第22日 6月11日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Pentland Lodge House --- Smoo Cave --- Drumbeg --- Achiltibuie ---
Ullapool --- Corrieshalloch Gorge --- Braemore Square House
今日の走行距離 355km
今日の万歩計 12,000歩
Pentland Lodge House ペントランド・ロッジ・ハウス
7時起床、空は曇っているが明るい。雨の心配はなさそうだ。荷造りをして朝食、フルスコティッシュをオーダーする。
ペントランド・ロッジのものはブラックプディングやベイクドビーンズが入っていない。
私好みのフルブレックファストだ。オレンジジュース、ヨーグルト、フルーツ、ミルクティー、トーストとポピュラーなセットだ。
ホステスのLizに昨夜の見送りのお礼と美味しく頂いた旨伝えると「いいのよ、出掛けるついでがあったのよ」と気のいい返事だ。
話しながら手を振っている。何だろうと思ったら、向かいの家から手を振っている人がいる。母親だという。
この建物はB&B専用で自宅は向かいにあるらしい。家族経営(family-run business)の全8室のB&Bだ。
今日はこの旅最大の移動距離となる。スコットランドの北岸を西に進み、そして、西岸を南下してアラプール(Ullapool)まで、
訪問予定リストには1件しかリストアップされていない。大自然の中を移動あるのみだ。
Countryside カントリーサイド
昨日訪ねたダンカンズビーヘッドから西に進みダーネス(Durness)から南下しアラプールまでの道を"North & West Highlands Tourist Route"と呼ぶらしい。
あるサイトの紹介では山(mountains)あり、湖(lochs)あり、川(rivers)あり、海岸線(coastlines)良し、断崖(cliffs)良し、湾(bays)良し、農場(farms)あり、
村(villages)あり、町(towns)ありだとそれぞれに形容詞がついて称賛している。
サーソーを出発し、しばらくは農地や牧草地の中を走る。時折右手に海が見える。リーイー(Reay)村を通り過ぎて間もなく荒野に入る。
湖がいたるところに見られる。ヒースと岩と湿地に覆われているようだ。イングランドのムーア(Moor)と似た地形だが、スコットランドの地図上にムーアの文字は見当たらない。
ボーギー(Borgie)を過ぎた辺りでのA836からの景色だ。
ベティーヒル(bettyhill)を過ぎた辺りからは道路は1車線シングルトラック(Single Track)となり、行き違いは待避所"Passing Place"でしかできなくなる。
A道路とは思えない荒涼たる風景が広がる。しかし、交通量は少なく、ドライバーのマナーも良いし、何より適度なスラロームとアップダウンが快適なドライブを呼ぶ。
湖は次々と現れ、その一つひとつの水の色が異なる。また時には道路の直ぐ脇まで迫る。
写真はエメラルドグリーンのタン海峡(Kyle of Tongue)湾口あたり(左)と霧に煙るとBen Loyal(標高2509フィート)だ。
羊の姿は見られないが、荒野に柵が見られるし、道路にはキャトル・グリッド(Cattle Grid)が設置されていたりする。
快適に飛ばしていて、グリッドに気づかずノーブレーキで通過してその震動と轟音に驚いたり、
ジェットコースターのようなアップダウンも現れたり、悪路好きには堪らないドライブだ。
満々と湛えられた湖面はA838の路面より高いように見える湖を脇を通り、ホープ湖(Loch Hope)を渡る辺りは高原の別荘地を思わせる佇まいが見られたり変化に富む景色だ。
写真はコバルトブルーの美しいエリボール湖(Loch Eriboll)だ。突き出した島Ard Neakieが特徴的だ。
Smoo Cave スムー洞窟
本日唯一のリスト先のスムー洞窟の小さなパーキングは満杯だが、折良く1台が出る所だ。
ここまで2時間フォトタイムを除いて休みなく運転してきた。トイレを済ませ、いざ洞窟へ。
洞窟は木製の階段やフェンスが整備され過ぎていて少々興を削ぐ。その階段を延々と下りスムーの入り江(Geodha Smoo)に下りる。
左手が入り江(写真下左)、右手が洞窟(写真下左から2枚目)が見える。入口の高さ15mはイギリスの海食洞としては最大だという。
そこを入ると第1室、幅40m、奥行き60と広大だ(写真下右から2枚目)。そして、木製の橋を渡ると第2室だ。
