグリーンの芝だ。刈り込まれた緩やかな遊歩道をそぞろ歩く。左手にMermaid Pondが見える。
今の当主がここに住んで100年を記念して2005年に造られたイングランド一という噴水が吹き上がる。
ガーデンの西から東へお館前の芝の広場を挟んで巨木の下の通路を歩いていると再び雨だ。巨木の傘の下で雨宿りしていると
程なく止んだ。
東側はロックガーデンだ。一口にロックガーデンと言っても様々な形態がある。ここのロックガーデンはちょっとした山、
アルペンガーデンという雰囲気だ。その植栽の高低・葉色・広がりや縁取りの植栽など参考になる。
この旅中どこでも目を惹いた花は紫陽花と山法師だ。正にJust hit満開の時期だ。ここでも山法師が輝くように咲いている。
こちらのものはピンクの花も混じるようだ。美しい。
ロックガーデンからお館まではPark Gardenだ。エバーグリーンの芝の通路に囲まれた植え込みが連なる。
Montacute House Garden
ショートカットした道を過たず戻り、Carpentersの脇を通り過ぎMontacute House Gardenの到着は11時30分。
これを知ったらChrisは何というのでしょう?
ここはナショナル・トラストのプロパティーだ。Receptionで会員証を見せて入場。Houseの裏を通って北西の角に
Orangeryがある。温室の前の大きなコンテナの植栽に目を奪われる。色遣い・姿のバランスの素晴らしいこと・・・。
温室には前回虜になったフクシアの植え込みがあるはずだ。あれから5年、さほど大きくなったようには見えないが、
木化した幹から枝を広げ大きな花を吊り下げ健在だ。周りには様々な種類のフクシアのコンテナが置かれている。
この花のファンの妻は歓声を上げ先に進む気配を見せない。
North Gardenを整然と取り囲むトピアリーは前回通りだがその周りのアーモンドの花は終わったようだ。
あの強烈な香りが思い出される。
刈り込まれた芝生の中に可愛い黄色の花が沢山咲いているのが遠目にも分かる。他に白や紫の小さな花も見られる。
そんな芝を踏んでNorth Gardenをひと回り、中央の噴水から見るお館が壮麗だ。
North Gardenの北西にIce Houseがある。イチイの木のトンネルを抜けて覘いていると、野うさぎが飛び出してきて、
正に脱兎の如く逃げていった。ビックリして声を上げると近くにいた外人さんに大笑いされた。一緒に笑うしかない。
このガーデンで最も華麗なのはお館正面に広がるEast Courtだろう。流麗・優美な姿のガゼポや見晴台に囲まれた芝のコートは
一段低く造られ、周囲をボーダーで彩られている。この季節はビビットな赤いバラが主役だ。
East Courtの先は更に一段低くし、林とトピアリーに挟まれた芝のLong wayがどこまでも続く。
視野を広げる沈床式(sunken garden)の効果は抜群だ。
隣のCedar Gardenには奇妙な樹肌の針葉樹の大木が聳えている。16世紀からの歴史を持つMontacuteだが、
これら外来種の樹木がイギリスに持たされたのは、プラントハンターが活躍した18世紀以降だろう。
とすれば、樹齢は200年余か、見事な樹形だ。イチイの木の刈り込みは人の顔を連想させ愉快だ。
お館の中には素晴らしい展示物があるようだが、私には猫に小判・豚に真珠だ。ショップを覘きガーデンオンリーで失礼。
Tintinhull House Garden
2002年に訪れとても気に入ったガーデンだ。6つの部屋に分かれた小ぢんまりした庭なのだが、
どことなく漂う優雅な雰囲気が好きだ。あのオードリー・ヘップバーンが愛した庭と聞いた所為かも知れない。
パーキングに車を止めた時にはとても外には出られない降りだ。ところが5分もすると小止みになった。
前の2ヶ所もそうだが、ガーデンに着くと雨が止んでくれるのは晴れ男・晴れ女の神通力が消えていないということにしよう。
Receptionを出るとテラスがある。フクシアをはじめコンテナの花が満開だ。そして最初のガーデンがEagle Courtだ。
2002年のガーデン紹介で2つ目の庭をEagle Courtとして紹介したが間違いだった。
2つ目のMiddle GardenからPool Gardenが誘うように見えるが、楽しみは後に残し真っ直ぐ進めばFountain Gardenだ。
