第13日 6月2日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Tigh Na Leigh --- Edradour Distillery --- Pitlochry(Shopping) --- Explorers Garden --- Blair Castle --- Queen's View ---
Glenlyon House --- Bolfracks Garden --- Dunkeld Cathedral --- Beatrix Potter Garden --- Tigh Na Leigh
今日の走行距離 219km
今日の万歩計 19,300歩
Tigh Na Leigh タイ・ナ・リー
今日から本旅日記はアバディーン編に入ったが、タイ・ナ・リー のあるアリス(Alyth)はパース州
(Perthshire)に属すし、今日明日で巡るのはパース州とアンガス州(Angus)なのだが、便宜上アバディーン編で一括りした。悪しからずご了承を。
今朝もオレンジジュース、フレッシュフルーツ、ヨーグルトの後、フルスコティッシュだ。一口にフルスコティッシュというが、宿により少しずつ異なっており、
宿が変わる度に「ここはどんなんかな」と楽しみなのだ。ここはブラックプディングが付いてきた。そして、トーストがカリカリ三角でなくソフトな四角のままのトーストだ。
2面がガラス張りのガーデンに面した明るいダイニングでいただく。
Edradour Distillery エドラダワー蒸留所
エドラダワー蒸留所は法律で許可された蒸留所としてはスコットランド最小のシングルモルトの蒸留所だという。
ということは、世界最小ということになるだろう。1825年創業で現在でも蒸留に携わるのはわずか3名だけで、年間24,000本しか造っていないのだ。
その割にはショップやツアーガイドの社員は大勢いる。
人気のピットロッホリーの街にあり、最小の謳い文句があるから観光客が多い。パーキングはコーチも含め満車状態だ。
敷地には綺麗な水の小川(Edradour Burn)が流れ、白塗りの壁に赤いドアーというおとぎ話の家のような小さな蒸留所はロマンティックな雰囲気を醸し出す。
ここは10年物が売りのようだが、奮発してアルコール度58%のグレードの高いものを求める。夜が楽しみだ。
Pitlochry ピットロッホリー
ピットロッホリーは1842年にビクトリア女王が訪れたことや鉄道の開通などが重なり、
避暑地として発展した人気の高い街だ。
夏目漱石も1902年にこの街を訪れている。漱石は1900年10月文部省から英国留学を命ぜられロンドンに滞在したが、酷いノイローゼに陥り、
心配した下宿屋の女主人に勧められ、静養のためピットロッホリーを訪れたのだ。この年の12月には帰国を命ぜられ、翌年1月に帰国している。
周りを緑豊かな山に囲まれ、石造りのしっとりとした街だ。2009年の"Britain in Bloom horticultural contest"でGold Medal
を受賞したという割には花が少ない。昨年は花が植わっていたと思われるフラワー・ボックスが空っぽで置かれている。残念なことだ。”継続は力なり”だが・・・。
目抜き通りはB924、アトール・ロード(Atholl Road)だ。交通量の多い道を挟んで両側にお店が並んでいる。山に囲まれているから登山客も多いらしく
トレッキング用品の店が多い。
For The Presentという名前通りの土産物店に入る。ブロンズの花一輪を持つフェアリー像と
プラスチック製の手の中で眠るフェアリー像を見つける。迷うことなくゲットする。恋人に会えたような気分だ。
店内に日本語の会話が聞こえる。振り向くと若い女性の二人組だ。この旅で始めて出会った日本人だ。挨拶を交わしおしゃべりする。
一人が英国在住でアメリカ在住の友達が遊びに来たので、一緒に旅をしているとのことだ。日本女性のパワーを感じる。ホームページを紹介し、旅の無事を祈り、お先に店を出る。
スコットランドの6月は意外と寒い。セーターは1着しか持ってこなかったので1着求めようとJames Pringleweaversという洋品店に入る。
バーゲンの最中で2着買うと割引がある。色違いで2着求める。この店でも先程の女性達に出会い、互いに苦笑。
地図を見ると、街からタンメル川(River Tummel)を挟んで南側の森の中にガーデンのマークがある。Explorers Gardenだ。
