2010年の旅 エジンバラ編

花花

第6日 5月26日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程        Belsyde --- Linlithgow Palace --- Malleny Garden --- Edinburgh(Castle, Royal Mile, Holyrood Palace) ---
                         Inveresk Lodge Garden --- Belsyde Country House
今日の走行距離      114km
今日の万歩計       17,500歩

Belsyde  ベルサイド

昨夜の就寝は12時になってしまったが、ぐっすり眠り7時起床だ。未明には雨が降ったようだ。気温も8度と寒い。
ベルサイドでの最初の朝食だ。オーダーを取りに来たNan Hayに 「フルイングリッシュ」と注文すると、口の前に人差し指を当てて「フルスコティッシュね」と他のお客さんを見渡す。 そうだった、ここはスコットランドであった。スコットランド人のイングランドに対する対抗(民族)意識は強く、今なお独立機運は高いということで、 ”イングリッシュ”という言葉はご法度だった。新ためて「フルスコティッシュ プリーズ」と言い直す。「ハギス(Haggis)とホワイトプディング(White Pudding)はいかが?」 と薦めてくれる。ご当地料理に敬意を表し「スモール ホワイトプディング プリーズ」としたが、写真下中の通りブラックプディングも含め大変なボリュームに苦しむ。 その上、カリカリ三角トーストに加えて美味しそうなクロワッサンとパンケーキまでが供された。
ダイニングルームの暖炉には火が入っている。部屋数に比べてお客さんの数が多いと思ったら、ここには自炊(Selfcatering)のロッジと(lodge)と トレーラーハウス(Static Caravan)が併設されていて、そこのお客さん達のようだ。

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白壁のカントリーハウスの窓枠ベージュの枠取りと白い桟がとても良い雰囲気だ(写真下左から2枚目)。左の平屋に見える部分が私たちの部屋だ。 平屋に見えるが屋根裏に広い2階があるのだ。
家の周りも綺麗に整備してある。母屋への入り口にもハンギングやポットが置かれている(写真上左)。窓の下には大きなプランターが置かれ、 外からも室内からも楽しめる植栽がされている(写真下左)。ハンギングと言えば高い所という先入観だったが、こんな飾り方もあったのだ(写真下中)。
こちらに来ていつもいつも感じることだが、銅葉色の大きな樹木がとても効果的に使われている。写真下右から2枚目など絵に描いたようだ。
部屋からハウスの裏を見ると羊と一緒に馬が数頭放たれている。後日Nan Hayのお孫さんらしき美少女が乗馬している姿も見られた。

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Linlithgow Palace  リンリスゴー宮殿

リンリスゴー(Linlithgow)はエジンバラ城(Edinburgh Castle)とスターリング城(Stirling Castle)の中間に位置し早くから軍事基地として栄えていたという。 1424年の大火で街は焼失したが、 ジェームズ1世(James T)の命によりその年から リンリスゴー宮殿の 建設が始まり、現在残る建物も一部その当時の物が残っている。湖(Linlithgow Loch)と街に挟まれた低い丘の上に建つ宮殿は"pleasure palace"と呼ばれ、 歴代のロイヤルファミリーに愛されたという。
中庭の中央にある1512年にジェームズ5世(James X)によって造られた噴水(The Fountain)の彫刻が素晴らしい。保護のために7、8月の週末のみ運転されるらしい。 かつては赤ワインが流れていたというから豪気だ。屋上から見られるリンリスゴー湖の風景が爽快だ。
この宮殿は16世紀にはRoyal Nurseryとなり、中でもメアリー女王(Mary Queen of Scots)が1542年に生まれ育ったことでも知られる。

Linlithgow Palace Linlithgow Palace Linlithgow Palace Linlithgow Palace Linlithgow Palace

写真下左2枚に写るシルバーのモダンな尖塔(Crown Steeple)のある建物は隣接する聖マイケルズ教会(St. Michael's Church)だ。こちらも15世紀のものらしい。
宮殿の1、2階は部屋が残っている。キッチンやダイニング、醸造所や貯蔵所などのスペースが多く取られている所などが城との違いのように感じる。
大広間(The Great Hall)もかなりのスペースを取っている(写真下右)。ここで晩餐会などが開かれたことだろう。 ただ、中央に鎮座していた椅子は、木製のお粗末な物に見えた。まさか玉座ではなかろう。
その華やかな宮殿も1745年に火事で焼失し、その後再建されなかったのだ。特に内部が黒ずんで見えるのは焼けた跡なのだろう。