驚いたことに滝が轟々と音を立てて落ちている。幅9m落差21m、暗闇の中に光を放つようだ。この先第3室にはボートでしか行けないのだ。
"Smoo"の由来は古代スカンジナビアの語に由来するという。調査の結果6000年前に人類が使っていたことが分かっているという。
入江を渡って向こう側の断崖に登る。フットパスが海に向かって伸びている。フットパスを外れて断崖の縁すれすれを歩く人もいる。
高所恐怖症ながら、勇気を出して近くに行ってシャッターを2、3押して戻る。オレンジのくちばしをした鳥が見えたような気がしたが、
写真には写っていない。この旅ではパフィンに出合うのも楽しみの一つだったが、果たせずに終わった。
人が多く集まる場所からは追われてしまい、お目に掛り難くなっているのかもしれない。
Countryside カントリーサイド
スムー洞窟を出発すると間もなくダーネスを通過する。スコットランド最西北の村だ。この村の近くに
バルナケイル・クラフト村(Balnakeil Craft Village)なる情報がある。
1950年代の冷戦時代の英国防省の核攻撃に対する早期警戒ステーションの建物が1964年からクラフト村に転換したもので、ユニークな村のようだ、
ショップやレストランもあるようで興味を惹かれるが、先の行程を考えるとここはパスせざるを得ない。ダーネスの村外れで小さな渋滞に合う。お羊様のお通りだ。
A838を南下、A894に入る。地図を見るとこの辺りは湖だらけだ。カイルストローム(Kylestrome)の手前あたりにビューポイントのマークがある。
パーキングも整備され展望台もある。南にあるチェアーンバイン湖(Loch a' Chairn
Bhain)を見下ろす素晴らしい光景だ。黄色のヒースも美しい。
ニュートン(newton)を過ぎた所でB869に入る。アラプールへはA894を直進する方が近いのだが、
「鉄腕ダッシュ ソーラーカー一筆書きで日本一周」を真似して出来うる限り海岸線を走ろうという魂胆だ。美しい海が見られるという情報だ。
ダーネスから1時間半、ドラムベッグ(Drumbeg)に着いた。ここもビューポイントのマークがある。パーキングがありライダー5、6人がたむろしている。
バイクの脇に車を止める。目の前にドラムベッグ湖が見られる。道を挟んで小さな店がある。田舎のよろず屋だ。
アイスクリームとお菓子を求め、トイレがないか訊ねると「50m程先にパブリック
トイレがある」という。トイレの先にもパーキングがあり、
ここがビューポイントだ。湖に負けず劣らず島の数も多い穏やかな湾が広がっている。美しい。
ブリストルから来たという先客が島の間を指さし「白い波頭はドルフィンだ」と教えてくれる。アイスクリームを楽しみながらのんびり見つめる。
B869を尚も進むA837に出る手前あたりで前方に"SUILVEN"や"CANISP"などの美しい山々が見られる。サイクリストの姿が多い。
このアップダウンのある道を良く走るものだと感心する。追い越す道幅はない。ゆっくり追走すると、しかるべき場所で道を譲ってくれる。
お互い手をあげ「Thank you」、気持ちの良い挨拶だ。
A837を戻らず更に海岸線を進む。ロッキンヴァー(Lochinver)から先はローカルロードだ。もちろんシングルトラックの道で、
海岸線を走ったかと思えば、内陸に入り湖の脇を走り、川を渡り、また海岸に出る。常に水辺を走っている感じだ。
対向車もほとんどないから時速50マイルは下らない高速ドライブを楽しむ。アキティビー(Achiltibuie)村まで進んでUターンする。
帰路もローカルロードを走りドラムルーニー(Drumrunie)でA835に出る。この道路は右手にずっと大小4つの湖を見ながらのドライブだ。
今日は水のある風景ばかり見てきたが、実は水が苦手なのだ。満々と水を湛えた湖やプール、波の押し寄せる海岸などを見ると足がすくむ。
高い所に上った時と同じ感覚だ。
途中、湖畔で一休み。来週のオーバン(oban)滞在中に予定している乗馬トレッキングの予約を入れる。
「ビギナーだが大丈夫か?」と念押しをして「ノープロブレム、ウエルカム」の返事に一安心だ。
同じくオーバン滞在中にロッホローモンドのクルーズを予定している。予約の電話を入れると「予約の必要はない。当日桟橋に来れば良い」とのことだ。
どちらも晴れてほしいものだ。
スカイ島(Isle of Skye)のレストランを予約してある。世界ベスト50にランクされるレストランとの情報を得、早々に予約したのだが、