歩行者専用の吊り橋で行くこともできるようだが、後の行程を考えると車で行く方がベターだ。ナビ子ちゃんが案内してくれたのは
Pitlochry Festival Theatreの前の広大なパーキングだ。
パーキングからピットロッホリーを望んだのが2つ上の右から2枚目の写真だ。素晴らしいロケーションが理解できる。
Explorers Gardenのコンセプトはスコットランド人のプランツ・ハンターを顕彰し、希少植物を栽培し、アート作品を取りこんだユニークな庭創りにあるようだ。
受付のおじさんは「日本から来たのかい。日本庭園はないが楽しんでいってくれ」と愛想が良い。プランツ・ハンターが集めた地域別に構成しているようだが、
上手く根付かず枯れているものが目立つ。少し残念というか、騙された気もしないではない。私の好きなフラワー・ガーデンではない。
2つ上の右の写真はアート作品のDispersal by Julia Bartonだ。水と植物の因果関係を表現しているという。納得しない訳でもない。
写真下左はプランツ・ハンターDavid Douglasの功績を展示したパビリオン。2枚目は"Moon Gate"、東洋の様式を取り入れた石とオークの融合したゲートだ。
下の写真は園内で見られた木をくり抜いて造られたベンチだ。正にアートといえよう。こんなのものを陽だまりにも置きたいものだ。
受付のおじさんにさようならを言ってガーデンを出て、タンメル川の吊り橋まで歩く。この爽やかな空気の乾燥具合は避暑地に相応しい。
吊り橋はアーチが付けられたお洒落なデザインだ。橋の真ん中から上流を眺めるとダムが見える。タンメル水力発電力だ(写真上右2枚)。
ダムの直ぐ下で、この豊かな水量は驚きだ。水の色が黒っぽいのはピートを潜ってきたからだ。この街に2つの蒸留所があるのも頷ける。
Pitlochry Festival Theatreのショップを覗いてみるが、めぼしいものもない。先を急ぐ。
Blair Castle ブレア城
700年の歴史を持つブレア城は30室あるという壮麗な白亜の城だ。
見事に整備され、歴代当主の品性が窺える。
"Gardens and Grounds"のチケットを求め入場する。広大なグランドのはるか遠くに動く動物に誘われ行ってみると"Deer Park"だ。
この森には千頭もの赤鹿が放たれているらしい(写真下左から2枚目)。貴族の館のご多分に漏れず孔雀がいる。
その先に馬がいる。"Trekking Centre"だ。この馬はハイランド・ポニーで12歳以上は乗馬を楽しめるというので、その気になったが、係員がいない。
Trekking Centreの向かいの森に"Diana's Grove"の案内板がある。あのダイアナ妃に関連あるのかと思ったが、パンフレットには"Named after Diana, the Roman goddess of hunting"
と述べられている。森の中にその狩の女神の像が建っていた(写真下左)。
樅の木やアカマツなど背の高い木が多い。中にはイギリスで2番目に高い樅の木があるらしいが、下から見上げたのでは分からない。
絶滅が危惧される在来種のアカリスもいるらしいが、用心深いリスだからおいそれとは見られない。
木で作ったオブジェがそこかしこに見られる。楽しいアイディアだ。写真下右2枚はヘラクレス・ガーデンにある像だ。
子供を大勢乗せたトレーラーをトラクターが牽いて牧草地を走り回っている。子供達の歓声が聞こえる。"Tractor Tours"というサービスだ。
ダイアナの森に隣接して教会の廃墟が現れた。12世紀のSt Brides Kirkの廃墟だ。周りには墓石も立っており、近づき難い雰囲気だ。
9エーカー(11,000坪)という巨大なウォールド・ガーデンへの経路の脇にはハイランドカトルが保護されている。
体の痒みを取るために鉄条網に体を擦りつけるから、針に毛玉が巻きついてポンポンの如くだ(写真下右)。面白い。
ウォールド・ガーデンはヘラクレス・ガーデン(Hercules Garden)と呼ばれる。東西300m、南北120m位のほぼ長方形の石の壁に囲まれたガーデンだ。
最近18世紀のオリジナルのジョージアン・デザインで修復されたという。想像を絶するスケールだ。
中央に全体の面積の4分の1はあろうかという細長い池が静かに水を湛えている。その水草の中を白鳥が醜いあひるの子を連れて音もなく滑る。心が洗われる。