Linlithgow Palace Linlithgow Palace Linlithgow Palace Linlithgow Palace Linlithgow Palace

Malleny Garden  マレニー ガーデン

今日のスタートはマレニー ガーデンから、ナショナルトラスト・フォー・スコットランド(NTS)の管理だ。 イングランドのナショナルトラスト(NT)の会員であればNTSにもフリーで入場できる。ありがたいシステムだ。
17世紀に建てられたという静かな佇まいのハウスの脇から入場する。入口には誰もいない。会員以外は料金箱(Honest Box)に規定の料金を入れて入場する。

Malleny Garden

入口を入るといきなりイチイの巨大なトピアリーが4本立っている(写真右 05年の撮影)。今年は遊び心で4本の木の中央で撮って見た(写真下左)。 中央は日が当らないから枯れて空洞になっている。このトピアリーは樹齢400年を数え、四使徒(Four Apostles)と呼ばれる。 元々は12本あって十二使徒(Twelve Apostles)と呼ばれていたものが、現在は4本だけが残ったという訳だ。
ここでもキングサリの大木が満開で輝いている。珍しい黄色のボタンも巨大だ。南国でもないのにどうしてイギリスの植物は巨大に育つのだろう? フォーマルガーデンのイチイのアーチから四使徒を振り返ったのが下右の写真だ。

Malleny Garden Malleny Garden Malleny Garden Malleny Garden Malleny Garden

このガーデンでもオーナメントやコンテナ、ベンチ、パーゴラなどが程良く配置されている。こういうものがあってこそガーデンと言えるだろう。 私の好きなサンダイアルもある。
ここはバラのコレクションも有名らしいが、残念ながらまだ咲いているものは少ない。そんな中、白いシュラブ・ローズが清楚な姿で楽しませてくれる。
宿根ボーダーもフォーマルガーデンもハーブガーデンもまだまだ花の時期には早過ぎたようだが、これはこれで一つの参考だ。 とにかく手入れの良さには驚かされるが、真似できないことはない。一つの目標ができる。

Malleny Garden Malleny Garden Malleny Garden Malleny Garden Malleny Garden

Edinburgh Castle  エジンバラ城

エジンバラ市内に入る。ナビ子ちゃんの指示に従って走らせたら、5年前と同じエジンバラ城の真下にあるパーキングに着いた。 城の西側にあるパーキングからの眺望は黒い岩(Castle Rock)の上に立つ新兵舎(New Barracks)だ(写真下左)。
城の南側のJohnston Terrace通りには団体客のコーチが目白押しだ。通りから見上げるとCastle Rockがそそり立っている。これでは敵もよじ登ることはできまい。 岩の黒さが不気味な雰囲気で、正に天然の要塞だ。上に立つ建物は大広間(Great Hall)だ。
通りから長い階段を登らなければならない。階段の袂にガイドマップの自販機がある。求めようと後ろに並ぶ。前の3人組の一人がコインを入れても出てこない。 次の一人が試してもやはり出てこない。どうやら故障のようだ。お蔭で2ポンドを失わないで済んだ。
長い階段を登り切り、入り口前の広場に出る。年間百万人を超える観光客を集めるという城の前の広場は大勢ので人で賑わっている。 8月に開かれるミリタリータトゥーの準備も真っ盛りだ。
チケット売り場は長蛇の列だが、ヒストリック・スコットランドのメンバーは並ばなくても案内所でカードを提示するとチケットがもらえる。 5年前はチケットの列に並び、直前に起きたロンドンのテロの影響で手荷物検査まで受けて入場したことを思い出す。

Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle

城の入り口の堀を渡る橋の手前で衛兵と記念写真を1枚。ゲート(Castle Gate)の両脇に彫像がある。左側がスコットランド王ロバート・ザ・ブルース(Robert the Bruce)の像で、 没後600年を記念して1929年に建てられたものだ。24日に訪れたメルローズ・アビーに心臓が埋葬されている。
右側は独立戦争の騎士ウイリアム・ウォレス(William Wallace)の像だ。
写真下右から2枚目はエジンバラに現存するもっとも古い(12世紀)建物である聖マーガレット教会(St. Margaret's Chapel)内のウイリアム・ウォレスのステンドグラスだ。 1922年に4枚が設置された物の一つで、他の3枚は聖人であることからも、ウイリアム・ウォレスがいかにスコットランド人に愛されているかが偲ばれる。 (聖人のステンドグラス3枚は05年の旅日記にアップされている)
写真下右は同じく聖マーガレット教会内の祭壇布(The Altar Cloth)、聖マーガレットの900回目の命日の記念として1993年に新調されたものだという。 こういう場所には珍しく生花が飾られているのが新鮮で印象に残る。

Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle

2つ目のゲートであるアーガイル塔(Angyle Tower)を潜るとすぐ右手がビューポイントだ。ロイヤルマイル(Royal Mile)やプリンスィズ・ストリート(Princes Street)、 カールトン・ヒル(calton Hill)が一望できる絶景だ。写真下左の左手前の黒いタワーがスコッツ・モニュメント(Scott's Monument)、 24日に訪れたスコッツ・ビューで登場した作家Walter Scottを記念した塔だ。時計塔がBalmoral Hotel、遠く右手に見えるパルテノンのような物がNational Monument、 円塔がネルソン・モニュメント(Nelson's Monument)だ。トラファルガーの海戦(Battle of Trafalgar)のネルソン提督を記念したものだ。
左から2枚目の左の緑青の丸屋根はスコットランド銀行、隣の黒い建物がエジンバラ大学のNew College、 右側の木々の向こうに聖ジャイルズ大聖堂(St Giles Cathedral)のクラウン尖塔(Crown Steeple)が見える。
ビューポイントの先がアーガイル砲台(Angyle battery)、良く磨きこまれた大砲が並ぶが、良く晴れた青い空や国立戦争記念館裏のガーデンは暗い歴史を忘れさせるようだ。

Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle

城の奥の方で急病人でも出たらしい、救急車がやってきた。 Foog's Gateという17世紀の狭いゲートを係員の誘導で潜って行った。
幾多の戦いを潜りぬけてきた城だけに、砲台(battery)が随所に築かれている。アーガイル砲台の並びのミルマウント砲台(Mill's Mount Battery)に 1オクロックガン(One o'Clock Gun)が鎮座している。毎日(日曜日、聖金曜日、クリスマスを除く)13時に空砲を発射して市民に時を知らせるという。
頃合いを見計らって来てみると既に大勢が取り囲んでいる。それでも、ベストアングルの最前列を確保でき待つこと暫し。 兵隊さんがゼンマイ仕掛けのような動きでやってきて、あれこれ準備をしている(写真左から2枚目 実は事前に作業着姿で念入りな手入れを済ませているのだ)。 さて、いよいよ発射の瞬間を収めるべくカメラを構えて待つ。いきなりズドンと来た。予想以上の大きな音に体が揺れる。撮れた写真はご覧の通りピンボケだ。 (チキンハートを露呈してしまった お恥ずかしや) その音は2マイル先まで聞こえるというから、びっくりするのも已む無しとしよう。 大きな拍手をもらいゼンマイの兵隊さんも満足げに退場したかと思いきや、再登場して記念撮影に応じている。平和だ。
隣のレストランで一休みする。妻はバナナシェイク、私はイチゴ・バナナ・マンゴーのミックスシェイクだ。甘くて疲れが取れるような気がする。

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再びUpper Wardに戻る。ハーフムーン砲台(Half Moon Battery 写真下左から2枚目)の隣に異様な一団がいる。フォーマルな衣装の男女にコック服の男や 撮影スタッフなどが、シーフードらしきものを囲んで何やらやっている。見事な手長エビやホタテが見える(写真上右)。美味そうだ。
聖マーガレット教会を守るように15世紀に造られた大砲モンスメグ(Mons Meg)が置かれている。 他の砲台の大砲より極めて大きく立派だ(写真下右から2枚目)。 自重6000kgもあり、150kgの石製の砲弾を発射するという。その砲弾も写真の右端に見える。笑ってはいけないのだろうが、ついニヤリ。
キルト姿の衛兵が凛々しくもあり、どこかユーモラスでもある。任務(見張り)に立つ時はいかつい顔をしているが、任務を離れるととても友好的で、 頼めば記念写真にも収まってくれる。
Crown Squareの王宮(Royal Palace)でスコットランドの誉れ(The Honours of Scotland)と称される王冠(The Crown Jewels)と運命の石(即位式の石 The Stone of Destiny)を見る。 王冠は兎も角として、イングランドに奪われ700年の歳月を経て1996年にスコットランドに返還されたといういわくつきの石は「これが・・・?」と思うほど 小さなものだが、スコットランドの愛国者にとっては大きな石であることは疑いない。
1511年に完成した大広間(Great Hall)では武器甲冑の類が綺麗に展示されていた。Scottish National War MemorialとThe Royal Scots dragoon Guards Regimental museumも見学したが、気が沈むのみだ。

Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle Edinburgh Castle

Royal Mile  ロイヤル・マイル

エジンバラ城はかつて王室の居城(Royal Residence)であったが、やがてホリールード宮殿(Holyrood Palace)に移っていく。 エジンバラ城とホリールード宮殿を結ぶ東西約1マイル(1.6km)の道は王室の方々が頻繁に行き来される道、 すなわちロイヤル・マイル(Royal Mile)と呼ばれる。
Castle Gateからロイヤルマイルの方向を望むと元教会で今はハブ(The Hub)と呼ばれ、フェスティバルセンターを始め様々な団体やお店などが入っている建物の ゴシックの尖塔が目に飛び込む(写真下左3枚)。エジンバラ一の高さを誇る。
ロイヤル・マイルの中間点あたりからエジンバラ城方面を見やる(写真下右から2枚目)。手前の時計台の建物も元教会でトロント・カーク(Tron Kirk)と呼ばれる。 その向こうに聖ジャイルズ大聖堂の優美な尖塔が見える。
変わった形のビルがあった帰路ふらりと入った"Peaples Story Museum"の入っている建物で、キャノンゲート・トルボース(Canongate Tolbooth)と呼ばれる(写真下右)。 1591年に建てられ、ここで通行料を徴収したという。また、市役所や裁判所、刑務所も兼ねていたという。 3つの小さな尖塔と共に目を惹くのが時計塔だ。17世紀の時計のレプリカということだ。この辺りから先は同じロイヤル・マイルとはいえ雰囲気が異なってくる。

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St Giles Cathedral  聖ジャイルズ大聖堂

ハブから200mほど進むと右側に聖ジャイルズ大聖堂の美しい姿が見られる。 エジンバラ城からも見えたクラウン尖塔が優美だ。そして、石の色が美しい。柔らかなグレーは薄くピンクを帯びているようにも見える。 12世紀の部分も残っているが、現在の姿は14世紀以降に造られたものだという。
中に入ると美しいステンドグラスと天井が目につく。観光客は大勢いるのだが、閑かで荘厳な雰囲気の中、写真撮影OKを確認しシャッターを押す。 説教壇というのだろうか? 精巧な彫刻が刻まれた白い造作物がある。手摺のある階段の上が壇になっているものだ(写真下右)。素材は大理石だろうか?  どこだったかイタリアの教会で同じような立派な壇を見た記憶がある。

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Royal Mile  ロイヤル・マイル

Caricatures

大聖堂を出て歩きはじめると、筋向いの歩道に人だかりがある。何事かと渡って見ると似顔絵書きだ。 神妙な顔で椅子に座っている親子3人を中学生らしき団体が大勢で取り囲んでいる。絵描きの後ろに回って見ると、特徴を捉えとてもユーモラスに描けている。 看板に"Caricatures"とある。電子辞書で調べると、特徴を大げさに強調して描いた風刺画・戯画ということだ。
面白そうなので我々も1枚書いてもらうことにし、次に書いてもらえるか訊ねるとOKだという。既に3人目のお母さんを書いているところで、 順番は直ぐに回ってきた。幸いにして中学生の団体は去って行ったが、ぽつぽつと人が集まってきて、絵と顔を見比べてにやりと笑う。 どんな風に描かれているのか気になり、少々照れくさい思いだ。体を動かすと「動かないで」との厳しい注意がある。
妻の順番になったようなので、そろりと後ろに回って見る。「これが私? もうちょっとイケメンに描いてよ」と言いたくなる。 また、中学生の団体が戻ってきて冷やかし始めた。人に指を指して喜んでいる。失敬な奴らだ。とはいえ、楽しい思い出になった。
一人描くのに10分余り、料金は一人6ポンド、チップを加えて支払う。

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Palace of Holyroodhouse  ホリールード宮殿