「2日前にリカンファームの電話を入れろ」とのことだ。何だか癪に障るが、仕方がないので電話をする。こちらも問題なしだ。
Ullapool アラプール
アラプール到着は16時と順調だ。海岸通り(Shore Street)に車を止め散策する。アラプールの街は5年前と全く変わらないように見える。
フィッシュアンドチップスの店も港の風景も少しも変わっていない。
"West Highland woollen"でカシミアのマフラーを3点求める。今回のお土産にはマフラーが多い。
タータンチェックにウール製品となれば当然の帰結かもしれない。ペトロールを満タンにして出発。
Corrieshalloch Gorge コリーズハロック峡谷
楽しい高速ドライブのお蔭で予定より早く行程をこなした。B&Bに入るにはまだ早過ぎる。生憎、雨が降り出したが、明日の予定であった
コリーズハロック峡谷を訪ねる。
今宵のB&Bを確認して通り過ぎ、A835沿いのパーキングに駐車するが、違和感がある。余り使われていないパーキングだ。峡谷への下り口を探すが案内がない。
ここからのアクセスはできなくなったようだ。もう一つ南ののパーキングも閉鎖されている。A832沿いのパーキングからはアクセスできそうだ。
ススコットランドの地形そのものが氷河によって削られたものなのだが、この峡谷も氷河期の終わりころに形成されたものだという。
深さ60m、長さ1.5kmの峡谷だ。ジグザグ道を滑らないよう足元に気を付けて下ると吊り橋が現れる。吊り橋の真ん中から"Falls of Measach"が見られる。
滝音は聞こえない。静かな滝だ。
峡谷の向こうを下った所にプラットホームがあるとの案内だ。行ってみると峡谷に幅1.5m、長さ10m程のプラットホームが突き出ている。
突端から滝が見え、床は格子になっているから谷底が見える。高所恐怖症の身には少々酷だ。シャッターを2、3度押してひきかえす。
パーキングに戻り案内板を見ると別方向の散策路にもビューポイントがあるようなので行ってみたが、これは骨折り損だった。体もすっかり冷えた。
Morefield Motel Mariners Restaurant マリナーズ・レストラン
今夜の宿ブレイモアスクエア・ハウスに入る。暖炉の火が嬉しい歓迎だ。ホステスのWendyとホストのEddieの笑顔も心温まる。
乾いた服に着替え、すっかり濡れてしまった靴を履き替えてディナーに出る。Eddieが予約を入れてくれ、
丁寧に道順を説明してくれたのがマリナーズ・レストランだ。
アラプールの市街を抜け1kmほど行った明るい住宅街にあった。
前菜は ・ Morefield's renowned Seafood Sampler a selection of finest local fish & seafood served with dips & bread そして、
主菜は ・ Loch Broom Langoustins locally caught langoustins, landed at Ullapool pier, they are then shelled & coated in seasoned flour,
dipped in chef's special recipe butter, deep fried until golden brown と
・ Chicken Champignon slice of chicken breast fillet bound in a rich cream sauce flavored with white wine and sliced mashromms,
placed between sheets of flaky puff pastry をオーダーする。ご覧の通り、ここのメニューは極めて詳しく記載されていて料理のイメージが湧く。
"Seafood Sampler"は moule, kipper, scampi, haddock, salmon, herring が盛りだくさんだ(写真下左)。scampiも大きくて食べ応えがある。
ランゴスチンもチキンもボリューム満点だが、柔らかくジューシーで完食する。ただ、"Seafood Sampler"についてきたパンには手を出せなかった。
写真下右の左に移っているサンルームで白ワインでゆっくり楽しんでも、後の樹木に取り付けたイルミネーションはまだ目立たない。
200m先はブルーム湖(Loch Broom)というシチュエーションだ。
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