茅葺屋根の水鳥用の小屋が建っていたり、蒲の穂の先に中国風の橋が架かったいたりと遊び心に溢れる。東面のコテージの前には様々な像が配されている(写真下右)。
クレマチスのオベリスクのデザインが不気味だ。晒し首のようで、それが1つだけでないからぞっとしない(写真下左)。サンダイアルは御約束事だ。
北の長辺の中程から南を見ると、ガーデンを見下ろす高台にヘラクレス像が立っている(写真下中2枚)。等身大というが、巨人だったのだ。
西側の壁には数カ所に窪みが付けられ像が飾ってある。スケールの違いに圧倒されるばかりだ。
南に面した壁際は275mものボーダーだ。壁にもバラ、クレマチス、リンゴなどがクライミングしている。花のシーズンにはどんな光景を見せてくれるのだろう。
南北の壁から池に向かってのなだらかな斜面に整然と100本を越す果樹が植えられている。
沢山歩いて少々疲れた。ショップで友人へのお土産に当家のタータンのマフラーとランチ用のショートブレッドを求める。どこか景色の良い所でランチにしよう。
Countryside カントリーサイド
イギリスではガーデンや城といった施設だけでなく、その間を繋ぐ行程のドライブが楽しい。カントリーサイドでは一つひとつの街や村が離れている。
1つの街が終わると牧草地の中を走り、次の村に入る。村を出ると丘を越え次の村に到着し、また川に沿い谷間の村に至るという具合だ。
その合間の自然が豊かでドライブが楽しくなるのだが、取り分け美しい眺めの場所はビューポイント(Viewpoint)として地図にマークが付いている。
それに裏切られたことはない。だから、私はドライブルートを検討する時にビューポイントのマークに注目する。2つのルートが候補になったら、
ビューポイントがあれば迷わずそちらにする。次の選択肢はマイナーな道路ということになる。運転はし易いし、景色が良いこと間違いない。
ビューポイントにも特別に名前を戴いたものがある。この旅でも5月24日に訪ねたスコッツ・ビュー(Scott's View)、これから向かうクイーンズ・ビューなど、
有名人が好んだビューポイントだ。湖水地方にはサプライズ・ビュー(Surprise View)があった(2001年の旅)。正に驚きの眺望だった。
アイルランドではレディース・ビュー(Ladies View)を訪ねた(2006年の旅)。ビクトリア女王が1861年にキラーニー(Killarney)の
マクロスハウス(Muckross House)を訪れた際、侍女達がこの眺望を称えたことから名付けられたのだ。
手作りのルートプランではこんなことが出来たが、ナビ子ちゃん任せだと効率的なルートばかり走ることになりかねない。
便利な道具だが、これからも手作り感は残して行く方が良いだろう
Queen's View クイーンズ・ビュー
クイーンズ・ビューのクイーンについては、
ビクトリア女王(Queen Victoria)が1866年にここでティータイムを過ごし、眺望を称えたことによるともいわれるし、
それよりずっと前のメアリー女王(Mary Queen of Scots)にまで遡るともいわれている。どちらの女王にせよ、さぞかしと期待して訪れる。
期待通りの素晴らしいスペクタクルを楽しむ。タンメル湖(Lochs Tummel)を囲む豊かな緑の森とそれに続く穏やかな山々、悠然たる景色だ。
手摺に木製の芋虫や松ぼっくりなどのオブジェが取り付けられているのも愉快だ(写真下右から2枚目)。
Glenlyon House グレンライオン・ハウス
グレンライオン・ハウスもガーデン・スキーム(Scotland’s Gardens Scheme)のガーデンだ。
"Streetmap"にポストコードを入れサーチした地図の矢印の地点をナビ子ちゃんに指示して着いた先は、怪しげな住宅が3軒並んでいる。
辺りを行ったり来たりしたが、住宅はおろか人影さえない。已む無く先程の3軒の内の1軒のドアを叩くと、奇想天外なドレスにエキセントリックなヘアスタイルの
女性が現れた。思わず引いてしまったが、妻をけしかけグレンライオン(グレンリヨンが正しいかも)・ハウスを訪ねると意外にも親切に教えてくれる。
日本の郵便番号程ではないのだろうが、ポストコードは地域を示すものだから、矢印の地点と思いこんではいけないのだが、同じ轍を踏んでしまう。
教えてくれたのは、先ほど通り過ぎた時「大きなお屋敷があるな」と思った場所だった。ようやく辿り着いたが、広い屋敷に幾つもの建物がある。
