英国ガーデンは楽しい

花花

1. 英国ガーデンにたどりつくまで   水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

筆者が英国ガーデンにたどりつくまでには、紆余曲折があった。
元来、園芸好きではあった。若い頃には大菊作りなどに手を染めたりもした。
駐車場は50鉢もの3本仕立ての大菊で埋まり、愛車は有料駐車場へ、
平日の水遣りは妻任せで文句はしっかり言わせてもらう。
1週間の出張から夜中に帰宅し、家にも入らず車のヘッドライトを照明に手入れを始める始末。
「子供の顔より菊の顔?」と妻は言う。子供たちは「お父さんの大切なお菊ちゃん」と言う。
消毒を吸い込み中毒で一晩中七転八倒、救急車のお世話になる寸前なんてこともあった。
都会に転勤になり、日当たりの悪い猫の額では花作りもままならなくなり挫折した。


写真は 自作の菊の大輪 三本仕立て
白色は管物、橙色は厚物と呼ばれる

菊
ボタン

時は廻り子供も成長し単身赴任となる。炊事・洗濯・掃除は平日からマメにやった。休日が暇になる。
そんな折、本屋で「奈良 花の寺」という本を見つけた。
寺院の建物と四季の花々が良くマッチした美しい写真に魅了される。
やっぱり花は良い。そして、2週間ごとに訪れる妻とともに寺院詣でが始まった。
4年間で掲載されたお寺は全て網羅した。
その後も転勤の都度、新しい地の寒牡丹から紅葉まで四季のあらゆる花を求め歩き回った。
訪ねた花名所は200ヶ所を優に超えた。繰り返し訪れた場所も多い。




写真は 奈良 長谷寺のボタン
この寺には”椿”、”桜”、”木蓮”、”牡丹”、”石楠花”、”彼岸花”、”紅葉”などを求めて何度も通った。
中でもボタンは秀逸だ。ボタンの見頃を狙って中4日おいて2回通った年もあった。
古びた回廊と豪奢なボタンの対比が私を惹きつける。

高じて海外へとエスカレート。ライン下り・ロマンティック街道・スイス・パリ周遊、イタリア縦断10都市などという
殺人的スケジュールのツアーに参加した。
そして妻が見つけてきたのが、コッツウォルズ・ホームステイ&ヴィレッジ・ホッピングなるツアーである。
コッツウォルズの民家にホームステイしガーデン巡り、ヴィレッジ・ホッピング(可愛い絵のような美しい村々を巡るツアー)、
パブリックフットパス・ウォークを楽しむツアーだ。
ガーデン巡りの中で普段はなかなか見られない、ナショナル・ガーデン・スキム登録の個人のお庭のバック・ヤードを見学する機会を得た。
また、ステイ先のホストはリタイア後、コッツウォルズにコテージを求めて移住し、間もない方であった
(これがイギリス人のリタイア後の憧れの姿らしい)。そのガーデン造りのプロセスを垣間見ることもできた。

Cotswold Cotswold
パブリック・フットパスで出合った民家のバックヤード
エバーグリーンの芝 パステルカラーの草花 葉色の多様さ
目を奪われ立ち尽くすのみ 花への思いが変わった
ロンドンで訪れたプライベートガーデン
ナショナル・ガーデン・スキム登録のガーデン
年数日、最も美しい時期にチャリティーで公開される

ここで目からうろこが落ちた。プライベート・ガーデンの美しさとガーデニングへの思い入れに打たれた。
「花は育てるものだ」・・・と原点に戻った。
それ以来、英国のガーデニングに接し、癒され、学ぶために個人ドライブ旅行を始めて6年。延べ70日におよぶ。
訪ねるたびに新しい発見があり、飽きることを知らない。ますますその深みにはまりそうだ。
次回からは英国ガーデンの楽しさ・素晴らしさをお伝えしたい。


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