2010年の旅 スカイ・オーバン編

花花

第27日 6月16日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程        Ards House --- Arduaine Garden --- Kilmartin --- Lady Glassary Wood --- Temple Wood ---
                          Nether Largie cairn --- Brenfield Farm(Accompanied Hacks) --- Oban --- Ards House
今日の走行距離      174km
今日の万歩計       23,100歩

Ards House  アーズハウス

Ards House Ards House Ards House

やや曇り空だ。今日は待望のホーストレッキングがある。雨が降らないよう祈る。
清潔なダイニングには暖炉が焚かれている。日によって気温の差が激しい。
今朝はスコットランド名物ハギスにしたがハギスオンリーはちょっと辛い。妻は今日もスモークトサーモンとスクランブルだ。良く飽きないものだ。 ここの朝食は前夜に伝票の希望の品にチェックをいれて、ダイニングに出しておくシステムだ。妻がフルーツの欄にチェックを入れ忘れた。 その旨マーガレットに伝えると「ノープロブレム」と言って対応してくれた。

Countryside  カントリーサイド

イギリスのカントリーサイドをドライブしているとクラシックカーを良く見かける。古い物を大切にする国民性だから当たり前だが、 その古い物も飾っておくのではなく、生活の中で使っているのが一味違うところだ。家にしろ、家具にしろ、食器類にしろ日常的に使用するのだ。 クラシックカーも同様なのだ。同好の士が集まってのツーリングにも何度か出合っている。
Arduaine GardenのパーキングからLoch Melfort Hotelのパーキングにずらりと居並ぶクラシックカーが見える。20台は下らないだろう。 掃除をしていた従業員に断り見せてもらう。こういう車のオーナーは大概老紳士と相場が決まっている。 のんびりしたツーリングなのだろう、10時になるがオーナーの姿は見えない。

Countryside Countryside Countryside Countryside

Arduaine Garden  アーデュエイン ガーデン

アーデュエイン ガーデンはメルフォート湖(Loch Melfort)に突き出した 小さな半島に造られたウッドランドガーデン(Woogland Garden)だ。ジュラ海峡の(Sound of Jura)の内海にあり暖かい海流が流れ込むので、 世界各地から集められた植物が育ち、野生動物の楽園となっている。
良く整備されたウッドランドを散策する。大きなシャクナゲの木が沢山ある。ビューポイントからは穏やかな海に浮かぶ島々が美しい。 海岸にアザラシの姿を探すが見つからない。

Arduaine Garden Arduaine Garden Arduaine Garden Arduaine Garden

2つあるポンドガーデンが素晴らしい。B&Bのマーガレットお薦めの大きな白いカラーも見つけた(写真下左)。 サギの像があるHeron Pondには大きな植物が茂っている。これだけ濃密な植栽でいてワイルドでない。さすがにナショナル・トラストの管理だ。

Arduaine Garden Arduaine Garden Arduaine Garden Arduaine Garden

バラのアーチや草花の一段と鮮やかなコーナーが現れた。色遣いが素晴らしい。写真下右はウッドランド内のフクシアの巨木だ。シダ類も沢山ある。

Arduaine Garden Arduaine Garden Arduaine Garden Arduaine Garden

Kilmartin Stones  キルマーティン・ストーン

アーデュエインからA816を南下すること10km余りでキルマーティンの村に着く。小さな村だが古い歴史を誇るしっとりと落ち着いた村だ。
村のパーキングに車を止め教会(Kilmartin Parish Church)に向かう。1835年に建設された小さな小ぢんまりした教会だ。 墓地の一隅の屋根の下に中世の墓石を保護している。古くは14世紀初頭から新しくても1712年のものらしい。

Kilmartin Kilmartin Kilmartin Kilmartin

教会の中に入る。奥に3つの石が並んで立っている。いずれも風化が激しいがクロス(Kilmartin crosses)のようだ。1つは9世紀から10世紀のものだという(写真下左3枚)。
教会の隣にミュージアム(Kilmartin House Museum)があり広場で何やらやっている。近付いてみると中世の木工芸のデモンストレーションだ。 木を切る所から見せてくれるのだが、生木だから上手くいかない。服装からしてしっくりこない。ミュージアムはパスしよう。