だらだらと下り坂を降りた先がホリールード宮殿だ。 正面の素敵なアイアン・ゲート付近に人だかりがある。いやな予感がする。案の定、王室のどなたかがご滞在中のようでクローズドだ。
宮殿は1128年に修道院として始まったが、15世紀から王室の居城として使われるようになった。今朝訪れたリンリスゴー宮殿で生まれたメアリー女王は 1561年から1567年までここに居住し、22歳で19歳のダーンリー卿(Lord Darnley)と結婚したが、女王の秘書のRizzioがそのダーンリーに目前で殺されるという、 おどろおどろしい事件が1966年にあったという。
しかし、その後も歴代の王と女王は宮殿をスコットランドの居城(Royal Residence)とし発展してきた。今日でも王室のメンバーがエジンバラ訪問の折はここに居住し、 エリザベス女王も毎夏訪れ8000人もの招待客を集め園遊会を催すとのことだ。
クローズドでは仕方がない。外から写真の1枚も撮って帰ろう。混雑している正面のアイアンゲートを避け、Abbey Courthouseとトイレの間の通用門(ここが穴場なのだ)から 宮殿と噴水を撮影していると、正面玄関に人の動きがする。ズームを最大にして撮影してみるとやんごとない雰囲気の女性がお付きを従えて現れたと思ったが 近くにいた事情通らしき女性にもどなたか分からないようだ。
広場中央にある噴水がどこかで見たものと似ている(写真下右)。考えると今朝見てきたリンリスゴー宮殿の噴水と瓜二つだ。 帰国して調べてみると、ヴィクトリア女王(Queen Victoria)がジェームズ5世に張り合って造らせたものだという。面白い記述があった。
その内に、耳慣れた音が聞こえ出しす。バグパイプの演奏だ。そして、勇ましい掛け声とともに、ザッザッという靴の鳴る音が聞こえたと思ったら、 衛兵の隊列が現れた。玄関前の広場を行進し、やんごとない女性のいる正面玄関を謁見行進してアイアンゲートの方に消えて、音楽も止まった。 ここからは死角だ。急ぎアイアンゲートに回ったが、すでに衛兵の姿はなかった。

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Royal Mile  ロイヤル・マイル

さて、帰り道だが05年にはカールトン・ヒルを超えてロイヤル・マイルに戻ったのだが、カールトン・ヒルへの長い登り道や階段、 プリンスィズ・ストリートからロイヤル・マイルへの登り道などを思い出すとその勇気が湧いてこない。(我衰えたり)
ということで、ロイヤル・マイルを戻ることにする。こちらもずっと登りの道なのだ。朝食から飲み物以外口にしていないのでクリームティーにしようと店を探す。 キャノンゲート・カーク(Canongate Kirk ここはエリザベス女王も訪問したという教会)の前に繁盛していそうなお店"Cafe Vivo"が見つかる。 クリームティーをオーダーするとジャムとクロテッドクリームをあらかじめ塗ったスコーンが2つ出てきた。初めての経験だが、塗る手間が省けて良しとしよう。 味は文句なしだが、難を言えば少々狭い。エジンバラの一等地なのだから已むを得ない。お客はひっきりなしだ。
上述のキャノンゲート・トルボースのPeaples Story Museumに入ってみる。 18世紀終わりから現在までの一般の人々の生活・仕事・レジャーに関して、フィギュアを使って分かりやすくディスプレーされている。 廊下にあるリアルなフィギュアにビックリさせられたりする。記念にパンクなお兄さんとツーショット。
ド派手な2階建てサイトシーイングバスが古い街並みにマッチするから不思議だ。屋根なしの2階は今日の気温では寒かろうに客はほとんど2階席だ。

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ロイヤル・マイルで気に入ったサインボードを並べてみよう。左から"The Museum of Childhood"  プライベートコレクションのおもちゃ、人形、ゲームなどの博物館。入ってみると子供の頃遊んだ懐かしいおもちゃを幾つか発見する。日本の玩具も展示されている。
2番目は"Ye Olde Christmas Shoppe" ここは1年中クリスマス。入ってみたが、ピンッと来るものがなく失礼。
3番目は"The Museum of Edinburgh"  先史時代から現代まで首都の歴史を展示している。看板の下部はスコットランドの国花のアザミで間違いないが、上部は輿だろうか? イギリスの乗物の歴史は分からないが、 椅子に掛けた高さで窓もあるのでそう思ったが、どなたかご存知の方はお教えいただきたい。 4番目は"The Witchery by the Castle" 上述のハブの中のあるレストランだ。