植栽は白を中心にしたホワイトガーデンだ。陽だまりの参考にしようとシャッターを切る回数が増える。
Fountain Gardenを右に折れて、折り返しはKitchen Gardenから始まる。そして、その隣がPool Gardenだ。
5年前虜になった端整なガーデンだ。細長い方形の池に睡蓮が浮かび、両脇に緑の芝。その脇にボーダーが伸びる。
ボーダーは左右で異なる趣の植栽がなされている。一方は赤を主体にビビットな色遣いだ。もう一方はブルーを主体とした
エレガントな雰囲気だ。この対照を北側の東屋から眺めるひと時は至福の時間だ。
5年前は優雅な籐椅子だったが、今年は木製ベンチに変わっていた。
その隣がCedar Gardenとなっているが、印象ではWalled Gardenだ。壁を這い登るバラがまだまだ美しい。
巨大なアンスリウムもまだまだ見られる。このガーデンはコンテナも上手に配してある。参考にしよう。
Long Sutton Golf Club
ゴルフについては社会人なった秋にコースに同伴する機会を得てから虜になった。当時は新入社員は1年間はゴルフをしてはいけない
という不文律があったが、秘かに練習を重ね、解禁の4月1日早速グリーン・デビューした。
163という散々なスコアーであった。これで逆に火がついた。熱心に練習する私を見て先輩がけしかけてきた。
「半年で100を切れるか?」と。この挑発を受けて、ぎりぎりの9月30日に98でラウンドした。
賭けに負けた先輩は更に「次の半年で90を切れるか?」と。若気の至り、この挑発を受ける。その後の3ヶ月は
歌の文句じゃないけれど”1週間に10回”練習場に通った。給料はほとんどゴルフ代で消えた。甲斐あってこの賭けにも勝った。
仕事が営業であったこともあり、最盛期には年間に50日もラウンドした。お蔭で今でも当時のゴルフウィドーを妻に嘆かれる。
反動だろうかあの3ヶ月以降は練習嫌いになり、いつもぶっつけ本番だが結構上手になった。
ベストは78、ハーフだけならパープレーの経験もある。
しかし、ガーデニングと英国旅行を趣味にしてからゴルフに行く時間とお金が惜しくなった。
(東京ではゴルフは1日がかりなのです。)肘を痛めたこともあり、”卒業”はできないまでも”優秀な成績で中退”
ということにしてゴルフを断った。
それでも、イギリスをドライブしていて道路の直ぐ脇のコースでカップルがのんびりプレーしている姿を見るにつけ
「いつかはイギリスで復学したい。」と思うようになった。
それがとうとう今年実現した。妻もガーデン陽だまりの仲間達とショートコースを2回経験した。
多忙な中だが練習場にも何度か通って準備した。コースの予約はどうするか?
この問題もThe AA(マイサイトの「ドライブ」参照)が解決してくれた。
The AAのトップページの"Travel"-"Golf"から入り、"location"にポストコードなどを入れ、
次の画面で"Clubs for hire"(貸しクラブ)や"Visitors welcome"などの条件をチェックし、"search" をクリックすれば
条件にあったゴルフコースが紹介される。
因みにCarpentersのポストコードで入力すると5つのゴルフコースが出てきた。
ここからは"details"の行間を読むしかない。これぞと決めたのがここLong Sutton Golf Clubだ。
各コースの"details"を読んでいると、週末はヴィジター制限があったり料金が高いことに気が付く。日本と同じだ。
ビギナーの妻を連れて混んでいるゴルフ場は避けたい。料金も安いに越したことは無い。
となると、前半の日程では22日の金曜日しかない。渡英してからでは間に合わない。ということで、出発前夜に電話で予約した。
(そのくらいぎりぎりの準備であったということだ。)
ゴルフを十分に理解していない妻がいきなり電話で予約するのだから思うようには通じない。こちらがビギナーであることも
伝えておきたい。貸しクラブはClubs for hireだ。その確認もしたい。スタートは午前早くか午後の遅い時間が希望だ。
どうやら通じたらしい。午前10時か午後2時だという。2時スタートを選ぶ。後は名前を伝えただけ、他には何も聞かれない。
大丈夫かいな?の思いも無くはないが、心晴れ晴れで眠りに就けた。
さて、ゴルフ場に到着した。受付はどこだろうと思っていると直ぐに声が掛かる。"May I help you ?"