Kilmartin Kilmartin Kilmartin Kilmartin Kilmartin

Kilmartin Glen  キルマーティン・グレン

キルマーティンの村の南西に広がる牧草地がキルマーティン・グレンと呼ばれる地域で地図を見ると"Cup & Ring Marked Rock"、"Cairn"、"Stone Circle"、 "Standing Stone"などの遺跡がぞろぞろ表示されている。その数は350といわれ、そのうち150は有史以前のものだという。
キルマーティンの村から1km余り南下しB8025に入ると直ぐにカーパークがある。カーパークの反対側の小川の木橋を渡ると 5つのスタンディング・ストーン(Standing Stone)がアルファベットのXの形で立っている。"Lady Glassary Wood"だ。 石の高さはそれぞれ2.7mほどだ。Xの交点に立つ石の表面には幾つもの穴が掘られている(Cup Marked Rock 写真下中2枚)。 他にも幾つかの小さな石が転がっている。今日は羊の姿がない。どこかに遠足中か。人の姿もない。静かさを越え震えを感じるくらいだ。

Kilmartin Kilmartin Kilmartin Kilmartin

幾つかの遺跡を巡るフットパスが完備されている。最初に現れたのは"Temple Wood"というStone Circleだ。南北に2つあり、南のサークル (The southern circle 写真下左)は石を積み上げたケルン(Cairn)の中に直径12mのストーンサークルがあるという変わったものだ。 サークルの石は現在13個だが当初は22個あっただろうという。紀元前3000年の青銅器時代のものだという。 北のサークル(The northern circle 写真下左から2枚目)はより小ぶりの丸い石のケルンの中心と端の2ヶ所に大きな石が鎮座しているシンプルなものだ。
Temple Woodから数百メートル先に見えているのが"Nether Largie Cairns"だ(写真下右2枚)。Nether Largie Cairnsには3つのケルンがあり、 最も南に位置するNether Largie Southだ。新石器時代紀元前4000年頃のものだという。 直径 およそ40m、高さ4mくらいの大きなものだ。
管理する人も訪れる人もいない。小さな入口から中に入れそうだが、畏ろしくまたしても震えを感じる。

Kilmartin Kilmartin Kilmartin Kilmartin

Countryside  カントリーサイド

Countryside Countryside

レンタカーの窓やミラーなどは時折拭いているが、ボディーは汚れたままだ。ペトロール・ステーションで給油していると先客が洗車している。 我が愛車も一度洗車して上げよう。支払いをしながらレジで使い方を聞くと「マシンにコインを投入しろ」とのことだ。 2ポンドを投入すると高圧の水が噴射する。跳ね返りで自らが水を被りそうだ。思わず及び腰になる。続いて車内の清掃だ。 バキュームが1ポンドで4分作動する。シートから足元までくまなく掃除する。後で気が付いたが、"Mat Cleaner"なるものがあったのだ。

Countryside Countryside

次のお楽しみはホーストレッキングだ。約束の時間には少し間がある。馬に乗せてくれるファームの入り口を確認して通過する。 A83沿いのファイン湖(Loch Fyne)の湖岸に眺めの良さそうな場所を見つけ、路肩に駐車して入って行くと先客のカップルがいた。 湖岸に車を乗り入れ、椅子やテーブルを広げピクニックをしている。挨拶をすると「ランチをしているところだ」という。 「私達もそうだ」とチョコレートとクッキーをかじりながら美しい湖面を眺めて暫し過ごす。
「これからこの丘の上をホーストレッキングだ」と別れを言うと「それは良い。どうぞ楽しんで」と手を振ってくれる。

Brenfield Farm  ブレンフィールド・ファーム

ホーストレッキングの情報はスコットランドのどこにでもある。数多い情報の中から”初心者でも安心”をキーワードに選択したのが ブレンフィールド・ファームだ。
14時スタートなので13時40分にファームに着く。初老だが明るく元気な女性が迎えてくれる。 嘗ては騎手だったというトーベ(Tove)だ。 イケメンの若者はお孫さんだろうか? 支払いを済ませると馬の準備をしていた2人の若い女性に紹介される。 ここではホーストレッキングのことを"Accompanied hacks"と表現している。”同伴する貸し馬”といったところだ。客は我々だけだ。 2人が同伴してくれれば心強い。1週間前の予約時に”初心者”を強くアピールしたので配慮してくれたのだろう。