大きな声で呼び掛けるが、返事がない。牛舎や作業小屋、事務所のような建物をノックしてみるが誰もいない。車に乗って移動し、
本宅らしき建物の前に来たが、建物は囲いの向こうでノックさえできない。囲いの中では大きな黒いドーベルマンが吠え立てる。
1週間前に電話でアレンジメントした時には快く引き受けてくれたのだが、忘れてしまったのだろうか? 諦めかけた時に、若者が車で駆けつけた。
「お待たせして、申し訳ない。どうぞこちらから入ってご自由に」とのことだ。Admissionsを箱に入れ、脇にゲートから入る。
ドーベルマンもゲストと認めたようで吠えなくなった。
ハウスの裏に回るとハウスのテラスより1段低く芝の広場が広がる。周囲は多年草と1年草を組み合わせたボーダーだ。広場はヘッジや果樹で幾つかに仕切られ、
変化を付けている。果樹の足元にも草花が植栽されている。キングサリのアーチもすっきりと美しい。全てが良くコントロールされている。
ベンチやブランコなどのガーデンファーニチャーやモニュメント、オブジェも程良く配置され見応えがある。ホストも誰もいないガーデンを二人きり貸し切りだ。
大きなブランコシートでのんびり。
清々しいガーデンを楽しんでお暇しようとパーキングに向かうと、牛の大群に出合い、慌てて車の陰に避難する。当家の牧牛を牛舎に移しているのだろう。
牛の列は延々と続き、その数は百の単位だろう。眼の先3m位のところを地響きを立てて進む牛は恐怖だ。牧童を指揮している女性が当家の女主人かと思い、
お礼を言うと、滅相もないという顔でかぶりを降り「奥様はお出かけです」とのことだ。階級社会の一端が見えた。
Bolfracks Garden ボーフラックス・ガーデン
ボーフラックス・ガーデンは18世紀の白亜のカントリーハウスの裏斜面に展開する雄大なガーデンだ。
5000坪のガーデンの周囲はエステートが経営する500万坪の有機農場で肉牛やラム肉用の子羊が飼育されているという。
ガーデンも18世紀に端を発するが、多くは20世紀に改造されたガーデンのようだ。エントランスは無人でオネスト・ボックスに入場料を入れて入場する。
ハウスの裏に広大な芝の広場Main Lawnが広がる。周囲は灌木や草花のボーダーが囲み、中には何本かの樹木が経っている。
Main Lawnの上の斜面はヘッジで4つに仕切ってあって、East Lawn、Sundial Garden、Sentre Lawn、Rose Gardenに分かれている。ヘッジの赤い葉の灌木が印象的だが、好みではない。 4つのガーデンの一番上、すなわち一番高い所にはベンチが置かれている。家族連れやカップルなど静かに談笑している。こちらが入って行くと笑顔であいさつしてくれる。 Sentre Lawnのベンチが空いていた。テイ川(River Tay)の流れる谷を見下ろす景色は牧歌的で雄大な眺望だ。 穏やかな陽射しを浴び、谷からの爽やかな風に吹かれていると時間が止まったように感じられる。ゆったりとした時間だ。
西側の半分はWoodland GardenからBurn Gardenへと繋がって行く。Woodland Gardenにはスイセンやブルーベルがわずかに残っている。
東側の芝の広場より厳しい斜面に造られたBurn Gardenの小川の脇にはシャクナゲが咲き乱れている。階段の多い小径をのんびり下る。
Ornamental Gardenとも呼ばれるだけに様々なオーナメントが随所に隠れている。中でも18世紀の当時から得るという地の精(Gnomes)の像が素朴なような、 不気味なような、気になるオーナメントだ(写真上右、下左2枚)。
Beatrix Potter Garden ビアトリクス・ポター・ガーデン
ビアトリクス・ポターといえば、ピーターラビットの作者であり、湖水地方のヒルトップで農場経営をし、自然保護のため土地を購入し、
ナショナル・トラストにその遺産を寄贈した女性と認識していた。そのポターのガーデンが、どうしてスコットランドにと疑問に思ったが、
ポターは幼少のころ、この近くのDalguise Houseに避暑に訪れていたのだという。
期待してやってきたビアトリクス・ポター・ガーデンは小さなものだった。
17時を過ぎ、カフェやショップのあるThe Birnam Instituteは閉まっていたが、その裏の広場にピーターラビットや仲間のキャラクターのブロンズ像が配置されている。
ゲートを潜り、小高い林の中にピーターラビットを発見、仲間はジョセフィンとフロプシー、モプシー、コットンテール達か?