Receptionを訪ね、案内に従って行ってみるとそちらがクラブハウスのReceptionでゴルフコースのReceptionではないと言う。
では、ゴルフコースのReceptionはと訊ねるとどうやらClub shopが受付らしい。
Club shop(売店)に来たがそれらしい場所が無い。店員に訊ねると「ここだ。」と言う。スタート表らしきメモを見ながら
「UCHIDAか?」と聞く。「そうだ。」答えると、直ぐに貸しクラブの用意を始めた。2セットあるのだが両方とも
出払っていると言って倉庫から恐ろしく古いバラバラのクラブを持ち出し来て番手を合わせている。
スコアーに拘るわけでは無いから何でも良いのだが、それにしてもお粗末なクラブだ、と思っていたら、
「これはサービスだ。」と、当然だよね。キャディーバッグはBuggies、カートはTrolleysだ。それぞれ別々にfor hireする。
どうやらこれもサービスしてくれるらしい。18ホールのラウンド料金は二人で40ポンド、これが全てである。安い。
そして、Changing roomsで着替えをするがロッカーなどは無い。どうやら着替えたものは車の中に置いてくる物らしい。
ランチをするつもりで早めに到着したのだが、あれこれ初めての経験に戸惑っている内に1時50分だ。
帽子とミネラルウォーターを求めて1番ティーへ向かう。
前に人の姿はない。ティーグランド周辺にも人の姿は見えない。妻もリラックスして、いざ英国第1打だ。
結果を問うまい。雨は降るわ、雷はなるわ、風は吹くわ、と思えばたちまちにピーカンの晴れ間が現れるというお天気の中、
プレーは進む。Mikeが貸してくれた傘が役立つ。5番ホールで初めて擦れ違うパーティーに出会う。
寂しくなるくらいのんびりしている。8番ホールにいたって初めて後続組みに追いつかれる。9番ティーでパスする。
Thank youの挨拶で去っていたのは相当な老夫婦だ。そのジェントルマンな立ち居振る舞いは見習うべきものを感じた。
青息吐息、何とか18ホールを回りきる。気が付けば、朝食以来何も口にしていない。腹ペコだ。着替えを済ませ、
クラブハウスのBarに直行。ビールで喉を潤し、ガーモンステーキ(ベーコンのステーキ)とコテージパイ
(マッシュポテトとひき肉のパイ)をパクつく。あまりにお腹が空いていて、写真を撮るのを忘れてしまった。
お見苦しい写真で申し訳ない。
なんとも愉快な英国ゴルフデビューだった。
Carpenters
20時、Carpentersに戻る。飼い犬がすかさず出迎えに出てくれるが、この手の犬は少々苦手だ。
Chrisはロンドンに住む息子夫妻が今夜帰省するので料理に夢中だ。息子は日本の鳥取県に住んだいたことがあり、
日本からのお客さんが滞在していることを知り、会いたがっているので、是非会ってくれと言う。
今、紅茶を用意するからリビングで少し待ってといったが、雑誌など見ながら待つが一向にお茶が出てこない。
リビングから見えるガーデンが素敵だ。愛犬のスーザンの案内でガーデン巡りをする。良く手入れされた私好みのガーデンだ。
こちらの褒め言葉に"Good controled garden"と表現するが、正にその通りだ。
この家は1700年に造られたという。1930年まで村の大工の家だったという。"Carpenters"の所以である。
お茶を辞退して部屋に戻る。シャワーを浴びているバスルームから息子夫妻を迎えにいたMike達を出迎えるChrisと
スーザンの姿が見える。微笑ましい光景だ。
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