Brenfield Farm Brenfield Farm Brenfield Farm Brenfield Farm

妻が乗る馬は小ぶりな白馬で名はビーンズ(Beans)、小さいのにやんちゃな牡馬だ。私の馬はサムソン(Somson)、がっちりたくましくて大人しい牡馬だ。 共に15歳だという。経験十分で安心して乗ることができる。
A83の西の丘の林を1時間30分のトレッキングは快適そのものだ。前後を2人の女性が護ってくれるし、馬がベテランだからこちらの言うことを聞いてくれる。 騎乗しながら片手で撮影する余裕も生まれる。コースの直ぐ脇に大きな角のハイランドカトルが現れる。長い前髪の隙間から上目遣いに睨まれた。 美しいファイン湖が常に見える。Ardrishaigの村や港も素晴らしい眺めだ。何度か速歩(trot)の走りも楽しめた。
トレッキンが終わるとトーベが紅茶とクッキーで持て成してくれた。「今度は泊りがけでいらっしゃい」と誘ってくれたが、 現在のホームページでは「74歳の高齢になったのでリタイアする」と載っている。1時間近くおしゃべりしてお暇する。

Brenfield Farm Brenfield Farm Brenfield Farm Brenfield Farm

Oban  オバーン

Countryside

オバーンを目指してA86からA816と繋いで1時間15分のドライブだ。途中の道端に面白いオーナメントを発見する。 巨大な手のチェーンソーアートだ。血管までリアルに表現している。どこかへの道標だったろうが、それは見落とした。
お目当てのマクレイグの塔(McCaig’s Tower)に向けてナビ子ちゃんの案内で狭くて急な裏山に登る。なかなか厳しい道程の末、カーパークに辿り着く。 マクレイグの塔は銀行家ジョン・スチュアート・マクレイグ(John Stuart McCaig)によって建設されたものだ。ローマとギリシア建築のファンであった マクレイグはローマのコロシアムをモデルにした建物を建て、博物館と美術館にしようとした。それは冬の間仕事のない石工の雇用にも繋がると考えたのだ。 1897年にはじまった塔の建設は、塔の外郭の建設を終えた1902年マクレイグの死によって中断されたままとなって今に残るのだ。
タワーは周囲200m、94のランセットアーチを持つ壮大なものだ。内側の壁沿いに通路があり、真ん中のマウンドは芝で覆われ、 葉色の違う樹木が程良く植栽されている。ランセットアーチから見下ろすオーバンの街と港は絶景だ。

Oban Oban Oban Oban

Oban  オーバン

EE・USKの予約時間までにはまだ時間がある。一旦B&Bに戻り一休み。 着替えをして再びオバーンへ。
5年越しの願いが叶いこのシーフードレストランの席に座る。ピアに面した見晴らしの良い席だ。オーダーは
・ One Ee-Usk Fishcake  Fresh and smoked salmon blended with potato, served with salad and cucumber mayo
・ Salmon & Langoustines  Poached Salmon and Langoustines in a creamy mornay sauce with Ee-usk chips and salad
・ King Scallops  Local scallops seared and served with savoury mash, side salad and mornay sauce  とシーフード尽くめだ。
先ずはエールビール。ここにでは瓶ビールが出てきた。スターターのフィッシュケーキの写真がないのは、お皿が登場するや手をつけたからだ。 途中で気付いて撮影したが、とてもアップできるものではない。この辺りまでは元気だったのだが、メインが出てくる頃になって胃がムカムカしてきた。 料理の味も分からない。白ワインで無理に流し込む。旅も終盤、疲れが出たのかもしれない。 妻はと見れば、涼しい顔で飲み且つ食べている。タフな人なのだ。
桟橋の帆船でセールを上げ下ろしする体験訓練のようなことをしている。15人くらいが1組でマストに登り、ヤード(横桁)に並んで作業をする。 高所恐怖症の身には見ているだけで背筋が寒くなる。ひょっとするとその所為で体調が悪くなったのかも? 料理もワインも残して引き揚げる。

Oban Oban Oban Oban

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