池の縁ではカエルのジェレミー・フィッシャ氏が釣りでもしているのだろうか? キツネのトッド氏はこそこそと逃げ帰るようだ。
岩穴の中の小屋を覗いたらハリネズミのティギー・ウィンクル夫人に睨まれた。園内くまなく探したが、他の仲間達は見当たらない。
Dunkeld ダンケルド
ポター・ガーデンのあるバーナム(Birnam)の街とテイ川(River Tay)を挟んだ対岸が
ダンケルド(Dunkeld)の街だ。どちらも18世紀の面影を残す小さな街だ。
その間に架かる橋がダンケルド橋(Dunkeld Bridge)だ。1809年に造られた7つのアーチを持つ美しい橋だ。
テイ川の黒く澄んだ水に青い空が映り神秘的だ。
街の中心部のダンケルド・クロス(Dunkeld Cross)と呼ばれるAtholl memorial fountainの目の前にパーキング・スペースを見つける。
Atholl memorial fountainは第6代アトール公爵を記念して1866年に建てられたもので、ナショナル・トラストのプロパティーだ(写真右)。
写真を撮影しようとしたら、階段に座って話し込んでいたカップルの男性に露骨に顔をそ向けられた。歴史的建造物の前で座り込んでいる方もどうかと思う。
後ろに見えるCathedral Streetの家々は一様に白い漆喰の荒塗りの壁が特徴的だ。ナショナル・トラストによって18世紀の姿を蘇らせたもののようだ。
Dunkeld Cathedral ダンケルド大聖堂
ダンケルド・クロスから歩いて間もなく、6世紀に端を発するダンケルド大聖堂の美しいゲートに到着。
テイ川の北の畔に立つこの大聖堂は1260年に建築が始まり、1501年に完成したという。240年に亘る建築期間ゆえ、様々な建築様式が混在しているという。
良く眺めて見ると、そこここに違いがある。にもかかわらず、バランスは取れている。
黒味を帯びたグレーの石が荘厳さを際立てる。タワーの迫力も荘重だ。ヒストリック・スコットランド管理のこれほどの遺跡も入場フリーであることがこの国の力だ。
Tigh Na Leigh タイ・ナ・リー
今宵のディナーはタイ・ナ・リーでいただく。このB&Bの自慢はホストのChrisの料理とBettinaの持て成しなのだ。B&Bに戻ったのは予約時間にギリギリだ。
シンプルで清潔な部屋の様子と昨日ガーデンで摘んでいただいたポピーをカメラに収め、急いで着替えてダイニングに行く。
ソファーに導かれ、同年輩の常連客のご夫妻と食前酒をいただく。ガーデン巡りの旅だと伝えると、奥さんが近隣のお薦めガーデンを並べたてる。
部屋に戻って地図を取ってきて場所を示してもらう。記憶の範囲で、新情報の3ヶ所について手帳に書き下ろしてもらう。
後で調べたら1ヶ所は訪問予定のガーデンだったが、新情報の2ヶ所については明日の訪問予定に組み込む。
メニューは今朝出発前に選んである。前菜は・ Melon and Palma Ham と・ Salmon and Bread そして、メインは・ Lamb steak with Potate and haricot bean と
・ salmon with boild potate and aspalagus だ。
料理としては極めてシンプルなものだ。素材を生かすというより素材に頼っていると評価した。これは一昔前のイギリス料理かもしれない。
言ってはなんだが、私に料理させたら、もう少し工夫するだろう。とはいえ、フランクで明るいBettinaの持て成しが楽しいディナーにしてくれる。
エドラダワー蒸留所訪問の報告など話は弾む。
デザートはチーズの盛り合わせとルバーブ(Rhubarb)のクランブルにバナナジュースだ。チーズにリンゴは合うと知っていたが、意外にブドウがとてもマッチした。
しかし、とてものこと完食出来る量ではない。ルバーブはBettinaが昨晩ガーデンを案内してくれた時、巨大な葉っぱの植物の名前を聞いたら
「これはルバーブよ。デザートにすると美味しいの」との会話があったのでオーダーしたのだが、いささか酸っぱ過ぎた。
行程表 戻る |
6月3日 旅行記 |
6月4日 旅行記 |
6月5日 旅行記 |
6月6日 旅行記 |
6月7日 旅行記 |
ノーザンバーランド スコティッシュボーダ編 |
エジンバラ編 | ハイランド編 | スカイ・オーバン編 | 南スコットランド編 |