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1番目は入場した"Peaples Story Museum"のサインボード。新聞を左手に掲げ大声で叫んでいるように見えるが、まさか競馬に夢中な庶民ではあるまい。
2番目は"The Writers' Museum" デスクに向かい書き物をする図だ。 スコットランドが生んだ3作家、サー・ウォルター・スコット(Sir Walter Scott)、ロバート・ルイス・スティーブンソン(Robert Louis Stevenson)、 ロバート・バーンズ(Robert Burns)に関する博物館だ。
右の2枚は"Gladstone's Land" ナショナル・トラストが管理する16世紀に建てられた6階建ての 裕福な商人のビルなのだが、気になるのは”どうして入口のアーケードに豚がいるの?”ということだ。勿論両方とも造り物だ。興味深いので調べたが、明確な答えは見つからない。
推測されるところは、17世紀には豚に街のゴミを食べさせて掃除をさせていたことを表しているのかもしれない。 豚の上の鳥かごは木製。どちらも17世紀を再現しているということだろう。右のような黒い豚のオーナメントも2体あったが、悪乗りだろう。

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Inveresk Lodge Garden  インヴァレスク・ロッジ・ガーデン

時刻は17時、エジンバラ郊外のインヴァレスク・ロッジ・ガーデンが18時までオープンだ。 静かなガーデンを楽しむにはちょうど良い。ナビ子ちゃんの案内で15分で到着だ。
私には猫の額のようなと言ったら猫が怒りかねないマイガーデンと500坪の広さを誇るが真っ平らで囲いがないのが玉に瑕の陽だまりの2つのガーデンがあるが、 もう1つ庭が持てるならインヴァレスク・ロッジのような庭が欲しい。南東向きの穏やかな斜面にあり、一部は石塀で囲われ、そして見渡す先に池がある。そんな庭だ。
入口に受け付けは無人でオネスト・ボックスが置かれている。レンガ造りで白い木枠の温室(Conservatory)の壁をフクシアが覆っている(写真下左)。 その前にクロケットローンが広がり、その先の斜面の芝のテラスを幾つかに仕切り、ガーデンルームにしている。中心には年代物のサンダイアルが立っている。 何面もの文字盤が付いたユニークなものだ。
訪問者は我々だけだ。聞こえるのは鳥のさえずりだけ、芝生のローンデージーの愛らしさに心安らぐ。次のルームはどっしりとした石の壺が入口にあるボーダーだ。 奥の白いベンチも印象的だ。もう一つのルームは石塀に囲われ、優美なラインを描くヘッジが素敵な花いっぱいの部屋だ。

Inveresk Lodge Inveresk Lodge Inveresk Lodge Inveresk Lodge Inveresk Lodge Inveresk Lodge

Belsyde  ベルサイド

べルサイドの部屋の広さは我が家より広いのではと思うほどだ。2階がベッドルームで、中央にダブルベッドが鎮座、入口から見て右側にシングルベッドと張り出し小部屋、 左側にもシングルベッドとソファーがある。1階はリビング、ダイニング、キッチンとバスルームがある。
折角素敵な部屋なのだから、リビングでのんびり食事をしようとインヴァレスクで話がまとまる。善は急げとガーデンを後にしてリンリスゴーに向かう。 しかし、この時刻食べ物を扱う店はスーパーマーケットかフィッシュ・アンド・チップス屋しかない。リンリスゴーの街外れにテスコ(TESCO)を見付ける。 肉売り場でハムやミートパイなどを求める。少量の注文にも笑顔で応えてくれる。パン売り場でロールパンの小袋を、ワイン売り場では奮発して (と言ってもスーパーに置いてあるワインだから・・・)赤ワイン1本と妻のナイトキャップにシェリーも1本ゲットし、ベルサイドに戻る。
食器もグラスも色々揃っている。盛り付けなどしていると、Nan Hayがやってきてセントラルヒーティングのスイッチの説明をしてくれる。 テレビを見ながら食事をしていたが、暖房が利かない。母屋に連絡すると、イケメンの息子がやってきて修理したが直らないようだ。 今度は大きなヒーターを抱えた旦那を従えNan Hayがやってきて、今夜はこれで暖を取ってくれと言う。ノープロブレム。
良くあることながら、食事半ばになって写真を忘れていたことに気が付く。リビングの写真にワインだけは写っている。ダブルベッドに一人ゆったりと眠る。

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